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【発明の名称】 バルク供給装置
【発明者】 【氏名】鈴木 和夫

【要約】 【課題】気相管を通るLPガスの温度降下による再液化を防止してLPガスの安定供給を可能にしたバルク供給装置を提供する。

【解決手段】バルク貯槽1内の気相部6から液相部7内を通って横の取出し部に至る気相管10を有するバルク供給装置であって、気相管10の外側に空洞21を置いて外パイプ20を設けて2重管構造とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バルク貯槽内の気相部から液相部内を通って横の取出し部に至る気相管を有するバルク供給装置であって、前記気相管の外側に空洞を置いて外パイプを設けて2重管構造としたことを特徴とするバルク供給装置。
【請求項2】 前記気相管の基端側には、前記空洞の入口を密閉する蓋を溶接し、取出し側では前記気相管及び外パイプを前記バルク貯槽の内面に溶接して前記空洞を密閉したことを特徴とする請求項1記載のバルク供給装置。
【請求項3】 前記空洞は、真空としたことを特徴とする請求項1または2記載のバルク供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルク供給装置に関し、詳しくは、液化石油ガス(LPガス)の貯蔵、取出しを行うバルク貯槽の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、バルク貯槽1内に気相管10を設けて気相取出しを行うようにしたバルク供給装置が知られている。このバルク貯槽1は、胴板2とその両側の鏡板3とで構成され、一側部には供給機器類を覆うプロテクタ5が設けられたもので、脚部4上に設置されている。
【0003】バルク貯槽1の内部には、気相部6から液相部7を通って過流出防止弁8及びガス取出弁9に通ずる気相管10が設けられている。ガス取出弁9から二段一次調整器11、二段二次調整器12、ガスメータ13を介して燃焼器具14に配管されている。気相部6からの気化ガスは、気相管10から過流出防止弁8、ガス取出弁9、二段一次調整器11、二段二次調整器12、ガスメータ13を介して燃焼器具14に供給されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、気相取出しの横型・横取出し(縦型・横取出しも同様)を用いたバルク貯槽1において、気相部6の気化ガスが気相管10を通過する間に、液相部7によって冷やされて温度降下することがある。この温度降下((気相部6の温度)−(取出し部付近の温度))が2°C以上になるとLPガスが再液化してしまう。
【0005】一般に、気相部6は太陽に照らされ、ガス体が暖かくなっており、これが気相管10を通る間に液相部7との熱交換で冷やされるため、再液化が発生しやすい。この再液化したLPガスが供給管を介して調整器(二段一次調整器11、二段二次調整器12)に入ると、調整圧力不良、閉塞圧力不良等を引き起こし、安定燃焼ができなくなるという問題がある。
【0006】本発明は、上述の点に着目してなされたもので、気相管を通るLPガスの温度降下による再液化を防止してLPガスの安定供給を可能にしたバルク供給装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、バルク貯槽内の気相部から液相部内を通って横の取出し部に至る気相管を有するバルク供給装置であって、前記気相管の外側に空洞を置いて外パイプを設けて2重管構造としたことを特徴とするものである。
【0008】このため、請求項1記載の発明では、気相部で自然気化したLPガスは気相管を通ってガス取出し部から配管を介して燃焼器具に供給される。気相管は外パイプによる空洞部で熱遮断されているので、液相部が低温でも温度降下することなく通過し、これにより、気相状態のLPガスは再液化することなく通過する。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のバルク供給装置であって、前記気相管の基端側には、前記空洞の入口を密閉する蓋を溶接し、取出し側では前記気相管及び外パイプを前記バルク貯槽の内面に溶接して前記空洞を密閉したことを特徴とするものである。
【0010】このため、請求項2記載の発明では、空洞が両端部で密閉され、液やガスが入ることがなく、熱遮断効果を維持できる。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のバルク供給装置であって、前記空洞は真空としたことを特徴とするものである。
