| 【発明の名称】 |
ガス送出量決定方法、それを実行するためのプログラムを格納した記録媒体及びそれを実行する演算装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河合 勝則
【氏名】井田 俊雄
【氏名】三浦 和貴
【氏名】小山 和夫
【氏名】竹原 俊英
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| 【要約】 |
【課題】ガス送出量を定量的な信頼性評価に基づいて決定する方法を提供する。
【解決手段】複数のガス工場から送出されるガスが導管を経由して複数の供給先に供給されるガス導管網における複数のガス工場からのガス送出量を決定するガス送出量決定方法において、ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するガス供給失敗確率を演算するステップと、ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となるように、各ガス工場からのガス送出量を決定するステップとを備えることを特徴とするガス送出量決定方法が提供される。このように、ガス供給失敗確率を定量的に計算し、それに基づいて、ガス工場からのガス送出量を決定することにより、ガス導管網の信頼性を定量的に判断することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数のガス工場から送出されるガスが導管を経由して複数の供給先に供給されるガス導管網における前記複数のガス工場からのガス送出量を決定するガス送出量決定方法において、前記ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するガス供給失敗確率を演算するステップと、前記ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となるように、各ガス工場からのガス送出量を決定するステップとを備えることを特徴とするガス送出量決定方法。 【請求項2】請求項1において、前記演算ステップは、各ガス工場からのガス送出量の配分パターンを複数設定し、各配分パターンごとに、前記ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するミニマルカットセットを少なくとも1つ特定し、該ミニマルカットセットのガス供給失敗確率を演算し、該ミニマルカットセットのガス供給失敗確率から前記ガス導管網のガス供給失敗確率を演算し、前記決定ステップは、各ガス工場からのガス送出量を、前記ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となる配分パターンに対応するガス送出量に決定することを特徴とするガス送出量決定方法。 【請求項3】請求項1又は2において、前記ガス供給失敗確率は、所定の単位期間内に、少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗する状態が発生する確率を示す不信頼度であることを特徴とするガス送出量決定方法【請求項4】請求項1又は2において、前記ガス供給失敗確率は、少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗する時間の割合を示す不稼働率であることを特徴とするガス送出量決定方法。 【請求項5】複数のガス工場から送出されるガスが導管を経由して複数の供給先に供給されるガス導管網における前記複数のガス工場からのガス送出量を決定する方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体において、前記ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するガス供給失敗確率を演算するステップと、前記ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となるように、各ガス工場からのガス送出量を決定するステップとを実行するためのプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。 【請求項6】複数のガス工場から送出されるガスが導管を経由して複数の供給先に供給されるガス導管網における前記複数のガス工場からのガス送出量を決定する演算装置において、前記ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するガス供給失敗確率を演算する演算手段と、前記ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となるように、各ガス工場からのガス送出量を決定する決定手段とを備えることを特徴とする演算装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の都市ガス工場、ガス供給先、ガス導管などから構成されるガス導管網において、それぞれのガス工場からのガス送出量を決定するガス送出量決定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】図9は、ガス導管網の構成例を示す図である。