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【発明の名称】 ガスボンベ用バルブ装置
【発明者】 【氏名】竹田 勝

【氏名】羽鳥 輝夫

【氏名】市坪 篤

【要約】 【課題】漏出ガスによってボンベ収容空間が汚染されるのを防止する。

【解決手段】ボンベ収容空間Xに配置したガスボンベ1の首部2に容器弁3のハウジング4を取り付けて、そのハウジング4を覆うケース21のケース本体22を上記ガスボンベ1の首部2に気密状にネジ止めする。上記ハウジング4に回転自在に支持したスピンドル13を上記ケース本体22の外側へ突出させ、その突出端にハンドル15を取り付ける。上記スピンドル13の軸心方向の途中部と上記ケース本体22との間を、ベローズ製の弾性カバー部材23によって気密状に覆うと共に、その弾性カバー部材23の弾性力によって上記スピンドル13を求心方向へ付勢する。上記ケース21の内部空間Yを連通路28によって上記ボンベ収容空間Xの外側のガス排出許容空間Zへ連通させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボンベ収容空間(X)に配置したガスボンベ(1)に容器弁(3)のハウジング(4)を取り付けて、そのハウジング(4)に回転自在に支持したスピンドル(13)をハンドル(15)によって回転操作可能に構成し、上記のハウジング(4)を気密状に覆って同上ハウジング(4)から上記ハンドル(15)を隔離するケース(21)を設け、そのケース(21)を、上記のガスボンベ(1)に気密状に取付けたケース本体(22)と、そのケース本体(22)の外側へ突出された上記スピンドル(13)の軸心方向の途中部と同上ケース本体(22)との間を気密状に覆う弾性カバー部材(23)とによって構成して、その弾性カバー部材(23)の弾性力によって上記スピンドル(13)を求心方向へ付勢し、上記ケース(21)の内部空間(Y)を連通路(28)によって上記ボンベ収容空間(X)の外側のガス排出許容空間(Z)へ連通させた、ことを特徴とするガスボンベ用バルブ装置。
【請求項2】 請求項1に記載したガスボンベ用バルブ装置において、前記の弾性カバー部材(23)をベローズによって構成した、ことを特徴とするガスボンベ用バルブ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガスボンベの元弁として用いられるバルブ装置に関し、例えば、天然ガス自動車に搭載するガスボンベに好適なバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来では、ボンベ収容空間に配置したガスボンベに容器弁のハウジングを取付けて、そのハウジングに回転自在に支持したスピンドルをハンドルによって回転操作可能に構成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、何らかの原因によって容器弁内のガスがハウジング外へ漏れ出たときには、その漏出ガスが前記ボンベ収容空間を汚染してしまうという問題がある。本発明の目的は、漏出ガスによってボンベ収容空間が汚染されるのを防止することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、例えば、図1と図2に示すように、ガスボンベ用バルブ装置を次のように構成した。ボンベ収容空間Xに配置したガスボンベ1に容器弁3のハウジング4を取り付けて、そのハウジング4に回転自在に支持したスピンドル13をハンドル15によって回転操作可能に構成し、上記のハウジング4を気密状に覆って同上ハウジング4から上記ハンドル15を隔離するケース21を設け、そのケース21を、上記のガスボンベ1に気密状に取付けたケース本体22と、そのケース本体22の外側へ突出された上記スピンドル13の軸心方向の途中部と同上ケース本体22との間を気密状に覆う弾性カバー部材23とによって構成して、その弾性カバー部材23の弾性力によって上記スピンドル13を求心方向へ付勢し、上記ケース21の内部空間Yを連通路28によって上記ボンベ収容空間Xの外側のガス排出許容空間Zへ連通させたものである。
【0005】なお、上記のスピンドル13を求心方向へ付勢するとは、前記ハウジング4に上記スピンドル13を装着した状態で、その装着初期状態のスピンドル13の軸心へ向けて同上スピンドル13を半径方向の内方へ付勢することを意味する。また、上記のボンベ収容空間Xは、ガスボンベ1が収容される空間を意味し、仕切られた空間のうちの一部分である場合と、大気側へ開放された空間である場合とが考えられる。また、前記のガス排出許容空間Zは、ガスの排出が許容される空間を意味し、大気側へ連通された仕切り空間である場合や、大気側へ直接に開放された空間である場合や、ガス処理装置によってガスが吸引される空間である場合などが考えられる。
