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【発明の名称】 太陽光採光装置
【発明者】 【氏名】沼尾 正信

【氏名】宮本 哲雄

【要約】 【課題】クリーンエネルギーを有効活用し、製造コスト、設置コスト及び維持コストを低減した太陽光採光装置を提供する。

【解決手段】太陽光を採光する採光部と、前記採光部を駆動する駆動装置76と、前記採光部を太陽の位置に応じた適正な位置となるように駆動装置76を制御するマイコン24と、駆動装置76に電力を供給する太陽電池86と、駆動装置76に電力を供給する風力発電装置20と、太陽電池86又は風力発電装置20の余剰電力を充電する充電装置22を設けるように構成すると、風力発電装置20の電力及び太陽電池86の余剰電力を充電装置22に蓄電することにより、気象条件の変化に柔軟に対応し、太陽電池86の負担が軽くなり、太陽光採光装置10のコストを削減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 太陽光を採光する採光部と、前記採光部を駆動する駆動装置と、前記採光部を太陽の位置に応じた適正な位置となるように前記駆動装置を制御する制御装置と、前記駆動装置に電力を供給する風力発電装置とを備えるようにしたことを特徴とする太陽光採光装置。
【請求項2】 太陽光を採光する採光部と、前記採光部を駆動する駆動装置と、前記採光部を太陽の位置に応じた適正な位置となるように前記駆動装置を制御する制御装置と、前記駆動装置に電力を供給する太陽電池と、前記駆動装置に電力を供給する風力発電装置とを備えるようにしたことを特徴とする太陽光採光装置。
【請求項3】 上記太陽光採光装置に、太陽電池又は風力発電装置の余剰電力を充電する充電装置を設けるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽光採光装置。
【請求項4】 上記太陽電池又は風力発電装置の電力測定装置と、前記電力測定装置により測定した太陽電池又は風力発電装置の電力に基づき太陽電池又は風力発電装置の余剰電力の充電を制御する充電制御回路とを具備した充電制御装置を備えるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の太陽光採光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の屋根等に取り付け、太陽光を採光し、好適な角度で太陽光を室内に導くようにした太陽光採光装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、太陽の位置に応じて太陽光を採光する採光部の位置を制御して、太陽光を常時好適な角度で採光できる太陽光採光装置が実用に供されている。採光部として、採光プリズムや反射板を用いたものが実用化されているが、以下、この従来の太陽光採光装置の一例として、太陽光の採光部として採光プリズムを用いた太陽光採光装置について図3(A)、(B)、及び図4を用いて説明する。図3は、太陽光採光装置70の概略構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は縦断側面図である。また、図4は、この太陽光採光装置70を取り付け、実際に太陽光採光装置70により室内に太陽光を採光する状態を示す縦断側面図である。
【0003】先ず、図3(A)、(B)を用いて、この太陽光採光装置70の具体的構成を説明する。図3(A)、(B)において、72a、72bは、採光プリズムで、76は採光プリズム72a、72bの、例えばステッピングモータ等からなる駆動装置である。また、78は採光プリズム72a、72bを保持すると共に採光プリズム72a、72bを回転させるための回転リング、74は配光板、82は内枠(枠体)、84は外枠、86は太陽電池である。
【0004】ドームカバー52を透過し、所定の間隔をおいて配置された2枚の採光プリズム72a、72bに照射された太陽光Lは、これらの採光プリズム72a、72bの屈折作用により、好適な角度に屈折され配光板74を介して建物室内に誘導される。
【0005】一方、採光プリズム72a、72bの駆動装置76は、図示は省略したが、駆動ギアを含むギア機構と、電動機、電動機を制御する制御装置と、制御装置に制御指令を与える設定装置等とを内蔵しており、先ず、太陽の高度・方位等の状態を検出する太陽光状態検出装置(図示せず)からの検出出力が設定装置に与えられる。
【0006】次に、設定装置の駆動指令を受けて、制御装置の制御信号により、電動機及びギア機構を介して、採光プリズム72a、72bを回転させ、それらの回転位置が常に太陽光を好適な角度で採光できる位置となるように調整される。この時、電動機を駆動するための電力の供給源となるのが、太陽電池86である。また、採光プリズム72a、72bは、回転リング78を介して複数個の支承ローラ88a〜88fにより回転支持される。
