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【発明の名称】 LEDを光源とする車両用灯具及びその製造方法
【発明者】 【氏名】秋山 精宏

【氏名】篠塚 徹孔

【要約】 【課題】簡単な構造により、LEDとレンズ板との距離の均一化を図ることができ、しかも、外から見る方向によって輝度の差の出にくい、LEDを光源とする車両用灯具を提供する。

【解決手段】平板状の基板にLED1を搭載すると共に所定位置に折り線33を形成してなるLED基板32の両側縁部に、LED基板32のための電極を兼ねる断面コ字形の金属枠40を嵌着し、その状態でLED基板32と金属枠40を折り曲げ、折り曲げたLED基板32を金属枠40によって灯具ハウジングのボス部44に固定することにより、折り曲げにより分割された各LED基板32部分を灯具ハウジングのレンズ板の曲面に沿って略平行に配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源としての多数のLEDを搭載してなるLED基板を灯具ハウジング内に収容し、該灯具ハウジングの前記LEDの光を外部に透過させるレンズ板を曲面状に形成したLEDを光源とする車両用灯具において、前記LED基板を前記レンズ板の曲面方向に複数に分割し、各分割したLED基板を前記レンズ板の曲面に沿って略平行に配置したことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項2】 請求項1記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記分割されたLED基板の背後に、該分割されたLED基板を相互に連結するフレキシブル基板を配置し、該フレキシブル基板によって、分割されたLED基板間の配線を行ったことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項3】 請求項2記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記フレキシブル基板とLED基板とを同色にしたことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項4】 光源としての多数のLEDを搭載してなるLED基板を灯具ハウジング内に収容し、該灯具ハウジングの前記LEDの光を外部に透過させるレンズ板を曲面状に形成したLEDを光源とする車両用灯具において、前記LED基板を前記レンズ板の曲面方向に複数に折り曲げ、該折り曲げによって分割された各LED基板部分を、前記レンズ板の曲面に沿って略平行に配置したことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項5】 請求項4記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記LED基板に、予め折り曲げを容易にするための折り線を形成したことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項6】 請求項4または5記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記折り曲げ方向に沿ったLED基板の両側縁部に、該LED基板の折り曲げ形状を保持すると共に該LED基板のための電極を兼ねる断面コ字形の金属枠を嵌着したことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項7】 請求項6記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記折り曲げにより分割された各LED基板部分の両側縁部の表面に、前記金属枠を嵌着した際に該金属枠と導通する基板側電極を設けたことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具。
【請求項8】 請求項6または7記載のLEDを光源とする車両用灯具の製造方法であって、平板状の基板にLEDを搭載すると共に所定位置に基板の折り曲げを容易にする折り線を形成してなるLED基板を用意し、該LED基板の折り曲げ予定方向に沿った両側縁部に、LED基板のための電極を兼ねる断面コ字形の金属枠を嵌着し、その状態でLED基板と金属枠を折り線の位置で一緒に折り曲げると共に、折り曲げたLED基板を前記金属枠を介して灯具ハウジングに固定することにより、折り曲げにより分割された各LED基板部分を灯具ハウジングのレンズ板の曲面に沿って略平行に配置するようにしたことを特徴とするLEDを光源とする車両用灯具の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のテールランプやストップランプに使用される、LED(発光ダイオード)を光源とする車両用灯具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LEDを光源とした車両用灯具は、例えば特開平6−349306号公報等において知られている。