| 【発明の名称】 |
トンネル内における照明灯設置構造および照明灯設置方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】勝本 勇
|
| 【要約】 |
【課題】歩道ブロックの車道と接する段差側壁に設ける照明灯を突出させないようにする。
【解決手段】トンネル内において、車道の側方に歩道ブロックが存在する場合、該歩道ブロックの車道との段差側壁に、水平方向に連続する外面開口の断面略コ字状の溝を凹設し、該溝内に視線誘導用の照明灯を埋設すると共に該照明灯に接続する電線を配線し、該照明灯の外面を側壁外面と同一平面あるいは側壁外面よりも内部側に位置させている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トンネル内の車道より立ち上がる両側壁の路面近傍に、水平方向に連続する外面開口の断面略コ字状の溝を凹設し、該溝内に視線誘導用の照明灯を埋設すると共に該照明灯に接続する電線を配線し、該照明灯の外面を側壁外面と同一平面あるいは側壁外面よりも内部側に位置させていることを特徴とするトンネル内における照明灯設置構造。 【請求項2】 上記トンネル内において、車道の側方に歩道ブロックが存在する場合、該歩道ブロックの車道との段差垂直面を上記側壁とし、該側壁に上記溝を形成して、上記照明灯および電線を埋設している請求項1に記載のトンネル内における照明灯設置構造。 【請求項3】 トンネル内の車道両側方の歩道ブロックの段差側壁に、水平方向に連続させて所要深さで切断を施し、この水平切りした切断を一定幅をあけて上下に行った後、上下切断線に挟まれた部分を破砕機で破砕して剥離除去し、外面に開口した断面コ字状の水平方向の溝を形成し、上記溝内に段差側壁より突出させないように照明灯を埋設すると共に該照明灯に接続する電線を配線しているトンネル内における照明灯設置方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル内における照明灯設置構造および照明灯設置方法に関するものであり、特に、車道の両側方の歩道ブロックの段差垂直面に視線誘導用の照明灯を取り付けるものである。 【0002】 【従来の技術】近年、高速道路等のトンネル内における交通渋滞を緩和するため及び交通事故発生を防ぐために、トンネル内の照明灯を増設して、トンネル内を明るくすることが要請されている。其の際、特に、車道と車道側方の歩道ブロックとの段差側壁に誘導用の照明灯を設置すると、車道幅の確認が容易にでき、自動車のトンネル側壁への側面衝突を有効に予防することができる。 【0003】よって、従来、図11(A)(B)に示すように、トンネル1の車道2の両側の歩道ブロック3の段差垂直面3aの外面に、多数個の誘導用の照明灯4を連続して並設し、或いは間隔をあけて設置している場合がある。即ち、各照明灯4のケース4aを段差垂直面3aに固定し、かつ、これら照明灯4に接続する電線5にカバーを被せて段差垂直面3aに沿って配線し、ケース4a内の光源体4bと接続している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のように歩道ブロック3の段差垂直面3aに照明灯4を突設した場合、車道1の路面に近接するため、車道1を走行する自動車が側面接触して、照明灯4および電線5を破損しやすい問題がある。特に、電線5を破損すると、接続した多数の照明灯4が一度に消灯してしまい、トンネル内が急激に暗くなり、事故発生の可能性が高まりやすい。なお、歩道ブロックがない狭いトンネル内においては、車道の両側より立ち上がるトンネル側壁の路面近傍に照明灯が付設されることになるが、この場合も、同様に、自動車の側面接触により照明灯および照明灯に接続される電線が破損されやすい問題がある。 【0005】そのため、図12に示すように、段差垂直面3aの先端より車道側へバンパー7を突出して、照明灯4および電線5に言わば屋根を被せた状態として保護する場合もあるが、該構成とすると、車道を狭くすることとなり、かつ、バンパー7も自動車と接触して損傷を受けやすい問題がある。 【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、トンネル内の歩道ブロックの段差垂直面等の車道より立ち上がる側壁に、自動車による側面接触を受けにくい形態で照明灯を取り付けることを課題としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、トンネル内の車道より立ち上がる両側壁の路面近傍に、水平方向に連続する外面開口の断面略コ字状の溝を凹設し、該溝内に視線誘導用の照明灯を埋設すると共に該照明灯に接続する電線を配線し、該照明灯の外面を側壁外面と同一平面あるいは側壁外面よりも内部側に位置させていることを特徴とするトンネル内における照明灯設置構造を提供している。 