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【発明の名称】 液体貯蔵用タンクシステム、および液体貯蔵用タンク充填プロセス
【発明者】 【氏名】タイバー・アイ・ラク

【氏名】ジーン・ロジャース

【氏名】ジェームズ・エフ・ウェバー

【氏名】マイケル・ブイ・メルリン

【氏名】ティモシー・エル・ゲイナー・ザ・サード

【氏名】ジョン・イー・デイビス

【氏名】デイビッド・エル・ゲルハルト

【要約】 【課題】推進燃料または酸化剤タンクにおける連結された拡散器および多岐管を提供する。

【解決手段】液体推進燃料または液体酸化剤を高密度化するための推進燃料または酸化剤タンクシステムおよびプロセスは、連結多岐管(102)、連結多岐管ライン(108)、加圧気体ライン(112)および排気ライン(114)を備える推進燃料タンク(100)を含む。連結多岐管はタンク内に配置される。連結多岐管ラインは連結多岐管を冷却システムに機能的に接続する。加圧気体ラインおよび排気ラインもまた連結多岐管ラインに機能的に接続される。タンクは輸送機内に配置され得る。多岐管はタンクの上部の近くに配置される。冷却システムは熱交換器/充填システム(18)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体を貯蔵するためのタンクシステムであって、液体は液体推進燃料または液体酸化剤であり、a.タンク内に配置された連結多岐管と、b.連結多岐管を液体冷却システムに機能的に接続する連結多岐管ラインと、c.連結多岐管ラインに機能的に接続された加圧気体ラインと、d.連結多岐管ラインに機能的に接続された排気ラインとを含む、タンクシステム。
【請求項2】 a.加圧気体ライン内に機能的に配置された加圧気体ラインバルブと、b.排気ライン内に機能的に配置された排気ラインバルブと、c.加圧気体ラインおよび排気ラインが連結多岐管ラインに機能的に接続する場所の下流で連結多岐管ライン内に機能的に配置された連結多岐管ラインバルブとをさらに含む、請求項1に記載のタンクシステム。
【請求項3】 タンクは輸送機内に配置される、請求項1に記載のタンクシステム。
【請求項4】 多岐管はタンクの上部の近くに配置される、請求項1に記載の推進燃料タンクシステム。
【請求項5】 液体冷却システムは熱交換器/充填システムである、請求項1に記載の推進燃料タンクシステム。
【請求項6】 タンクに液体を充填するためのプロセスであって、液体は液体推進燃料または液体酸化剤であり、a.タンク内に配置された連結多岐管の開口部を液面下に没するために液体をタンクに装填するステップと、b.推進燃料タンク内の気体を連結多岐管の開口部を通して連結多岐管へと、さらにタンクから排気するステップと、c.液体が連結多岐管の開口部を液面下に没する前に排気するステップを停止するステップと、d.液体の再循環の流れをタンクから液面下に没した連結多岐管の開口部を通して連結多岐管へと、さらにタンクから外に向け、再循環の流れを冷却し、再循環の流れをタンクへと元に向けることによってタンク内の液体を高密度化するステップと、e.加圧気体の流れを連結多岐管へと連結多岐管の開口部を通して、さらにタンクへと向けることによってタンクを加圧するステップとを含む、プロセス。
【請求項7】 排気するステップは、排気気体を連結多岐管から連結多岐管ラインを通して導き、排気ラインを通して連結多岐管ラインから出すステップをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】 高密度化するステップは、液体を連結多岐管から連結多岐管ラインを通して冷却システムへと向けるステップをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】 加圧するステップは、加圧気体の流れを連結多岐管ラインを通して連結多岐管へと向けるステップをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項10】 連結多岐管の開口部をタンク内の蒸発分に露出するためにタンクから液体の一部を放出するステップをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項11】 連結多岐管はタンクの上部の近くに配置される、請求項6に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の分野】この発明は推進燃料貯蔵器に関し、特に貯蔵された推進燃料の高密度化に関する。
【0002】
【関連技術の説明】スペースシャトル、アトラス/ケンタウルス、デルタ等のような、極低温液体酸素および/または窒素を利用する推進システムは現在、施設の貯蔵タンクから充填されており、環境的な熱漏れ、移送ラインおよびタンク壁の冷却の結果として液体に吸収される熱を退けるために、後にフライトタンク内で冷却させられている。液体バルクの冷却は、より多くの推進量がタンク内に貯蔵され得るように液体密度を増大するため、かつタンク動作圧力およびタンク重量が最小化されるように液体蒸気圧を低減するために望ましい。