同公報に記載の灯具は、図7に示すように、光源としての多数のLED1を搭載したLED基板2(2a〜2g)を灯具ハウジング3内に収容し、灯具ハウジング3におけるLED1の光を外部に透過させるレンズ板3bを曲面状に形成したものである。この場合、レンズ板3bが曲面状に形成されているので、その曲面に合わせてハウジング本体3aを階段状に形成し、階段の各段上に、分割した各LED基板2a〜2gをそれぞれ配置して、それにより、レンズ板3bに形成した各レンズカット部4とLED1とが等間隔となるように設定している。このように各レンズカット部4とLED1とが等間隔となるように設定したことにより、レンズ面の輝度の不均一化を防ぐことができ、見栄えをよくすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例では、LED1とレンズ板3bとの距離の均一化を図るために、ハウジング本体3aを階段状に形成して、それぞれの段部に分割した各LED基板2a〜2gを取り付けているが、構造が複雑であり、取り付け作業が面倒であった。また、LED1の光軸方向が全部平行であるから、例えばレンズ板3bの曲率が大きい場合には、外から見る方向によって輝度に差が出る可能性があった。
【0004】本発明は、上記事情を考慮し、簡単な構造により、LEDとレンズ板との距離の均一化を図ることができ、しかも、外から見る方向によって輝度の差の出にくい、LEDを光源とする車両用灯具及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光源としての多数のLEDを搭載してなるLED基板を灯具ハウジング内に収容し、該灯具ハウジングの前記LEDの光を外部に透過させるレンズ板を曲面状に形成したLEDを光源とする車両用灯具において、前記LED基板を前記レンズ板の曲面方向に複数に分割し、各分割したLED基板を前記レンズ板の曲面に沿って略平行に配置したことを特徴とする。
【0006】この灯具では、分割したLED基板を、そのままの姿勢で灯具ハウジングに固定することにより、レンズ板の曲面に沿って略平行に配置することができる。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記分割されたLED基板の背後に、該分割されたLED基板を相互に連結するフレキシブル基板を配置し、該フレキシブル基板によって、分割されたLED基板間の配線を行ったことを特徴とする。
【0008】この灯具では、フレキシブル基板によって、分割されたLED基板間の配線を行う。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項2記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記フレキシブル基板とLED基板とを同色にしたことを特徴とする。
【0010】この灯具では、LED基板の背後にフレキシブル基板があるので、正面から見た場合、LED基板とフレキシブル基板が交互に見えるようになるが、両者が同色にされているので、外から見ても縞模様には見えない。
【0011】また、請求項4の発明は、光源としての多数のLEDを搭載してなるLED基板を灯具ハウジング内に収容し、該灯具ハウジングの前記LEDの光を外部に透過させるレンズ板を曲面状に形成したLEDを光源とする車両用灯具において、前記LED基板を前記レンズ板の曲面方向に複数に折り曲げ、該折り曲げによって分割された各LED基板部分を、前記レンズ板の曲面に沿って略平行に配置したことを特徴とする。
【0012】この灯具では、LED基板は、折り曲げによって、そのままの姿勢でレンズ板の曲面に沿って略平行に配置することができる。また、LEDは、平板状の基板に半田付け等により搭載することができる。
【0013】また、請求項5の発明は、請求項4記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記LED基板に、予め折り曲げを容易にするための折り線を形成したことを特徴とする。
【0014】この灯具では、LED基板は、折り線を形成した指定位置で確実に折り曲げることができる。
【0015】また、請求項6の発明は、請求項4または5記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記折り曲げ方向に沿ったLED基板の両側縁部に、該LED基板の折り曲げ形状を保持すると共に該LED基板のための電極を兼ねる断面コ字形の金属枠を嵌着したことを特徴とする。
【0016】この灯具では、金属枠は、LED基板の折り曲げ形状を保持すると共に、LED基板のための電極を兼ねている。
【0017】また、請求項7の発明は、請求項6記載のLEDを光源とする車両用灯具であって、前記折り曲げにより分割された各LED基板部分の両側縁部の表面に、前記金属枠を嵌着した際に該金属枠と導通する基板側電極を設けたことを特徴とする。
