| 【発明の名称】 |
車両用灯具 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 重之
【氏名】山村 聡志
【氏名】草谷 雅弘
【氏名】海野 正好
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| 【要約】 |
【課題】取り付けが容易で耐久性に優れ振動しにくい遮光シェードを備えた車両用灯具の提供。
【解決手段】遮光部として機能するシェード本体110と、シェード本体110の後方に略水平に延出する脚120とが金属製薄板によって一体に形成された遮光シェード100が、その脚120の後端部をリフレクタ16に設けた脚挿着孔200に挿着固定することで、片持支持された車両用灯具において、遮光シェードの脚120を、膨出部124の形成された2枚の板状延出部122を重ね合わせて構成し、一方、脚挿着孔200に膨出部挟持溝210を設け、リフレクター前面側から膨出部124を挟持溝210に圧入することで脚挿着孔200に脚120を挿入し、脚120の延出後端部をリフレクター背面側で折り曲げることで、脚120を簡単に脚挿着孔200に固定できる。 脚120は、2枚の板状延出部122が重ね合わせて構成されており、1枚の板状延出部で構成されている場合に比べて、剛性が高く、耐久性に優れ、配光がぶれにくい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灯室内に、リフレクタと、前記リフレクターの前方に配置された光源と、前記光源の前方に配置された遮光シェードとを備え、前記遮光シェードは、遮光部として機能するシェード本体と、前記シェード本体の後方に略水平に延出する脚とが金属製薄板によって一体に形成された構造で、前記脚の後端部が前記リフレクタに設けられた前後に延びる脚挿着孔に挿着固定されることで、片持ち支持された車両用灯具において、前記遮光シェードの脚は、2枚の板状延出部を重ね合わせて構成され、前記それぞれの板状延出部の板幅方向ほぼ中央部には、外側に膨らんで脚延出方向に延びる膨出部が対向して設けられ、一方、前記脚挿着孔には、前記脚の膨出部を挟持する挟持溝が形成され、リフレクターの前方から前記脚挿着孔の所定の挿入限界位置まで挿入された前記脚の後方延出端部がリフレクターの背面側で折り曲げられて、脚が脚挿着孔に固定されたことを特徴とする車両用灯具。 【請求項2】 前記遮光シェードの脚を構成するそれぞれの板状延出部は、互いに外側に凸となる横断面「く」の字型に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 【請求項3】 前記膨出部は円弧形に形成され、前記挟持溝は、前記膨出部の外形にほぼ整合する横断面円弧形に形成されるとともに、その内周面には、周方向ほぼ等分複数箇所に前後に延びる凹溝が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。 【請求項4】 前記それぞれの板状延出部の後方延出端部には、それぞれ幅方向反対側を切り欠いた互いに重ならない舌片状領域が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項5】 前記遮光シェードの脚を構成するそれぞれの板状延出部は、板幅方向が鉛直となるように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項6】 前記リフレクターの前面には、前記脚挿着孔の設けられたボスが突出形成され、一方、脚を構成するそれぞれの板状延出部の対応する側縁部には、脚の横断面をT字型にする折曲された掛止爪が設けられ、前記ボスの前縁には、脚挿着孔に脚を挿入した際に、前記掛止爪が当接係合することで脚の挿入限界位置となる脚挿入量設定用の直角段差部が形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項7】 前記リフレクターには、前記光源を挿着するための光源挿着孔が設けられ、前記脚挿着孔は、前記光源挿着孔の側面に開口するスリットによって構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項8】 