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【発明の名称】 車両用ランプ装置
【発明者】 【氏名】大河戸 昌也

【氏名】坂田 浩一

【要約】 【課題】フレキシブルプリント基板を段形成せずに、発光ダイオードをランプ光軸と同じ向きに固定することができる車両用ランプ装置を提供する。

【解決手段】各発光ダイオード1の向きが、切り起こした固定部(角度変更手段)14により、ランプ光軸Sと平行になるように設定されているため、ランプ光軸Sに沿った方向での光の利用率が向上し、発光ダイオード1の数を従来よりも少なくすることができる。従って、ランプ装置の構造が簡略化すると共に、コストの面で有利になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方向に湾曲した状態のフレキシブルプリント基板を有し、該フレキシブルプリント基板の表面に設定した複数の固定部にそれぞれ発光ダイオードを固定した車両用ランプ装置において、前記フレキシブルプリント基板に固定されている各発光ダイオードの向きが、角度変更手段により、ランプ光軸と平行になるようにそれぞれ設定されていることを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項2】 請求項1記載の車両用ランプ装置であって、前記角度変更手段が、フレキシブルプリント基板の固定部と発光ダイオードとの間に設けたアタッチメントであることを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項3】 請求項1記載の車両用ランプ装置であって、前記角度変更手段が、フレキシブルプリント基板から一辺を残して切り起こした固定部であることを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ランプ装置であって、前記発光ダイオードが、フレキシブルプリント基板の一方向において等間隔で固定されていることを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ランプ装置であって、前記フレキシブルプリント基板が、一方向に沿って同一方向へのみ湾曲させた二元的湾曲状態であることを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用ランプ装置であって、前記フレキシブルプリント基板が、一方向に沿って漸次変化した方向へ湾曲させた三次元的湾曲状態であることを特徴とする車両用ランプ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用ランプ装置、特に、発光ダイオードを使用した車両用ランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロント部やリヤ部、或いはリヤパーセル上には、車幅方向に沿って前後に湾曲した状態のランプ装置(ターンシグナルランプ、ストップランプ、ハイマウントストップランプ等)が取付けられている。例えば、車体の後部の左右両側に取付けられているストップランプは、車体の後面から側面まで回り込んだスラント形状に対応して、そのアウタレンズが後面から側面まで回り込んだ二次元的湾曲形状をしている。
【0003】そして、この種のストップランプの光源として、発光ダイオード1を利用する場合は、図10に示すように、湾曲したアウタレンズ2と同様に湾曲したフレキシブルプリント基板3を配し、そのフレキシブルプリント基板3の固定部4に複数の発光ダイオード1をそれぞれ設けている。フレキシブルプリント基板3の車幅方向内側X1 は、車幅方向Xに沿った後面と合致した状態になっているが、車幅方向外側X2 は、前側に湾曲して前後方向に沿った側面と合致するようになっている。そして、ストップランプ自体のランプ光軸Sとしては、前後方向に沿って真っ直ぐ後向きに設定されているものの、このフレキシブルプリント基板3の表面に設けられている各発光ダイオード1は、それぞれフレキシブルプリント基板3の表面に対して垂直(法線方向)に設けられている。すなわち、車幅方向内側X1 の発光ダイオード1は、ランプ光軸Sに合致した状態になっているものの、車幅方向外側X2 にいくにつれ、ランプ光軸Sと発光ダイオード1の角度が相違している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技術にあっては、各発光ダイオード1がフレキシブルプリント基板3の表面に対して垂直(法線方向)に設けられており、車幅方向の外側X2 にいくにつれて、発光ダイオード1の向きがランプ光軸Sと合致していないため、ランプ光軸Sに沿った方向での光の利用率が低下する。従って、数多くの発光ダイオード1をフレキシブルプリント基板3に設ける必要があるため、ストップランプの構造が複雑になると共に、コストの面で不利となる。また、特に、車幅方向の外側X2 において、発光ダイオード1とランプ光軸Sの向きとが相違するため、アウタレンズ2を透して見た場合の見映えも低下する。
