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【発明の名称】 液化ガス蒸発装置
【発明者】 【氏名】大木 和広

【氏名】伴 敏明

【要約】 【課題】危険場所に、LPガスの爆発下限温度以上となる箇所をなくし、安全性の向上を図ると共に、省スペース・省エネルギーの液化ガス蒸発装置を提供すること。

【解決手段】加熱手段12を配置する燃焼室52を有し燃焼室52で発生する燃焼熱で加熱される熱媒液wを保持する熱媒液槽51と、熱媒液槽51内に設けられ熱媒液wの熱で液化ガス液を蒸発させる熱交換手段53と、空気供給手段6,7により空気を供給して大気圧を超える圧力に加圧可能な内圧容器9と、内圧容器9に連通し、空気を溜めて加熱手段12に供給する空気室11とを備え、内圧容器9内から空気室11に通ずる通風管13と、燃焼室52内の燃焼排気ガスを排気する排気筒59との間にバイパス管14を連結した。空気供給手段6,7から給気した空気の一部をバイパス管14を介して排気筒59に導き、燃焼排気ガスGgの温度を強制的に下げる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料と空気を供給して燃焼させる加熱手段と、該加熱手段に前記空気を供給する空気供給手段と、前記加熱手段を配置する燃焼室を有し該燃焼室で発生する燃焼熱で加熱する熱媒液を保持する熱媒液槽と、該熱媒液槽内に設けられ前記熱媒液の熱で液化ガス液を蒸発させる熱交換手段と、前記燃料を制御する制御機器が内部に設けられ前記空気を供給して大気圧を超える圧力に加圧可能な内圧容器と、該内圧容器に連通し前記空気を溜めて前記加熱手段に供給する空気室と、を備えた液化ガス蒸発装置であって、前記内圧容器内から前記空気室に通ずる通風管と、前記燃焼室内の燃焼排気ガスを排気する排気筒との間にバイパス管を連結したことを特徴とする液化ガス蒸発装置。
【請求項2】 燃料と空気を供給して燃焼させる加熱手段と、該加熱手段に前記空気を供給する空気供給手段と、前記加熱手段を配置する燃焼室を有し該燃焼室で発生する燃焼熱で加熱する熱媒液を保持する熱媒液槽と、該熱媒液槽内に設けられ前記熱媒液の熱で液化ガス液を蒸発させる熱交換手段と、前記燃料を制御する制御機器が内部に設けられ前記空気を供給して大気圧を超える圧力に加圧可能な内圧容器と、該内圧容器に連通し前記空気を溜めて前記加熱手段に供給する空気室と、を備えた液化ガス蒸発装置であって、前記燃焼室内の燃焼排気ガスを排気する排気筒を、非危険場所まで延設して配管したことを特徴とする液化ガス蒸発装置。
【請求項3】 前記排気筒の表面に断熱材を施したことを特徴とする請求項2記載の液化ガス蒸発装置。
【請求項4】 前記空気供給手段は、非危険場所に開口する吸い込み口を設けた吸い込み管を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の液化ガス蒸発装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液化石油ガス(LPガス)の液を、熱媒液で加熱して蒸発させる液化ガス蒸発装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3に、従来技術に係る液化ガス蒸発装置の概略構造図を示している。従来の液化ガス蒸発装置60は、熱媒水wを加熱する熱源機61と、液化ガス、たとえば液化石油ガスの液である液化石油液(LP液)Lを熱媒水wで加熱し蒸発させてLPガスGpにするLPG蒸発器74とを備えている。
【0003】熱源機61は、燃焼用ガスGfを燃料として、空気と共に燃焼させ熱媒水wを加熱するものである。燃焼用ガスGfは、電磁弁62と調整器63を介してバーナー65に供給される。バーナー65は、送風機66によって燃焼用空気Gaが空気室67を介して供給される。温水温度センサー69は、熱源機61の本体61a内の熱媒水wの温度を検知し、その信号を熱源機制御盤68に入力する。熱源機制御盤68は、熱媒水wの温度信号を受けて電磁弁62、バーナー65、および送風機66を制御する。
