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【発明の名称】 車両用ランプ装置
【発明者】 【氏名】福島 勝一

【要約】 【課題】アンバーキャップを備えたものでも、各灯室の空気による異物排除を容易に行える車両用ランプ装置を提供する。

【解決手段】アンバーキャップ13が通気可能な構造になっているため、開口10にアンバーキャップ13が設けられていても、上側の開口10から入って下側の開口から出る空気の流れが形成されるため、上下の灯室内に存在する異物をこの空気の流れにのせて灯室外へ排除することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面側にアウタレンズが取付けられたハウンジング内部の空間を隔壁により上下方向で隣接する2つの灯室に区画すると共に、各灯室の奥壁部にバルブ取付け用の開口が形成され、且つ各開口の少なくともいずれか一方にバルブを収納するアンバーキャップが設けられている車両用ランプ装置であって、前記隔壁の先端とアウタレンズとの間に隙間を形成すると共に、アンバーキャップの側面に通気口を形成し、該通気口をバルブの光が漏れないようにアンバーキャップと同じ材質のカバーで覆い、且つ通気口とカバーとの間に通気路を確保したことを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項2】 請求項1記載の車両用ランプ装置であって、前記アンバーキャップの通気口と前記カバーとが反アウタレンズ側に位置していることを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の車両用ランプ装置であって、前記隔壁の先端を尖らせたことを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ランプ装置であって、前記アウタレンズ及び前記ハウジングがそれぞれ合成樹脂製で、両者が超音波溶着により結合されていることを特徴とする車両用ランプ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用ランプ装置、特に上下に灯室を備えた車両用ランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロント部又はリヤ部に取付けられるランプ装置には、灯室が上下2段に形成されているものがある。すなわち、表面側にアウタレンズが取付けられたハウンジングの内部空間を、隔壁により上下方向で隣接する2つの灯室に区画し、各灯室の奥壁部に設けられた開口に、それぞれバルブを取付けた構造になっている。ランプ装置を組み立てる際に、各灯室内に異物が侵入した場合には、各灯室において、バルブ取付け用の開口から空気を吹き込み、その開口から異物を灯室外へ排除するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の技術にあっては、隔壁により区切られた各灯室が略密閉状態のため、各灯室において空気を吹き込む部分と、異物を排除する部分が同じ開口のため、異物の排除が困難で時間がかかる。また、最近では、合成樹脂製のアウタレンズを、同じく合成樹脂製のハウジングに対して超音波溶着により結合する方法が行われているため、超音波溶着時にバリのような異物が溶けて離脱し、固化した後に、アウタレンズの内面に付着する。特に、この種の異物はアウタレンズの内面に付着しているため排除が難しい。
【0004】加えて、灯室の開口には、バルブの発光色を変更するために着色されたアンバーキャップが設けられる場合がある。例えば、ターンシグナル用のアンバーキャップは、バルブの白色光をアンバーキャップを透過させることにより橙色光に変更している。このようなアンバーキャップを開口に設けると、開口がアンバーキャップにより塞がれるため、このアンバーキャップを取り外してからでないと灯室内に空気を吹き込むことができず、また開口から空気を排出することができない。そのため、アンバーキャップを有するランプ装置の場合は、灯室内の異物除去作業が大変に困難である。