【0007】以上の構成で、太陽光採光装置70により太陽光Lを常時好適な角度で室内に採光する方法を図4を用いて説明する。図4は、太陽光Lの採光口58に、太陽光採光装置70を取り付けた状態を示しているが、同図に示す位置にあるときの太陽S1、S2から照射された太陽光Lは、ドーム状のカバー(以下「ドームカバー」という。)52及び採光板56を透過し、採光プリズム72a、72bに入射する。採光口58に取り付けるカバーとしては、透明ドーム、又はドーム状の乳白色の光散乱体としたもの、或いは平板ガラスを取り付けたものなどが提供されている。
【0008】なお、図4において、64は太陽光Lを室内に導くための導光路で、周囲を導光壁66で囲むことにより形成される。導光壁の壁面66aは、白色のクロス張り、又は白色に塗装されて光反射面とされているか、或いは、鏡面的な光反射面とされている。また、40は建物の屋根、42は天井、44は太陽光採光装置70を設置するための架台、60は太陽光Lの出射口で、62は、太陽光採光装置70の結露予防、及び太陽光Lを拡散するための配光板である。
【0009】図4においてS1に示すように、太陽高度が低い場合は、太陽光Lが低い入射角度で上段の採光プリズム72aに入射し、採光プリズム72aの屈折作用により採光装置50の出射口60方向に曲げられて、下段の採光プリズム72bにより、更に出射口60方向に曲げられ、配光板62に直接入射し、当該配光板62により拡散されて、室内に照射される。
【0010】一方、S2に示すように太陽高度が高い場合も、太陽光Lが高い入射角度で上段及び下段の採光プリズム72a、72bに直接入射し、出射口60方向に曲げられて、直接配光板62に入射して、上記同様に配光板62に拡散されて、室内に照射される。このため、太陽光採光装置70を用いた場合は、一般居住用住宅では、昼間は常時好適な角度で太陽光Lを採光でき、照明器具が不要或いは弱い照明で充分となり、省エネルギーに寄与する。一方、自然光を常時植物に好適な角度で照射できるため、植物プラントへの応用も試みられ、成長促進或いは食味の向上等の一定の成果を挙げている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の太陽光採光装置では、採光部である採光プリズムの駆動装置用の電源として、上述したように太陽電池を単独で用いていたものや、また、商用電源を用いたもの、或いは太陽電池と商用電源を併用していたものがある。
【0012】しかし、太陽光採光装置の利用用途が拡大し、山間部や農場等のように商用電力が供給されていない場所での利用が増大しつつある。従って、商用電源を用いず太陽電池を単独で用いた太陽光採光装置の場合は、太陽電池の発電能力は、気温や日照等の気象条件に大きく影響されるので、この気象条件の変化に対応するために、太陽電池の面積を大きくしたり、充電装置の容量を大きくしたりしなければならず、太陽光採光装置の製造コストが嵩むという問題があった。
【0013】また、建造物の陰などで昼間も十分な日射量を得られない場所で設置する場合は、太陽電池を単独で用いた太陽光採光装置の使用が困難で、商用電源を用いるか、或いは商用電源と太陽電池とを併用するしかなく、太陽光採光装置の利用用途の拡大、太陽光採光装置の規格の統一が困難であるという問題があった。
【0014】また、商用電源を用いた太陽光採光装置の場合も、駆動装置に接続する配線が必要となり、製造コスト、設置コストが嵩み、電気代が必要になり、維持コストが掛かるという問題があった。更に、環境問題が深刻化する中で、クリーンエネルギーを有効活用することが急務となりつつある。
【0015】本発明は、クリーンエネルギーを有効活用し、製造コスト、設置コスト及び維持コストを低減した太陽光採光装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽光採光装置は、上記課題を解決するために、請求項1に記載のものでは、太陽光を採光する採光部と、前記採光部を駆動する駆動装置と、前記採光部を太陽の位置に応じた適正な位置となるように前記駆動装置を制御する制御装置と、前記駆動装置に電力を供給する風力発電装置とを備えた構成とした。このように構成すると、風力というクリーンエネルギーを有効活用できるので、気象条件の変化に対応できる幅が広がると共に、太陽電池が不要となるので製造コストを削減できる。また、商用電源が不要となるか、又は、風力発電装置の発電量の分、商用電源の消費電力量を削減できるので、設置コスト、維持コストを低減することができる。更に、建造物の陰等で日射量が不十分な場所での利用が可能となり、太陽光採光装置の利用用途が拡大する。
【0017】請求項2に記載の太陽光採光装置は、太陽光を採光する採光部と、前記採光部を駆動する駆動装置と、前記採光部を太陽の位置に応じた適正な位置となるように前記駆動装置を制御する制御装置と、前記駆動装置に電力を供給する太陽電池と、前記駆動装置に電力を供給する風力発電装置とを備えた構成とした。このように構成すると、風力というクリーンエネルギーを有効活用でき、太陽電池と併用することにより、気象条件の変化に対応できる幅が一層広がり、太陽電池への負担が小さくなり太陽電池の面積を小さくできるので製造コストを削減できる。また、請求項1に記載したものと同様に、商用電源が不要又は、商用電源の消費電力量が削減できるので、設置コスト、維持コストを低減することができる。