【0004】また、熱源機61の本体61aには、空焚きを防止する空焚き防止器71が設けられ、その信号も熱源機制御盤68に入力される。なお、符号Ggは、燃焼排気ガスを示す。
【0005】LPG蒸発器74は、その蒸発器本体74a内に熱交換器75を有し、熱交換器75の一方の端のLP液入口76から流入するLP液Lは、温水循環ポンプ72によって送られる熱媒水wの熱を受けて蒸発し、熱交換器75の他方の端のLPガス出口77からLPガスGpとして流出する。熱交換器75での熱交換後の温度の低下した熱媒水wは、循環用温水配管73を通って熱源機61側に戻されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来の液化ガス蒸発装置60では、LPG蒸発器74の周囲は、異常時にLPガスが滞留する恐れがあるので(破線で示す危険場所58)、火気・電気の使用は制限を受ける。
【0007】このため、液化ガス蒸発装置60においては、熱源機61をLPG蒸発器74から一定の距離をとる必要がある(2点鎖線で示す非危険場所57)こと、および熱媒水wの循環用温水配管73を熱源機61と蒸発器74との間に設け、熱媒水wを常時温水循環ポンプ72によって循環する必要があること等により、温水循環ポンプ72の電気代が嵩み、かつ省スペース・省エネルギー性にも欠けるという問題がある。
【0008】本出願人は、このような課題に対処し、少ないスペースとエネルギーで、効率良く安全に液化石油ガス液を蒸発させることを可能にした液化ガス蒸発装置を提案した(特願平10−279625号)。
【0009】本発明は、上記先願発明の改良に係わるものであって、特に、危険場所に、LPガスの爆発下限温度以上となる箇所をなくし、安全性の向上を図ると共に、省スペース・省エネルギーの液化ガス蒸発装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、燃料と空気を供給して燃焼させる加熱手段と、該加熱手段に前記空気を供給する空気供給手段と、前記加熱手段を配置する燃焼室を有し該燃焼室で発生する燃焼熱で加熱する熱媒液を保持する熱媒液槽と、該熱媒液槽内に設けられ前記熱媒液の熱で液化ガス液を蒸発させる熱交換手段と、前記燃料を制御する制御機器が内部に設けられ前記空気を供給して大気圧を超える圧力に加圧可能な内圧容器と、該内圧容器に連通し前記空気を溜めて前記加熱手段に供給する空気室と、を備えた液化ガス蒸発装置であって、前記内圧容器内から前記空気室に通ずる通風管と、前記燃焼室内の燃焼排気ガスを排気する排気筒との間にバイパス管を連結したことを特徴とするものである。
【0011】このため、請求項1記載の発明では、空気供給手段から給気した空気の一部をバイパス管を介して排気筒に導き、燃焼排気ガスの温度を強制的に下げることにより、燃焼室の伝熱面積を大きくすることなく、燃焼排気ガスの温度を、LPガスの爆発下限温度以下に下げることができる。
【0012】また、請求項2記載の発明は、燃料と空気を供給して燃焼させる加熱手段と、該加熱手段に前記空気を供給する空気供給手段と、前記加熱手段を配置する燃焼室を有し該燃焼室で発生する燃焼熱で加熱する熱媒液を保持する熱媒液槽と、該熱媒液槽内に設けられ前記熱媒液の熱で液化ガス液を蒸発させる熱交換手段と、前記燃料を制御する制御機器が内部に設けられ前記空気を供給して大気圧を超える圧力に加圧可能な内圧容器と、該内圧容器に連通し前記空気を溜めて前記加熱手段に供給する空気室と、を備えた液化ガス蒸発装置であって、前記燃焼室内の燃焼排気ガスを排気する排気筒を、非危険場所まで配管したことを特徴とするものである。
【0013】このため、請求項2記載の発明では、排気ガスは、危険場所では配管内を移動し、非危険場所で大気中に放出される。
【0014】また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の液化ガス蒸発装置であって、前記排気筒の表面に断熱材を施したことを特徴とするものである。