【0003】液体バルクからの熱の排除は、自然の対流機構および液面の蒸発に依存するので比較的遅いプロセスである。液面蒸発による液体冷却の度合いもまた排気システムの流れ抵抗(排気バルブおよび排気ライン)および周囲圧力(14.7psia)によって制限される。冷却時間をうまく利用し、かつ最終的なバルク温度を最小にするために排気システムの流れ抵抗を低減すると、排気バルブおよびラインの設計が比較的大きくなり、輸送機の有効搭載重量の不利となる。蒸発によって極低温液体を高密度化する現在の手段は簡単であるが、そのプロセスはある環境での飽和密度および液体蒸気圧に制限される。
【0004】先行技術は、推進燃料タンクを有する輸送機の重量を低減し、輸送機を運行させるのに必要なエネルギを低減するシステムを開示している。このようなシステムの1つが、引用によりそのままここに援用するラク他(Lak et al.)による米国特許第5,644,920号「液体推進燃料高密度化」(“Liquid Propellant Densification”)に開示されている。
【0005】先行技術はまたエンジンの動作前および動作中に推進燃料タンクの圧力を維持する重要性を開示している。ここで、先行技術の図1を参照すると、先行技術の推進燃料タンク10は部分的に推進燃料12で充填されており、推進燃料の上方に蒸発分14を有する。タンク10は移送ライン16によって推進燃料12を充填され、移送ライン16は推進燃料を熱交換器/液体充填システム18からタンクの底部に向ける。充填システム18は初めに推進燃料の流れ20を受取ってタンク10を充填する。
【0006】タンク10は、初期の推進燃料装填プロセスの間にタンク10から蒸発分の気体を排気し、推進燃料高密度化プロセスの間にタンクからより暖かい推進燃料12を引抜くための多岐管22を有する。多岐管22は高密度化のためにタンク10の上半分で推進燃料の表面24の下方に示される。多岐管22はこれもまた充填システム18に接続される多岐管ライン26に接続される。多岐管ライン26はそこから延びる排気ライン28を有する。多岐管ライン26および排気ライン28はラインを通る材料の流れを調節するためのバルブ30および32をそれぞれ有する。バルブ30は排気ライン28に対してT字管の下流に配置される。
【0007】初期推進燃料装填プロセスの間、タンク10は多岐管22によって排気される。タンク10内の推進燃料12の量が増加するにつれ、蒸発分14は減少し、排気を要する。蒸発分14は多岐管22を通して排気ライン28から排気される。多岐管ラインバルブ30は閉じられ、排気ラインバルブ32が開いて排気気体34を排気ライン28を通して外に向ける。多岐管22による排気は多岐管の開口部36が液面下に没するまで続いて行なわれ、開口部が没すると排気ラインバルブ32が閉じられる。初期推進燃料装填プロセスは予め定められた十分な量の推進燃料12がタンク10に与えられるまで続く。
【0008】初期推進燃料装填プロセスの後、推進燃料12は高密度化される。高密度化プロセスはタンク10から推進燃料12を除去し、推進燃料を冷却し、それを元どおりタンクに戻すことを含む。多岐管22は推進燃料12を引抜くために用いられ、推進燃料は多岐管ライン26とここでは開いている多岐管ラインバルブ30とを通して熱交換器/充填システム18へと向けられる。推進燃料12は充填システム18内で冷却され、移送ライン16を通して元どおりタンク10に向けられる。タンク10の上方部分における多岐管22の配置が、タンクの底部により近い推進燃料よりも暖かい推進燃料12を引抜く。
【0009】高密度化プロセスの後、推進燃料タンク10は加圧される。タンク10は充填システム18および排気ライン28から分離される。推進燃料タンク10は拡散器42を通して蒸発分14へと与えられる加圧気体40によって加圧される。拡散器42は蒸発分の中にあるようにタンク10に装着される。
【0010】拡散器42は入来する加圧気体40を推進燃料の表面24から離れるよう導き、より暖かい気体とより冷たい推進燃料12との間の熱交換を低減するように設計される。気体40と推進燃料12との間の熱交換を阻止することにはある利点がある。より暖かい加圧気体40は推進燃料12を加熱し、それによって不利益なことに推進燃料の密度を低減する。推進燃料12によって冷却される気体40はより高密度であり、それによって、目標のタンク圧を達成するために加圧気体タンクの量および重量を不利益にも増大させることが必要となる。
【0011】加圧気体40は気体ライン44を通して拡散器42に向けられる。気体ライン44は初期推進燃料装填プロセスの間には閉じられる気体ラインバルブ46を有する。