【0005】この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、アンバーキャップを備えたものでも、各灯室の空気による異物排除を容易に行える車両用ランプ装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、表面側にアウタレンズが取付けられたハウンジング内部の空間を隔壁により上下方向で隣接する2つの灯室に区画すると共に、各灯室の奥壁部にバルブ取付け用の開口が形成され、且つ各開口の少なくともいずれか一方にバルブを収納するアンバーキャップが設けられている車両用ランプ装置であって、前記隔壁の先端とアウタレンズとの間に隙間を形成すると共に、アンバーキャップの側面に通気口を形成し、該通気口をバルブの光が漏れないようにアンバーキャップと同じ材質のカバーで覆い、且つ通気口とカバーとの間に通気路を確保したものである。
【0007】請求項1記載の発明によれば、アンバーキャップの側面に通気口が形成され、その通気口を通気路を確保した状態でカバーにより覆っているため、開口にアンバーキャップが設けられていても、空気の吹き込みや排出を行うことができる。そして、隔壁の先端とアウタレンズとの間には隙間が形成されているため、上側の灯室の開口から吹き込まれた空気は、上側の灯室から隙間を通過して下側の灯室へ入り込み、下側の開口から排出される。このように、開口にアンバーキャップがあっても、上側の開口から入って下側の開口から出る空気の流れが形成されるため、上下の灯室内に存在する異物をこの空気の流れにのせて灯室外へ排除することができる。
【0008】また、アンバーキャップの側面に通気口を形成しているものの、その通気口をバルブの光が漏れないようにアンバーキャップと同じ材質のカバーで覆っているため、バルブからの光は、必ずアンバーキャップかカバーを透過することになり、予定された色の光が発せられる。更に、アンバーキャップが通気構造になっていることは、使用時に、内部に設けられたバルブの熱抜き効果も得られる。
【0009】請求項2記載の発明は、アンバーキャップの通気口とカバーとが反アウタレンズ側に位置している。
【0010】請求項2記載の発明によれば、アンバーキャップの通気口及びカバーが反アウタレンズ側に位置しているため、アウタレンズ側から見て、通気口やカバーの存在が分からず、ランプ装置の見映えが向上する。
【0011】請求項3記載の発明は、隔壁の先端を尖らせた。
【0012】請求項3記載の発明によれば、隔壁の先端を尖らせたため、アウタレンズの表面側から隔壁が見えづらく、ランプ装置の見映えが向上する。
【0013】請求項4記載の発明は、アウタレンズ及びハウジングがそれぞれ合成樹脂製で、両者が超音波溶着により結合されている。
【0014】請求項4記載の発明によれば、超音波溶着によるバリのような異物がアウタレンズの内面に付着しても、隙間を通過する空気の流れにより、そのような異物でも確実に排除することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な一実施例を図1〜図3に基づいて説明する。
【0016】図1は、「ランプ装置」としてのフロントコンビネーションランプLの平面図を示すものであり、自動車のフロント部に設けられた図示せぬヘッドランプの外側に連続して設けられている。図2はその縦断面図を示すもので、この図2から明らかなように、フロントコンビネーションランプLは、ターンシグナルランプ1と、クリアランスランプ2の上下2段構造になっている。
【0017】このターンシグナルランプ1とクリアランスランプ2は、前面にアウタレンズ5が取付けられたハウンジング6の内部空間を、略水平な隔壁7により上下方向で隣接する2つの灯室8、9に区画し、その灯室8、9内に図示せぬバルブを内蔵することにより形成されている。各灯室8、9の後壁(奥壁)にはそれぞれ開口10、11が形成されている。
【0018】上側の開口10にはアンバーキャップ13が設けられ、内部にバルブ14(図3参照)が取付けられる。下側の開口11には図示せぬバルブが取付けられる。アンバーキャップ13の反アウタレンズ5側には、通気口15が形成され、該通気口15はアンバーキャップ13と同じ材質のカバー16にて覆われている。このカバー16の形状・サイズは、通気口15からバルブ14の光が漏れないようにように設定されている。また、カバー16は通気口15を密閉状態で塞ぐのではなく、カバー16と通気口15との間には、所定間隔の通気路dが確保されている。従って、このアンバーキャップ13は空気の通過が可能になっている。
【0019】また、灯室8、9を上下で仕切る隔壁7の前端は尖ったリブ12により形成されており、該リブ12の先端とアウタレンズ5の内面との間には微小間隔の隙間Sが形成されている。従って、上下の灯室8、9はこの隙間Sを介して連通した状態になっており、個々に密閉された状態にはなっていない。隔壁7の前端が先の尖ったリブ12により形成されているため、アウタレンズ5の表面側から見て隔壁7の存在が確認しづらく、見映えの点で優れる。