前記シェード本体は、光源から出射して直接前方に向かう直射光を遮るキャップ型の意匠部と、前記意匠部の周りにスカート状に形成され、リフレクターの非有効反射面に向かう光を遮るスカート部とから構成されるとともに、前記スカート部は、前記意匠部の外周縁から放射状に延びる複数の短冊状分割片が折り曲げられてスカート状に成形されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項9】 前記ボスに形成された脚挿入量設定用の直角段差部は、リフレクターの有効反射面の大きさやF値の違いに対応して前後方向にオフセットした所定位置に形成されたことを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。 【請求項10】 前記直角段差部は、前記掛止爪が当接係合することで、前記シェード本体の外縁が光源の中心近傍所定位置とリフレクターの有効反射面の見切線とを結ぶ直線上となる、前後方向所定位置に設けられたことを特徴とする請求項9に記載の車両用灯具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光源光の一部を遮光して配光の形成に寄与する遮光シェードや光源が露出しないように覆い隠す遮光シェードを灯室内に備えた車両用灯具に関わり、特に、遮光シェードが灯室内において片持ち支持されている構造の車両用灯具に関する。 【0002】 【従来の技術】図12は、従来の自動車用ヘッドランプの縦断面図を示すもので、符号1はランプボディ、符号2は前面レンズ、符号3は放物面リフレクターである。ランプボディ1と前面レンズ2により画成された灯室内には、光源であるバルブ4を挿着したリフレクター3と、リフレクター3に固定された遮光シェード5が設けられている。 【0003】遮光シェード5は、図13(a)に示すように、バルブ4の光の一部を遮光して配光の形成に寄与するシェード本体6と、このシェード本体6の後方に略水平に延出する脚7とが一体化された構造で、一般に鉄合金等の金属製薄板を絞りと切断と曲げとを組み合わせることで形成される。そして、脚7がリフレクタ3に形成された脚挿着孔(バルブ挿着孔3aに設けられた切り欠き)3bを貫通し、脚7の後端に形成されたL字型折曲部8がリフレクタ3の背面側所定位置にねじ9により固定されることで、遮光シェード5が片持ち支持されている。 【0004】また、他の遮光シェードとしては、図13(b)に示すように、シェード本体6から2本の脚7a,7bが延出した構造で、脚延出端部をリフレクター3の背面側で加締めることで固定できるもの5Aも知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した遮光シェード5を備えたヘッドランプでは、遮光シェード5を取り付けるためのねじ9が不可欠で、それだけランプの構成部品点数が増加することに加えて、遮光シェード5の取り付け作業も面倒であるという問題がある。また、遮光シェード5は1本の脚7によって片持支持されているため、車両の走行に伴って遮光シェード5が上下に振動して、脚7が疲労破壊し易いとか、ランプの配光が上下にぶれ易い等の問題もある。 【0006】また、遮光シェード5Aを備えたヘッドランプでは、遮光シェードの2本の脚7a,7bをそれぞれ固定しなければならず、それだけ面倒である。また、2本の脚7a,7bによって光がけられるため、それだけ光を有効に利用できないという問題もある。 【0007】本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、取り付けが容易で耐久性に優れしかも振動しにくい遮光シェードを備えた車両用灯具を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係わる車両用灯具においては、灯室内に、リフレクタと、前記リフレクターの前方に配置された光源と、前記光源の前方に配置された遮光シェードとを備え、前記遮光シェードは、遮光部として機能するシェード本体と、前記シェード本体の後方に略水平に延出する脚とが金属製薄板によって一体に形成された構造で、前記脚の後端部が前記リフレクタに設けられた前後に延びる脚挿着孔に挿着固定されることで、片持ち支持された車両用灯具において、前記遮光シェードの脚を、2枚の板状延出部を重ね合わせて構成し、前記それぞれの板状延出部の板幅方向ほぼ中央部に、外側に膨らんで脚延出方向に延びる膨出部を対向して設け、一方、前記脚挿着孔には、前記脚の膨出部を挟持する挟持溝を形成し、リフレクターの前方から前記脚挿着孔の所定の挿入限界位置まで挿入した前記脚の後方延出端部をリフレクターの背面側で折り曲げて、脚を脚挿着孔に固定するようにしたものである。