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【発明の名称】 高粘性液状材料の吐出方法、移送方法、吐出装置および移送装置
【発明者】 【氏名】松田 典夫

【氏名】尾▲ざき▼弘一

【氏名】山寺 豊彦

【氏名】浜田 光男

【要約】 【課題】高粘性液状材料を定量的かつ生産性よく吐出し移送することができる高粘性液状材料の吐出、移送方法およびそれらに使用される装置を提供する。

【解決手段】高粘性液状材料2を配管を通して吐出するに際し、その配管内の高粘性液状材料中に加圧低粘性液体12を断続的に注入することにより、高粘性液状材料をブロック状に切断した形状11で断続的に吐出することを特徴とする高粘性液状材料の吐出方法であって、配管13を通して高位置に移送する際にブロック状に切断された高粘性液状材料を低粘性液体によって満たされ略垂直に立てられた配管内を通して、高粘性液状材料を浮上させる移送方法あるいは、高粘性液状材料を配管14を通して略水平方向に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料が、浮遊に十分な低粘性液体によって満たされた配管を通して低粘性液体の移動により移送される移送方法を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高粘性液状材料を配管を通して吐出する際に、該配管内の高粘性液状材料中に加圧した低粘性液体を断続的に注入することにより、該高粘性液状材料をブロック状に切断した形状で断続的に吐出することを特徴とする、高粘性液状材料の吐出方法。
【請求項2】 高粘性液状材料が疎水性高分子材料であり、低粘性液状材料が水または親水性材料であることを特徴とする請求項1に記載の高粘性液状材料の吐出方法。
【請求項3】 疎水性高分子材料がシリコーン生ゴムであることを特徴とする請求項2に記載の高粘性液状材料の吐出方法。
【請求項4】 高粘性液状材料を配管を通して高位置に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料を、低粘性液体によって満たされ略垂直にたてられた配管内を通して浮上させることを特徴とする、高粘性液状材料の移送方法。
【請求項5】 高粘性液状材料が疎水性高分子材料であり、低粘性液状材料が水または親水性材料であることを特徴とする、請求項4に記載の高粘性液状材料の移送方法。
【請求項6】 疎水性高分子材料がシリコーン生ゴムであることを特徴とする、請求項5に記載の高粘性液状材料の移送方法。
【請求項7】 高粘性液状材料を配管を通して略水平方向に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料が配管内で浮遊するに十分な低粘性液体で満たされた水平もしくは傾斜角のある配管を通して、低粘性液体の移動により移送することを特徴とする、高粘性液状材料の移送方法。
【請求項8】 高粘性液状材料が疎水性高分子材料であり、低粘性液状材料が水または親水性材料である請求項7に記載の高粘性液状材料の移送方法。
【請求項9】 疎水性高分子材料がシリコーン生ゴムであることを特徴とする請求項8に記載の高粘性液状材料の移送方法。
【請求項10】 高粘性液状材料の供給源、該供給源から延出した配管および該配管途中で該配管に配設された加圧低粘性液体の断続的供給管からなることを特徴とする、高粘性液状材料の吐出装置。
【請求項11】 ブロック状高粘性液状材料の供給源、該供給源から延出した配管および該配管端部で該配管に配設された移送用低粘性液体の供給孔からなることを特徴とする高粘性液状材料の移送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高粘性液状材料の吐出方法、高粘性液状材料の移送方法、高粘性液状材料の吐出装置および高粘性液状材料の移送装置に関するものであり、詳しくは、高粘性液状材料中に低粘性液状液体を断続的に注入することにより、高粘性液状材料をブロック状に切断した形状で、断続的に吐出する方法、そのブロック状に切断された高粘性液状材料を略垂直方向もしくは略水平方向に移送する方法、およびそれらの方法に使用される装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ゴム、プラスチック、接着剤、塗料、食品等を取り扱う技術分野においては、高粘性液状材料をブロック状に切断した形状の材料として取り扱う方法が多用されている。