【0012】推進燃料タンクのための先行技術の設計は2組の管、すなわち、多岐管ライン26および加圧気体ライン44を必要とする。先行技術の設計はまた、排気および再循環のための多岐管22と加圧された気体40をタンク10へと与えるための別個の拡散器とを必要とする。上のアイテムの機能を組合せるシステムへの要求がある。
【0013】
【発明の概要】この発明のある局面において、推進燃料タンクシステムは連結多岐管、連結多岐管ライン、加圧気体ラインおよび排気ラインを含む。連結多岐管は推進燃料タンク内に配置される。連結多岐管ラインは連結多岐管を推進燃料冷却システムに機能的に接続する。加圧気体ラインおよび排気ラインもまた連結多岐管ラインに機能的に接続される。
【0014】この発明のさらなる局面において、加圧気体ラインバルブが加圧気体ライン内に機能的に配置され、排気ラインバルブが排気ライン内に機能的に配置される。さらに、連結多岐管ラインバルブが、加圧気体ラインおよび排気ラインが連結多岐管ラインと機能的に接続する場所の下流で連結多岐管ライン内に機能的に配置される。
【0015】この発明のさらなる局面において、推進燃料タンクは輸送機内に配置され、多岐管は推進燃料タンクの上部の近くに配置され、推進燃料冷却システムは熱交換器/充填システムである。
【0016】この発明のある局面において、推進燃料タンクを装填するためのプロセスは、推進燃料タンクを装填するステップと、推進燃料タンク内の気体を排気するステップと、液体推進燃料を高密度化するステップと、推進燃料タンクを加圧するステップとを含む。推進燃料タンクは液体推進燃料を装填される。推進燃料タンク内の気体は連結多岐管の開口部を通して連結多岐管へと、さらに推進燃料タンクから排気される。排気するステップは液体推進燃料が連結多岐管の開口部を液面下に没する前に停止される。装填するステップは開口部が液面下に没するように続行する。推進燃料タンク内の液体推進燃料は、液体推進燃料の再循環の流れを推進燃料タンクから液面下に没した連結多岐管の開口部を通して連結多岐管へと、さらに推進燃料タンクから外に向け、再循環の流れを冷却して推進燃料タンクへと向けることによって高密度化される。推進燃料タンクは、高密度化するステップの後に、加圧気体の流れを連結多岐管へと連結多岐管開口部を通して、さらに推進燃料タンクへと向けることによって加圧される。
【0017】この発明のさらなる局面において、排気するステップは、排気気体を連結多岐管から連結多岐管ラインを通して導き、排気ラインを通して連結多岐管ラインから出すステップをさらに含む。
【0018】この発明のさらなる局面において、高密度化するステップは、液体推進燃料を連結多岐管から連結多岐管ラインを通して推進燃料冷却システムへと向けるステップをさらに含む。
【0019】この発明のさらなる局面において、加圧するステップは、加圧気体の流れを連結多岐管ラインを通して連結多岐管へと向けるステップをさらに含む。
【0020】この発明のさらなる局面は、連結多岐管開口部を推進燃料タンク内の蒸発分に露出するために推進燃料タンクから液体推進燃料の一部を放出するステップを含む。
【0021】この発明のさらなる局面において、連結多岐管は推進燃料タンクの上部の近くに配置される。
【0022】この発明のさらなる局面において、液体酸化剤が液体推進燃料の代わりに用いられ、タンクシステムは液体酸化剤のためのものである。
【0023】
【好ましい実施例の説明】ここで図2を参照すると、この発明の一実施例に従う推進燃料タンク100が排気、再循環およびタンク加圧のプロセスにおいて用いられる連結多岐管102を有する。タンク100は部分的に推進燃料104で充填されて示され、推進燃料の上方に蒸発分106を有する。タンク100は移送ライン16を通して推進燃料104を充填され、移送ライン16は推進燃料を熱交換器/液体充填システム18からタンクの底部へ向ける。充填システム18は初めに推進燃料の流れ20を受取ってタンク100を充填する。
【0024】連結多岐管102はタンク100の上部に置かれる。連結多岐管ライン108は連結多岐管102を充填システム18に機能的に接続し、流れを調整するためのバルブ110を有する。多岐管ラインバルブ110の上流では、加圧気体ライン112および排気ライン114が多岐管ライン108に入る。加圧気体ライン112および排気ライン114はラインを通る流れを調整するためにそれぞれのバルブ116および118を有する。
【0025】タンク100を装填するプロセスは、装填、冷却および排気ステップと、排気停止ステップと、高密度化ステップと、加圧ステップとを含む。