板状延出部の膨出部は板ばねとして作用するので、リフレクターの前方から膨出部を挟持溝に圧入することで、脚を脚挿着孔に挿入できる。脚挿着孔の所定の挿入限界位置まで挿入された脚の後方延出端部をリフレクターの背面側で折り曲げることで、遮光シェードの脚は、前後方向に位置決め固定される。前後に延びる膨出部が脚挿着孔の挟持溝に挟持されることで、板ばねとして作用する膨出部が挟持溝に圧接されて、遮光シェードの脚は上下左右方向に位置決め固定され、かつ回り止めされる。遮光シェードの脚は、2枚の板状延出部を重ね合わせた構造で、脚が1枚の板状延出部で構成されている場合に比べて、シェード本体を片持ち支持する脚としての剛性強度が高い。脚挿着孔に挿入した脚(板状延出部)の後方延出端部を折り曲げることで、脚を脚挿着孔に固定できるので、従来のようにねじ固定する場合に比べて、脚(遮光シェード)の取り付けが簡単であり、しかもねじが不要な分、部品点数が少なくて済む。請求項2においては、請求項1記載の車両用灯具において、前記遮光シェードの脚を構成するそれぞれの板状延出部を、外側に凸となる横断面「く」の字型に形成するようにしたものである。膨出部のみならず板状延出部全体が板ばねとして作用し、膨出部の挟持溝への圧入がスムーズとなるとともに、膨出部と挟持溝間の圧接力が高められる。請求項3においては、請求項1または2に記載の車両用灯具において、前記膨出部を円弧形に形成し、前記挟持溝を前記膨出部の外形にほぼ整合する横断面円弧形に形成するとともに、その内周面に周方向ほぼ等分複数箇所に前後に延びる凹溝を形成するようにしたものである。膨出部の外周面ほぼ全体が挟持溝によって挟持されるので、膨出部と挟持溝間に作用する圧接力(挟持力)が大きく、脚の回り止めが確実となる。また、挟持溝の周方向内周面全域が膨出部に圧接されないので、膨出部の挟持溝への圧入の際の摩擦抵抗がそれだけ小さい。また、挟持溝の凹溝領域を除いた周方向ほぼ等分複数箇所が膨出部に圧接し、膨出部と挟持溝間に生じる圧接力が周方向に均一化される。また、膨出部の円弧形状に凹凸(誤差)があっても、挟持溝の凹溝領域を除いた周方向複数箇所が必ず膨出部に圧接し、膨出部が確実に挟持される。請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具において、前記それぞれの板状延出部の後方延出端部に、それぞれ幅方向反対側を切り欠いた互いに重ならない舌片状領域を形成するようにしたものである。脚(板状延出部)後方延出端の舌片状領域は互いに重ならず、リフレクターの背面側で折り曲げやすい。請求項5においては、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具において、前記遮光シェードの脚を構成するそれぞれの板状延出部を、板幅方向が鉛直となるように構成するようにしたものである。従来の脚は、図12,13に示すように、脚の平面領域が水平方向(光源に正対する形態)となって、リフレクターの有効反射面に向かう光の多くが遮られることになるが、板状延出部の板幅方向が鉛直となる請求項6の形態では、脚の平面領域が、光源からリフレクターの有効反射面に向かう光の進行方向と平行となって、脚で遮られる光の量はわずかで、リフレクターの有効反射面での反射光量が増加する。また、車両の走行に伴う振動は、遮光シェードを上下方向に振動させるように作用するが、脚を構成する板状延出部は板幅方向が上下方向となるように構成されて、負荷の作用方向(振動方向)に対する剛性強度が高く、遮光シェードの上下方向の振動が抑制される。請求項6においては、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用灯具において、前記リフレクターの前面には、前記脚挿着孔の設けられたボスを突出形成し、一方、脚を構成するそれぞれの板状延出部の対応する側縁部には、脚の横断面をT字型にする折曲された掛止爪を設け、前記ボスの前縁には、脚挿着孔に脚を挿入した際に、前記掛止爪が当接係合することで脚の挿入限界位置となる脚挿入量設定用の直角段差部を形成するようにしたものである。