例えば、シリコーン生ゴム等の高粘性液状材料の有機溶媒溶液を製造するに際しては、これらの高粘性液状材料をその製造装置あるいは保管場所から取出し、ブロック状に切断して、これを有機溶剤中に投入して、混合する方法が採用されている。また、食品等を取り扱う技術分野においては、澱粉あるいは蛋白質を主成分とする高粘性食品材料をその保管場所から供給管を通して取出し、ブロック状に切断してこれを容器に封入する方法が採用されている。従来、かかる高粘性液状材料をブロック状の形状とするには、刃物あるいは刃物に類似した切断用治具を使用して機械的手段により切断する方法が採用されていた。ところが、高粘性液状材料が粘着性を有する材料である場合は、この高粘性液状材料が、切断治具の表面に付着してその切断機能を低下させ、著しい場合には、高粘性液状材料そのものを切断できなくなることがあった。また、定量的にブロック状の高粘性液状材料を吐出する必要がある場合には、切断用治具に付着した高粘性液状材料をその都度拭き取ったり、洗浄して除去する必要があり、非常に生産性の劣るものであった。さらに、高粘性液状材料が接着剤のように外気に暴露されるとその性質の変化が起こる場合には、高粘性液状材料自体の品質を低下させるという問題点があった。そのため、かかる問題点を解消するため数多くの方法が提案されている。例えば、特開平7−98099号公報においては、シリコーン生ゴムのような高粘性液状材料を配管を通して吐出するに際し、この配管途中で配管内の高粘性液状材料中に窒素ガス等の不活性ガスからなる加圧ガスを吹き込むことにより、高粘性液状材料をブロック状に切断した形状で吐出する方法が提案されている。ところが、この方法では、切断に使用される加圧ガスが高粘性液状材料中で急激に膨張して、高粘性液状材料の吹き上げや飛散を起こすことがある等の問題点があった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点を解消するために鋭意検討した結果、本発明に達した。即ち、本発明の目的は、高粘性液状材料を定量的かつ生産性よく吐出することができる高粘性液状材料の吐出方法、高粘性液状材料を定量的かつ生産性よく移送する方法およびそれらに使用される装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は(1)高粘性液状材料を配管を通して吐出するに際し、その配管内の高粘性液状材料中に加圧低粘性液体を断続的に注入することにより、高粘性液状材料をブロック状に切断した形状で断続的に吐出することを特徴とする、高粘性液状材料の吐出方法、(2)高粘性液状材料を配管を通して高位置に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料を、低粘性液体によって満たされ、略垂直に立てられた配管内を通して、高粘性液状材料を浮上させることを特徴とする、高粘性液状材料の移送方法(3)高粘性液状材料を配管を通して略水平方向に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料が、浮遊に十分な低粘性液体によって満たされ水平方向もしくは傾斜のある配管を通して、低粘性液体の移動により移送することを特徴とする高粘性液状材料の移送方法、(4)高粘性液状材料の供給源、該供給源から延出した配管および該配管途中で該配管に配設された加圧低粘性液体の断続的供給管からなることを特徴とする、高粘性液状材料の吐出装置、および(5)ブロック状高粘性液状材料の供給源、該供給源から延出した配管および該配管端部で該配管に配設された移送用低粘性液体の供給孔からなることを特徴とする高粘性液状材料の移送装置に関する。