【0018】請求項3に記載の太陽光採光装置は、太陽電池又は風力発電装置の余剰電力を充電する充電装置を設けるように構成した。このように構成すると、太陽電池及び風力発電装置で発電した余剰電力を充電装置に蓄えることができるので、気象条件の変化に、より柔軟に対応できるようになる。また、太陽電池と風力発電装置を併用した場合に、太陽電池を小さくできるので、製造コストを一層削減することができる。更に、太陽電池では発電できなかった夜間における風力発電装置により発生した電力を蓄えることができるので、商用電源が不要又は、商用電源の消費電力量が削減できるので、設置コスト、維持コストを低減することができる。
【0019】請求項4に記載の太陽光採光装置は、上記太陽電池又は風力発電装置の電力測定装置と、前記電力測定装置により測定した太陽電池又は風力発電装置の電力に基づき太陽電池又は風力発電装置の余剰電力の充電を制御する充電制御回路とを具備した充電制御装置を備えるように構成した。このように構成すると、太陽電池又は風力発電装置により発生した余剰電力の充電効率が良くなり、太陽光採光装置のコストを更に削減することができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の太陽光採光装置の一実施の形態を図1及び図2(A)、(B)を用いて説明する。図1は、本発明の太陽光採光装置10の概略構成を示すブロック図、図2はこの太陽光採光装置10の一実施の形態を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。
【0021】先ず、本実施の形態における太陽光採光装置10の概略構成を図1及び図2(A)、(B)を用いて説明する。図1に示すように、本実施の形態の太陽光採光装置10は、図3に示した従来の太陽光採光装置70と同様に、駆動装置76、太陽電池86、駆動装置76を制御する制御装置であるマイクロコンピュータ24(図示のもの、及び以下の説明では「マイコン」と略記してある。)を備えている。
【0022】一方、本実施の形態における太陽光採光装置10は、更に、風力発電装置20、電力測定装置32と充電制御回路34を具備した充電制御装置30、風力発電装置20又は太陽電池86で発生した余剰電力を充電しておくためのバッテリ等の充電装置22を備えた点にその構成上の特徴を有する。
【0023】また、本実施の形態の太陽光採光装置10に用いる風力発電装置20は、図2(A)、(B)にその外観構成を示すように、流線型をした胴体20aに発電機(図示せず)が内蔵されており、尾翼20dにより胴体20a先端部に取り付けられたプロペラ20bが常時風向きに垂直となるように調整され、風力によりプロペラ20bが回転させられ、プロペラ20bに連動して発電機が駆動されるようになっている。
【0024】以上の構成で、本実施の形態の太陽光採光装置10の基本動作を図1及び図2(A)、(B)を用いて説明する。本実施の形態の太陽光採光装置10においては、太陽の位置に応じて、採光プリズム72a、72bの回転位置を適正となるように制御する基本動作は、図3(A)、(B)に示す上述した従来の太陽光採光装置70と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0025】一方、採光プリズム72a、72bの駆動装置76の電力供給源は、上述したように、太陽電池86と風力発電装置20である。従って、日射量が多く太陽電池86の発生電力が多い場合は、この駆動装置76やマイコン24の電力は太陽電池86から供給される。また、天候が雨や曇等で日射量が少ない場合は、風力発電装置20や充電装置22から電力が供給される。
【0026】ところで、日中のように日射量が多く太陽電池86の発電量が多いか、或いは風が強く風力発電装置20の発電量が多いために、採光プリズム72a、72bを駆動する駆動装置76やマイコン24の消費電力よりも多く電力が発生し、余剰電力が生じた場合は、図1に示す充電制御装置30により、太陽電池86及び風力発電装置20の余剰電力を、この充電制御装置30が内蔵した電力測定装置32により測定し、充電制御回路34により充電装置22に充電する。
【0027】また、夜間は、太陽電池86により電力が発生しないが、採光プリズム72a、72bの駆動装置76を駆動する必要がないので、風力発電装置20で発生した電力は、夜の間中充電装置22に充電し続けることができる。