脚を脚挿着孔に挿入すれば、脚側の掛止爪がボス側の直角段差部に当接して自ずと脚の挿入適正位置となる。掛止爪は、板状延出部を重ね合わせることで構成される脚の横断面をT字型にして、脚の剛性強度を高めるべく作用する。また、掛止爪とボス側の直角段差部とは、当接係合することで脚を周方向に位置決めする周方向位置決め手段としても作用する。請求項7においては、請求項1〜6のいずれかに記載の車両用灯具において、前記光源を挿着するための光源挿着孔を前記リフレクターに設け、前記光源挿着孔の側面に開口するスリットによって前記脚挿着孔を構成するようにしたものである。脚挿着孔は、合成樹脂製リフレクターの成形(一般に、射出成形)と同時に形成されるが、光源挿着孔に繋がっているため、リフレクター成形用金型の成形面の加工が容易で、脚挿着孔(スリット)および挟持溝の成形性もよい。請求項8においては、請求項1〜7のいずれかに記載の車両用灯具において、前記シェード本体を、光源から出射して直接前方に向かう直射光を遮るキャップ型の意匠部と、前記意匠部の周りにスカート状に形成され、リフレクターの非有効反射面に向かう光を遮るスカート部とから構成するとともに、前記スカート部を、前記意匠部の外周縁から放射状に延びる複数の短冊状分割片を折り曲げてスカート状に成形するようにしたものである。絞り加工により、金属製薄板にシェード本体におけるキャップ型の意匠部および脚における膨出部を成形するとともに、この金属製薄板を打ち抜く(切断する)ことで、意匠部の周りに複数の短冊状分割片と一対の板状延出部を形成し、ついで、曲げ加工により、短冊状分割片をスカート状に成形するとともに、一対の板状延出部を重ね合わせることで、遮光シェードを成形できる。請求項9においては、請求項6に記載の車両用灯具において、前記ボスに形成する脚挿入量設定用の直角段差部を、リフレクターの有効反射面の大きさやF値の違いに対応して前後方向にオフセットした所定位置に形成するようにしたものである。F値が同じリフレクターでは、有効反射面が大きくなるに伴って、遮光シェードは前方に位置することが望ましく、大きさが同じリフレクターでは、F値が小さくなるに従って、遮光シェードは前方に位置することが望ましい。即ち、ボスに形成する脚挿入量設定用の直角段差部の位置を前後方向に変えることで、遮光シェード(のスカート部)の位置が前後方向に変わるので、リフレクターの有効反射面の大きさやF値の違いに対応した位置に脚挿入量設定用の直角段差部を形成することで、有効反射面の大きさやF値の異なるリフレクターに対して、単一の遮光シェードを用いることができる。請求項10においては、請求項9に記載の車両用灯具において、前記直角段差部を、前記係止爪が当接係合することで、前記シェード本体の外縁が光源の中心近傍所定位置と有効反射面の見切線とを結ぶ直線上となる、前後方向所定位置に設けるようにしたものである。遮光シェード(のスカート部)の外縁がリフレクターの有効反射面の見切線に対応するので、遮光シェード(のスカート部)の外縁が光源の中心近傍所定位置と有効反射面の見切線とを結ぶ直線上にくるように、直角段差部の位置を設定することで、形状の異なるリフレクター毎に直角段差部の位置が特定される。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0010】図1〜図9は本発明の一実施例である自動車用ヘッドランプを示すもので、図1は本発明の一実施例である自動車用ヘッドランプの縦断面図、図2は遮光シェードの正面図、図3は遮光シェードの側面図、図4は遮光シェードの底面図、図5は遮光シェードの脚を脚挿着孔に挿着する様子を示す斜視図、図6は遮光シェードの脚が挿着された脚挿着孔周辺を背面側からみた斜視図、図7は脚挿着孔に挿着された遮光シェードの脚の拡大横断面図、図8は脚挿着孔に挿着された遮光シェードの脚の水平断面図(図7に示す線VIII− VIIIに沿う断面図)、図9はスカート部を展開した状態の遮光シェードの平面図である。 【0011】これらの図において、符号10は前面の開口する容器状の合成樹脂製ランプボディで、ランプボディ10の前面開口部に前面レンズ12が組付けられて灯室Sが画成されている。