【0005】本発明の吐出方法に使用される高粘性液状材料は、常温にて高い粘性を有し、わずかにしか流動性を有しないが、加圧することにより流動させることができる材料であればよい。特には、パイプ状の配管内に供給し、加圧することにより移送させることができるような材料であればよい。このような高粘性液状材料としては、高粘度の液体材料、高粘度の半液体状材料、半液体状のスラリー、半液体状のペーストがあり、例えば、シリコーンガムとかシリコーン生ゴムと呼称されている高粘度のジオルガノポリシロキサン;液状ポリブタジエン、液状ポリイソブテン等の高粘度の疎水性高分子化合物;これらの疎水性高分子化合物と他成分との混合物;各種高分子化合物のスラリー;高粘度の脂肪族炭化水素油;高粘度の芳香族炭化水素油;アスファルト;水飴、でんぷんや蛋白質を主成分とする高粘性食品材料や食品、例えば、羊羹、ういろ、ソ−セ−ジが例示される。
【0006】本発明の吐出方法に使用される低粘性液体は高粘性液状材料と相互に溶解しないか、わずかにしか溶解しないものであればよい。また、その粘度は、この低粘度液体を高粘性液状材料に注入して切断するに十分な低い粘度であればよく、一般には、常温で0.0001〜0.5Pa・sの範囲、好ましくは0.0001〜0.1Pa・sの範囲の液体がよい。このような低粘性液体としては、水;食塩水のような無機塩水溶液;エタノール、酢酸、エチレングリコール等の親水性有機化合物およびその水溶液;シリコーンオイルと称される低粘度のジオルガノポリシロキサン;トルエン、キシレンのような有機溶媒が例示される。尚、前記高粘性液状材料が疎水性高分子材料である場合には低粘性液体は水や親水性材料であることが好ましい。
【0007】また、この低粘性液体に加える圧力は、低粘性液体が高粘性液状材料に注入され、これを切断するに十分な圧力であればよく、高粘性液状材料の種類、量に応じて適宜調節されて適用されるが、配管内で高粘性液状材料に加わっている圧力、即ち、配管内の圧力よりは高い圧力であることが必要である。
【0008】さらに、この低粘性液体の高粘性液状材料への注入量は、高粘性液状材料の種類、量に応じて適宜調節されるが、一般には、高粘性液状材料1kgに対して、0.1〜10kgの範囲内であり、好ましくは0.2〜5kgの範囲内である。
【0009】また、この低粘性液体の配管への注入量は、高粘性液状材料の種類および配管断面積に応じて適宜調節されるが、一般には、配管断面積10cm2当たり5〜30kg/hの範囲内である。
【0010】本発明の移送方法の一つは、高粘性液状材料を配管を通して高位置に輸送するに際して、ブロック状に切断された高粘性液状材料を、低粘性液体によって満たされ、略垂直に立てられた配管内を通し、浮上させることを特徴とする。尚、略垂直とは垂直および垂直に近い斜上方を意味する。この方法で使用される高粘性液状材料および低粘性液体としては上記本発明の吐出方法で使用されるものと同様なものが例示される。この方法では、ブロック状に切断された高粘性液状材料は高粘性液状材料に働く浮力によって浮上するが、必要に応じて、浮上速度を上げるため垂直配管底部から低粘性液体を供給してもよい。
【0011】略垂直に立てられた移送配管の断面形状、長さ、管内径は、使用される高粘性液状材料の種類、移送量、移送距離、および使用される低粘性液体の種類、量によって適宜選択され、特に限定されないが、一般には円管が好ましい。その内径は移送されるブロック状の高粘性液状材料の直径の1.5〜10倍の範囲内、好ましくは1.5〜3倍の範囲内である。
【0012】本発明の移送方法のもう一つの方法は、高粘性液状材料を配管を通して略水平方向に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料が配管内で浮遊するに十分な低粘性液体で満たされた水平もしくは傾斜角のある配管を通して、低粘性液体の移動により移送することを特徴とする。尚、略水平方向とは、水平方向および水平に近い横方向を意味する。この方法で使用される高粘性液状材料および低粘性液体としては上記本発明の吐出方法で使用されるものと同様なものが例示される。この方法では、ブロック状に切断された高粘性液状材料を水平方向に移送するに際に、水平もしくは傾斜角のある配管内、例えば、円管、U字管、楕円管、角管等を通して、浮遊する高粘性液状材料を低粘性液体の移動により移送する。水平方向移送用配管中の移送用低粘性液体の流量は、使用される高粘性液状材料の種類、移送量、移送距離、使用される移送用低粘性液体の種類、量および水平方向移送用配管の形状によって適宜選択されるが、少なくとも、移送するブロック状に切断された高粘性液状材料が該水平方向移送用配管内側の底面、側面、上面に触れないで浮遊する範囲内である必要がある。