【0012】このため、請求項3記載の発明では、真空部分で熱が遮断され、空洞部での熱遮断効果がより向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は横型・横取出しタイプのバルク貯槽の例であって、このバルク貯槽1は、胴板2とその両側の鏡板3とで構成され、一側部には供給機器類を覆うプロテクタ5が設けられたもので、脚部4上に設置されている。バルク貯槽1の内部には、気相部6から液相部7を通って過流出防止弁8及びガス取出弁9に通ずる気相管10が設けられている。ガス取出弁9から二段一次調整器11、二段二次調整器12、ガスメータ13を介して燃焼器具14に配管されている。
【0014】本発明においては、図2に詳細に示すように、気相管10の外側に、該気相管10と同形状で径太の外パイプ20を設けて2重管Aとした構造とするものである。これにより、気相管10と外パイプ20との間に空洞部21が形成される。気相管10の基端10a側(ガス取入れ)には空洞21の入口を塞ぐ蓋22が溶接23され、また、先端側(ガス取出し側)は気相管10及び外パイプ21共に、鏡板3と溶接24され、これによって空洞部21は、密閉空間となっている。
【0015】気相管10の基端10aは、図2のように蓋22から突出してもよいし、図3に示すように蓋22と同一面でもよい。但し、基端10aは常に液相部7の液面よりは上方の気相部6に出ている。蓋22は、この基端10aに近い部分であれば、気相部6にあっても液相部7にあってもよい。
【0016】空洞部21の空気により熱遮断効果が得られるが、この空気を抜き、空洞部21を真空とすれば、より熱遮断効果が高まる。
【0017】気相部6で自然気化したLPガスは、気相管10を通ってガス取出弁9から二段一次調整器11、二段二次調整器12、ガスメータ13を介して燃焼器具14に供給される。このとき、気相管10は、外パイプ20による空洞部21で熱遮断されているので、液相部7が低温でもLPガスは温度降下することなく通過し、これにより、気相状態のLPガスは液化することなく通過する。
【0018】なお、液相部7からは、過流出防止弁16に至る液相管15が設けられ、液取出弁17からベーパライザ18、二段一次調整器19を介して前記二段二次調整器12に配管されている。液取出しについては、本発明とは直接関係はないがこれは、外気温が低く、自然気化だけでは供給ガス量に不足を生じるときに、ベーパライザ18を機能させて充分な供給ガス量を確保するための設備で、従来にも同様に設備されている(図5参照)。
【0019】図4は、縦型・横取出しタイプのバルク貯槽であって、胴板2の上下に鏡板3、3が配置され、胴板2の部分に取出し部分を設けた点が図1のものと異なり、同様に、気相管10と外パイプ20とからなる2重管Aが、気相部6と取出し部分との間に配置している。
【0020】以上のように、本実施の形態のバルク供給装置では、気相管10の外側に空洞を置いて外パイプ20を設けた2重管Aを液相部7に通す構造にしたので、気相管10は、空洞部21で熱遮断され、液相部7が低温でも温度降下することなく通過し、これにより、気相状態のLPガスは、再液化することなく通過でき、安定燃焼が可能となると共に、外パイプ20を設けるのみの簡単な構造で再液化が防止できる。
【0021】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1記載の発明によれば、気相管の外側に空洞を置いて外パイプを設けて2重管構造としたので、気相管は、外パイプによる空洞部で熱遮断され、液相部が低温でも温度降下することがない。これにより、気相管内の気相状態のLPガスは、再液化を防止でき、調整器の調整圧不良や閉塞圧不良がなくなり、LPガスの安定供給に寄与すると共に、外パイプを取り付けるだけの簡単かつ安価な構成で再液化の防止が可能となる。
【0022】また、請求項2記載の発明によれば、2重管の空洞部分の両端を溶接により密閉したので、請求項1記載の発明の効果に加えて、空洞の両端から液やガスが入ることがなく、熱遮断効果を維持できる。
【0023】また、請求項3記載の発明によれば、空洞を真空としたので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、空洞部の断熱効果がより向上し、気相部と液相部の温度差が大きい場合でも再液化を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【出願日】 平成11年4月2日(1999.4.2)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−291892(P2000−291892A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−96878