【0005】発光ダイオード1の向きとランプ光軸Sとを合致させるべく、例えば、フレキシブルプリント基板3全体を段状に形成して、発光ダイオード1を固定している固定部4をランプ光軸Sに沿って真っ直ぐ後向きにすることも考えられるが(類似技術として、特開平6−349306号公報参照)、このようにフレキシブルプリント基板3を段状に形成すると、折り曲げた部分で断線を生じるおそれがあるため、好ましくない。
【0006】この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、フレキシブルプリント基板を段状に形成せずに、発光ダイオードをランプ光軸と同じ向きに固定することができる車両用ランプ装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、一方向に湾曲した状態のフレキシブルプリント基板を有し、該フレキシブルプリント基板の表面に設定した複数の固定部にそれぞれ発光ダイオードを固定した車両用ランプ装置において、前記フレキシブルプリント基板に固定されている各発光ダイオードの向きが、角度変更手段により、ランプ光軸と平行になるようにそれぞれ設定されている。
【0008】請求項1記載の発明によれば、各発光ダイオードの向きが、角度変更手段により、ランプ光軸と平行になるように設定されているため、ランプ光軸に沿った方向での光の利用率が向上し、発光ダイオードの数を従来よりも少なくすることができる。従って、ランプ装置の構造が簡略化すると共に、コストの面で有利になる。また、発光ダイオードの全てがランプ光軸と平行なため、外から見た場合の見映えも向上する。そして、角度変更手段により、発光ダイオードの向きがランプ光軸と平行になるため、フレキシブルプリント基板全体を段形成する必要がなく、断線の心配がない。
【0009】請求項2記載の発明は、前記角度変更手段が、前記フレキシブルプリント基板の固定部と発光ダイオードとの間に設けたアタッチメントである。
【0010】請求項2記載の発明によれば、前記角度変更手段が、前記フレキシブルプリント基板の固定部と発光ダイオードとの間に設けたアタッチメントであるため、従来と同じ湾曲形状のフレキシブルプリント基板を使用することができる。従って、ランプ装置における他の構造を変更する必要がなく、既存の構造をそのまま利用することができる。
【0011】請求項3記載の発明は、前記角度変更手段が、前記フレキシブルプリント基板から一辺を残して切り起こした固定部である。
【0012】請求項3記載の発明によれば、前記角度変更手段が、前記フレキシブルプリント基板から一辺を残して切り起こした固定部であるため、フレキシブルプリント基板全体を段状に形成する必要がなく、断線の心配がない。
【0013】請求項4記載の発明は、前記発光ダイオードが、前記フレキシブルプリント基板の一方向において、等間隔で固定されている。
【0014】請求項4記載の発明によれば、前記発光ダイオードが、前記フレキシブルプリント基板の一方向において等間隔で固定されているため、ランプ光軸に沿った方向から見て、均一な点灯状態が得られる。
【0015】請求項5記載の発明は、前記フレキシブルプリント基板が、一方向に沿って同一方向へのみ湾曲させた二元的湾曲状態である。
【0016】請求項5記載の発明によれば、前記フレキシブルプリント基板が、一方向に沿って同一方向へのみ湾曲させた二元的湾曲状態でも、各発光ダイオードの向きをランプ光軸と平行にできる。
【0017】請求項6記載の発明は、前記フレキシブルプリント基板が、一方向に沿って漸次変化した方向へ湾曲させた三次元的湾曲状態である。
【0018】請求項6記載の発明によれば、前記フレキシブルプリント基板が、一方向に沿って漸次変化した方向へ湾曲させた三次元的湾曲状態でも、各発光ダイオードの向きをランプ光軸と平行にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。尚、従来と共通する部分には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】図1及び図2は、この発明の第1実施形態を示す図である。この第1実施形態に係るランプ装置5は、自動車のリヤ部に設けたストップランプで、車体の左右両側において、表面のアウタレンズ2が、車体のスラント形状に合わせて、それぞれ車体後面から側面に回り込んだ湾曲形状をしている。このランプ装置5は、このような湾曲形状をしたものでありながら、ランプ装置5全体としては、真っ直ぐ後向きのランプ光軸Sを有している。ランプ装置5のアウタレンズ2が湾曲形状をしているため、内部に設けられたフレキシブルプリント基板3も、アウタレンズ2に対応した湾曲形状をしている。このフレキシブルプリント基板3は、上下方向では真っ直ぐに形成されていると共に、車幅方向(一方向)Xでは、その車幅方向外側X2 が前側に湾曲した二次元的湾曲状態を呈している。従って、車幅方向内側X1 では、車幅方向Xに沿った状態となっており、車幅方向外側X2 では前後方向に沿った状態になっている。
