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【発明の名称】 車両用ヘッドランプ
【発明者】 【氏名】松本 祐次

【氏名】渡邉 智洋

【要約】 【課題】現実的且つ簡単な構成ですれ違い用ロービームを所望の配光とすることができる車両用ヘッドランプを提供する。

【解決手段】すれ違い用のロービームランプ12が照明装置16とレンズ18とから構成される。照明装置16は、1つの光源20と、該光源20をほぼ包囲するように配設された反射鏡24と、を有しており、レンズ18は、直射用レンズ部42a、44aと拡散用レンズ部42b、44bとが隣接されて一体的に形成された第1レンズ42と第2レンズ44とからなる。照明装置16の一方側24aにある反射鏡24上の一点26からの光を直射用レンズ部42a、44aに導入し、照明装置16の他方側24bにある反射鏡24上の一点28からの光を拡散用レンズ部42b、44bに導入して、レンズ18を通して所望の配光となった直射光と拡散光とを同時に照射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 すれ違い用のロービームランプを備えた車両用ヘッドランプにおいて、1つの光源と、該光源をほぼ包囲するように配設された反射鏡と、を有し、光源からその両側に出た光を反射鏡にて反射させて、光源に対し一方側にある反射鏡からの反射光を、他方側にある反射鏡上の一点に集め、光源に対し他方側にある反射鏡からの反射光を、一方側にある反射鏡上の一点に集める照明装置と、直射用レンズ部と拡散用レンズ部とが隣接されて一体的に形成されたレンズと、によってすれ違い用のロービームランプを構成し、前記照明装置の一方側にある反射鏡上の一点からの光を直射用レンズ部に導入し、前記照明装置の他方側にある反射鏡上の一点からの光を拡散用レンズ部に導入して、レンズを通して所望の配光となった直射光と拡散光とを同時に照射することを特徴とする車両用ヘッドランプ。
【請求項2】 前記一方側にある反射鏡上の一点を直射用レンズ部のすぐ後方に配置させる一方、前記他方側にある反射鏡上の一点と拡散用レンズ部との間は屈曲可能な導光部材で接続することを特徴とする請求項1記載の車両用ヘッドランプ。
【請求項3】 前記直射用レンズ部を拡散用レンズ部よりも車幅方向内側に配置することを特徴とする請求項2記載の車両用ヘッドランプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ヘッドランプに関し、特にそのすれ違い用ロービームを所望の配光とすることができる車両用ヘッドランプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用ヘッドランプとして、例えば実開平4−2404号公報に記載されたものが提案されている。この公報に記載された車両用ヘッドランプでは、一灯が二体の灯具で構成され、それぞれの灯具にすれ違いビームフィラメントが配設され、すれ違いビームに切換えたときの夫々の灯具の配光特性は一方が左右対称配光であり、他方が左右非対称配光となっている。そして、これらの配光特性を重ね合わせることで、精密な調整を行うことなく、所望の配光特性を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報で提案された車両用ヘッドランプでは、すれ違いビームに切換えたときに2つの灯具が点灯することになるが、保安規準ではすれ違いビームに切換えたときには1つの灯具だけが点灯することと決められているため、実用化は不可能である。そのため、現実の車両用ヘッドランプでは、1つの灯具だけで所望の配光特性を得なければならないために、そのレンズ構成が複雑になり、その調整が困難であるという課題があった。
【0004】本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、請求項1ないし請求項3記載の発明は、現実的且つ簡単な構成で所望の配光を得ることができる車両用ヘッドランプを提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、すれ違い用のロービームランプを備えた車両用ヘッドランプにおいて、1つの光源と、該光源をほぼ包囲するように配設された反射鏡と、を有し、光源からその両側に出た光を反射鏡にて反射させて、光源に対し一方側にある反射鏡からの反射光を、他方側にある反射鏡上の一点に集め、光源に対し他方側にある反射鏡からの反射光を、一方側にある反射鏡上の一点に集める照明装置と、直射用レンズ部と拡散用レンズ部とが隣接されて一体的に形成されたレンズと、によってすれ違い用のロービームランプを構成し、前記照明装置の一方側にある反射鏡上の一点からの光を直射用レンズ部に導入し、前記照明装置の他方側にある反射鏡上の一点からの光を拡散用レンズ部に導入して、レンズを通して所望の配光となった直射光と拡散光とを同時に照射することを特徴とする。