例えば、円管の場合、移送用低粘性液体の充満率は円管内径の10〜90%の範囲内、好ましくは40〜70%の範囲内がよい。また、移送用低粘性液体の流量は、使用される高粘性液状材料の種類、移送量、移送距離、使用される移送用低粘性液体の種類、量、および水平方向移送用配管の形状、内径によって適宜選択されるが、一般には、配管断面積100cm2に対して2kg/分以上の範囲、好ましくは10kg/分以上の範囲である。そして、水平方向移送円管の長さ、管内径は、使用される高粘性液状材料の種類、移送量、移送距離、および使用される移送用低粘性液体の種類、量によって適宜選択され、特に限定されないが、その内径は移送されるブロック状高粘性液状材料の径の1.5〜3倍の範囲であることが好ましい。
【0013】さらに、水平方向移送用配管は、水平方向移送用配管中の移送用低粘性液体の液深さがブロック状高粘性液体が浮遊に十分な範囲内であればよく、傾斜角度は0から5度、好ましくは0から1度がよい。また移送方向の変更には曲がり管を配設してもよく、移送方向を切り分ける適切な仕切り板を持つ多方弁を配設してもよい。配設される曲がり管、多方弁の位置、数は任意であり、高粘性液状材料の移送量、移送距離によって適宜選択され、特に限定されないが、2つの曲がり管間の距離は、少なくとも、移送されるブロック状の高粘性液状材料の最長部分長さの2倍以上であることが必要である。また、配設される曲がり管の角度、曲率は、使用される高粘性液状材料の種類、移送量によって適宜選択され特に限定されないが、一般には、0〜180度の範囲で使用され、好ましくは、0〜90度の範囲内で使用される。
【0014】以下、図面により本発明の吐出装置および移送装置を説明する。図1は本発明の高粘性液状材料の吐出装置と移送装置の1実施形態を示す装置の概略図である。図2は図1における加圧低粘性液体の注入部分および高粘性液状材料の切断部分の拡大断面図を示すものである。この実施形態では、本発明の吐出装置から、高粘性液状材料を、本発明の垂直移送装置内に吐出供給し、垂直に移送した後、本発明の水平方向移送装置にて移送を行う方法を説明する。
【0015】図1に示す高粘性液状材料の吐出装置は、高粘性液状材料の供給源である高粘性液状材料収納容器1から延出した高粘性液状材料供給用配管5、該配管途中で該配管に配設された加圧低粘性液体供給管6および高粘性液状材料供給用配管末に配設された高粘性液状材料吐出用ダイス9からなる。また、図1に示す高粘性液状材料の移送装置は、垂直移送用配管13、水平方向移送用配管14、高粘性液状材料を移送するための移送用低粘性液体供給用配管16、および垂直・水平方向移送用配管接合部分15からなる。高粘性液状材料収納容器1の内部に保管された高粘性液状材料2は、加圧装置4によって加えられた圧力により、その収納容器1から押し出され高粘性液状材料供給用配管5を通じ、高粘性液状材料吐出用ダイス9を通じて、移送用低粘性液体12が満たされた垂直移送用配管13内に吐出されるようになっている。該高粘性液状材料供給用配管5の中央部には加圧低粘性液体供給用配管6が配設されており、その先端に位置する加圧低粘性液体圧入孔8は、該高粘性液状材料供給用配管5の中で、移送される高粘性液状材料2の中に位置するように設置されている。ここで、加圧低粘性液体供給用配管6の配設位置は特に限定されないが、一般には高粘性液状材料供給用配管5の中央部から高粘性液状材料吐出用ダイス9の間にあることが好ましい。また、加圧低粘性液体の圧力は、使用される高粘性液状材料2の種類、量によって適宜選択され、特に限定されないが、少なくとも高粘性液状材料供給用配管5の内部に加わっている圧力よりは高い必要がある。また、加圧低粘性液体圧入孔8の形状、位置は、使用される高粘性液状材料の種類、量によって適宜選択され、特に限定されないが、例えば、図2に示すような形状が好ましい具体例としてあげられる。高粘性液状材料供給用配管5の末端には高粘性液状材料吐出用ダイス9が配設されており、この高粘性液状材料吐出用ダイス9を挟んで、垂直移送用配管13が垂直方向に配設されている。ここで、高粘性液状材料吐出用ダイス9の形状は、使用される高粘性液状材料の種類、量によって適宜選択され、特に限定されないが、例えば、図2に示すような形状が好ましい具体例としてあげられる。また、垂直移送用配管13の断面形状、長さ、管内径は、使用される高粘性液状材料2の種類、移送量、移送高さ、および使用される移送用低粘性液体12の種類によって適宜選択される。その構造は満たされた移送用低粘性液体の内水圧に耐える構造であれば特に限定されないが、一般には、円管が好ましく、例えば、図1に示すような円筒状の形状を有するものが好ましい具体例として挙げられる。