図9において、2つのガス工場A、Bからそれぞれ供給される高圧ガスは、導管1乃至6を経由して供給先a、b、cに到達する。そして、各供給先に到達したガスは、供給先a、b、cに設けられる圧力制御弁(ガバナ)によって、高圧ガスより圧力の低い中圧ガス、さらに低圧ガスに調整され、図示されないガス需用者に供給される。 【0003】このようなガス導管網において、ガス工場から供給先へのガス供給量は、気候や日々の気温などの環境要因や、経済などの社会要因など様々な要因によって頻繁に変動する。従って、その都度、各供給先に適切な量のガスが安定的に供給されるように、各ガス工場からのガス送出量の配分を決定する必要がある。 【0004】例えば、図9において、供給先a、b、c全体で、10000m3/hのガス量が必要であり、さらに、そのうち、供給先cに最も多量のガスが必要である場合であって、このときのガス送出量の配分を、ガス工場Aから8000m3/h、ガス工場Bから2000m3/hである場合を想定する。この場合、ガス工場A、Bから送出されるガスの多くは、供給先cへの近い経路、即ち導管6及び導管5を経由して、供給先cへ到達する。この場合、供給先cには、十分なガス量が供給される。 【0005】このとき、導管6が故障により遮断してしまうと、ガス工場Aからのガスは、供給先cへの遠い経路、即ち導管1又は2、導管3及び導管4を経由して供給先cへ到達する。 【0006】このとき、ガス工場から供給先までの距離が長いと、その間に、導管を流れるガスの圧力が低下し、供給先cに到達したときのガス圧が、供給先が必要とするガス量に対応するガス圧より低くなってしまい、供給先に必要なガス量が供給されないおそれがある。また、導管5が故障した場合も同様に必要ガス量を供給できないおそれがある。さらに、ガス工場Aの故障により、ガス送出できない場合も、供給先cに十分なガス量を供給することができなくなる。 【0007】従って、ガス工場からのガス送出量は、ガス導管を構成するガス工場、導管、供給先などの各設備に故障が生じた場合、全ての供給先への必要ガス量の供給ができるだけ維持できるように決定する必要がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来における各工場のガス送出量の決定方法では、供給先へ最も安定的にガスを供給することができるガス送出量の配分を、人の経験などから決定していた。そのため、設備が故障した場合において、全ての供給先に必要ガス量が供給できるかどうかの導管網の信頼性の評価も、人の定性的な判断に頼らざるを得なかった。このように、従来は、ガス送出量の配分の信頼性を、ガス導管網を構成するガス工場、導管、供給先などの各設備の故障率などから定量的に評価し、その定量的な信頼性に基づいてガス送出量の決定をしていなかった。 【0009】従って、本発明の目的は、ガス送出量を定量的な信頼性評価に基づいて決定する方法、それを実行するためのプログラムを格納した記録媒体及びそれを実行する演算装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明のガス送出量決定方法は、複数のガス工場から送出されるガスが導管を経由して複数の供給先に供給されるガス導管網における複数のガス工場からのガス送出量を決定するガス送出量決定方法において、ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するガス供給失敗確率を演算するステップと、ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となるように、各ガス工場からのガス送出量を決定するステップとを備えることを特徴とする。 【0011】このように、ガス供給失敗確率を定量的に計算し、それに基づいて、ガス工場からのガス送出量を決定することにより、ガス導管網の信頼性を定量的に判断することができる。 【0012】具体的には、演算ステップは、各ガス工場からのガス送出量の配分パターンを複数設定し、各配分パターンごとに、前記ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するミニマルカットセットを少なくとも1つ特定し、ミニマルカットセットのガス供給失敗確率を演算し、ミニマルカットセットのガス供給失敗確率から前記ガス導管網のガス供給失敗確率を演算し、決定ステップは、各ガス工場からのガス送出量を、前記ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となる配分パターンに対応するガス送出量に決定する。 【0013】また、ガス供給失敗確率は、所定の単位期間内に、少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗する状態が発生する確率を示す不信頼度、又は少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗する時間の割合を示す不稼働率である。 