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【発明の名称】 屋内用補助照明器具
【発明者】 【氏名】岩井 彌

【氏名】齋藤 良徳

【氏名】野口 公喜

【氏名】山口 昌男

【要約】 【課題】部屋空間の高い明るさ感を少ないワット数すなわち省エネルギーで得ることができる屋内用補助照明器具を提供する。

【解決手段】低反射率の壁1を有する住宅屋内の室内の全体を照明する主照明器具とは別に、室内の前記壁に設置される屋内用補助照明器具であって、主照明器具とともに発せられる光により照射される壁1の壁面各点に対する照度の最大値Emax (lx)に対し、0.8×Emax /π≦L≦Emax /πの範囲内の輝度L(cd/m2 )で点灯する発光面を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 低反射率の壁を有する住宅屋内の室内の全体を照明する主照明器具とは別に、前記室内の前記壁に設置される屋内用補助照明器具であって、前記主照明器具とともに発せられる光により照射される前記壁の壁面各点に対する照度の最大値Emax (lx)に対し、0.8×Emax /π≦L≦Emax /πの範囲内の輝度L(cd/m2 )で点灯する発光面を有することを特徴とする屋内用補助照明器具。
【請求項2】 前記壁に対して照明する光源または光源と反射板を具備している請求項1記載の屋内用補助照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、屋内用補助照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低反射率の壁を有する部屋空間は、壁の反射率が低反射率である特性上、高反射率の壁を有する部屋に比べて明るさ感が低く、陰気感等の不快な心理効果を生じやすい。そのため、陰気な感じを与えないような明るさ感を確保する照明が望まれる。ここでいう明るさ感とは、部屋空間全体に対して感じる明るさの印象のことを示しており、机上面照度で評価される視作業面の明るさとは異なるが、視作業面の明るさと同様、部屋の照明の良否を決める重要な人間の感覚量である。
【0003】以上述べてきたように、低反射率の壁を有する部屋空間においては、陰気な感じを与えないような明るさ感の確保が必要であるため、従来、低反射率の壁を有する部屋には、主照明とは別の照明器具を壁に設置し、主照明器具のみの明るさ感よりも高い明るさ感を確保し、陰気感を防止する照明手法が良く用いられていた。これは明るさ感には壁面輝度、すなわち壁面の明るさが明るさ感に強く寄与していること(例えば、D.L.Loe,K.P.Mansfield and E.Rowlands:"Appearranceof Lit Environment and Its Relevance in Lighting Design:Experiment Study",Light.Res.Technol.,26-3,pp.119-133(1994)など) から考えられた手法である。そして、この手法で用いられる壁に設置される従来照明器具は、光源が隠されて高輝度の領域が存在しないタイプか、透過拡散パネルを通して光源が見え、高輝度領域が存在する2つのタイプが存在する。
【0004】しかし、これら従来照明器具において、光源の隠れたタイプの照明器具は、光源が見えないために、器具から出る光の照射により、器具の周りの壁面の輝度が上昇し、明るさ感は高まるが、器具周りの壁面輝度との対比により、器具そのものの見え方は陰となり、明るさ感を低下させる方向に作用するため、壁面の輝度上昇で期待されるほど、明るさ感は高くならない。
【0005】一方、拡散パネルを通して光源が観察されるタイプの照明器具は、これら照明器具を観察した時に器具自身の輝度が高いため、その照明器具からの光の照射により輝度は高くなっているものの、対比効果により照明器具周りの壁面の明るさは暗く知覚され、明るさ感の向上は、壁面の輝度上昇で期待されるほど、明るさ感は高くならない。
【0006】明るさを高めるために、輝くように知覚される発光面を照明器具に具備させる方法(特開平8-279306号) があるが、この方法においては、輝くように知覚される高輝度の領域は壁面とは別位置の天井面に設置され、壁と高輝度領域が同時に観察されることはないため、対比効果を生じることはなく、照明器具の光が壁面を含む空間を照射しているという認識を与え、効果的に明るさ感を高めることができる。しかし、壁に設置される照明器具においての輝きを知覚させる高輝度の発光面は、壁面を観察した時に壁面と同時に観察されるため、上記の光源の観察されるタイプの照明器具同様、対比効果を生じ、壁面が暗く知覚され、効果的に明るさ感を高めるこはできない。
【0007】
【特明が解決しようとする課題】したがって、この発明の目的は、部屋空間の高い明るさ感を少ないワット数すなわち省エネルギーで得ることができる屋内用補助照明器具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の屋内用補助照明器具は、低反射率の壁を有する住宅屋内の室内の全体を照明する主照明器具とは別に、前記室内の前記壁に設置される屋内用補助照明器具であって、前記主照明器具とともに発せられる光により照射される前記壁の壁面各点に対する照度の最大値Emax (lx)に対し、0.8×Emax /π≦L≦Emax /πの範囲内の輝度L(cd/m2 )で点灯する発光面を有することを特徴とするものである。