【0008】上記トンネル内において、車道の側方に歩道ブロックが存在する場合、該歩道ブロックの車道との段差垂直面を上記側壁とし、該側壁に上記溝を形成して、上記照明灯および電線を埋設している。 【0009】上記のように、歩道ブロックの段差垂直面等の側壁に溝を凹設し、この溝内に照明灯および電線を埋め込み、側壁より突出させないようにすると、自動車の側面接触による破損を効果的に抑制することができる。特に、配線作業が容易となると共に配線が切断されにくくなり、よって、トンネル内の照明が一度に消える問題を解消できる。 【0010】さらに、本発明は、トンネル内の車道両側方の歩道ブロックの段差側壁に、水平方向に連続させて所要深さで切断を施し、この水平切りした切断を一定幅をあけて上下に行った後、上下切断線に挟まれた部分を破砕機で破砕して剥離除去し、外面に開口した断面コ字状の水平方向の溝を形成し、上記溝内に段差側壁より突出させないように照明灯を埋設すると共に該照明灯に接続する電線を配線しているトンネル内における照明灯設置方法を提供している。 【0011】従来、既存のコンクリートの側壁に連続して水平溝を形成することは、それに適した切断機が提供されていないため、非常に困難であった。そのため、小さい溝を設ける場合は、破砕機で破砕して側壁を掘削したり、研削ドラム等で側壁を研削したりして設ける場合もあるが、作業手数が非常にかかる問題があった。よって、既存の構造物の側壁に長い範囲にわたって付設材を取り付ける場合には、溝を凹設して付設材を埋設するのが好ましいと認識しつつ、側壁の表面に付設材を突出させて取り付けざるを得ない状況であった。 【0012】本発明では、上記のように、まず、溝とする部分の上下両端を切断機で連続して水平切りし、その後、上下切断部に挟まれた部分に破砕機で打撃を与えて破砕し、切断部より亀裂を発生させて破砕した切断片を除去することにより、水平方向の溝を連続して凹設している。この方法によれば、側壁の路面に近接した位置にも、水平方向に連続する溝を比較的容易に形成することができる。このように水平方向に連続して溝を形成すると、該溝内に電線を連続して配線し、該電線に接続した照明灯を、溝より突出させることなく、埋設することが容易にできる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1(A)は高速道路のトンネルの全体図、(B)は部分拡大図である。図示のように、トンネル1は左右走行車線を有する車道2の両側に夫々段差を設けて細幅の歩道ブロック3があり、これら歩道ブロック3の外端よりトンネル1の側壁6が立ち上がっている。 【0014】通常、上記トンネル側壁6に連続する天井壁8の左右両側には、従来より照明灯9が取り付けられている。本発明では、これら照明灯9に加えて、歩道ブロック3の車道2との段差側壁(段差垂直面)3aに照明灯10を取り付けている。 【0015】上記照明灯10は、段差側壁3aに水平方向に連続して設けた断面コ字状の溝11内に一定間隔をあけて埋設しており、照明灯10のケース13の前面13aを段差側壁3aの表面と同一面となるように、ケース13の後面に突出したブラケット13bをコンクリートボルト14を用いて溝11の底面11aに固定している。なお、溝11の上面11bは水平面とし、ケース13の上面13cを当接している一方、溝11の下面11cは先端に向かって僅かに下方傾斜させ、ケース13の下面13dとの間に僅かな隙間Cをあけている。この隙間Cは溝11内へ侵入した水の排水路としている。 【0016】上記照明灯10の内部に収容した光源体(ランプ)15に、ケース13の側面13eを通した電線16を接続し、間隔をあけて設置した照明灯10に電線16を順次直列に接続し、一端を電源側と接続している。この照明灯10の間に配線する電線16を保護材で被覆し、溝11の底面に沿って配索している。 【0017】本実施形態では、溝11の下面11cは車道2の表面より5cmの位置とし、溝11の上下高さH1を11cmとし、溝深さをD1を2.5cmとしている。この溝11に埋設する上記照明灯10は、高さH2を10cm、深さD2を2センチ、長さLを90センチとしている。 【0018】上記間隔をあけて配置した照明灯10の間では、溝11の底面に沿って電線16が配線されているだけで、空隙となっている。この空隙の状態のままとしておいても良いが、本実施形態では、溝11の開口端にカバー18を被せて段差垂直面3aと同一面とし、かつ、間隔をあけて配置した照明灯10のケース前面13aとも連続させて、溝11の開口を全面にわたって閉鎖している。 