【0016】垂直移送用配管13の上端には、垂直・水平方向移送用配管接合部分15を介して水平方向移送用配管14が配設されている。ここで、水平方向移送用配管14の断面形状、長さ、管内径は、使用される高粘性液状材料の種類、移送量、移送距離、および使用される移送用低粘性液体の種類、量によって適宜選択され、特に限定されないが、一般には、円管が好ましく、例えば、図1に示すような形状が好ましい具体例としてあげられる。また、水平方向移送用配管中の移送用低粘性液体の充満率は使用される高粘性液状材料の種類、移送量、移送距離、および使用される移送用低粘性液体の種類、量によって適宜選択されるが、一般には水平方向移送用配管が円管の場合は、内径の10〜90%の範囲内、好ましくは40〜70%の範囲内で使用される。
【0017】垂直・水平方向移送用配管接合部分15の上流側には、移送用低粘性液体供給用配管16が配設されており、移送用低粘性液体供給口19より供給される移送用低粘性液体12を、垂直・水平方向移送配管接合部分15を通して、水平方向移送用配管14に供給するようになっている。ここで、移送用低粘性液体供給用配管16の断面形状、管内径は、使用される移送用低粘性液体の種類、量によって適宜選択され、特に限定されないが、一般には水平方向移送用配管14と同形が好ましく、その長さは、配管内径の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。
【0018】水平方向移送用配管14の下流端には、移送されたブロック状の高粘性液状材料11を配管から取り出すための、ブロック状高粘性材料引き上げ装置20および、移送用低粘性液体を移送用低粘性液体供給口19に循環供給するための、移送用低粘性液体循環ポンプ17が設置されている。
【0019】高粘性液状材料収納容器1から移送される高粘性液状材料2は、高粘性液状材料供給用配管5を通って垂直移送配管13に移送される途中、その中に加圧低粘性液体供給用配管6の先端に位置する加圧低粘性液体圧入孔8から加圧低粘性液体が断続的に圧入される。この圧入された加圧低粘性液体は、高粘性液状材料2を押し出し、高粘性液状材料中に加圧低粘性液体の液泡10を形成するが、加圧低粘性液体の圧入量に応じて該液泡の体積は増大し、該液泡が高粘性液状材料吐出用ダイス9に達する液相を形成することにより、高粘性液状材料2をブロック状に切断する。このようにして、高粘性液状材料2は高粘性液状材料吐出用ダイス9からブロック状の形状で、垂直移送用配管13内に吐出される。
【0020】垂直移送用配管13内に吐出されたブロック状の高粘性液状材料11は、垂直移送用配管13内に満たされた移送用低粘性液体12中を、その浮力により上昇し、垂直・水平方向移送用配管接合部分15まで移送される。垂直・水平方向移送用配管接合部分15まで移送されたブロック状の高粘性液状材料12は、移送用低粘性液体供給用配管16を通って流れる移送用低粘性液体の流れの力によって水平方向に加速され、低粘性液体に浮遊した状態で、水平方向移送配管14の中を通って、引き上げ装置20まで移送される。このようにして、垂直移送用配管13内に吐出されたブロック状の高粘性液状材料11は、ブロック状の形状を保ったまま、目的の高粘性液状材料引き上げ装置20まで移送される。この後、移送されたブロック状の高粘性液状材料は、引き上げ装置20によって水平方向移送配管14より取り出され、加熱空気吹き出し孔22から吹き出される加熱空気により、高粘性液状材料に残った移送用低粘性液体を分離、蒸発させた後、目的の次工程の高粘性液状材料収納容器23に収納される。
【0021】