【0014】また、上記本発明のガス送出量決定方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体は、複数のガス工場から送出されるガスが導管を経由して複数の供給先に供給されるガス導管網における前記複数のガス工場からのガス送出量を決定する方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体において、ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するガス供給失敗確率を演算するステップと、ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となるように、各ガス工場からのガス送出量を決定するステップとを実行するためのプログラムを格納したことを特徴とする。 【0015】さらに、上記本発明のガス送出量決定方法を実行するための演算装置は、複数のガス工場から送出されるガスが導管を経由して複数の供給先に供給されるガス導管網における前記複数のガス工場からのガス送出量を決定する演算装置において、ガス導管網における少なくとも1つの供給先への必要ガス量の供給に失敗するガス供給失敗確率を演算する演算手段と、ガス導管網のガス供給失敗確率が最小となるように、各ガス工場からのガス送出量を決定する決定手段とを備えることを特徴とする。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲が、本実施の形態に限定されるものではない。 【0017】図1は、本発明の実施の形態におけるガス送出量を決定する方法のフローチャートである。本発明の実施の形態においては、図9に示されたガス導管網の構成を例に、ガス送出量の信頼性評価を行い、その評価に基づいてガス送出量を決定する方法について説明する。 【0018】また、図2は、図1のフローチャートの方法を実行するための演算装置の構成例を示す図である。具体的には、演算装置は、CPU1、メインメモリ2、表示装置3、記憶装置4、キーボード5、ポインティングデバイス(マウス)6などからなるEWS(Engineering Work Station)或いはPC(Personal Computer)などのコンピュータシステムである。そして、図1のフローチャートに従った処理プログラムを記憶装置4が格納し、それをCPU1が実行する。 【0019】図1に戻り、まず、ステップS1において、ガス導管網の信頼性評価を行うための計算条件が設定される。具体的には、図9のガス導管網の構成、各供給先への必要ガス量及び各ガス工場の最大ガス送出量などの条件である。図3は、各供給先への必要ガス量の一例を示す図である。図3によれば、供給先a、bの必要ガス量はそれぞれ3000 m3/h、供給先cの必要ガス量は4000 m3/hであり、各供給先への必要ガス量の合計(以下、総供給量という)は、10000 m3/hである。なお、供給先a、bとは、例えば、発電所や工場などの大口顧客の場合もあれば、所定の地域内の多数の一般顧客の場合もある。 【0020】さらに、ステップS2において、各ガス工場からのガス送出量の配分パターンが設定される。図4は、ガス工場A、Bからのガス送出量の配分パターンの一例を示す図である。上記図3における総供給量が10000m3/hであるので、図4では、ガス送出量の配分パターンとして、図示される配分パターン1、即ち、ガス工場A:10000m3/h、ガス工場B:0m3/hなどのように、ガス工場Aとガス工場Bからのガス送出量の合計が10000m3/hになるようなパターンが複数設定される。 【0021】次に、ステップS3において、ガス送出量の配分パターンごとに、ガス導管網を構成する各設備(ガス工場、導管、供給先)における故障設備の組み合わせ(故障パターン)を設定する。図5は、ガス送出量の配分パターンごとの故障パターンの例を示す図である。例えば、ガス送出量の配分パターンが、ガス工場A:10000m3/h、ガス工場B:0m3/hである場合において、故障パターン1は、導管1が遮断する故障(機能喪失)の状態であって、それ以外の設備は全て正常である組み合わせを示す。また、故障パターン2は、導管6が故障(機能喪失)状態であって、それ以外の設備は正常である組み合わせを示す。同様に、故障パターン3は、導管3及び導管5が機能喪失状態であって、それ以外の設備は正常である組み合わせである。さらに、ガス送出量の配分パターンが、ガス工場A:8000m3/h、ガス工場B:2000m3/hである場合において、故障パターンx1は、導管1のみが機能喪失の状態の組み合わせであって、故障パターンx2は、導管6のみが機能喪失の状態の組み合わせ、さらに、故障パターンx3は、導管3及び導管5が機能喪失状態の組み合わせである。故障パターンは、他の組み合わせであってもよく、さらに、図示されないが、他の配分パターンにおける故障パターンも設定される。なお、故障パターンには、導管網内の導管、弁等の故障、供給先のガバナなどの故障、ガス供給工場の故障が含まれる。 【0022】そして、ステップS4において、各故障パターンごとに、質量保存則と運動量保存則を用いた導管網のガス流量計算が実行される。これにより、各供給先へ必要ガス量が供給されるか否かを判断することができる。 【0023】例えば、上記図5における故障パターン1では、導管1が機能喪失状態であっても、全供給先に必要ガス量を供給できる(供給成功)と判断される。一方、故障パターン2又は3においては、それぞれ機能喪失状態の導管の存在により、少なくとも1つの供給先に必要ガス量を供給することができない(供給失敗)と判断される。 【0024】また、図示されるように、故障パターンx1及びx2では、供給成功となり、故障パターンx3では、供給失敗となる。