【0015】このため、請求項3記載の発明では、排気筒の温度が上がっても排気筒表面温度を、LPガスの爆発下限温度以下とすることができる。
【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の液化ガス蒸発装置であって、前記空気供給手段は、非危険場所に開口する吸い込み口を設けた吸い込み管を備えて構成されていることを特徴とするものである。
【0017】このため、請求項4記載の発明では、内圧容器内にLPガスが侵入したとしても、非危険場所から導入される清浄な燃焼用空気によって掃気される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図3と同一部材または同一機能のものは同一符号で示している。
【0019】図1は、本発明に係る液化ガス蒸発装置の第1実施形態を示す概略構造図である。第1実施形態の液化ガス蒸発装置1は、燃料である燃焼用ガスGfと燃焼用空気Gaを供給して燃焼させる加熱手段としてのバーナー12と、このバーナー12に燃焼用空気Gaを供給する空気供給手段としての防爆型の送風機6および吸い込み管7とを備える。
【0020】さらに、バーナー12を配置する燃焼室52を有し、この燃焼室52で発生する燃焼熱で加熱する熱媒水(熱媒液)wを保持する温水槽(熱媒液槽)51と、この温水槽51内に設けられ熱媒水wの熱でLP液Lを蒸発させる熱交換手段である熱交換器53とを備える。この熱交換器53では、一方の端のLP液入口54から流入するLP液Lは、熱媒水wの熱を受けて蒸発し、他方の端のLPガス出口55からLPガスGpとして流出する。
【0021】送風機6の出口側に内圧容器9が連接され、この内圧容器9から通風管13を介して空気室11が連接され、通風管13から空気室11に供給される空気は、燃焼用空気Gaとしてバーナー12に供給される。
【0022】ここで、送風機6の吸い込み管7の吸い込み口8は、非危険場所57に開口し、ここから燃焼用空気Gaを導入する。また、燃焼用ガスGfは、吸い込み管15を介してバーナー12に供給される。このバーナー12に供給される燃焼用ガスGfと燃焼用空気Gaとを燃焼室52に噴射し燃焼させ、発生する燃焼排気ガスGgは、排気筒59を通って上方に排出される。
【0023】内圧容器9内の内部9aには、燃焼用ガスGfを制御する制御機器である電磁弁16、17および調整器18が、燃焼用ガスGfの吸い込み管15に沿って直列に設けられている。この内圧容器9は、燃焼用空気Gaを供給して大気圧を超える圧力に加圧可能である。さらに、内圧容器9の圧力が大気圧を超えたことを確認して、電磁弁16、17およびバーナー12に通電を開始し、バーナー12に燃焼を行わせる制御装置19を備える。
【0024】前記制御装置19は、送風機制御盤28と、温水温度センサー23および過熱防止装置31と、圧力スイッチ20とを有する。そして、制御装置19は、上記のように、内圧容器9の圧力が大気圧を超えたことを確認し、さらに好ましくは予め決められた一定時間経過後に前記制御機器16,17,18およびバーナー12に通電を開始し、バーナー12に燃焼を行わせる。送風機6、温水温度センサー23、過熱防止装置31、圧力スイッチ20、及び送風機制御盤28などは防爆型とする。
【0025】熱媒水wの温度が低く、かつバーナー12の燃焼が要求されると、送風機6は、非危険場所57から燃焼用空気Gaを内圧容器9に圧送する。内圧容器9は、通風管13を介して空気室11に連通しているので、送風機6から圧送される燃焼用空気Gaは、バーナー12から燃焼室52に流入する。このとき、内圧容器9の内部9aの圧力が、大気圧+△P(大気圧を超える圧力)以上で、先に記した一定時間保持されたことが確認されれば、バーナー12に点火され、燃焼が開始される。内圧容器9の内部9aは、大気圧を超える圧力であるので、万一LPガスが内圧容器9や温水槽51の周囲に滞留していても内圧容器9内にLPガスが流入することはない。なお、制御機器の電気部品は、防爆配線(符号26の各黒印)される。
