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【発明の名称】 LEDを光源とする車両用灯具
【発明者】 【氏名】村上 敬

【要約】 【課題】各LEDの出射光の指向性を個別に向上させることができ、それにより、アウターレンズの湾曲が大きい部分でも外から見た場合の輝度が落ちないようにする。

【解決手段】曲面状に形成されたアウターレンズ11の内側に、多数のLED15を光源として配列した車両用灯具において、アウターレンズ11の内側に、開放した前面を同一方向に向けた多数の小ボックス14をアウターレンズの曲面に沿って階段状に配列し、各小ボックスの内部にLED15を配置すると共に、各小ボックスのLED15の前側にインナーレンズとしてのフレネルレンズ16を配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 曲面状に形成されたアウターレンズの内側に、多数のLEDを光源として配列した車両用灯具において、前記アウターレンズの内側に、開放した前面を同一方向に向けた多数の小ボックスをアウターレンズの曲面に沿って階段状に配列し、各小ボックスの内部にLEDを配置すると共に、各小ボックスのLEDの前側にインナーレンズとしてのフレネルレンズを配置したことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項2】 請求項1記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記小ボックス間の仕切壁をフレネルレンズから出射した光の反射面として利用することを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のテールランプやストップランプに使用される、LED(発光ダイオード)を光源とした車両用灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】LEDを光源とした車両用灯具は、例えば特開平6−349306号公報等において知られている。同公報に記載の灯具は、図5に示すように、光源としての多数のLED1を搭載したLED基板2(2a〜2h)を灯具ハウジング3内に収容し、灯具ハウジング3の前面に設けたアウターレンズ4を通して、LED1の光を外部に出射させるようにしたものである。
【0003】この場合、アウターレンズ4が曲面状に形成されているので、その曲面に合わせてハウジング3を階段状に形成し、階段の各段上に、分割した各LED基板2a〜2hをそれぞれ配置して、これにより、アウターレンズ4のプリズム(レンズカット部)4aとLED1とが等間隔となるように設定している。このように各プリズム4aとLED1とが等間隔となるように設定したことにより、アウターレンズ4の外から見た場合の輝度の不均一化を防ぐことができ、見栄えをよくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の車両用灯具は、アウターレンズ4の湾曲が小さい場合には特に問題はないが、回り込み部のように湾曲が大きい部分がある場合には、当該部分でアウターレンズ4上のプリズム4aと全て同じ方向を向けて配置したLED1の関係が不適正となるため、LED1の出射光の指向性が悪化し、輝度が落ちるという問題がある。
【0005】従って、回り込み部の輝度を落としたくない場合は、その部分のLED1の個数を増やすなどして対応せざるを得なかった。
【0006】本発明は、上記事情を考慮し、各LEDの出射光の指向性を個別に向上させることができ、これにより、アウターレンズの湾曲が大きい部分でも外から見た場合の輝度が落ちず、従ってLEDの個数を増やすなどの対策の必要がない、LEDを光源とする車両用灯具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成するため請求項1の発明は、曲面状に形成されたアウターレンズの内側に、多数のLEDを光源として配列した車両用灯具において、前記アウターレンズの内側に、開放した前面を同一方向に向けた多数の小ボックスをアウターレンズの曲面に沿って階段状に配列し、各小ボックスの内部にLEDを配置すると共に、各小ボックスのLEDの前側にインナーレンズとしてのフレネルレンズを配置したことを特徴とする。
【0008】この車両用灯具では、各小ボックス内のLEDから発せられた光はフレネルレンズで集光された上で、アウターレンズを通して外部へ出射される。この場合、各小ボックス毎にフレネルレンズを配置しているので、アウターレンズの曲率などに関係なく、小ボックス毎に個別にLEDとフレネルレンズを最適な関係で対応させることができる。従って、アウターレンズの回り込み部(曲面のきつい部分)においても、LEDの出射光の指向性を高めることができ、同部において輝度が落ちるのを防止することができる。
【0009】ここで、アウターレンズにプリズムがカットされている場合は、該プリズムによって配光制御することができる。また、アウターレンズが素通しの場合は、フレネルレンズ自体のプリズムで集光し且つ配光制御することができる。
【0010】また、指向性の確保により、回り込み部においても輝度を落とさなくなるので、輝度の低下する部分のLEDの数を増やす必要もなくなり、LEDの個数の節減が図れる。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記小ボックス間の仕切壁をフレネルレンズから出射した光の反射面として利用することを特徴とする。