故障パターン2とX2とを比較して明らかなように、機能喪失状態の設備の組み合わせ(導管6のみ機能喪失)は同じであるが、ガス送出量の配分パターンの相違により、全ての供給先への必要ガス量の供給に成功するか否かの判断が変わる場合もある。 【0025】こうして、各故障パターンごとに流量計算が実行され、ステップS5においてその供給成功の可否が判断される。ステップS5において、供給失敗と判断されると、ステップS6において、供給失敗と判断された故障パターン(即ち、ガス送出量の配分パターン及びそのときにおける機能喪失状態の設備の組み合わせ)が登録される。 【0026】そして、ステップS7において、全ての故障パターンの供給成功可否判断が終了したことが判断されると、ステップS8において、ステップS6において登録された故障パターン(供給失敗と判断された故障パターン)における機能喪失状態の設備の組み合わせのミニマルカットセットが特定される。ミニマルカットセットとは、機能喪失状態の設備の組み合わせにおいて、供給失敗を引き起こす最小の組み合わせを言う。 【0027】図6は、ガス送出量の配分パターンごとのミニマルカットセットの一例を示す図である。図6において、ガス送出量の配分パターンがガス工場A:10000m3/h、ガス工場B:0m3/hである場合のミニマルカットセットの一つの例は、上述のように、導管6のみが機能喪失である場合の組み合わせである。従って、導管1と導管6の両方が機能喪失である場合の組み合わせは、供給失敗に至る最小の組み合わせではなく、ミニマルカットセットではない。即ち、導管6のみが機能喪失となるだけで、供給失敗となるからである。 【0028】一方、ミニマルカットセットのもう一つの例は、導管3と導管5の両方が機能喪失である場合の組み合わせである。この場合、導管3のみが機能喪失になった場合、又は導管5のみが機能喪失になった場合では、供給失敗とならず、両導管が同時に機能喪失になることで、初めて供給失敗となるので、この組み合わせはミニマルカットセットとなる。 【0029】そして、ステップS9において、特定されたミニマルカットセットのガス供給失敗確率を計算することによって、ガス導管網全体におけるガス供給失敗確率を求める。なお、本発明の実施の形態においては、ガス供給失敗確率として、以下に詳述するように、ガス送出量の配分パターンごとに、ガス導管網全体の不信頼度Fs又はガス導管網全体の不稼働率Qsが計算される。不信頼度Fsは、所定期間内にミニマルカットセットが発生し、供給失敗が発生する確率である。また、不稼働率Qsは、ミニマルカットセットが発生し、供給失敗状態である時間の割合である。そして、ガス導管網全体のガス供給失敗確率が計算されると、その確率が最も低い配分パターンに対応するガス送出量が決定される。 【0030】次に、不信頼度F及び不稼働率Qの計算方法について説明する。なお、不信頼度F及び不稼働率Qの計算においては、以下の前提条件が適用される。 (1)各設備は完全に修理可能で、あらかじめ与えられる各設備の稼働率は時間に対して一定とする。一般的に、設備の故障率は、設置当初の時期と耐用年数に近い時期に高くなる傾向にあるが、それらの時期以外では、故障率は一定になるので、それらの時期を考慮せず、その間の設備が安定的に稼働している時期における設備の稼働率が用いられる。 (2)上記同様に、あらかじめ与えられる各設備の故障率も時間に対して一定とする。 (3)また、近似計算を行うために各設備の故障率は十分に小さい値とする。 (4)さらに、(信頼度R+不信頼度F=1)、(稼働率A+不稼働率Q=1)とする。 【0031】まず、ガス導管網全体の不信頼度Fsを計算する方法について説明する。 (a)各ミニマルカットセットiの発生率Wiを求める。 例えば、ミニマルカットセットiは、設備a1と設備a2との組み合わせである場合、発生率Wiは、【0032】 【数1】
ここで、Qa1、Qa2は、それぞれ設備a1、設備a2の不稼働率、λa1、λa2は、それぞれ設備a1、設備a2の故障率である。即ち、ミニマルカットセットiの発生確率Wiは、一方の設備が稼働していないときに、他方の設備が故障する確率の和として表される。 (b)ガス導管網全体の故障発生率Wsを求める。 ガス導管網全体で、供給失敗の状態が発生する確率は、各ミニマルカットセットの発生率Wiの総和から求められる。即ち、故障発生率Wsは、【0033】 【数2】
ここで、Nは、ミニマルカットセットiの数である。 (c)ガス導管網全体の不信頼度Fsを求める。 【0034】そのために、故障率λの設備の所定期間tにおける不信頼度Fを算出する一般式【0035】 【数3】
を用いる。即ち、上式において、故障率λに代わって、ガス導管網全体の故障発生率Wsを代入することにより、ガス導管網全体の不信頼度Fsが求められる。従って、不信頼度Fsは、【0036】 【数4】
所定期間tは、例えば1年又は5年などのような期間である。こうして、ガス導管網全体の不信頼度Fsが求められる。なお、ガス導管網全体の信頼度Rsは、Rs+Fs=1の関係から、【0037】 【数5】
となる。 【0038】次に、ガス導管網全体の不稼働率Qsを計算する方法について説明する。 (d)各ミニマルカットセットの不稼働率Qiを求める。 まず、各設備ごとの不稼働率Qkは次式で表される。 【0039】 【数6】