【0018】この灯具では、LED基板の両側縁部に金属枠を嵌着するだけで、金属枠をそのままLED基板用の電極にすることができる。
【0019】また、請求項8の発明は、請求項6または7記載のLEDを光源とする車両用灯具の製造方法であって、平板状の基板にLEDを搭載すると共に所定位置に基板の折り曲げを容易にする折り線を形成してなるLED基板を用意し、該LED基板の折り曲げ予定方向に沿った両側縁部に、LED基板のための電極を兼ねる断面コ字形の金属枠を嵌着し、その状態でLED基板と金属枠を折り線の位置で一緒に折り曲げると共に、折り曲げたLED基板を前記金属枠を介して灯具ハウジングに固定することにより、折り曲げにより分割された各LED基板部分を灯具ハウジングのレンズ板の曲面に沿って略平行に配置するようにしたことを特徴とする。
【0020】この製造方法によれば、最初に所定位置に折り線の入った平板状の基板にLEDを搭載することができ、かつ折り線の位置でのLED基板の折り曲げを、金属枠をLED基板の両側縁部に予め嵌着した状態で行うことができる。
【0021】また、LED基板が完全に分断された場合でも、金属枠によって、各分断されたLED基板部分を相互に連結しておくことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】図1(a)は、本発明の第1実施形態の概略構成の断面図を示している。この車両用灯具10は、灯具ハウジング13と、その内部に収容されたLED基板12とを備えている。LED基板12は、多数に分割されており、分割された各LED基板12には一列に並べて複数のLED1が搭載されている。
【0024】灯具ハウジング13は、ハウジング本体13aとレンズ板13bとからなる。レンズ板13bは全体が曲面状に形成されており、各LED1に対応してレンズカット部(図示略)が設けられている。そして、各LED基板12は、前記レンズ板13bの曲面に沿って略平行に配置されている。
【0025】図1(b)に示すように、LED基板12間の配線は配線コード17によって行われており、各LED基板12を、ネジ15によってハウジング本体13aに突設したボス部14に固定するようになっている。
【0026】この灯具10の場合、分割したLED基板12をレンズ板13bの曲面に沿って略平行に配置しているから、外から見る方向によって輝度がばらつくようなことがなくなる。また、LED基板12は、レンズ板13bの曲面に沿った姿勢のままハウジング本体13aに固定すればよいので、ハウジング本体13aを階段状に形成する必要がなく、構造を単純にすることができると共に、取り付け作業も簡単に済ませることができる。
【0027】図2は、本発明の第2実施形態の一部を拡大して示している。この車両用灯具20では、分割されたLED基板(リジッド基板)12の背後に、分割されたLED基板12を相互連結するフレキシブル基板21を配置し、フレキシブル基板21によって、分割されたLED基板12間の配線を行っている。従って、図1の第1実施形態の灯具10のように、配線コード17でLED基板12同士を接続する必要がなく、構造がより簡単である。
【0028】なお、この灯具20では、LED基板12の背後にフレキシブル基板21があるので、正面から見た場合、LED基板12とフレキシブル基板21が交互に縞模様に見える可能性があるが、両者を同色に設定することにより、外から見た場合ても縞模様に見えないようにすることができ、これにより見栄えを損なわない。
【0029】図3〜図6は、本発明の第3実施形態の車両用灯具30の製造工程の説明図である。この場合も、最終的には、分割された各LED基板部分をレンズ板の曲面に沿って略平行に配置するものである。ここでは灯具ハウジングについては図示を省略してある。
【0030】第3実施形態の灯具30を製造する場合には、まず最初に、図3(a)に示すように、所定位置に折り線33としてミシン目や溝を形成した平板状のリジッド基板32aに、複数のLED1を所定配列で搭載して、LED基板32を製作する。この場合、分割する予定の各基板部分には、それぞれLED1と、必要に応じて抵抗及びダイオード等を付ける。また、LED基板32の折り曲げ予定方向に沿った両側縁部の裏面には、図3(b)に示すように、各LED1に通電するための電極34を露出して設けておく。ここまでは、通常の場合と同じく平板状のリジッド基板32aを用いるので、従来の工程でそのまま製作できる。
【0031】次に、図4、図5に示すように、LED基板32の折り曲げ予定方向に沿った両側縁部に、断面コ字形の金属枠40を嵌着する。この金属枠40は、LED基板32の折り線33に対応する位置に曲げを容易にする切り込み41を有すると共に、長さ方向の両端に孔付き端子部42を有したもので、LED基板32の両側縁部に嵌めてプレスで圧接することにより、LED基板32と一体化し、LED基板32の裏面の電極34に導通して、そのままLED基板32用の電極となる。
