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【発明の名称】 車両に用いられる前照灯
【発明者】 【氏名】ハンス ダウミュラー

【氏名】ロルフ クライバー

【氏名】オラーフ ロットシュテート

【氏名】ホルスト オシュマン

【氏名】ペーター ユング

【要約】 【課題】調節ねじの回転時における伝達部材または調節ねじの損傷を回避する。

【解決手段】ハウジングに移動調節可能に支承されたリフレクタを移動調節するための調節装置の調節ねじ34が回転させられると、伝達部材22が長手方向で移動させられて、リフレクタが移動調節されるようになっており、伝達部材22が、少なくとも一方の移動方向23における移動距離を制限する目的で、規定の最大移動距離の後に調節ねじ34のねじ山36との螺合状態から解離されるようになっており、伝達部材22が、移動方向23における最大移動距離よりも小さな移動距離の後にストッパ64に当接するようになっており、引き続き、伝達部材22がねじ山36との螺合状態から解離されるまで伝達部材22が同じ移動方向でさらに運動させられると、該移動方向23とは反対の方向で伝達部材22を負荷する戻し力が形成されるようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に用いられる前照灯であって、保持装置(10)が設けられていて、該保持装置(10)に少なくとも1つのリフレクタ(12)が移動調節可能に支承されており、該リフレクタ(12)を移動調節するための調節装置(18)が設けられていて、該調節装置(18)が調節ねじ(34)を有しており、該調節ねじ(34)が、該調節ねじ(34)に設けられたねじ山(36)を介して、リフレクタ(12)に枢着されかつ移動可能に案内された伝達部材(22)に結合されており、前記調節ねじ(34)が、該調節ねじ(34)の長手方向軸線(35)を中心にして回転可能に支承されており、該調節ねじ(34)が回転させられると、伝達部材(22)が長手方向(23)で移動させられて、リフレクタ(12)が移動調節されるようになっている形式のものにおいて、伝達部材(22)が、該伝達部材(22)の、少なくとも一方の移動方向(23)における移動距離を制限する目的で、規定の最大移動距離の後に調節ねじ(34)のねじ山(36;84)との螺合状態から解離されるようになっており、伝達部材(22)が、移動方向(23)における最大移動距離よりも小さな移動距離の後に、少なくとも1つのストッパ(64;74;86)に当接するようになっており、引き続き、伝達部材(22)が調節ねじ(34)のねじ山(36;84)との螺合状態から解離されるまで伝達部材(22)が同じ移動方向(23)でさらに運動させられると、該移動方向(23)とは反対の方向で伝達部材(22)を負荷する戻し力が形成されるようになっていることを特徴とする、車両に用いられる前照灯。
【請求項2】 ストッパ(64;74)が保持装置(10)に形成されている、請求項1記載の前照灯。
【請求項3】 伝達部材(22)のストッパ(74)が、ばね弾性的に変形可能であり、該ストッパ(74)が、伝達部材(22)の最大移動距離が達成されるまでばね弾性的に変形させられて、移動方向(23)とは反対の方向で伝達部材(22)を負荷する戻し力を形成するようになっている、請求項1または2記載の前照灯。
【請求項4】 伝達部材(22)が、少なくとも1つのばね弾性的に変形可能な区分(62)を有しており、該区分(62)が前記ストッパ(64;74)に当接するようになっており、当接後に伝達部材(22)の最大移動距離が達成されるまで、前記区分(62)がばね弾性的に変形させられて、移動方向(23)とは反対の方向で伝達部材(22)を負荷する戻し力を形成するようになっている、請求項1から3までのいずれか1記載の前照灯。
【請求項5】 伝達部材(22)に設けられた、少なくとも1つのばね弾性的に変形可能な区分(62)が、伝達部材(22)から伝達部材(22)の移動方向(23)に対して直交する横方向に突出したリブとして形成されている、請求項4記載の前照灯。
【請求項6】 伝達部材(22)が、調節ねじ(34)の長手方向軸線(35)に対して少なくともほぼ対称的に配置された、少なくとも2つのばね弾性的に変形可能な区分(62)を有している、請求項4または5記載の前照灯。