【0012】この車両用灯具では、小ボックス間の仕切壁によって、フレネルレンズから出射した光を反射することができ、輝度を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は、実施形態の車両用灯具(例えばテールランプやストップランプ等)の正面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図1のIII−III矢視断面図、図4は図3の部分拡大図である。
【0015】この車両用灯具は、透明樹脂材料よりなるアウターレンズ11を有している。このアウターレンズ11は、回り込み部分を有するため、全体が3次元的な湾曲面状に構成されている。このアウターレンズ11の内側には、正面から見た場合に網目状をなすLED取付枠12が配されている。
【0016】このLED取付枠12には、縦横の仕切壁13で画成された小ボックス14が多数配列されている。LED取付枠12は、アウターレンズ11の曲面に沿って形成されているため、多数の小ボックス14は、曲面に従って階段状に並んでいる。
【0017】各小ボックス14は、前面が開放しており、開放した前面を全て前方に向けた姿勢で並んでいる。そして、各小ボックス14の内部に、光軸を全て前方に向けた姿勢でLED15が配設され、各小ボックス14の開放した前面に、LED15と光軸を揃えた姿勢でフレネルレンズ16が、LED15の出射光を集光するためのインナーレンズとして配置されている。なお、各LED15は、小ボックス14の後端に取り付けた分割基板17にそれぞれ搭載されている。
【0018】また、小ボックス14を仕切っている仕切壁13は、階段状に小ボックス14が配列されている関係上、ある部分では、例えば図4に示すように、下側の仕切壁13がフレネルレンズ16よりも前方にテラス状にせり出している。そこで、このフレネルレンズ16よりも突出した部分を、フレネルレンズ16から出射した光の反射面として利用することにし、反射しやすい構成にしている。
【0019】すなわち、この例では、支持枠12全体を白色系の樹脂で成形したり、表面加工により鏡面化することにより反射しやすくしている。
【0020】次に作用を説明する。
【0021】この車両用灯具では、各小ボックス14内のLED15から発せられた光は、LED15の直前に配したフレネルレンズ16で集光された上で、アウターレンズ11を通して外部へ出射される。
【0022】この場合、各小ボックス14毎にフレネルレンズ16を配置しているので、アウターレンズ11の曲率などに関係なく、小ボックス14毎に個別に、LED15とフレネルレンズ16の位置関係を最適な関係に設定することができる。例えば、LED15とフレネルレンズ16の距離を全部一定に揃えたり、LED15とフレネルレンズ16の光軸を一致させたりすることができる。
【0023】従って、図2において符号Wで示すようなアウターレンズ11の回り込み部(曲面のきつい部分)においても、LED15の出射光の指向性を高めることができ、同回り込み部Wにおいて輝度が落ちるのを防止することができる。また、小ボックス14間の仕切壁13によって、フレネルレンズ16から出た光を反射するようにしたので、いっそう輝度を高めることができる。
【0024】このように、アウターレンズ11の回り込み部Wにおいても輝度を落とさないようにすることができるので、輝度の低下する部分のLEDの数を増やす必要がなくなり、LED15の個数の節減が図れる。
【0025】ここで、アウターレンズ11にプリズムをカットする場合には、そのプリズムによって、フレネルレンズ16から出た光の配光方向を制御することになるが、アウターレンズ11を素通しレンズとする場合には、フレネルレンズ16自体のプリズムによって、集光と共に、配光方向を制御することになる。
【0026】なお、上記実施形態では、縦横の仕切壁13で小ボックス14を形成する関係上、小ボックス14の断面形状が四角形の場合を示したが、小ボックスの断面形状は任意の形状に設定して構わない。例えば、小ボックスの断面形状を六角形にして、LED取付枠を正面視ハニカム形状に形成することもできる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、アウターレンズの内側にアウターレンズの曲面に沿って多数の小ボックスを階段状に配列し、各小ボックス毎に個別にLEDとフレネルレンズとを配置したので、アウターレンズの曲率などに関係なく、LEDとフレネルレンズを最適な関係で対応させることができる。従って、アウターレンズの回り込み部においても、LEDの出射光の指向性を高めることができて、輝度が落ちるのを防止することができる。また、その結果、LEDの数を部分的に増やす必要がなくなり、LEDの個数の節減が図れる。
【0028】また、請求項2の発明によれば、小ボックス間の仕切壁をフレネルレンズから出射した光の反射面として利用するようにしたので、いっそう輝度を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成10年10月9日(1998.10.9)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−123610(P2000−123610A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−288479