灯室S内には、光源であるバルブ14と、バルブ14の光を前方に反射するアルミ蒸着処理されたリフレクタ16と、バルブ14の前方に設けられ、リフレクター16の有効反射面16a,16b以外の領域(例えば、前方および上方の非有効反射面16c)に向かう光を遮光する遮光シェード100とが設けられている。 【0012】バルブ14と遮光シェード100とは、図示しないエイミング機構で支持されたリフレクター16に一体化されており、エイミング機構を操作することでリフレクター16の向き(ヘッドランプの光軸L)を上下左右方向に傾動調整できる。 【0013】リフレクター16は、放物面形状の有効反射面16a,16bが形成された容器状で、その後頂部に設けられた光源装着孔であるバルブ挿着孔17には、前方のすれ違い用ビーム形成用フィラメント15aと後方の走行用ビーム形成用フィラメント15bを内蔵するバルブ14が挿着されている。 【0014】符号14aは、バルブ口金の前部に設けられている焦点リングで、バルブ挿着孔17の周縁部に形成されたリング状の焦点リング係合部17aに焦点リング14aが係合することで、バルブ中心Cがリフレクター16の有効反射面(放物面)16a,16bの焦点位置に一致するように位置決めされている。 【0015】リフレクター16の背面側における焦点リング係合部17aの周りには、立壁状の円筒部18が周設されている。また、リフレクター16前面のバルブ挿着孔17の周縁下部には、矩形ブロック状のボス19が突出形成され、このボス19には、前後に貫通し、かつバルブ挿着孔17の下側方に開口するスリット状の脚挿着孔200が形成され、この脚挿着孔200に遮光シェード100が挿着固定されている。 【0016】遮光シェード100は、遮光部として機能するシェード本体110と、シェード本体110の後方に略水平に延出する脚120とが金属製薄板によって一体に形成されたもので、脚120の後端部が脚挿着孔200に挿着固定されることで、リフレクター16に片持ち支持されている。 【0017】遮光シェード100の脚120は、シェード本体110から後方に延出する2枚の板状延出部122を左右に重ね合わせて構成されており、脚120が1枚の板状延出部で構成されている場合に比べて、遮光部110を片持ち支持する脚としての剛性強度が高い。符号121は、板状延出部122とシェード本体110間に連設された折曲水平プレート部である。 【0018】また、脚120は、横断面「く」の字型に形成された板状延出部122がそれぞれの凹面122a側が向き合うように重ね合わされるとともに、板状延出部122の延出端側幅広部123の板幅方向ほぼ中央部には、外側に膨らんで脚延出方向に延びる横断面円弧形状の膨出部124が対向して設けられている。 【0019】一方、ボス19において脚挿着孔200を構成する左右一対の側壁201,201には、遮光シェード100の脚120の膨出部124を挟持する横断面円弧形状の挟持溝210が対向して形成されている。そして、リフレクター16の前面側から膨出部124を挟持溝210に圧入することで、この前後に延びる膨出部124が脚挿着孔200の挟持溝210に挟持され、膨出部124及び板状延出部122全体が板ばねとして作用して挟持溝210に圧接されて、遮光シェード100の脚120が上下左右方向に位置決め固定され、かつ回り止めされた形態となる。 【0020】また、膨出部124の幅は、図3に示すように、挿入先端側(脚延出端側)ほど巾狭となるテーパ形状(d1<d2)に形成され、膨出部124の板状延出部からの突出部からの突出量は、図4に示すように、挿入先端側(脚延出端側)ほど小さく(h1<h2)形成され、一方、対向する挟持溝210の間隔も奥(リフレクター背面側に近い)ほど小さく(W1<W2)形成されて、膨出部124を挟持溝21内にスムーズに圧入できるようになっている。 【0021】また、板状延出部122の上側縁部には、直角外方に張り出して、脚120の横断面をT字型にすることで、脚の剛性強度を高めるフランジ状の掛止爪126が設けられている。この掛止爪126は、脚100が脚挿着孔200に挿入されて、ボス19の前縁に形成された脚の挿入量設定用の直角段差部220に当接係合することで、脚120の脚挿着孔200への挿入量を設定するとともに、脚120(遮光シェード100)を周方向に位置決めする周方向位置決め部材としても機能する。 