【請求項7】 保持装置(10)が、伝達部材(22)のためのガイド(32)を有しており、該ガイド(32)に前記ストッパ(64;74)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項8】 調節ねじ(34)が、ねじ山付ピン(36;84)を備えた軸部を有しており、該ねじ山付ピン(36;84)に続いて、該ねじ山付ピン(36;84)よりも小さな直径を有するピン区分(38;82)が設けられており、伝達部材(22)がねじ山付孔(24)を有しており、該ねじ山付孔(24)を貫いて調節ねじ(34)の軸部が貫通しており、伝達部材(22)が、調節ねじ(34)のねじ山付ピン(36;84)との螺合状態から解離されると、前記ピン区分(38;82)が前記ねじ山付孔(24)内に配置されるようになっている、請求項1から7までのいずれか1項記載の前照灯。
【請求項9】 前記ストッパが、ばね弾性的な部材(86)によって形成されており、該ばね弾性的な部材(86)が、伝達部材(22)と保持装置(10)または調節ねじ(34)との間に配置されており、前記ばね弾性的な部材(86)が、伝達部材(22)の最大移動距離が達成されるまでばね弾性的に変形させられて、移動方向(23)とは反対の方向で伝達部材(22)を負荷する戻し力を形成するようになっている、請求項1または8記載の前照灯。
【請求項10】 前記ばね弾性的な部材(86)が、調節ねじ(34)に配置された圧縮ばねとして形成されている、請求項9記載の前照灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる前照灯であって、保持装置が設けられていて、該保持装置に少なくとも1つのリフレクタが移動調節可能に支承されており、該リフレクタを移動調節するための調節装置が設けられていて、該調節装置が調節ねじを有しており、該調節ねじが、該調節ねじに設けられたねじ山を介して、リフレクタに枢着されかつ移動可能に案内された伝達部材に結合されており、前記調節ねじが、該調節ねじの長手方向軸線を中心にして回転可能に支承されており、該調節ねじが回転させられると、伝達部材が長手方向で移動させられて、リフレクタが移動調節されるようになっている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような形式の前照灯は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3814289号明細書に基づき公知である。この公知の前照灯はハウジングの形の保持装置を有しており、この保持装置にはリフレクタが移動調節可能に支承されている。リフレクタを調節するためには、調節装置が設けられており、この調節装置は調節ねじを有していて、この調節ねじはねじ山を介して、リフレクタに枢着された伝達部材に結合されている。調節ねじは、この調節ねじの長手方向軸線を中心にして回転可能に支承されており、この場合、調節ねじが回転させられると、伝達部材はねじ山によって長手方向で、調節ねじの長手方向軸線に沿って運動させられて、リフレクタが移動調節される。リフレクタが保持装置または前照灯のその他の構成部分に衝突するまで運動させられることを阻止するためには、長手方向における伝達部材の運動可能性が制限されていなければならない。公知の前照灯では、伝達部材が調節ねじのねじ山との螺合状態から解離されて、その後にリフレクタの調節がもはや不可能となるまで、調節ねじを一方の方向へ回転させることができる。調節ねじが他方の方向へ回転させられる場合には、伝達部材が保持装置に当接し、この場合、引き続き調節ねじがさらに回転させられると、伝達部材または調節ねじが損傷される恐れが生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭で述べた形式の前照灯を改良して、調節ねじの回転時における伝達部材または調節ねじの損傷が回避されるような前照灯を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明の構成では、伝達部材が、該伝達部材の、少なくとも一方の移動方向における移動距離を制限する目的で、規定の最大移動距離の後に調節ねじのねじ山との螺合状態から解離されるようになっており、伝達部材が、移動方向における最大移動距離よりも小さな移動距離の後に、少なくとも1つのストッパに当接するようになっており、引き続き、伝達部材が調節ねじのねじ山との螺合状態から解離されるまで伝達部材が同じ移動方向でさらに運動させられると、該移動方向とは反対の方向で伝達部材を負荷する戻し力が形成されるようにした。