【0026】何らかの原因によって、内圧容器9内にLPガスが侵入しても、非危険場所57から導入される清浄な燃焼用空気Gaによって掃気されてから内圧容器9内の制御機器16、17、18に通電が開始され、バーナー12への着火が行われるため危険性はない。
【0027】この第1実施形態においては、通風管13と排気筒59との間にバイパス管14が連接されており、送風機6で給気した空気の一部をこのバイパス管14を介して排気筒59に導き、低温の空気で燃焼排気ガスGgを希釈し、燃焼排気ガスGgの温度を強制的に下げるようにしている。これにより、燃焼室52の伝熱面積を必要以上に大きくしなくても燃焼排気ガスGgの温度を、LPガスの爆発下限温度以下に下げることが可能となる。
【0028】なお、排気筒59には、好ましくは、バイパス管14の連結部分より下流の位置に排ガス検出用検出口64を設けて、排ガスの成分分析(O2 濃度、CO濃度等)を行うようにしても良い。
【0029】図2は、本発明の第2実施の形態を示すもので、前記排気筒59が非危険場所60まで配管されている。これにより、燃焼排気ガスGgは、危険場所58では配管内を移動し、非危険場所60で大気中に放出されるようになり、危険場所58に放出されるのが防止される。
【0030】また、第2実施形態では、好ましくは、排気筒59の表面に断熱材62を施す。これにより、仮に排気筒59の温度が上がっても、排気筒表面温度を、LPガスの爆発下限温度以下とすることができ、危険場所58に爆発下限温度以上となる箇所が生じることが防止できる。
【0031】なお、上記非危険場所57(60)は、液化ガス蒸発装置1から水平距離で8m以上離れ、地盤から3m以上高い場所が一般的であるが、この位置に限定するものではない。
【0032】以上のように、本実施の形態の液化ガス蒸発装置では、燃焼排気ガスの温度を強制的に下げ(第1実施形態)、あるいは排気筒59を非危険場所に配管し(第2実施形態)たので、危険場所58に、LPガスの爆発下限温度以上となる箇所がなくなり、安全であると共に、燃焼室52の伝熱面積を大きくとる必要がなくなり、製品の小型化、軽量化が可能で、設置面積も小さく、省スペースが可能となる。また、第1実施の形態では排気筒59の温度が低くなるため、火傷等の危険がなくなる。
【0033】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1記載の発明によれば、内圧容器内から空気室に通ずる通風管と排気筒との間にバイパス管を連結したので、低温の空気の一部をバイパス管から排気筒に導き、燃焼排気ガスの温度を強制的に下げることにより、燃焼室の伝熱面積を大きくすることなく、燃焼排気ガスの温度を、LPガスの爆発下限温度以下に下げて安全性を確保でき、小型化、軽量化、省スペースの液化ガス蒸発装置が得られる。
【0034】また、請求項2記載の発明によれば、排気筒を非危険場所まで延設して配管したので、燃焼排気ガスは、非危険場所に放出され危険場所に放出されないため、安全性が確保できると共に、延設配管のための小スペースの確保で足り、小型化、軽量化、省スペースの液化ガス蒸発装置が得られる。
【0035】また、請求項3記載の発明によれば、排気筒の表面に断熱材を施したので、請求項2記載の発明の効果に加えて、排気筒表面温度を、常にLPガスの爆発下限温度以下とすることができる。
【0036】また、請求項4記載の発明によれば、内圧容器内にLPガスが侵入したとしても、非危険場所から導入される清浄な燃焼用空気によって掃気されるので、一層の安全性を確保できる。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【出願日】 平成11年6月9日(1999.6.9)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−346291(P2000−346291A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−163138