【0032】そして、このように金属枠40を嵌着した上で、図6に示すように、LED基板32と金属枠40を折り線33の位置で一緒に折り曲げ、金属枠40の孔付き端子部42をネジ45でハウジング本体のボス部44に固定することにより、折り曲げたLED基板32を所定形態で配置することができる。
【0033】すなわち、折り曲げにより分割された各LED基板32部分を灯具ハウジングのレンズ板の曲面に沿って略平行に配置することができる。
【0034】この製造方法では、最初に所定位置に折り線33の入った平板状のリジッド基板32aにLED1を搭載することができるので、従来の製造工程によってそのままLED基板32を製作することができる。また、折り線33の位置でLED基板32を折り曲げるのを、金属枠40をLED基板32の両側縁部に予め嵌着した状態で行うようにしているので、無理な力がLED基板32にかかることが少なく、所定の角度でLED基板32の折り曲げ形状を確実に保持することができる。
【0035】また、折り曲げの際に金属枠40があるから、LED基板32が完全に分断されてしまった場合でも、金属枠40により、分断されたLED基板32部分を相互に連結しておくことができる。
【0036】このように製造した灯具30では、折り曲げによって分割したLED基板32をレンズ板の曲面に沿って略平行に配置しているので、前の実施形態の灯具と同様に、見る方向によって輝度がばらつくようなことがなくなる。
【0037】また、LED基板32に予め折り線33を形成したから、取り付けに際して簡単に指定位置で確実に折り曲げることができる。また、LED基板32用の電極を兼ねた金属枠40によって、LED基板32を灯具ハウジングに取り付けることができるので、取り付けが簡単にできると共に、電源コード50の先端の端子51をネジ45で共締めするだけで、LED基板32の配線接続を済ませることができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、分割したLED基板をレンズ板の曲面に沿って略平行に配置したので、見る方向によって輝度がばらつくようなことがなくなる。また、ハウジングを階段状に形成する必要もないので、構造の簡略化が図れ、LED基板の取り付け作業も簡単に行える。
【0039】また、請求項2の発明によれば、分割されたLED基板の背後にフレキシブル基板を配置し、このフレキシブル基板によって、分割されたLED基板間の配線を行うようにしたので、配線コードが不要で、構造がより簡単になる。
【0040】また、請求項3の発明によれば、LED基板とフレキシブル基板を同色にしたので、外から見てもLED基板とフレキシブル基板とが縞模様には見えず、見栄えを損なわない。
【0041】また、請求項4の発明によれば、折り曲げによって分割したLED基板をレンズ板の曲面に沿って略平行に配置したので、見る方向によって輝度がばらつくようなことがなくなる。また、ハウジングを階段状に形成する必要がないので、構造が簡単になる上、取り付けの面倒もなくなる。また、LED基板を後から折り曲げて取り付けるだけでよいから、当初は平板状の基板にLEDを搭載して半田付け等を行えばよく、従来の製造工程をそのまま使用することができる。
【0042】また、請求項5の発明によれば、LED基板に予め折り線を形成しているので、取り付けに際して簡単に指定位置で確実に折り曲げることができる。
【0043】また、請求項6の発明によれば、LED基板の両側縁部に金属枠を嵌着したので、確実に安定した姿勢でLED基板を灯具ハウジングに取り付けることができる。また、金属枠がLED基板のための電極を兼ねているので、例えば金属枠を灯具ハウジングにネジで取り付ける際に、電源コードの先端の端子をネジで共締めするだけで、LED基板の配線接続を済ませることができる。
【0044】また、請求項7の発明によれば、LED基板の両側縁部に金属枠を嵌着するだけで、特別な配線を施すことなく、金属枠をそのままLED基板用の電極にすることができる。
【0045】また、請求項8の発明によれば、従来の製造工程によってそのままLED基板を製造することができる。また、金属枠をLED基板の両側縁部に嵌着した上でLED基板を折り曲げるので、無理な力がLED基板にかかることが少なく、所定の角度でLED基板の折り曲げ形状を保持することができる。従って、レンズ板に沿って適正な姿勢でLED基板を固定することができる。また、折り曲げによってLED基板が完全に分断された場合でも、金属枠によって分断されたLED基板部分を相互に連結しておくことができるので、取り付けの面倒が少ない。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成10年9月21日(1998.9.21)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−100219(P2000−100219A)
【公開日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【出願番号】 特願平10−267026