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【発明の名称】 集積弁
【発明者】 【氏名】板藤 寛

【氏名】小倉 剛

【氏名】小池 和彦

【要約】 【課題】コンパクトな、また温度の制御性が良い集積弁を提供すること。

【解決手段】本発明の集積弁1は、複数の集積ユニット2,3,4がベースブロック10上に並べて固定され、そのベースブロック10に断続的に形成された流路21,22,23,24によって、被制御流体が各集積ユニット2,3,4を流通可能な流体制御ラインを有し、そのベースブロック10が、流体制御ラインを流れる被制御流体の温度を調節するための温度調節用流体を流す温調流路21,22,23,24を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の集積ユニットをベースブロック上に並べて固定し、被制御流体が、そのベースブロックに断続的に形成された流路を介して各集積ユニットを流れる流体制御ラインを構成する集積弁において、前記ベースブロックは、前記流体制御ラインを流れる被制御流体の温度を調節するための温度調節用流体を流す温調流路を有することを特徴とする集積弁。
【請求項2】 請求項1に記載の集積弁において、前記温調流路は、被制御流体を流すための前記ベースブロックに形成された流路に沿って形成されていることを特徴とする集積弁。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の集積弁において、前記温調流路は、前記ベースブロック内に断続的に形成され、その流路端部の開口が前記集積ユニットを固定するための取付け面に開設されたものであって、前記集積ユニットは、前記ベースブロックへ固定するための取付プレートを備え、その取付プレートには、ベースブロックに固定された際に断続的な温調流路を連続させる接続流路が形成されていることを特徴とする集積弁。
【請求項4】 請求項3に記載の集積弁において、前記取付プレートの接続流路は、集積ユニットのポートを囲むように形成されたものであることを特徴とする集積弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置等で使用される集積弁に関し、さらに詳細には、気化温度が高く、常温において外部から熱を加えないと液化しやすいジクロールシラン(SiH2Cl2)等、温度制御が必要な流体を高精度に供給することができる集積弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体集積回路中の絶縁膜として、気相成膜された酸化珪素薄膜等が多用されている。かかる酸化珪素等の気相成膜は、成膜槽中に載置されたウエハ上に、化学蒸着成膜法にて行うのが普通である。そのための珪素供給源としては、例えばモノシラン(SiH4 )のような常温常圧で気体であるものばかりでなく、ジクロールシランのような、常温常圧では液化しやすいものも多く使用されている。ジクロールシラン等の液化しやすいプロセスガスを供給する場合、プロセスガスの供給ルートを構成する高圧ボンベ、配管、マスフローコントローラ等のガスラインを加熱することが必要となる。その理由は、ガスラインの途中でジクロールシランが液化すると、流量計測が正確に行えないため反応チャンバへの供給ガス量が不正確となり、製造される半導体集積回路等の性能を悪くするからである。また、液化したジクロールシラン等が質量流量計付流量制御弁の細管を詰まらせて寿命を短縮させる問題もあるからである。そのため、集積弁は従来からヒータを設け、ジクロールシラン等が気化温度以上になるように加熱保温するよう、被制御流体を温度制御するための構成がとられていた。
【0003】ここで図2は、従来の集積弁を示した外観斜視図である。この集積弁100は、フィルター101、レギュレータ102及びバルブ103が、同一形状の取付プレート104,104,104と一体に設けられ、取付部が共通の集積ユニットとして構成されている。集積ユニットは、全てベースブロック105の取付け面にボルトによって同様に固定することができ、ベースブロック105に断続的に形成された不図示の流路によって接続されて、前述したジクロールシランなどの被制御流体が流れる流体制御ラインが構成されている。そして、集積弁100には、供給を制御する流体が常温で液化しないように加熱保温するためのヒータ106が設けられている。このヒータ106は、ベースブロック105の両側面にヒータブロック107,107が固定され、流路に沿って長手方向に形成された溝内に装填されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した従来の集積弁100は、ヒータブロック107がベースブロック105の側面部に設けられていたために幅の広いものとなり、集積弁100の設置スペースが大きくなってしまっていた。