MTTR(Mean Time To Repair)は、設備kの点検や修理のときの平均保修時間であって、設備kが稼働していない時間である。MTBF(Mean Time Between Failure)は、設備kの平均故障間隔時間であって、設備kが稼働している時間である。そして、このMTBFの逆数(1/MTBF)が故障率λであり、また、MTTRの逆数(1/MTTR)を保全率μという。そうすると、上式は、【0040】 【数7】
と表される。なお、上式における近似値λk×(1/μk)は、λk/(λk+μk)をフーリエ級数で展開したときの第一項である。 【0041】このようにして、各設備kごとの不稼働率Qkが求められるので、ミニマルカットセットの不稼働率Qiは、ミニマルカットセットiを構成する設備kごとの不稼働率Qkの乗算によって求められる。従って、不稼働率Qiは、【0042】 【数8】
となる。Nは、ミニマルカットセットを構成する設備kの数である。 (e)ガス導管網全体の不稼働率Qsを求める。 【0043】ガス導管網は、ミニマルカットセットiのいずれか1つが発生した場合に供給失敗状態となる。従って、不稼働率Qsは、どのミニマルカットセットiも発生していない状態である稼働状態でない場合の確率として求められる。即ち、不稼働率Qは、【0044】 【数9】
となる。Nは、ミニマルカットセットiの数である。こうして、ガス導管網全体の不稼働率Qsが求められる。なお、ガス導管網全体の稼働率Asは、As+Qs=1の関係から、【0045】 【数10】
となる。これは、どのミニマルカットセットiも発生していない稼働状態の確率である。 【0046】このようにして、ガス送出量の配分パターンごとに、ガス導管網全体の不信頼度Fs又は不稼働率Qsを求める。図7は、各配分パターンごとのガス導管網全体のガス供給失敗確率の一例を示す図である。なお、ガス供給失敗確率として、不信頼度Fs又は不稼働率Qsのどちらが使われてもよい。ただし、故障回数を重視する場合は、不信頼度Fsを用い、稼働時間を重視する場合は、不稼働率Qsを用いることが好ましい。また、どちらの値も、数値が低いほど信頼性がより高いと判断することができる。図7によれば、配分パターンがガス工場A:6000 m3/h、ガス工場B:4000 m3/hである場合が最も供給失敗確率が低い、即ち、ガス導管網の信頼性が高いと判断される。 【0047】このようにして上述の不信頼度Fs又は不稼働率Qsを計算する演算装置は、ガス供給指令センタに設置される。図8は、ガス供給指令センタによるガス送出量制御の概念を示す図である。ガス供給指令センタ内に設置された演算装置において、保守点検や故障発生により、設備の一部が使用不能となり、ガス導管網の構成が変化するごとに、不信頼度Fs又は不稼働率Qsの計算が行われる。或いは、気候や日々の気温などの環境の変化などの要因によって、各需用者が必要とするガス供給量が変動するごとに、ガス送出量の配分パターンが変えられ、それに対する不信頼度Fs又は不稼働率Qsの計算が行われる。 【0048】そして、その都度、最も信頼性の高いガス送出量の配分パターンが決定される。そして、各ガス工場のガス送出量は、ガス供給指令センタからの制御信号により、決定されたガス送出量になるようにリモート制御される。制御信号は、有線回線又は無線回線、専用回線又は公衆回線のいずれを介してガス工場に送られてもよい。また、ガス供給指令センタから各ガス工場に、決定されたガス送出量の情報が伝えられ、ガス工場側でガス送出量が制御されてもよい。 【0049】また、上述の実施の形態では、ガス導管網におけるガス供給失敗確率が計算されたが、全ての供給先に必要ガス量を供給することができる確率(ガス供給成功確率)即ち、上述の信頼度As又は稼働率Rsを求め、各ガス工場のガス送出量を、これらの確率が最も高い配分パターンに対応するガス送出量に決定してもよい。 【0050】さらに、ミニマルカットセットに代わって、全ての供給先に必要ガス量を供給するための設備の最小の組み合わせを用いて、上述同様に、不信頼度Fs(又は信頼度As)及び不稼働率Qs(又は稼働率Rs)を求めてもよい。 【0051】 【発明の効果】以上、本発明によれば、ガス導管網の構成に応じて、ガス導管網の設備が故障した場合であっても、全ての供給先に必要ガス量を供給できる確率が最も高いガス工場からのガス送出量を定量的に決定することができる。従って、ガス導管網におけるガス供給の信頼性が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社 【識別番号】000220262 【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月17日(1999.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094525 【弁理士】 【氏名又は名称】土井 健二 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−266299(P2000−266299A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−71406 |
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