【0005】
【発明の効果】本発明による前照灯には、調節ねじを任意に回転させることができるという利点がある。この場合、伝達部材が調節ねじのねじ山との螺合状態から解離されることにより、これらの構成部分の損傷が回避されており、しかも存在する戻し力に基づき、伝達部材は再び調節ねじのねじ山と螺合し、引き続き伝達部材の、他方の長手方向における長手方向運動が実施される。
【0006】請求項2以下には、本発明による前照灯の有利な改良形が記載されている。請求項3または請求項4に記載の構成により、伝達部材のための戻し力が簡単に形成される。請求項9に記載の構成により、戻し力を形成するために、伝達部材および/または保持装置の特別な構成が不要となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0008】図1〜図7に示した、車両、特に自動車に用いられる前照灯は、たとえばハウジングの形の保持装置10を有している(以下、ハウジングを符号10で示す)。ハウジング10内には、少なくとも1つのリフレクタ12が配置されており、このリフレクタ12には光源14が挿入されている。ハウジング10の光線射出開口は光透過性の板16によってカバーされている。リフレクタ12は複数の支承部を介してハウジング10に支承されており、リフレクタ12はハウジング10に対して相対的に移動調節可能であり、これにより、リフレクタ12によって反射された光束の方向を調節することが可能となる。少なくとも1つの支承部には調節装置18が設けられている。この調節装置18によってリフレクタ12はハウジング10に対して相対的に移動調節可能となる。リフレクタ12は水平方向に延びる軸線20および/または鉛直方向に延びる軸線を中心にして旋回可能に支承されていると有利である。この場合、調節装置18はこれらの軸線に対して偏心的にリフレクタ12に作用する。図1に示した実施例では、リフレクタ12が、リフレクタ12の下縁部の近くに延びる水平方向の軸線20を中心にして旋回可能であり、調節装置18はリフレクタ12の上縁部の近くに作用する。
【0009】図2〜図4には、第1実施例による調節装置18が図示されている。調節装置18は、ハウジング10の内部に配置された、リフレクタ12に枢着された伝達部材22を有している。この伝達部材22の、リフレクタ12とは反対の側の端範囲は、ねじ山付孔24を有している。伝達部材22はリフレクタ12に、たとえばボールジョイントを介して枢着されていてよい。この場合、伝達部材22の、リフレクタ12寄りの端範囲は、1つのボールソケット26と、複数のばね弾性的なアーム28とを有していてよい。ボールソケット26とばね弾性的なアーム28とには、リフレクタ12に結合されたボール(図示しない)がスナップイン可能である。伝達部材22は、ねじ山付孔24とボールソケット26との間の中間の範囲に、側方の2つの条片29を有している。両条片29はねじ山付孔24の長手方向軸線25に対して少なくともほぼ平行に延びている。伝達部材22は有利には一体に形成されていて、たとえばプラスチックから射出成形により製造されている。
【0010】ハウジング10は、伝達部材22の近くに延びる壁30の内側に、互いに側方の間隔を置いて互いに平行に延びる2つのガイドレール32を有しており、両ガイドレール32は横断面L字形に形成されている。両ガイドレール32の間には、伝達部材22が、その側方の条片29を介して押込み可能であるので、伝達部材22は両ガイドレール32の間でねじ山付孔24の長手方向軸線25の方向に移動可能に案内されているが、しかしねじ山付孔24の長手方向軸線25を中心にした回転運動を実施することはできない。ガイドレール32はハウジング10の壁30に一体に成形されていると有利である。ハウジング10は、たとえばプラスチックから射出成形により製造されている。