【0020】この実施形態のアウタレンズ5はポリカーボネート製で、ハウジング6はポリプロピレン製であり、アウタレンズ5の周縁部はハウジング6の周端部に対して超音波溶着により結合されている。従って、上下の灯室8、9におけるアウタレンズ5の内面には、超音波溶着時に発生したバリのような異物が付着している。また、各灯室8、9の下面にホコリのような異物が付着している場合もある。
【0021】そこで、この実施形態では、各灯室8、9における開口10、11にバルブを取付ける前に、既知のエアーブロー装置により、上側の開口10から空気を吹き込んでいる。上側の開口10から吹き込まれた空気は、アンバーキャップ13の通気口15から通気路dを経た後、灯室8内に入り込む。空気は灯室8から隔壁7とアウタレンズ5との隙間Sを通過して下側の灯室9内に入り込み、下側の開口11から排出される。このように、開口10にアンバーキャップ13があっても、上側の開口10から入って下側の開口11から出る空気の流れが形成されるため、上下の灯室8、9内に存在する異物をこの空気の流れにのせて灯室8、9外へ排除することができる。すわち、各灯室8、9の下面に存在する異物も、アウタレンズ5の内面に付着している異物も、空気の流れにのって排除される。特に、隙間Sがアウタレンズ5の内面に近接した状態で形成されているため、この隙間Sを通過する空気はアウタレンズ5の近いところを流れるようになり、アウタレンズ5の内面に付着した異物も確実に除去できる。
【0022】そして、アンバーキャップ13の側面に通気口15を形成しているものの、その通気口15をバルブの光が漏れないようにアンバーキャップ13と同じ材質のカバー16で覆っているため、バルブ14からの光は必ずアンバーキャップ13かカバー16を透過することになり、予定された色の光が発せられる。更に、アンバーキャップ13が通気構造になっていることは、使用時に、内部に設けられたバルブ14の熱抜き効果も得られる。
【0023】尚、以上の説明では、フロント側のランプ装置を例にしたが、本発明はリヤ側のランプ装置にも適用可能である。
【0024】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、アンバーキャップの側面に通気口が形成され、その通気口を通気路を確保した状態でカバーにより覆っているため、開口にアンバーキャップが設けられていても、空気の吹き込みや排出を行うことができる。そして、隔壁の先端とアウタレンズとの間には隙間が形成されているため、上側の灯室の開口から吹き込まれた空気は、上側の灯室から隙間を通過して下側の灯室へ入り込み、下側の開口から排出される。このように、開口にアンバーキャップがあっても、上側の開口から入って下側の開口から出る空気の流れが形成されるため、上下の灯室内に存在する異物をこの空気の流れにのせて灯室外へ排除することができる。
【0025】また、アンバーキャップの側面に通気口を形成しているものの、その通気口をバルブの光が漏れないようにアンバーキャップと同じ材質のカバーで覆っているため、バルブからの光は必ずアンバーキャップかカバーを透過することになり、予定された色の光が発せられる。更に、アンバーキャップが通気構造になっていることは、使用時に、内部に設けられたバルブの熱抜き効果も得られる。
【0026】請求項2記載の発明によれば、アンバーキャップの通気口及びカバーが反アウタレンズ側に位置しているため、アウタレンズ側から見て、通気口やカバーの存在が分からず、ランプ装置の見映えが向上する。
【0027】請求項3記載の発明によれば、隔壁の先端を尖らせたため、アウタレンズの表面側から隔壁が見えづらく、ランプ装置の見映えが向上する。
【0028】請求項4記載の発明によれば、超音波溶着によるバリのような異物がアウタレンズの内面に付着しても、隙間を通過する空気の流れにより、そのような異物でも確実に排除することができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成10年9月18日(1998.9.18)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−100215(P2000−100215A)
【公開日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【出願番号】 特願平10−265335