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【発明の名称】 太陽追尾反射鏡
【発明者】 【氏名】奥山 雄司

【要約】 【課題】陽当たりの悪い建物に日光をあてるための維持費の低い反射鏡を提供する。

【解決手段】二軸の回転軸を持つ台座(1)の上に鏡(4)を持ち、鏡のついた台座毎にモータの制御部を有し、電源部(5)が自然界のエネルギーを電力に変換することでなる構造とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一軸はモータ(6)により回転可能な二軸の回転軸を持つ台座(1)と、台座(1)の上の鏡(4)と、自然界のエネルギーを電力に変換することでなる電源部(5)と、台座毎のモータの制御部を有し、地球上から見た太陽の運行を追尾して、地球上に固定された点に太陽光を反射することを特徴とする太陽追尾反射鏡。
【請求項2】 太陽の運行を追尾する制御が、反射鏡に備えた時計による時刻をもとに軌道計算をしてなることを特徴とする請求項1に記載の太陽追尾反射鏡。
【請求項3】 反射鏡に備えた時計が、電波時計であることを特徴とする請求項2に記載の太陽追尾反射鏡。
【請求項4】 台座の上の鏡(4)が曲面鏡であることを特徴とする請求項1に記載の太陽追尾反射鏡。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上に固定された点に太陽光を反射する反射鏡の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】陽当たりの良い住環境は多くの人の望むものであるが、都市部では建造物が密集しているために、かならずしも満足できる状況にないことが多い。
【0003】北半球の北向きの部屋では、陽射しが射さないし、東向き、西向きの部屋でも、陽射しが射す時間帯は東向きならば午前中、西向きならば午後といったように限られている。
【0004】また、南向きの部屋であっても、中低緯度地帯の南北に長い部屋では部屋の奥の方まで陽射しが射すことはない。
【0005】そこで陽当たりが良く、目的の窓の見える位置に、二軸の回転軸を持つ台座の上に鏡を持ち、地球上から見た太陽の運行を追尾して、鏡に日光が当たっている時間帯はいつも建造物の目的の窓に太陽光を反射する太陽追尾反射鏡を設置することを考えてみる。以下、太陽追尾と言っても、日光の反射光を定点に照射するのだから、鏡の向きは太陽をそのまま追尾するわけではないことをことわっておく。
【0006】従来の太陽追尾反射鏡としては、太陽光を集光して各種の物質を加熱する目的のものが存在した。詳しくは直射日光を受ける太陽追尾反射鏡を多数設置してその反射光を固定された曲面鏡に照射し、曲面鏡の焦点に加熱したい物質を置くシステムの一部として使用された例が25年以上前からある。
【0007】このようなものは、特殊な研究や産業用のものであるから、設置、維持、管理に充分な費用をかけることが出来る。従来の例では多数の太陽追尾反射鏡の制御は中央の制御部から動かすための電力と制御信号とを供給していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれを家庭用に用いるためには、何よりも安価でなければならない。電源設備のない場所にも設置でき、維持のためにも殆ど手間のかからない物にすることが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】鏡のついた台座毎にモータの制御部を有し、電源部が自然界のエネルギーを電力に変換することでなる構造とした。
【0009】太陽の運行を追尾する制御は、装置内部に備えた時計による時刻をもとに軌道計算をして行うことが、反射鏡の位置決め精度を向上させるのに有効である。
【0010】装置内部に備えた時計として、電波時計を利用すると、長期に渡って時刻の精度を容易に維持することが出来るため、保守の手間を省くことに有効である。