【0009】請求項1記載の屋内用補助照明器具によれば、補助照明器具を主照明器具と共に用いることで、従来の照明器具に見られる、照明器具からの照明による壁面輝度の上昇で明るさ感が高まるだけでなく、補助照明器具が反射物体と知覚され、光源の見えとはならないので、対比効果により壁面が暗く知覚されることがなく明るさ感が低下する現象は生じない。また器具の見えは高反射物体であるので、器具の見えが陰とはならず、明るさ感の低下現象は生じず、さらに高反射物体の存在のために、部屋空間の明るさ感がより高まる。壁面の照度は主照明器具からの光のみならず、補助照明器具からの光も加わっており、その足しあわされた照度に対して、この補助照明器具の観察される発光面は高反射物体と認識されるため、主照射面から出ている実際の光よりも、より強い光で高反射率の物体と認識される器具発光部が主照明により照明されていると認識され、より明るさ感は高まる、という効果も生じ、従来と同光束でありながら、従来器具よりも高い部屋の明るさ感を得ることができるようになる。部屋の照明に対して「明るさ」を望む声は高く、この補助照明器具の使用により、人にとって快適な照明空間を提供することができる。
【0010】また、この補助照明器具は、従来の照明器具で提供された明るさ感と同じ明るさ感を少ないエネルギーすなわちワット数で提供することもできることから、省エネルギーにも貢献する。
【0011】請求項2記載の屋内用補助照明器具は、請求項1において、前記壁に対して照明する光源または光源と反射板を具備しているものである。
【0012】請求項2記載の屋内用補助照明器具によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施の形態を図1から図4により説明する。すなわち、この屋内用補助照明器具は、主照明器具(図示せず)が照明される壁1の壁面に設置されるもので、点灯回路2と、光源3と、反射板4と、高拡散パネル5と、これらを保持する支持部6とを有する。支持部6は壁1に取付けられている。光源3は円形をなし、支持部6の前方に配置されている。反射板4は円形の光源の光を壁1の壁面に照射するためのものである。高拡散パネル5は円形光源3の前面を覆うように配置され、連結部7を介して高拡散パネル5に支持されている。
【0014】この高拡散パネル5は、光源3および反射板4の光の一部を拡散透過させる拡散性の透過パネルであり、この補助照明器具および主照明器具から照明される、補助照明器具を設置する壁面各点に対する照度の最大照度Emax (lx)に対し、0.8×Emax /π≦L≦Emax /π の範囲内の輝度L(cd/m2 )で、器具発光面を均一に例えば白色で、呈示することができる。
【0015】先に述べたように、低反射率の壁を有する住宅屋内の室内の壁に設置され、室内全体を照明する主照明とは別で、主照明とともに設置される補助照明器具の、観察された時の輝度は、光源が隠されて高輝度の領域が存在しないタイプのように低輝度であっても、透過拡散パネルを通して光源が見えるタイプのような高輝度であっても、その器具から照明される壁面輝度の上昇に比べて、明るさ感を効果的に高めることはできない。
【0016】この補助照明器具は、このような問題を解決する手段として、観察される器具の輝度を器具の見えが陰のように暗く感じるほど低輝度ではなく、また対比効果により器具が設置される壁面が暗く知覚されるほど高輝度でない適切な輝度とするものである。
【0017】すなわち、器具自身の観察される輝度が対比効果を生じないためには、器具自身の見え方が発光している光源の見えにならないようにすれば良い。100%の反射率を有する紙等の拡散性の高い反射物体にE(lx)の照度で照明されると、その時の反射物体の輝度はE/π(cd/m2 )となる。すなわち、照明器具を設置する壁面各点に対する照度の最大照度Emax (lx)に対し、照明器具の発光面がEmax /π(cd/m2 )以下の輝度で、かつ均一であれば、反射物体と知覚され、光源の見えとはならない。
【0018】一方、照明器具により照明される領域に、80%以上の高反射率の物体が存在することで、その照明器具により照明される部屋に対して感じる明るさ感は、同じ光束でもより高くなる。
【0019】例えば図2は、反射率80%の椅子、カーテンを置いた80%の壁反射率を有する10畳相当の部屋の1/8スケールの模型空間(以後、基準空間と呼ぶ)の写真である。図3は、壁の反射率が20%である以外は図1と同じ内装、同じスケールの模型空間(評価空間A)の写真である。図4は、図3の模型空間の什器を低反射率のものに変えた模型空間(評価空間B)の写真である。表1は水平面照度580(lx)の基準空間と同じ明るさ感となる評価空間Aと評価空間Bの水平面照度を、恒常法を用いて求めた実験結果を示している。
【0020】
【表1】