1つの光源の両側に出た光のうちの一方側を、他方側にある反射鏡上の一点に集め、拡散用レンズ部に導入して拡散光とし、光源の両側に出た光のうちの他方側を、一方側にある反射鏡上の一点に集め、直射用レンズ部に導入して直射光とする。これらを重ね合わせて所望の配光とする。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記一方側にある反射鏡上の一点を直射用レンズ部のすぐ後方に配置させる一方、前記他方側にある反射鏡上の一点と拡散用レンズ部との間は屈曲可能な導光部材で接続することを特徴とする。また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のものにおいて、前記直射用レンズ部を拡散用レンズ部よりも車幅方向内側に配置することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、すれ違い用のロービームランプを1つの照明装置とレンズとで構成することから、保安規準を満足することができ、実用化に適したものとすることができる。また、従来の、光源と、光源の後方側にある反射鏡と、光源の前方側にあるレンズとからなる一般的構成では、光源より前方に出た光が配光上有効となっていないが、本発明では1つの光源から両側へ放射された光を利用するため、光の有効使用率を向上させることができる。さらに、光を2つに分けてレンズに導入することにより、レンズが一体でありながら、領域的に隣接する直射用レンズ部と拡散用レンズ部とに分けることができる。そのため、それぞれのレンズ部を、所望の配光が得られるように個別に設計することができ、その調整が簡単になる。尚、直射用レンズ部と拡散用レンズ部を持つレンズは1つに限らず、2つ以上設けることも可能である。
【0008】また、請求項2記載の発明によれば、請求項1に係る効果に加えて、一方側にある反射鏡上の一点を直射用レンズ部のすぐ後方に配置させることで、該一点と直射用レンズ部との間の光量の損失がないようにして、光量の強い直射光を得ることができる。その一方で、前記他方側にある反射鏡上の一点と拡散用レンズ部との間は屈曲可能な導光部材で接続することから、他方側にある反射鏡上の一点がどの位置にあっても、該一点に集められた光を車両前面側に配置されるべき拡散用レンズ部に導入させることができる。また、請求項3記載の発明によれば、請求項2に係る効果に加えて、直射用レンズ部を拡散用レンズ部よりも車幅方向内側に配置することから、車両側面のレイアウトに影響を受けることなく、直射用レンズ部のすぐ後方に照明装置を配置させることができ、即ち、一方側にある反射鏡上の一点を直射用レンズ部のすぐ後方に配置させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る車両用ヘッドランプの断面図であり、図2はその斜視図である。図において、10は車両用ヘッドランプであり、すれ違い用のロービームランプ12と、走行用のハイビームランプ14とを有している。このすれ違い用のロービームランプ12は、照明装置16とレンズ18とから構成される。
【0010】図3に示すように、照明装置16は、放電灯等からなる1つの光源20と、光源20をほぼ包囲するように配設された反射鏡24とを有している。反射鏡24は、光源20から該光源20に対して一方側に放射され、その一方側24aにある反射鏡24で反射された反射光が、光源20に対して他方側にある反射鏡24上にある一点28に集められるように、同様に、光源20から該光源20に対して他方側24bに放射され、その他方側24bにある反射鏡24で反射された反射光が、光源20に対して一方側24aにある反射鏡24上にある一点26に集められるように、なっている。このような反射鏡24は、一方側24a部分と他方側24b部分との複数部材から構成し、その一方側24a部分の焦点が他方側24b上にくるように、他方側24b部分の焦点が一方側24a上にくるように各部分を配置することで実現することができる。反射鏡24の点26、28に対応する部分は、開口となっており、一点26に対応する開口30部分にはレンズ32が設置されており、一点28に対応する開口34部分にはレンズ36が設置されている。