【0011】台座の上の鏡が曲面鏡であると、反射した日光を拡散させたり、凝集させることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1は、本反射鏡の構造の例を示す。(1)は台座、(2)はθx回転軸、(3)はθy回転軸、(4)は鏡、(5)は電源部である。本実施例では電源部(5)として太陽電池を使用している。太陽電池は鏡の一部を利用して取り付けている。鏡の下端部は、回転時に取り付け面と干渉することの無いように曲線状に切り欠いている。θx回転軸(2)、とθy回転軸(3)はモータ(6)を備えている。θx回転軸(2)の回転機構は装置内部に、θy回転軸(3)の回転機構はモータ側のピニオンと台座側のラックよりなっている。
【0013】図2は本反射鏡の典型的な使用法を示している。南側の建物(8)により陽が射さない家(9)の場合である。本反射鏡(11)はなるべく陽当たりの良い位置に設置し、目標とする位置に日光を反射する。この例では北側の窓(7)から日光を取り入れ、天井に照射して部屋全体を明るくしている。
【0014】図3は、更に日照条件が悪い場合の実施例である。北側の建物(10)の外壁に本反射鏡(11)を設置し、一度地面近くの第2の鏡(12)に反射させてから北側の窓(7)から日光を取り入れている。このように、直射日光を本反射鏡で受けた後、複数の鏡を使用して、何度も反射させて目標の場所に日光を導くことも出来る。
【0015】太陽の運行の検出は、装置内部に備えた時計による時刻をもとに軌道計算をして行うことが出来る。軌道の計算方法は、例えば、「マイコンが解く天体の謎」(誠文堂新光社)に詳しい。また、太陽の方角(赤経、赤緯)を、輝点を追尾するフィードバック制御やビデオカメラを用いた画像処理を用いて検出する事もできる。このようにして求めた見かけ上の太陽の方角と、目標の点の方角のちょうど中間の方角を、鏡が向くように制御を行う。
【0016】本反射鏡は陽当たりの良い位置に設置し、日照時間のみモータを制御すればよいから、電源としては太陽電池が最適であるが、風力発電等を利用しても良い。
【0017】1日のうちの見かけ上の太陽の運行は、地軸を中心とした回転である。このため季節的な変動を手動で補正すれば、モータにより回転させる軸は1軸のみでも良いことがある。しかしこの場合は、回転軸の設定は緯度と季節と反射光の目標点の位置の関数になり、調整が難しいので、2軸ともモータで動かせるようにする方が設置が楽である。
【0018】反射鏡として凸面鏡を使用すると、鏡の面積よりも大きな面積を照射できる。広い面積全体を明るくできるので、照明に適している。
【0019】反射鏡として凹面鏡を使用すると、光を集中させることが出来る。
【0020】本反射鏡は、反射鏡の目標点に置いた太陽電池の発電効率の向上にも有効である。太陽電池は鏡よりも面積当たりの価格が高価であるので、本反射鏡により反射光を太陽電池に照射すると、発電コストの低減が期待できる。このときに凹面鏡が有効である。
【0021】太陽電池の発電効率の向上には、凹面鏡を使わずに、平面鏡の複数の使用も有効である。
【0022】凹面鏡は、照明の目的であっても、日光を導く経路が細いときに、その区間を通す目的にも有効である。
【発明の効果】以上説明してきたように、二軸の回転軸を持つ台座の上の鏡で太陽を追尾することで、これまで日照が得られなかった部屋でも自然光で照明や、暖房の効果が得られるようになる。
【0023】太陽の運行を追尾する制御が、装置内部に備えた時計による時刻をもとに軌道計算をしてなることは、反射鏡の位置決め精度を向上させることができ、安定して日照を得るのに有効である。
【0024】装置内部に備えた時計を、電波時計にすることは、長期間に渡って維持管理をすることなしに、安定して日照を得ることに有効である。
【0025】台座の上の鏡に曲面鏡を利用することで、照明の効果を調整したり、狭い空間を通して日光を導くことが出来る。
【0026】また、本反射鏡は、太陽電池発電システムの発電効率を向上させる目的にも利用することが出来る。
【出願人】 【識別番号】596093743
【氏名又は名称】有限会社トゥロッシュ
【出願日】 平成10年10月3日(1998.10.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−113703(P2000−113703A)
【公開日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【出願番号】 特願平10−296100