【0011】調節装置18はさらに、ハウジング10の内部に配置された調節ねじ34を有している。この調節ねじ34の軸部はその長手方向延在長さの一部にわたってねじ山付ピン36として形成されている。調節ねじ34の軸部の、リフレクタ12とは反対の側の端範囲は、平滑なピン区分38を有しており、この平滑なピン区分38はねじ山付ピン36よりも小さな直径を有している。平滑なピン区分38は、たとえばねじ山付ピン36のコア直径にほぼ相当する直径またはこのコア直径よりも小さな直径を有していてよい。調節ねじ34は平滑なピン区分38とは反対の側でねじ山付区分36に続いて傘歯車40を有している。傘歯車40に設けられた歯列は、ねじ山付ピン36から離れる方向でリフレクタ12に向けられている。調節ねじ34は平滑なピン区分38で、ハウジング10の壁44の内側に設けられた孔42内に、調節ねじ34の長手方向軸線35を中心にして回転可能に支承されている。ハウジング10の壁44は、たとえばハウジング10の後壁であってよい。孔42は盲孔として形成されていると有利である。したがって、ハウジング10の後壁である壁44は貫通した開口を有していない。調節ねじ34のねじ山付ピン36は、伝達部材22に設けられたねじ山付孔24にねじ込まれている。調節ねじ34を組み付ける場合、調節ねじ34の平滑なピン区分38がリフレクタ12の側から伝達部材22のねじ山付孔24を貫くように差し込まれ、この場合、ねじ山付区分36がねじ山付孔24内に進入するまで、ピン区分38はねじ山付孔24内で自由に移動可能となる。ねじ山付区分36がねじ山付孔24内に進入すると、伝達部材22はねじ山付孔24を介して調節ねじ34のねじ山付ピン36に結合されており、調節ねじ34がその長手方向軸線35を中心にして回転させられると、伝達部材22は長手方向でねじ山付孔24の長手方向軸線25に沿って、ひいてはこの長手方向軸線25と同軸的な調節ねじ34の長手方向軸線35に沿って、運動させられる。
【0012】ハウジング10の壁30は、ハウジング10の内部で調節ねじ34の傘歯車40が配置されている範囲に開口46を有している。この開口46を通じてハウジング10の外側から操作部材48が差し込まれている。この操作部材48の、ハウジング10内に突入した端部は、円錐状の基準ピッチ面を有する円錐形歯列50を有しており、この円錐形歯列50は調節ねじ34の傘歯車40の円錐形歯列と噛み合っている。操作部材48は軸部52を有しており、この軸部52により操作部材48はハウジング10の開口46内に回転可能に支承されている。操作部材48はさらに、ハウジング10の外面に当接するヘッド53を有している。軸部52と開口46との間には、開口46をシールするための弾性的なシール部材54が締付け固定されていてよい。ヘッド53はスリット、十字形スリット、六角穴またはこれに類するものの形の凹部を有していてよい。この凹部には、操作部材48を回転させるために、対応する工具を係合させることができる。伝達部材22の中間の範囲は、伝達部材22の長手方向運動方向に縦長に延びる開口56を有しており、この開口56は円錐形歯列50を備えた操作部材48の端範囲を通過させるために働く。伝達部材22の縦長の開口56は、伝達部材22の長手方向運動方向における伝達部材22の運動を可能にする目的で設けられている。伝達部材22の開口56は側方で2つのばね弾性的な条片58によって仕切られている。両条片58は操作部材48の、ハウジング10に突入した軸部52に設けられた環状溝60内に係合しており、これにより操作部材48は位置固定され、開口46から引き出され得なくなる。操作部材48は簡単に組み付けることができる。すなわち、この場合、操作部材48は円錐形歯列50を先頭にして開口46に差し込まれ、このとき伝達部材22の両条片58がばね弾性的に互いに離れる方向に押圧され、その後に操作部材48の終端位置において両条片58は環状溝60に内に係止することができる。
【0013】ねじ山付孔24を有する端範囲の近くで伝達部材22からは、ガイドレール32の外側で伝達部材22の長手方向にばね弾性的に変形可能な2つのリブ62が長手方向運動方向に対して直交する横方向に突出している。両リブ62は有利には、伝達部材22の、ねじ山付孔24の長手方向軸線25を含む中心平面に対して対称的に配置されていて、長手方向運動方向に対して直交する横方向で伝達部材22の、ガイドレール32内に配置された条片29に対して間隔を置いて配置されている。