【0022】また、この掛止爪126の段差部220との当接側縁部126a(図3参照)が脚延出方向斜め上方に傾斜(θ)して、脚120を脚挿着孔200に挿入する際に、掛止爪126が段差部220上のアルミ蒸着面を剥離させることのないようになっている。 【0023】また、それぞれの板状延出部122(123)の延出端部には、それぞれ幅方向反対側を切り欠いた互いに重ならない舌片状領域123aが形成されており、掛止爪126が直角段差部220に当接係合する位置(脚120が前後方向に位置決めされた位置)において、図6に示すように、脚先端の舌片状領域123aをリフレクター16の背面側でそれぞれ左右方向外側に折り曲げることで、遮光シェードの脚120は前後方向に位置決め固定される。 【0024】図6符号17bは、焦点リング係合部17aに形成された凹部で、舌片状領域123aはこの凹部17b位置で折り曲げられるので、焦点リング係合部17bに係合した焦点リング14aとシェード100の舌片状領域123aとが互いに干渉することはない。 【0025】符号123bは、舌片状領域123aの付け根に設けられている切り欠きで、舌片状領域123aを折り曲げ易くしている。 【0026】また、脚挿着孔200は、板状延出部122が遊合できる大きさに形成されるとともに、挟持溝210の横断面は、脚の膨出部124全体を挟持できるように、膨出部124にほぼ整合する横断面円弧形状に形成されている。 【0027】そして、挟持溝210の内周面には、図7に示すように、周方向ほぼ四等分位置に前後に延びる凹条212が形成されて、符号214で示す挟持溝210の周方向ほぼ四等分位置だけが、膨出部124に圧接するようになっている。このため、膨出部124と挟持溝210間に生じる圧接力が周方向に均一化されて、脚120は挟持部においてがたつくことなく確実に挟持される。換言すれば、膨出部124の円弧形状がいびつであったり、多少の凹凸(誤差)があったとしても、挟持溝210の周方向複数箇所214が必ず膨出部124に圧接するので、膨出部124が確実に挟持されることになる。 【0028】また、遮光シェード100の脚120(板状延出部122)は、板状延出部122の板幅方向が鉛直となるように構成されており、板状延出部122の平面領域が、バルブ14からリフレクターの下方有効反射面16bに向かう光の進行方向と平行となって、脚12で遮光される光の量はわずかで、リフレクターの下方有効反射面16bでの反射光量が増加し、明るい走行ビームを形成することができる。 【0029】また、車両の走行に伴う振動は、遮光シェード100を上下方向に振動させるように作用するが、脚120(板状延出部122)は板幅方向が上下方向となるように構成されて、負荷の作用方向に対する剛性強度が高いので、遮光シェード100における上下方向の振動が抑制され、上下ぶれのない適正な配光が形成される。 【0030】また、シェード本体110は、バルブ14から出射して直接前方に向かう直射光を遮るキャップ型の意匠部112と、意匠部112の周りにスカート状に形成され、リフレクター16の上方の非有効反射面16cに向かう光を遮るスカート部114とから構成されている。そして、スカート部114は、意匠部112の外周縁から放射状に延びる複数の短冊状分割片115(図9参照)を折り曲げて側縁部を互いに付き合わせることで、スカート状に成形されている。 【0031】即ち、遮光シェード100を製造するには、金属製薄板にキャップ型の意匠部112と膨出部124とを絞り加工により成形する。次いでこの金属製薄板を図9に示すように打ち抜くことで、意匠部112の周りに多数の短冊状分割片115が放射状に延出しかつ一対の板状延出部122が延出した加工品を形成する。次いで、短冊状分割片115を曲げ加工によりスカート状に成形するとともに、板状延出部122を所定位置で折り曲げ、かつ互いに重ね合わせることで、図2〜4に示す遮光シェード100を成形する。 【0032】また、遮光シェード100の形状は、リフレクター16の有効反射面16a,16bの大きさやF値の違いに拘わらず共通化されており、一方、リフレクター16のボス19に形成する脚挿入量設定用の直角段差部220の位置L1は、リフレクター16の有効反射面16aの大きさやF値の違いに対応して前後方向にオフセットした位置に形成されている。 