【0011】前記レンズ18は、ポリカーボネートやアクリル樹脂材料等からなる第1レンズ42とガラス製の第2レンズ44とから構成され、第1レンズ42、第2レンズ44には、それぞれ直射用レンズ部42a、44aと拡散用レンズ部42b、44bとが隣接されて一体的に形成されている。上記照明装置16の一点26に対応する開口30が、レンズ18の直射用レンズ部42aのすぐ後方に配置されるように、言い換えれば、照明装置16は、その反射鏡24の一方側24aが他方側24bに対して車両前方にくるように車体に固定される。開口30と直射用レンズ部42aとは、ホーン形をした導光部材46で接続される一方、開口34と拡散用レンズ部42bとは、屈曲可能な導光部材48で接続される。屈曲可能な導光部材48としては、光ファイバを用いることができる。
【0012】また、直射用レンズ部42a、44aは、拡散用レンズ部42b、44bよりも車幅方向内側に配置されており、直射用レンズ部42a、44aのすぐ後方に配置される照明装置16も車幅方向内側に寄っている。これにより、車両側面のレイアウトに影響を受けることなく、照明装置16を配置させることができるようになっている。
【0013】以上のように構成される車両用ヘッドランプ10において、夜間等すれ違い用のロービームランプ12を使用するために、図示しないスイッチが操作されると、光源20が点灯する。光源20から他方側に放射された光は、他方側24bの反射鏡24で反射されて一点26に集められ、レンズ32で集光及び拡散されて、導光部材46を通り、レンズ18の直射用レンズ部42a、44aを通過して、車外を照射する。レンズ32、直射用レンズ部42a、44aの組み合わせによって、スポット光となるように、各レンズのプリズム、曲率等が設定されている。図4にその配光特性50を示す。他方、光源20から一方側に放射された光は、一方側24aの反射鏡24で反射されて一点28に集められ、レンズ36で集光及び拡散されて、導光部材48を通り、レンズ18の拡散用レンズ部42b、44bを通過して、車外を照射する。レンズ36、拡散用レンズ部42b、44bの組み合わせによって、拡散光となるように、各レンズのプリズムの角度、形状等が設定されている。図4にその配光特性52を示す。
【0014】図4に示すように、配光特性50,52を重ね合わせることにより、中心部、即ち、走行上最も重要な部分が明るく、また、周辺部は広く拡散させて道路標識等の読み取りを容易にし、その一方で対向車に対してまぶしさを与えることのない理想的な配光特性を得ることができる。光源からの光を2つに分けて、レンズ18に導入するため、直射用レンズ部42a、44aと拡散用レンズ部42b、44bが一体でありながら隣接して領域的に完全に分かれている。そのため、各々の理想的な配光特性が得られるように個別に直射用レンズ部と拡散用レンズ部を設計すればよく、1つのレンズで直射と拡散とを行うのに比して非常に簡単に調整することができる。また、光源20からの光を無駄なく利用できるため、その有効使用率を向上させることができる。
【0015】また、一点26を直射用レンズ部42a、44aのすぐ後方に配置させることで、該一点26と直射用レンズ部42a、44aとの間の光量の損失がないようにして、光量の強い直射光を得ることができる。また、一点28と拡散用レンズ部42b、44bとの間は屈曲可能な導光部材48で接続することから、一点28からこの例のように車両側後方へ向けて光が出射されていても、導光部材48によって前方へ回り込ませて、車両前面側に配置される拡散用レンズ部42b、44bに導入させることができる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成10年6月22日(1998.6.22)
【代理人】 【識別番号】100061697
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 元 (外3名)
【公開番号】 特開2000−11714(P2000−11714A)
【公開日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願番号】 特願平10−175031