通常、半導体の製造に用いる流体制御装置は、集積弁100をプロセスガスごとに設けるため、複数の集積弁100が基板上に並べられて複数の流体制御ラインが構成されている。そのため、複数の集積弁100からなる流体制御装置を小型化するためには、その集積弁100のコンパクト化が必要である。また、ヒータブロック107に装填したヒータ106で流体を加熱保温したのでは、フィルター101などの集積ユニットやベースブロック105内を流れる流体までの距離が遠いため流体を温め難く、また熱も逃げやすかった。そのため、温度の制御性が悪いといった問題もあった。更に、流体を加熱保温するためにヒータブロック107を必要とすることから、部品点数が多くなるといった不都合もあった。
【0005】そこで本発明は、かかる問題を解消すべく、コンパクトな集積弁を提供すること、また温度の制御性が良い集積弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の集積弁は、複数の集積ユニットをベースブロック上に並べて固定し、被制御流体が、そのベースブロックに断続的に形成された流路を介して各集積ユニットを流れる流体制御ラインを構成するものであって、前記ベースブロックが、前記流体制御ラインを流れる被制御流体の温度を調節するための温度調節用流体を流す温調流路を有することを特徴とする。よって、本発明の集積弁では、例えば常温で液化してしまうような気体の被制御流体が集積弁内で冷えて液化してしまわないように、温調流路に温水を流すことによってベースブロックを温めて保温し、その被制御流体を適切な状態で制御できるようにする。従って、本発明集積弁は、温度調節を行うための温度調節用流体がベースブロック内を流れるようにしたので、前記従来例のようにヒータ設けるために幅が広がってしまうことがなくコンパクトにすることができる。また、ヒータを取り付けるためのヒータブロックなどの別部材を介さずに直接ベースブロックの温度を調節するため、温度の制御性が良い集積弁となる。
【0007】また、本発明の集積弁は、前記温調流路が、被制御流体を流すための前記ベースブロックに形成された流路に沿って形成されていることを特徴とする。よって、本発明の集積弁では、被制御流体が流れる近くを温度調節用流体が流れるので、その温度調節用流体の温度が被制御流体に伝わり易く、制御性が良いものとなる。また、本発明の集積弁は、前記温調流路が、前記ベースブロック内に断続的に形成され、その流路端部の開口が前記集積ユニットを固定するための取付け面に開設されたものであって、前記集積ユニットが、前記ベースブロックへ固定するための取付プレートを備え、その取付プレートには、ベースブロックに固定された際に断続的な温調流路を連続させる接続流路が形成されていることを特徴とする。よって、本発明の集積弁では、温度調節用流体が取付プレートの接続流路を流れることにより集積ユニットも温度調節されて、被制御流体にとってよりよい温度環境とすることができる。また、本発明の集積弁は、前記取付プレートの接続流路が、集積ユニットのポートを囲むように形成されたものであることを特徴とする。よって、本発明の集積弁では、集積ユニットとベースブロック間を出入りする被制御流体を効果的に温度制御することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる集積弁の一実施の形態について説明する。図1は、集積弁の一実施の形態を示した外観斜視図である。本実施の形態の集積弁1は、前記従来例と同様にフィルター2、レギュレータ3及びバルブ4を連設したものであり、それぞれが取付プレート5,5,5によってベースブロック6に固定されている。取付プレート5,5,5は、全て同一形状で同様に四隅に固定孔が穿設されたものであり、フィルター2、レギュレータ3及びバルブ4が、取付部を共通にした集積ユニットとして構成されている。従って、集積弁1は、フィルタ2などの各集積ユニット(以下、集積ユニット2,3,4と記す)が、ベースブロック10に対しその取付面11の任意の位置に取り付けられるよう構成されている。ベースブロック10は直方体形状をなし、その一側面にユニット取付面11が構成されている。そして、そのベースブロック10には、集積ユニット間を接続するガス流路が断続的に形成され、流路端部の開口が取付面11に開設されている。