【0033】即ち、脚120の掛止爪126がボス19の直角段差部220に当接して、遮光シェード100の脚120が脚挿着孔200に挿着固定された形態では、図10に示すように、有効反射面16aの見切線(有効反射面16aと非有効反射面16c間の見切線)16dとすれ違い用ビーム形成用フィラメント15aの後端部15a1を結ぶ直線16d1上にスカート部114の先端縁114aが位置するように構成されている。 【0034】そして、例えば、図10仮想線に示すように、リフレクター16に代えて、有効反射面16aより大きい面積で有効反射面16aと相似形の有効反射面16a’をもつ新たなリフレクター16’を用いる仕様のヘッドランプの場合には、新たなリフレクター16’のボス19’に形成する直角段差部220’の位置を直角段差部220の形成位置よりもδだけ前方にオフセットした位置にすることで、有効反射面16a’の見切線(有効反射面16a’と非有効反射面16c’間の見切線)16d’とすれ違い用ビーム形成用フィラメント15aの後端部15a1を結ぶ直線16d1’上にスカート部114’の先端縁114a’が位置するように構成されている。なお、この図10において、新たなリフレクター16’に挿着された、遮光シェード100と全く同一の遮光シェード100’の各構成部分を、「’」を付した符号で示す。 【0035】このように、有効反射面のF値が同じリフレクターでは、リフレクターが大型化するに伴って遮光シェードは前方に位置することが望ましく、また大きさが同じリフレクターでは、F値が小さくなるに伴って遮光シェードは前方に位置することが望ましいことから、リフレクターに形成する脚挿入量設定用の直角段差部220の位置を、有効反射面の大きさやF値の違いに対応して前後方向にオフセットさせた所定位置に設けるようにするだけで、有効反射面の大きさやF値の異なるリフレクターに対して、単一の遮光シェード100を用いることができる。 【0036】符号40は、ランプボディ10の前面開口部と前面レンズ12間に配設されて、リフレクター16とランプボディ10間の隙間を隠すように延在する枠体形状のエクステンションリフレクター、その表面には、リフレクター16と同様のアルミ蒸着処理が施されており、これによって非点灯時の灯室内全体が奥行きをもった金属色に見えて、外観体裁が良好となっている。 【0037】また、ランプボディ10の背面壁のバルブ挿着孔17に臨む位置には、バルブ交換用の開口部11が設けられ、この開口部11とバルブ口金間には、伸縮可能なゴム製の防塵防水カバー50が装着されている。 【0038】図11は本発明の第2の実施例の要部を示し、脚挿着孔に挿着された遮光シェードの脚の拡大横断面図で、前記第1の実施例における図7に対応する図である。 【0039】前記した第1の実施例では、脚120を構成するそれぞれの板状延出部122の横断面が外側に凸となる「く」の字型に形成されて、膨出部124のみならず板状延出部122も板ばね作用を営むようになっていたが、本実施例では、板状延出部122Aの横断面が平坦に形成されて、板状延出部122Aに形成されている膨出部124Aだけが板ばね作用を営むようになっている。 【0040】また、挟持溝210Aと膨出部124Aの大きさは、符号123Aで示す挟持溝210Aの周方向端部寄りで挟持するように構成されている。 【0041】また、板状延出部122A側の掛止片126Aおよびボス19A側の段差部220Aは、水平方向に対し傾斜した形状に形成されている。 【0042】その他は、前記第1の実施例と同一であるため、その説明は省略する。 【0043】なお、前記実施例における光源は、ガラス球内にすれ違い用ビーム形成用フィラメント15aと走行用ビーム形成用フィラメント15bとを備えたダブルフィラメント型バルブであったが、ガラス球内に単一のフィラメントを備えたバルブであってもよい。そして、この単一フィラメント型バルブにおいては、リフレクターの有効反射面の見切線とフィラメントの後端部を結ぶ直線上に、スカート部の先端縁が位置するように、ボスに形成する直角段差部の位置を設定してやればよい。 【0044】また、前記実施例の遮光シェードのシェード本体は、意匠部112の周りにスカート部114が形成された構造として説明しているが、意匠部112の周りにスカート部114が形成されておらず、シェード本体がバルブを覆い隠すための意匠部のみからなる構造の遮光シェードを備えたヘッドランプについても同様に適用できる。 