【0006】上記の請求項1の発明は次の作用効果を奏する。何らかの原因によって、容器弁内のガスがハウジングの外部へ漏れ出た場合には、その漏出ガスは、ケースの内部空間から連通路を経てガス排出許容空間へ排出される。このため、その漏出ガスがボンベ収容空間へ侵入することを防止でき、上記ボンベ収容空間がガスによって汚染されない。さらに、何らかの原因によってケース本体の軸心とスピンドルの軸心とが心ズレしている場合であっても、そのスピンドルが弾性カバー部材の弾性力に抗して半径方向へ所定量だけ変位することによって上記の心ズレを吸収できる。このため、装置の組み立てに手間がかからない。そのうえ、大きな慣性力が加わる環境下にガスボンベを設置した場合には、ハンドルおよびスピンドルに作用する慣性力を上記の弾性カバー部材の弾性力によって受け止めて、上記スピンドルの傾きを許容範囲内に保てる。これにより、容器弁のハウジングと上記スピンドルとの間の封止部分に過大な偏荷重が作用するのを防止して、その封止部分の封止機能を良好な状態に保てる。その結果、上記の封止部分からガスが漏れ出すのを確実に防止できる。
【0007】また、請求項2の発明に示すように、上記の請求項1の発明の弾性カバー部材をベローズによって構成した場合には、その弾性カバー部材を軽量かつ簡素に構成できるうえ、前記ケース本体とスピンドルに対して上記の弾性カバー部材を容易に組み付けできるという効果を奏する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1と図2とによって説明する。この実施形態では、天然ガス自動車に搭載するガスボンベに本発明のバルブ装置を適用したものを例示してある。図1は、上記バルブ装置の立面視断面図である。図2は、上記の図1中のII−II線矢視図である。
【0009】天然ガス自動車の車室Rの隅部分にボンベ収容空間Xが設けられ、そのボンベ収容空間Xに、圧縮天然ガスを充填したガスボンベ1が横向きに配置される。上記のガスボンベ1の首部2の内ネジ2aには、容器弁3のハウジング4から突設した入口ノズル5がシールテープ等(図示せず)によって気密状にネジ止めされる。その入口ノズル5の右端面に開口される入口孔6が、閉止弁座7内と閉止弁室8とを経て、出口ノズル9内の二つの出口孔10・10へ連通される。
【0010】上記ハウジング4の左部にボルト状のグランド押え12が気密状に固定され、そのグランド押え12にスピンドル13が二つのOリング14・14を介して回転自在で気密状に支持される。上記スピンドル13の突出端に着脱自在に固定したハンドル15によって同上スピンドル13を軸心回りに回転させることにより、前記の閉止弁室8の周壁に螺合した閉止部材17を前記の閉止弁座7に対して開閉させるようになっている。なお、後述するケース21内において、上記グランド押え12の左面と上記スピンドル13の途中部との間に同上スピンドル13を左方へ付勢するバネ(図示せず)を装着して、そのスピンドル13の右端部をシートパッキン18へ常時押圧することが好ましい。また、前記の入口孔6の途中部には安全弁19を連通させてある。
【0011】上記のハウジング4を気密状に覆って同上ハウジング4から上記ハンドル15を隔離するケース21が設けられる。そのケース21は、筒状のケース本体22と、ゴム製ベローズからなる弾性カバー部材23とによって構成される。上記の筒状ケース本体22の内径寸法は、前記の容器弁3の外径寸法よりも少し大きい値に設定され、そのケース本体22の右端の内ネジ22aが前記ガスボンベ1の首部2の外ネジ2bにシールテープ等(図示せず)によって気密状に固定される。
【0012】前記スピンドル13は、上記のケース本体22の外側へ突出されており、そのスピンドル13の軸心方向の途中部と上記ケース本体22の左部との間が上記の弾性カバー部材23によって気密状に覆われる。より詳しくいえば、上記の弾性カバー部材23の外周部が上記ケース本体22の左部の内周面に気密状に嵌着される。また、同上の弾性カバー部材23の中央部の貫通孔24に上記スピンドル13がOリング25を介して回転自在で気密状に挿入される。そして、上記の弾性カバー部材23の所定の弾性力によって上記スピンドル13を求心方向へ付勢してある。換言すれば、上記スピンドル13は、上記の弾性カバー部材23の弾性力によって半径方向の内方へ常時弾圧されており、これにより、そのスピンドル13が前記グランド押え12の軸心とほぼ同軸上に位置されている。