【0009】ベースブロック10の内部に形成されたガス流路は、集積ユニット2,3,4の間に位置するV字流路22,23と、各端面側に一方の開口が開設された供給流路21と排出流路24とが、それぞれ連続することなく断続的に形成されている(以下、まとめてガス流路21,22,23,24と記す)。取付面11に開設されたガス流路21,22,23,24の開口は、その取付面11に固定した集積ユニット2,3,4のポート(不図示)と接続可能な位置にある。また、本実施の形態の集積弁1は、ベースブロック10に更に温水を流すための温度調節用流路が形成されている。この温度調節用流路は、集積弁1を流れる被制御流体であるガスを常温で液化させないように保温するために設けられている。そこで、温度調節用流路は、ガス流路21,22,23,24に沿うようにほぼ同一の形状で形成され、供給流路31、2個のV字流路32,33、そして排出流路34(以下、まとめて温調流路31,32,33,34と記す)が、断続的に形成されている。
【0010】一方、集積ユニット2,3,4の取付プレート5,5,5には、図面上フィルタ2の取付プレート5にて破線で示すように、その取付面側にC形溝15が形成されている。C形溝15は、端部15a,15bの距離と、温調流路31,32の開口31a,32bの距離とが一致するよう形成され、取付プレート5をベースブロック10に固定した際に端部15aが開口31aと、端部15bが開口32bと重なるよう構成されている。他の箇所の温調流路32,33,34の開口についても同様である。そのため、集積ユニット2,3,4がベースブロック10に固定されると、断続的に形成された温調流路31,32,33,34は、取付プレート5,5,5のC形溝15を介して連続し、ベースブロック10内を集積ユニット2,3,4の配列方向に流体が流れる1本の流路となる。なお、取付プレート5,5,5は、C形溝15を流れる流体が漏れないように、ベースブロック10との間にシール処理を施して固定される。また、集積ユニット2,3,4がベースブロック10に固定されると、これら集積ユニット2,3,4の図示しないポートは、断続的に形成されたガス流路21,22,23,24の隣り合う流路の開口部と接続され、各集積ユニット2,3,4をガス流路21,22,23,24でつないだ流体制御ラインが構成される。
【0011】よって、本実施の形態の集積弁1では、その温調流路31,32,33,34(C形溝15も含む)に温水が流されてベースブロック10及び取付プレート5,5,5が加熱保温される。この場合、特に温調流路31,32,33,34がガス流路21,22,23,24とほぼ平行に形成したので、ガス流路21,22,23,24に対して熱の伝わりがほぼ均一になり、ガス流路内における温度分布にばらつきがなくなった。そのため、ガス流路21,22,23,24内は被制御流体にとって適切な温度環境となり、常温で液化しやすいジクロールシランなどが高精度な気化状態で適切に供給されるようになった。また、温調流路31,32,33,34(C形溝15も含む)内を流れる温水の熱は、拡散することなく効率よく被制御流体に伝達されるため、温度の制御性が従来に比べて格段によくなり、省エネにも寄与することとなった。また、C形溝15は、集積ユニット2,3,4の図示しないポートを囲むようにして加熱保温するため、その集積ユニット2,3,4とベースブロック10間を出入りする被制御流体を効果的に温度制御することができるようになった。更に、前記従来例のようにヒータを設置させるためのヒータブロックをなくすことができ、集積弁自体をコンパクトにすることができた。
【0012】なお、本発明は、前記実施の形態のものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、前記実施の形態では、ガスの保温するために温調流路に温水を流したが、温水の代わりに熱風を流すようにしてもよい。また、温める場合のみならず、冷却する場合には冷水などを流すなどしてもよく、あらゆる温度領域の温度調節に対応することができる。また、例えば温調流路の経路は、ベースブロック10の長手方向に平行に複数本形成するようなものであってもよい。
【0013】
【発明の効果】本発明は、複数の集積ユニットがベースブロック上に並べて固定され、そのベースブロックに断続的に形成された流路によって、被制御流体が各集積ユニットを流通可能な流体制御ラインを構成し、そのベースブロックが、流体制御ラインを流れる被制御流体の温度を調節するための温度調節用流体を流す温調流路を有する構成としたので、コンパクトな集積弁を、また温度の制御性が良い集積弁を提供することが可能となった。
【出願人】 【識別番号】000106760
【氏名又は名称】シーケーディ株式会社
【出願日】 平成10年12月10日(1998.12.10)
【代理人】 【識別番号】100097009
【弁理士】
【氏名又は名称】富澤 孝 (外2名)
【公開番号】 特開2000−171000(P2000−171000A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−351199