【0021】そして、このフレキシブルプリント基板3には、上下方向に整列した複数の発光ダイオード1が、車幅方向Xに沿って固定されている。発光ダイオード1は、車幅方向Xに沿って等間隔に位置する固定部4に固定されており、車幅方向内側X1 に位置するもの以外は、該固定部4と発光ダイオード1との間に、「角度変更手段」としてのアタッチメント6が介在されている。このアタッチメント6は、車幅方向の外側X2 にいくほど、フレキシブルプリント基板3との角度が大きくなるもので、各アタッチメント6には、固定部4に接着された状態で、ランプ光軸Sに沿って真っ直ぐ後向きとなる面が形成される。そして、このアタッチメント6の後向きの面に発光ダイオード1が取付けられるため、全ての発光ダイオード1がランプ光軸Sと平行な状態となる。
【0022】この第1実施形態によれば、各発光ダイオード1の向きが、アタッチメント6により、ランプ光軸Sと平行になるため、ランプ光軸Sに沿った方向での光の利用率が向上し、発光ダイオード1の数を従来よりも少なくすることができる。従って、ランプ装置5の構造が簡略化すると共に、コストの面で有利である。また、発光ダイオード1の全てがランプ光軸Sと平行なため、アウタレンズ2を透して後側から見た場合の見映えも向上する。更に、発光ダイオード1を点灯した状態では、発光ダイオード1が車幅方向Xにおいて等間隔で固定されているため、ランプ光軸Sに沿った方向から見て、均一な点灯状態が得られる。
【0023】図3及び図4は、この発明の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態では、フレキシブルプリント基板7における固定部8のうち、車幅方向内側X1に位置するもの以外は、車幅方向内側X1 の一辺8aを残して長方形状に切り起こした「角度変更手段」となっている。各固定部8は、車幅方向外側X2 へいくほど、切り起こし角度が大きくなっており、各固定部8がランプ光軸Sに沿って真っ直ぐ後向きになるようになっている。そして、この固定部8に、それぞれ発光ダイオード1が取付けられるため、全ての発光ダイオード1がランプ光軸Sと平行な状態となる。固定部8は、発光ダイオード1を取付ける前に切り起こしても、取付けた後に切り起こしても良い。
【0024】従って、先の第1実施形態同様に、ランプ光軸Sに沿った方向での光の利用率が向上し、発光ダイオード1の数を従来よりも少なくすることができるため、ランプ装置9の構造が簡略化すると共に、コストの面で有利である。また、見映えも向上するし、均一な点灯状態が得られる。そして、フレキシブルプリント基板7は、固定部8だけを部分的に切り起こしたもので、フレキシブルプリント基板7全体としては、緩やかに湾曲した状態のため、断線の心配がない。
【0025】図5は、この発明の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態では、フレキシブルプリント基板から切り起こした固定部の形状の変形例を示す。例えば、図5(a)のように、フレキシブルプリント基板7から切り起こした固定部10の一辺10aとは反対側の辺10bを、曲線にしても良い。このようにすることにより、固定部10の反対側の辺10bにエッジがなくなり、フレキシブルプリント基板7の取り扱いが容易になる。また、図5(b)のように、フレキシブルプリント基板7から切り起こした固定部11の一辺11aとは反対側の辺11bを、発光ダイオード1の外縁に対応した円弧状にしても良い。このようにすることにより、固定部11のエッジが完全になくなると共に、見栄えも向上する。更に、図5(c)のように、フレキシブルプリント基板7から切り起こした固定部12の一辺12aとは反対側の辺12bを、凸形状にしても良い。このようにすることにより、辺12bの出っ張った部分を手で持つことにより、固定部12を起こして曲げ易くなる。