【0013】また、上記ケース21の内部空間Yが、連通路28によって、前記ボンベ収容空間Xの外側のガス排出許容空間Zへ連通される。より詳しくいえば、上記のガス排出許容空間Zは、前記の車室Rの底壁29の下側に形成されて、大気側へ連通されている。前記ケース本体22の周壁の下部に開口31が形成されると共に上記の底壁29に貫通孔32が形成される。上記の開口31の縁部に上接続ノズル33が溶接で固定され、上記の貫通孔32の縁部に下接続ノズル34が溶接で固定される。これら上下の接続ノズル33・34がゴムホース(又は合成樹脂ホース)35によって連結されている。符号36・36はホースバンドである。そして、上記ゴムホース35の内部によって上記の連通路28を構成してある。上記の連通路28内にガス取出し管38・38が配置され、各ガス取出し管38・38が前記の出口ノズル9の各出口孔10・10に管継手39・39によって接続される。
【0014】上記構成のバルブ装置は次のように作用する。前記のガスボンベ1の首部2の内ネジ2aと外ネジ2bとが偏心している等の原因によって、前記のグランド押え12の軸心と前記ケース本体22の軸心とが僅かに心ズレする場合がある。この場合には、上記グランド押え12に支持したスピンドル13の軸心と上記ケース本体22に装着される弾性カバー部材23の貫通孔24の軸心も僅かに心ズレする。しかし、上記スピンドル13が上記の弾性カバー部材23の弾性力に抗して半径方向へ所定量だけ変位することによって上記の心ズレを吸収できる。
【0015】また、自動車の走行中には、悪路または急加減速によって上記ハンドル15および上記スピンドル13に大きな慣性力が作用するので、そのスピンドル13が傾けられようとする。しかし、弾性カバー部材23の弾性力によって上記スピンドル13を求心方向へ付勢してあるので、その弾性力によって上記の慣性力を受け止めて上記スピンドル13の傾きを許容範囲内に保てる。これにより、前記のOリング14・14は、過大な偏荷重が加わらず、封止機能を良好な状態に保てる。その結果、上記のグランド押え12と上記スピンドル13との間からガスが漏れ出すのを防止できる。
【0016】さらに、何らかの原因によって、容器弁3内のガスがハウジング4の外部へ漏れ出た場合には、その漏出ガスは、ケース21の内部空間Yから連通路28とガス排出許容空間Zを経て大気側へ排出される。このため、その漏出ガスが前記ボンベ収容空間Xへ侵入することを防止でき、そのボンベ収容空間Xおよび車室Rがガスによって汚染されない。
【0017】上記の実施形態は次のように変更可能である。前記の弾性カバー部材23は、所定の弾性力によってスピンドル13を求心方向へ付勢する機能と気密保持の機能とを備えたものであればよく、例示したゴム製ベローズに代えて合成樹脂製ベローズや金属製のベローズであってもよく、さらには、ベローズに代えて中空リングまたは厚肉の筒体などであってもよい。前記の連通路28は、ゴムホース35等の可撓性部材の内部に形成することに代えて、固定式の金属管の内部に形成することも可能である。
【0018】前記のガス取出し管38は、上記の連通路28内に配置することに代えて、その連通路28外に配置することも可能である。この場合、上記ガス取出し管38の長手方向の途中部を前記の底壁29に気密状に支持すればよい。容器弁3は、二つの出口孔10を設けたものに代えて、その出口孔10を一つだけ設けたものであってもよい。その容器弁3の開閉部分は、スピンドル13によって前記の閉止部材17を開閉移動させる構造であればよい。従って、その閉止部材17は、例示した構造に限定されるものではなく、例えば、金属製のダイヤフラムによって構成することも可能である。
【0019】前記ガス排出許容空間Zは、自動車の車体内に形成することに代えて、その車体の外側で大気側へ直接に開放されたものであってもよい。軽自動車のように車体内のスペースが狭く限られている場合には、例示したように車室Rの隅部に前記ボンベ収容空間Xを設けることが好ましいが、これに代えて、そのボンベ収容空間Xを自動車のトランクルームなどに設けてもよい。本発明は、自動車に搭載されるガスボンベに限定されるものではなく、工場設備などに使用される据え置き式のガスボンベに適用できることは勿論である。
【出願人】 【識別番号】591038602
【氏名又は名称】株式会社ネリキ
【出願日】 平成11年4月13日(1999.4.13)
【代理人】 【識別番号】100068892
【弁理士】
【氏名又は名称】北谷 寿一 (外1名)
【公開番号】 特開2000−291897(P2000−291897A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−104846