【0045】また、前記実施例では、光源であるバルブ14を挿着したリフレクター16がエイミング機構によってランプボディに対し傾動するリフレクター可動型のヘッドランプについて説明したが、本発明は、ランプボディの内側にリフレクターが一体に形成され、ランプボディ(リフレクター)に光源であるバルブを挿着一体化したランプボディ・リフレクターユニットがエイミング機構によってランプハウジングに対し傾動する構造のユニット可動型のヘッドランプについても同様に適用できる。 【0046】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る車両用灯具によれば、脚挿着孔に脚を挿入して、リフレクターの背面側で脚を構成する板状延出部の後方延出端部を折り曲げるという簡単な作業によって、遮光シェードをリフレクターに取着できるので、遮光シェードの取り付けが非常に簡単であり、しかも部品点数が少ないため、灯具の構造も簡潔となる。また、遮光シェードの脚は、2枚の板状延出部を重ね合わせた構造であるため、剛性が高く、車両走行時等に振動して配光がぶれることもないので、適正な配光が長期にわたって保証される。請求項2によれば、板状延出部全体のばね作用により、脚をスムーズに脚挿着孔に挿入できるとともに、脚の挟持も確実となる。請求項3によれば、脚の膨出部と挟持溝間に生じる圧接力が周方向に均一化されるとともに、膨出部が挟持溝によって確実に挟持されるので、適正な配光が長期にわたって保証される。また、脚をスムーズに脚挿着孔に挿入できるので、遮光シェードの取り付けが容易となる。請求項4によれば、脚挿着孔に挿入した脚の後方延出部をリフレクター背面側で簡単かつ容易に折り曲げることができるので、迅速に遮光シェードを取り付けることができる。請求項5によれば、リフレクターの有効反射面での反射光量が増加するので、光の利用効率を高めることができる。また、車両の走行に伴う遮光シェードの振動が少ないので、配光がぶれず、ドライバーの視認性も良好となる。請求項6によれば、脚を脚挿着孔に挿入すれば、自ずと脚の挿入適正位置となるので、スムーズな遮光シェードの取り付けが可能となる。また、脚の剛性強度が高められるとともに、脚の周方向位置決め固定が確実となって、長期にわたり適正な配光が保証される。請求項7によれば、リフレクター成形用金型の成形面の加工が容易となるので、金型の製造コストを下げることができる。また、脚挿着孔(スリット)および挟持溝の成形性がよいので、遮光シェードの脚の挟持も確実となる。請求項8によれば、キャップ型の意匠部を絞り加工により成形し、スカート部および脚は、打ち抜き(切断)と曲げ加工により成形でき、順送型と単発型を組み合わせたプレス加工工程を必要とした従来の製造工程に比べて、順送型のみのプレス加工工程となるので、遮光シェードの製造工程が簡単になる。請求項9によれば、有効反射面の大きさやF値の異なるリフレクターに対して、遮光シェードを共通化できるので、灯具のコストを低減できる。また、共通の遮光シェードを用いるには、ボスに形成する脚挿入量設定用の直角段差部の位置だけを前後方向に変えることで対応できるので、リフレクターの設計および金型の形成が容易である。請求項10によれば、ボスに形成する直角段差部の位置を形状の異なるリフレクター毎に簡単に特定できるので、リフレクターの設計および金型の形成がさらに容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
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| 【出願日】 |
平成10年9月16日(1998.9.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087826 【弁理士】 【氏名又は名称】八木 秀人
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| 【公開番号】 |
特開2000−90714(P2000−90714A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−261099 |
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