表1は同じ20%の反射率の壁を有する部屋空間であっても、部屋に設置された照明器具により照明される領域に、図3に示すように高反射率の物体が存在すると、図4に示すように高反射率の物体が存在しない場合に比べて少ない照度で、反射率80%の壁を有する部屋空間と同じ明るさ感を得ることができることを示している。すなわち、部屋内の高反射物体の存在が、低反射率の壁を有する空間の明るさ感を高めることを図3は示している。逆に高反射率の物体が存在しないときは器具全体の光束のアップのため多くのエネルギーを必要とする。
【0021】この補助照明器具は、照明器具とは別に設置される主照明器具からの光と、この補助照明器具からの光とから照射される補助照明器具を設置する壁面各点に対する照度の最大値Emax (lx)に対し、0.8×Emax /π≦L≦Emax /πの範囲内の輝度L(cd/m2 )で、照明器具の観察される発光面が均一、かつ白色で呈示されることを特徴としている。
【0022】第1の実施の形態によれば、補助照明器具を主照明器具と共に用いることで、従来の照明器具に見られる、照明器具からの照明による壁面輝度の上昇で明るさ感が高まるだけでなく、補助照明器具が反射物体と知覚され、光源の見えとはならないので、対比効果により壁面が暗く知覚されることがなく明るさ感が低下する現象は生じない。また器具の見えは高反射物体であるので、器具の見えが陰とはならず、明るさ感の低下現象は生じず、さらに高反射物体の存在のために、部屋空間の明るさ感がより高まる。壁面の照度は主照明器具からの光のみならず、補助照明器具からの光も加わっており、その足しあわされた照度に対して、この補助照明器具の観察される発光面は高反射物体と認識されるため、主照射面から出ている実際の光よりも、より強い光で高反射率の物体と認識される器具発光部が主照明により照明されていると認識され、より明るさ感は高まる、という効果も生じ、従来と同光束でありながら、従来器具よりも高い部屋の明るさ感を得ることができるようになる。すなわち、あたかも主照明器具からの強い光によって、反射率80%以上の高反射率の壁面が照射されているかのような認識がなされ、低反射率の壁に対して光束アップをしなくとも明るさ感を維持できる。
【0023】部屋の照明に対して「明るさ」を望む声は高く、この補助照明器具の使用により、人にとって快適な照明空間を提供することができる。この補助照明器具は、例えば反射率30%以下の低反射率の壁を有する部屋の壁に設置される場合に有効である。
【0024】また、この補助照明器具は、従来の照明器具で提供された明るさ感と同じ明るさ感を少ないエネルギーで提供することもできることから、省エネルギーにも貢献する。
【0025】この発明の第2の実施の形態を図5により説明する。すなわち、この屋内用補助照明器具は、第1の実施の形態の照明器具の器具前面に設置された拡散透過パネルの代わりに、補助照明器具および主照明器具からの光によって照明される、補助照明器具を設置する壁面各点に対する照度の最大照度Emax (lx)に対し、0.8×Emax /π≦L≦Emax /π の範囲内の輝度L(cd/m2 )で、器具発光面を均一に呈示することのできるLED等の別光源8を器具前面に設置している。5′は別光源8の前面を被覆する高拡散パネルである。9は別光源用点灯回路であり、支持部6に設けている。その他は第1の実施の形態と同様である。
【0026】この発明の第3の実施の形態を図6により説明する。すなわち、第1の実施の形態の補助照明器具の器具前面に設置された高拡散パネル5に絵文字10を描いている。
【0027】第3の実施の形態によれば、高拡散パネル5の白色等の発光面を背景にして、絵や文字が書かれていると、発光面のむらが目立ちにくくなり、均斉度の悪い発光面に対しても第1の実施の形態の効果を生じさせることが可能となる。また第3の実施の形態を第2の実施の形態に適用することも可能である。
【0028】なお、この発明において、光源2および反射板4で壁1を照明したが、反射板4はなくてもよい。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の屋内用補助照明器具によれば、補助照明器具を主照明器具と共に用いることで、従来の照明器具に見られる、照明器具からの照明による壁面輝度の上昇で明るさ感が高まるだけでなく、補助照明器具が反射物体と知覚され、光源の見えとはならないので、対比効果により壁面が暗く知覚されることがなく明るさ感が低下する現象は生じない。また器具の見えは高反射物体であるので、器具の見えが陰とはならず、明るさ感の低下現象は生じず、さらに高反射物体の存在のために、部屋空間の明るさ感がより高まる。壁面の照度は主照明器具からの光のみならず、補助照明器具からの光も加わっており、その足しあわされた照度に対して、この補助照明器具の観察される発光面は高反射物体と認識されるため、主照射面から出ている実際の光よりも、より強い光で高反射率の物体と認識される器具発光部が主照明により照明されていると認識され、より明るさ感は高まる、という効果も生じ、従来と同光束でありながら、従来器具よりも高い部屋の明るさ感を得ることができるようになる。部屋の照明に対して「明るさ」を望む声は高く、この補助照明器具の使用により、人にとって快適な照明空間を提供することができる。
【0030】また、この補助照明器具は、従来の照明器具で提供された明るさ感と同じ明るさ感を少ないエネルギーすなわちワット数で提供することもできることから、省エネルギーにも貢献する。
【0031】請求項2記載の屋内用補助照明器具によれば、請求項1と同様な効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成10年10月19日(1998.10.19)
【代理人】 【識別番号】100076174
【弁理士】
【氏名又は名称】宮井 暎夫
【公開番号】 特開2000−123605(P2000−123605A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−296869