【0026】図6〜図9は、この発明の第4実施形態を示す図である。この第4実施形態では、フレキシブルプリント基板13の車幅方向の外側X2 を前側へ湾曲させると共に、車幅方向の外側X2 の上端角部13aを、前側へ向けて斜めに倒し込んだものである。従って、フレキシブルプリント基板13は、車幅方向の外側X2 へ向けて、前側に湾曲しながら、その上端角部13aが漸次前側へ倒れた三次元的湾曲状態となっている。
【0027】従って、この第4実施形態の固定部14のうち、一番車幅方向の内側X1 のものは、下辺14aを残した状態で後向きに若干切り起こされている。これは、一番車幅方向の内側X1 であっても、フレキシブルプリント基板13が若干前側へ傾いているからである。そして、その他の固定部14の下辺14aは、車幅方向の外側X2 が下側へ傾斜した状態になっており、その傾斜角度は、車幅方向外側X2 へ行くにつれて、漸次大きくなっている。これは、フレキシブルプリント基板13が、上端角部13aを最も前側にした三次元的湾曲形状を呈してるからである。最も車幅方向外側X2 に位置する固定部14は、その下辺14aがほとんど縦になった状態となっている。
【0028】このように、固定部14の残された下辺14aが車幅方向外側X2 へ向けて漸次傾斜しているため、フレキシブルプリント基板13が前述のような三次元的湾曲状態でも、各発光ダイオード1は、ランプ光軸Sと平行な向きとなる。すなわち、図8は切り起こす前の発光ダイオード1を示す図であるが、Y軸が前後方向(ランプ光軸Sと同じ向き)を示しており、Z軸が上下方向(の上側)、X軸が車幅方向(の外側X2 )を示している。Z軸とX軸との間に形成される面が、車幅方向Xに沿う垂直面Mであり、この垂直面Mに直交する向きがY軸(すなわち、ランプ光軸S)である。切り起こす前の図8では、発光ダイオード1は、垂直面Mとも、Y軸とも無関係な向きをしているが、切り起こした後の状態を示す図9では、傾斜した下辺14aから固定部14を所定角度だけ切り起こすことにより、固定部14に固定された発光ダイオード1の向きが、ランプ光軸SであるY軸と合致する。従って、この第4実施形態のランプ装置15でも、先の実施形態と同様の作用効果が得られるようになる。
【0029】尚、以上の各実施形態では、リヤ側のストップランプをランプ装置5、9、15として説明したが、本発明はその他のランプ装置にも適用可能である。更に、フレキシブルプリント基板7、13の切り起こした固定部8、14等に対して適宜の補強を施して、発光ダイオード1の取付強度を高めるようにしても良い。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、各発光ダイオードの向きが、角度変更手段により、ランプ光軸と平行になるように設定されているため、ランプ光軸に沿った方向での光の利用率が向上し、発光ダイオードの数を従来よりも少なくすることができる。従って、ランプ装置の構造が簡略化すると共に、コストの面で有利になる。また、発光ダイオードの全てがランプ光軸と平行なため、外から見た場合の見映えも向上する。そして、角度変更手段により、発光ダイオードの向きがランプ光軸と平行になるため、フレキシブルプリント基板全体を段形成する必要がなく、断線の心配がない。
【0031】請求項2記載の発明によれば、角度変更手段がフレキシブルプリント基板の固定部と発光ダイオードとの間に設けたアタッチメントであるため、従来と同じ湾曲形状のフレキシブルプリント基板を使用することができる。従って、ランプ装置における他の構造を変更する必要がなく、既存の構造をそのまま利用することができる。
【0032】請求項3記載の発明によれば、角度変更手段がフレキシブルプリント基板から一辺を残して切り起こした固定部であるため、フレキシブルプリント基板全体を段形成する必要がなく、断線の心配がない。
【0033】請求項4記載の発明によれば、発光ダイオードがフレキシブルプリント基板の一方向において等間隔で固定されているため、ランプ光軸に沿った方向から見て、均一な点灯状態が得られる。
【0034】請求項5記載の発明によれば、フレキシブルプリント基板が一方向に沿って同一方向へのみ湾曲させた二元的湾曲状態でも、各発光ダイオードの向きをランプ光軸と平行にできる。
【0035】請求項6記載の発明によれば、フレキシブルプリント基板が一方向に沿って漸次変化した方向へ湾曲させた三次元的湾曲状態でも、各発光ダイオードの向きをランプ光軸と平行にできる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成10年9月21日(1998.9.21)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−100216(P2000−100216A)
【公開日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【出願番号】 特願平10−266996