【0019】なお、溝11内に照明灯10を隙間なく並列に配置しても良い。また、図6(A)(B)に示すように、溝11内に光源体15を取り付けた支持板20を間隔をあけて溝底面に固定する一方、溝11の開口全面に透過カバーを連続して取り付けてもよい。この場合、段差垂直面3aに、強い光りと弱い光りとが交互に発する水平方向に一連に連続した線状の誘導照明が得られる。さらに、照明灯10のケース13の前面13aを溝11の開口端より内部側に位置させてもよく、段差側壁3aより突出させないようにすればよい。 【0020】次に、上記照明灯10を埋設する溝11の形成方法について説明する。まず、図7(A)に示すように、溝11となる箇所の段差側壁の上下両縁ラインP1とP2とを連続的に水平切りする。さらに、その上下中間ラインP3も連続的に水平切りする。なお、上下両縁ラインP1とP2とは必ず切断しなければならないが、中間ラインは切断しておく方が好ましい。 【0021】上記した水平切りは、図8(A)(B)に示すように、走行台車21にコンクリートカッター用の円板カッターブレード22を設けた切断機20を用いると、効率良く切断することができる。即ち、走行台車21を段差側壁3aに沿って走行させると、円板カッターブレード22が回転しながら段差側壁3aに所定深さ切り込み、走行により、この切り込みが水平方向に連続してなされる。 【0022】上記のように、切断機20により、溝を設ける区間の全長にわたって、上下および中間ラインP1,P2、P3に連続した切断した後、中間ラインP3の切断部に図7(B)に示すように打撃ブレーカ25のチゼル25a先端を挿入し、打撃を与える。この打撃により中間ラインP3の切断部より亀裂が発生して、上下ラインP1,P2とP3に挟まれた部分が破砕される。図7(C)に示すように、破砕片26を除去することにより、段差側壁3aに開口した断面コ字状の溝11が水平方向に連続して形成される。なお、中間ラインP3を切断していない場合には、上下ラインP1とP2とで挟まれた部分をブレーカ25で破砕すればよい。 【0023】上記側壁切断時において、図9に示すように、上下一対の円板カッターブレード22Aと22Bを備えた切断機20’を用いると、上下ラインP1とP2の切断が同時にでき、作業効率を向上させることができる。 【0024】上記実施形態は車道2の側方に歩道ブロック3を備える場合に、車道と歩道ブロックの段差側壁3aに照明灯10を取り付けているが、歩道ブロック3を備えない場合には、図10に示すように、車道2から直接的に立ち上がるトンネルの側壁6の路面近傍に、溝11を凹設し、該溝11に照明灯10を埋設する。また、トンネルの車道より立ち上がる側壁の路面近傍にかぎらず、既存の構造物に水平方向に連続させて照明灯を取り付ける場合、上記実施形態と同様の方法で、構造物の側壁に水平方向の溝を凹設し、該溝に照明灯を埋め込むと、照明灯を外部に突出させずに取り付けることができる。 【0025】 【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明によれば、トンネル内の車道側壁の路面近傍に取り付ける誘導用照明灯を、側壁の外面に突出させず、側壁に水平溝を連続的に凹設し、この溝内に照明灯および該照明灯に接続する電線を埋め込んで取り付けるため、自動車が車道側壁に側面接触しても、照明灯および電線に損傷が発生することを抑制できる。よって、電線が破損して照明灯が一度に消える等の不具合の発生率を大幅に低減できる。 【0026】また、本発明に係わる側壁の溝形成方法を用いると、一定幅の溝を水平方向に連続させて、作業性良く形成することができる。そのため、従来は側壁の表面に突出させて取り付けていた照明灯および電線を、溝内に簡単に埋設して取り付けることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】592240219 【氏名又は名称】有限会社サンコー 【識別番号】591161759 【氏名又は名称】大東金属株式会社 【識別番号】593192520 【氏名又は名称】有限会社ダイワ建設
|
| 【出願日】 |
平成10年8月7日(1998.8.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072660 【弁理士】 【氏名又は名称】大和田 和美
|
| 【公開番号】 |
特開2000−57801(P2000−57801A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月25日(2000.2.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−224668 |
|