【0014】ハウジング10の壁30に設けられた両ガイドレール32では、これらのガイドレール32の、伝達部材22の条片29に被さった脚部において、これらの脚部の、ハウジング内部を向いた側に各1つの段部64が形成されている。この段部64はリフレクタ12の方向に向けられている。段部64はガイドレール32とハウジング10の壁30または後壁44とに一体成形されたウェブ66によって形成されていてよい。
【0015】操作部材48が回転させられると、この操作部材48がその円錐形歯列50を介して傘歯車40と連結されていることに基づき、調節ねじ34がその長手方向軸線35を中心にして回転させられる。調節ねじ34は長手方向軸線35の方向では、ハウジング10の盲孔42の底部と、操作部材48の円錐形歯列50との間で移動不能に位置固定されている。したがって、操作部材48は、調節ねじ34をその長手方向軸線35の方向でロックする保持エレメントを形成している。調節ねじ34が回転させられると、調節ねじ34の、ねじ山付孔24にねじ込まれたねじ山付ピン36を介して、伝達部材22がその長手方向運動方向において、矢印方向23の方向または矢印方向23とは反対の方向へ移動させられる。操作部材48および調節ねじ34の回転方向に応じて、伝達部材22は矢印方向23でハウジング10の後壁44に向かって移動させられるか、または矢印方向23とは反対の方向で後壁44から離れる方向へ移動させられ、この運動に相応してリフレクタ12が軸線20を中心にして旋回させられる。
【0016】伝達部材22が矢印方向23で後壁44に向かって移動させられる場合、伝達部材22の規定の移動距離の後に、伝達部材22のリブ62が段部64に当接する。この場合、調節ねじ34のねじ山付ピン36はまだ伝達部材22のねじ山付孔24と螺合している。引き続き、調節ねじ34がさらに回転させられると、伝達部材22はさらに矢印方向23で後壁44に向かって移動させられ、この場合、リブ62がばね弾性的に変形させられる。図3および図4には、伝達部材22のリブ62のまだ変形させられていない出発位置もしくは基本位置が破線で示されており、リブ62のばね弾性的に変形させられた位置が実線で示されている。伝達部材22が引き続き規定の移動距離だけさらに後壁44に向かって移動させられた後に、ねじ山付孔24は調節ねじ34のねじ山付ピン36との螺合状態から解離される。なぜならば、この場合、ねじ山付ピン36が終了し、ねじ山付孔24内には平滑なピン区分38しか配置されていないからである。この状態では、伝達部材22の移動が行われることなしに、調節ねじ34を任意に引き続き回転させることができる。なぜならば、伝達部材22と調節ねじ34とのねじ山結合、つまり螺合が解離されているからである。伝達部材22のばね弾性的に変形させられたリブ62は、伝達部材22に作用する戻し力を形成する。この戻し力は、伝達部材22を矢印方向23とは反対の方向で、つまり後壁44から離れる方向で、逆向きの長手方向運動方向に負荷する。この戻し力により、伝達部材22は、ねじ山付孔24が調節ねじ34のねじ山付ピン36の始端部に接触した位置に保持される。この位置を起点として調節ねじ34が逆の回転方向に回転させられると、ねじ山付孔24はリブ62の戻し力に基づき再び調節ねじ34のねじ山付ピン36と螺合し、伝達部材22は矢印方向23とは反対の方向で後壁44から離れる方向に移動させられる。伝達部材22におけるねじ山付孔24およびリブ62の配置、ハウジング10における段部64の配置ならびに調節ねじ34のねじ山付ピン34の配置および長さは、伝達部材22の長手方向運動方向において、前で説明したようにねじ山付ピン36が終了する前にリブ62が段部64に当接し、このときにまだねじ山付ピン36が、戻し力を形成する目的でリブ62の変形を可能にするための所定の長さを有しているように選択されている。