【0026】装填、冷却および排気ステップでは、推進燃料タンク100がライン16を通して推進燃料104を充填される。排気ステップは、連結多岐管102の開口部120が推進燃料104内に沈むまで続行する。図2は、連結多岐管102の下方にある推進燃料104の液面122を示す。タンク100は充填されるにつれ、当業者には公知のシステムおよび技術を用いて冷却される。蒸発分106は連結多岐管102を通して排気される。タンク100は推進燃料がタンクを充填するときに排気される。排気された気体124は排気ライン114によって出る。排気プロセスの間、多岐管ラインバルブ110および加圧気体ラインバルブ116が閉じられ、排気ラインバルブ118が開かれる。排気された気体124は処理、回収または再循環のための環境的に適切な補促装置(図示せず)へと排気され得る。
【0027】排気停止ステップでは、排気ラインバルブ118が連結多岐管開口部120が推進燃料104の液面下に沈む前に閉じられる。この発明の実施例は排気停止ステップをいつ開始すべきかを決定するためのどのような適切なシステム、たとえば、液面指示器、容積測定システム等を用いてもよい。
【0028】高密度化ステップでは、推進燃料104は連結多岐管102および連結多岐管ライン108を流れる。流れる推進燃料104は次に熱交換器/充填システム18内で冷却され、移送ライン16を通してタンク100へと元に再循環される。推進燃料はシステム18内で冷却および高密度化される。この発明のいくつかの実施例では、タンク100は高密度化ステップの前に加圧されなければならないことがあり、これは液体水素が推進燃料104である場合であり得る。
【0029】高密度化ステップの間、追加的な液体推進燃料104がタンク100に付加される必要があるかもしれない。液体推進燃料104が高密度化されるとき、タンク100内の容積は維持され、追加的な液体推進燃料104がライン20を通して熱交換器/液体充填システム18に付加され、ライン16を通してタンク100へと元に供給される。
【0030】熱交換器/充填システム18を用いる冷却プロセスの一例が上で参照し引用した米国特許第5,644,920号に開示されている。この発明の実施例は推進燃料104を冷却および高密度化するためにどのような適切な推進燃料冷却システムを用いてもよい。このステップを行なうために、連結多岐管ラインバルブ110が開いており、加圧気体バルブ116および排気ラインバルブ118が閉じられる。さらに、推進燃料表面122が、開口部が沈むように高密度化ステップの間は連結多岐管開口部120の上方にある。
【0031】加圧ステップでは、推進燃料タンク100内の圧力が連結多岐管102を通して与えられる加圧気体の流れ126によって増加させられる。この発明のある実施例では、多岐管開口部120は、フライトの前にヘリウムでタンク100を加圧する場合のような加圧ステップの間には表面122の下方にあり得る。
【0032】この発明の他の実施例では、連結多岐管開口部122は加圧ステップを開始するまで蒸発分106に露出されている。この発明の好ましい実施例では、液体推進燃料104がタンク100から放出されて上面122を下げ、開口部120を蒸発分106に露出させる。タンク100の放出はライン16または図示しない他のラインによって行なわれてもよい。
【0033】加圧ステップの間、連結多岐管ラインバルブ110および排気ラインバルブ118は閉じられ、加圧気体ラインバルブ116が開けられる。加圧気体の流れ126が加圧気体ライン112および連結多岐管ライン108を通して多岐管102へと向けられる。加圧気体の流れ126はタンクの蒸発分106に入り、タンクを加圧する。この発明の好ましい実施例では、開口部120が入来する加圧気体126を推進燃料表面122から離れるように向けて、気体126と推進燃料104との間の熱交換を低減する。
【0034】この発明の図示する好ましい実施例は加圧タンクシステムの重量を低減する。この発明の実施例は多岐管および拡散器の代わりに連結多岐管を有することによって流体分配装置の1つを除去する。さらに、連結多岐管だけを有することによって先行技術に開示されているものよりもタンク100へと直接的に延びる必要なラインが1本減る。システムの構成要素がこのように低減するので、この発明の好ましい実施例の重量が有利に低減可能である。
【0035】この発明の現在好ましい実施例を上に詳細に説明したが、当業者に想到され得る、ここに教示された基本的発明概念の多くの変形および/または変更が、前掲の特許請求の範囲に規定するようなこの発明の精神および範疇内になお包含される。
【出願人】 【識別番号】598138811
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE BOEING COMPANY
【出願日】 平成12年3月3日(2000.3.3)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外5名)
【公開番号】 特開2000−283393(P2000−283393A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願2000−58910(P2000−58910)