【0028】従って、太陽電池86と風力発電装置20とを組み合わせることにより、本発明の太陽光採光装置10の発電能力を向上させることができる。このため、商用電源が不要又は商用電源による消費電力量を低減することができるので維持コストを下げることができる。或いは、風力発電装置20の発生電力の分だけ太陽電池86の面積を小さくすることができるので、太陽光採光装置10の製造コストを低減することができる。太陽電池86の負担が軽くなるので、建造物の陰等において、十分な日射量が期待できない場所での設置が可能となり太陽光採光装置10の利用用途が拡大する。
【0029】太陽電池86と風力発電装置20と充電装置22とを組み合わせることにより、気象条件の変化に柔軟に対応できるようになるので、太陽光採光装置10のメンテナンスが楽になり、維持コストを削減することができる。また、従来は夜間において、電力を発生させることはできなかったが、風力発電装置20による電力を蓄電することができるので、太陽電池86と併せてクリーンエネルギーを十分に活用し、商用電源と併用した場合でも商用電源の消費電力量を削減できるので、環境問題の解決に寄与できる。更に、商用電源を不要とすることができるので、商用電源のための配線等が不要になり太陽光採光装置10の製造コスト、設置コストが削減できると共に、商用電源が提供されていない場所での利用が可能になり、太陽光採光装置10の利用価値が増大する。
【0030】本発明の太陽光採光装置は上記実施の形態には限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、風力発電装置の例として、胴体が流線型をしたプロペラ型のもので説明したが、これを風車タイプの風力発電装置としても良い。また、特定の山間部のように、常時一定の風力が見込める場所で用いる場合では、太陽電池や充電装置が不要になり、これらを除いた構成の太陽光採光装置も本発明に含まれるのは勿論のことである。
【0031】
【発明の効果】本発明の太陽光採光装置は、上記のように構成したために、以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載したように、太陽光を採光する採光部と、採光部を駆動する駆動装置と、採光部を太陽の位置に応じた適正な位置となるように駆動装置を制御する制御装置と、駆動装置に電力を供給する風力発電装置とを備えた構成とすると、風力というクリーンエネルギーを有効活用できるので、気象条件の変化に対応できる幅が広がると共に、太陽電池が不要となるので製造コストを削減できる。
(2)また、商用電源が不要となるか、又は、風力発電装置の発電量の分、商用電源の消費電力量を削減できるので、設置コスト、維持コストを低減することができる。
(3)更に、建造物の陰等で日射量が不十分な場所での利用が可能となり、太陽光採光装置の利用用途が拡大する。
【0032】(4)請求項2に記載したように、太陽光を採光する採光部と、採光部を駆動する駆動装置と、採光部を太陽の位置に応じた適正な位置となるように駆動装置を制御する制御装置と、駆動装置に電力を供給する太陽電池と、駆動装置に電力を供給する風力発電装置とを備えた構成とすると、風力というクリーンエネルギーを有効活用でき、太陽電池と併用することにより、気象条件の変化に対応できる幅が一層広がり、太陽電池への負担が小さくなり太陽電池の面積を小さくできるので製造コストを削減できる。
(5)また、請求項1に記載したものと同様に、商用電源が不要又は、商用電源の消費電力量が削減できるので、設置コスト、維持コストを低減することができる。
【0033】(6)請求項3に記載したように、太陽電池又は風力発電装置の余剰電力を充電する充電装置を設けるように構成すると、太陽電池及び風力発電装置で発電した余剰電力を充電装置に蓄えることができるので、気象条件の変化により柔軟に対応できるようになる。
(7)また、太陽電池と風力発電装置を併用した場合に、太陽電池を小さくできるので、製造コストを一層削減することができる。
(8)更に、太陽電池では発電できなかった夜間における風力発電装置による発電を蓄えることができるので、商用電源が不要又は、商用電源の消費電力量が削減できるので、設置コスト、維持コストを低減することができる。
【0034】(9)請求項4に記載したように、太陽電池又は風力発電装置の電力測定装置と、電力測定装置により測定した太陽電池又は風力発電装置の電力に基づき太陽電池又は風力発電装置の余剰電力の充電を制御する充電制御回路とを具備した充電制御装置を備えるように構成すると、太陽電池又は風力発電装置により発生した余剰電力の充電効率が良くなり、太陽光採光装置のコストを更に削減することができるようになる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成10年7月24日(1998.7.24)
【代理人】 【識別番号】100076794
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 耕二 (外1名)
【公開番号】 特開2000−48611(P2000−48611A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−209892