【実施例1】図1、図2からなる本発明の高粘性液状材料の吐出装置および移送装置において、高粘性液状材料としてジメチルポリシロキサン生ゴム(25℃におけるウィリアム可塑度170)を使用し、加圧低粘性液体として0.98MPaに加圧した水を使用し、移送用低粘性液体して水を使用した。垂直移送用配管13の長さは4m、水平方向移送用配管14の長さは10m、傾斜角0.05度 とし、いずれの配管も内径15cmとした。また、この実施例における操作は全て常温にて行った。垂直移送配用配管13を移送用水12で満たし、続いて、水平方向移送用配管14を該水平方向移送用配管の管内径の60%まで移送用水12で満たした。この後、移送用低粘性液体循環ポンプ17により移送用水12を移送用低粘性液体循環配管18を通して、移送用低粘性液体供給口19より移送用水12を連続して供給した。ここで、移送用水12の供給量は50kg/分であった。続いて、ジメチルポリシロキサン生ゴム2が収納されている高粘性液状材料収納容器1の内部に加圧装置3により圧力を加えて、このジメチルポリシロキサン生ゴム2を高粘性液状材料供給用配管5の中に連続して送り込んだ。ここで、ジメチルポリシロキサン生ゴム2の移送量は1.5kg/分であった。加圧水のON・OFF制御弁7をONにしてこの移送されるジメチルポリシロキサン生ゴム中に、加圧低粘性液体の圧入孔8から圧力0.98MPaに加圧した水を12kg/分にて1kg圧入した。ついで、加圧水のON・OFF制御弁7をOFFにして加圧水の圧入を中断した。15秒後、加圧水のON・OFF制御弁7をONにして上記と同様にして加圧水を1kg圧入し、ついで、加圧水のON・OFF制御弁7をOFFにして加圧水の圧入を中断した。以下、この加圧水の圧入と中断を繰り返した。この操作により、加圧水の中断時には高粘性液状材料吐出用ダイス9よりジメチルポリシロキサン生ゴムが延出し、加圧水の圧入時にはジメチルポリシロキサン生ゴムの押出切断が繰り返され、ブロック状のジメチルポリシロキサン生ゴムが断続的に吐出された。そして、水で満たされた垂直移送配管13に吐出されたブロック状のジメチルポリシロキサン生ゴムは垂直移送用配管13内を浮上し、垂直・水平方向移送配管接合部分15に到達した。垂直・水平方向移送用配管接合部分15に到達したブロック状のジメチルポリシロキサン生ゴムは、水平方向移送用配管14内を流れ、該配管14の末端部に配設されたブロック状の高粘性液状材料引き上げ装置20まで移送された。ここで、ブロック状のジメチルポリシロキサン生ゴムの移送速度は6cm/秒であった。この方法によって、ジメチルポリシロキサン生ゴムを定量的に効率よく移送することができた。
【0022】
【発明の効果】本発明による高粘性液状材料の吐出方法は、高粘性液状材料を配管を通して吐出するに際し、この配管吐出部分前で配管内の高粘性液状材料中に加圧低粘性液体を断続的に注入することにより、該高粘性液状材料をブロック状に切断した形状で断続的に吐出操作を行うので、高粘性液状材料を定量的、かつ生産性よく吐出することができる。また、本発明による高粘性液状材料の移送方法は、高粘性液状材料を配管を通して高位置に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料を、低粘性液体によって満たされた略垂直にたてられた配管内を通して浮上させておおり、また、高粘性液状材料を配管を通して略水平方向に移送する際に、ブロック状に切断された高粘性液状材料が配管内で浮遊するに十分な低粘性液体で満たされた水平もしくは傾斜のある配管を通して、低粘性液体の移動により移送しているので、移送に必要な動力は、低粘性液体を供給するための動力ですむため、通常のパイプラインでは不可能な距離の高粘性液状材料の移送を、低動力で定量的かつ生産性よく行うことができる。しかも、この高粘性液状材料は、ブロック状で移送され配管内部に残ることがないので、複数の品種の高粘性液状材料を1つの配管で容易に共用することができ、パイプラインの簡素化、少設備化が図れる。
【0023】
【出願人】 【識別番号】000110077
【氏名又は名称】東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−283398(P2000−283398A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−90446