【0017】図5には、本発明の第2実施例による調節装置18が示されている。第2実施例においても、基本的な構造は前で説明した第1実施例の場合と同じである。伝達部材22にはやはりリブ72が配置されており、両リブ72はばね弾性的に変形可能であるか、または剛性的に形成されていてよい。ハウジング10には、たとえばガイドレール32に、段部64を備えた剛性的なウェブ66の代わりに、伝達部材22の長手方向運動方向にばね弾性的に変形可能なリブ74が配置されている。伝達部材22が矢印方向23でハウジング10の後壁44に向かって移動させられると、伝達部材22のリブ72はハウジング10のリブ74に当接し、引き続き伝達部材22が後壁44に向かってさらに移動させられると、リブ72および/またはハウジング10のリブ74はばね弾性的に変形させられて、第1の実施例において説明した、伝達部材22に作用する戻し力を形成する。この戻し力は伝達部材22を矢印方向23とは反対の方向に負荷する。
【0018】図6には、本発明の第3実施例による調節装置18が示されている。第3実施例では、調節ねじ34がピン80を有しており、このピン80を介して調節ねじ34はハウジング10に設けられた盲孔42内に長手方向軸線35を中心にして回転可能に支承されている。ピン80には、傘歯車40が続いており、この傘歯車40に平滑なピン区分82が続いていて、このピン区分82にはさらにねじ山付ピン84が続いている。伝達部材22はねじ山付孔24を有しており、このねじ山付孔24を介して伝達部材22はねじ山付ピン84に螺合されている。傘歯車40には、操作部材48に設けられた円錐形歯列50が噛み合っていて、調節ねじ34をハウジング10の盲孔42内で調節ねじ34の長手方向軸線35の方向で位置固定している。伝達部材22および/またはハウジング10は、第1実施例および第2実施例の場合と同様に、伝達部材22が矢印方向23における移動時にねじ山付ピン84との螺合状態から解離される前に、この伝達部材22がハウジング10に当接し、かつ伝達部材22および/またはハウジング10がばね弾性的に変形させられることによって、矢印方向23とは反対の方向で伝達部材22に作用する戻し力が形成されるように構成されている。
【0019】図7には、本発明の第4実施例による調節装置18が示されている。この場合、調節ねじ34はピン80を有しており、このピン80を介して調節ねじ34はハウジング10に設けられた盲孔42内に長手方向軸線35を中心にして回転可能に支承されている。ピン80には傘歯車40が続いており、この傘歯車40には、やはり平滑なピン区分82が続いており、このピン区分82にはさらに調節ねじ34のねじ山付ピン84が続いている。伝達部材22は、やはりねじ山付ピン84に螺合されたねじ山付孔24を有している。操作部材48は円錐形歯列50で調節ねじ34の傘歯車40に噛み合っていて、この調節ねじ34を長手方向軸線35の方向でハウジング10の盲孔42内に位置固定している。伝達部材22と調節ねじ34との間には圧縮ばね86が配置されている。この圧縮ばね86は、伝達部材22が矢印方向23へ移動させられる際に、伝達部材22が平滑なピン区分82に到達する前に、この伝達部材22によってプレロードもしくは予荷重をかけられ、ひいては矢印方向23とは反対の方向で伝達部材22に作用する戻し力を形成する。圧縮ばね86は、たとえば圧縮コイルばねとして形成されていてよい。この場合、圧縮コイルばねは平滑なピン区分82に沿って配置されていて、一方ではたとえば傘歯車40への移行部に支持されていて、他方では伝達部材22に支持されている。
【0020】上で説明した調節装置18の全ての実施例において、上で説明した、伝達部材22が後壁44に向かって移動する際の最大移動距離を制限するための手段と同様の手段で、伝達部材22が後壁44から離れる方向で移動する際の最大移動距離が択一的にまたは付加的に制限されていることも可能である。
【出願人】 【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成11年6月23日(1999.6.23)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外3名)
【公開番号】 特開2000−30501(P2000−30501A)
【公開日】 平成12年1月28日(2000.1.28)
【出願番号】 特願平11−177446