| 【発明の名称】 |
メンブレン式低温液化ガス貯蔵タンク |
| 【発明者】 |
【氏名】江沼 数志
【氏名】石田 尚司
【氏名】菊池 四郎
【氏名】西野 憲司
【氏名】森田 潔
【氏名】友末 洋一
|
| 【要約】 |
【課題】環境破壊物質を使用せず、かつ充分な物理的特性を有する耐圧縮性断熱材を備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクを提供する。
【解決手段】外槽2と、その内面に設けた耐圧縮性断熱材3と、さらにその内面側に設けた金属薄板からなるメンブレン内槽4とを備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクにおいて、前記耐圧縮性断熱材3が圧縮強度15N/cm2以上、常温(30℃)から超低温(−162℃)における平均熱伝導率が0.023W/m・K以下であり、発泡剤がハイドロフルオロカーボンである硬質ポリウレタンフォームとする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外槽と、その内面に設けた耐圧縮性断熱材と、さらにその内面側に設けた金属薄板からなるメンブレン内槽とを備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクにおいて、前記耐圧縮性断熱材が圧縮強度15N/cm2以上、常温(30℃)から超低温(−162℃)における平均熱伝導率が0.023W/m・K以下であり、発泡剤がハイドロフルオロカーボンである硬質ポリウレタンフォームであることを特徴とするメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンク。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、LPG、LNGなどの超低温液化ガスの貯蔵するためのメンブレン式タンクの改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】低温液化ガス貯蔵タンクとして、剛性構造の外槽と、その内面に設けた耐圧縮性断熱材と、さらにその内面側に設けた金属薄板からなるメンブレン内槽とを備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクが広く用いられており、前記耐圧縮性断熱材としては硬質ポリウレタンフォームが使用されるのが一般的である。 【0003】従来、硬質ポリウレタンフォームはイソシアネート化合物とポリオールとを触媒、整泡剤の存在下で発泡剤としてトリクロロモノフルオロメタン(CFC−11)を用いて製造されてきた。 【0004】しかし、CFC−11はオゾン層の破壊、地球の温暖化の原因となる物質であることが指摘され、CFC−11に替わる発泡剤としてハイドロクロロフルオロカーボン、例えば、CH3CCl2F(CFC−141b)、CHClF2(CFC−22)などを使用する製造方法が提案されたが、これらの物質もCFC−11よりはオゾン破壊能力(ODP)や地球温暖化能力(GWP)が小さいが同様の環境破壊物質であるとして使用が禁止されることが決定されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このため、トリクロロモノフルオロメタンやハイドロクロロフルオロカーボンを使用しない硬質ポリウレタンフォームの製造方法の出現が待たれている。本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、環境破壊物質を使用せず、かつ充分な物理的特性を有する耐圧縮性断熱材を備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクを提供することを主たる目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、外槽と、その内面に設けた耐圧縮性断熱材と、さらにその内面側に設けた金属薄板からなるメンブレン内槽とを備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクにおいて、前記耐圧縮性断熱材が圧縮強度15N/cm2以上、常温(30℃)から超低温(−162℃)における平均熱伝導率が0.023W/m・K以下であり、発泡剤がハイドロフルオロカーボンである硬質ポリウレタンフォームであることを特徴としている。ハイドロフルオロカーボン(HFC)は、水素(H)、フッ素(F)、炭素(C)の結合でなるフロンの総称であり、CFC−11やCFC−141bのように塩素(Cl)を含んでいない。オゾン層の破壊能力(ODP)は、フロン中の塩素の作用によるところが大きく、ハイドロフルオロカーボンの場合は、環境破壊の問題が発生しない。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態を示したものであり、1は地盤面、2は剛性構造の外槽、3は耐圧縮性断熱材、4はメンブレン内槽である。また、メンブレン内槽4の上端は外槽2の上端に設置された屋根5に接続されており、屋根5からの吊りロッド6によって懸吊されている吊り屋根7には断熱層8が設けられている。 【0008】メンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクは、タンク収容物である低温液化ガスの液体圧、タンク内圧、地震荷重などを断熱材を介して剛性構造の外槽2で支持する。メンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクの断熱材3は高い耐圧強度を有するとともに本来の断熱性を兼備する必要がある。 【0009】このため、断熱材3は、圧縮強度15N/cm2以上、常温(30℃)から超低温(−162℃)における平均熱伝導率が0.023W/m・K以下であり、発泡剤がハイドロフルオロカーボンである硬質ポリウレタンフォームとされている。圧縮強度がこれより小さいと、タンク使用時に負荷される静圧および動圧によって断熱材が変形もしくは破壊する可能性があり、メンブレン内槽に悪影響を及ぼす。また熱伝導率が大きいと、タンク内への入熱が大きくなり収容液体ガスの蒸発が多くなる。この蒸発したガスはタンクより吸引、処理するが、処理装置の運転負荷が大きくなり、経済的に不適である。なお、平均熱伝導率とは、次式[1]により求まるものである。 【0010】 【数1】
【0011】本発明の硬質ポリウレタンフォームは、例えばポリイソシアネート化合物、ポリヒドロキシル化合物を触媒、整泡剤、発泡剤、難燃化剤および必要に応じて水等の添加剤の存在下に反応させてポリウレタン樹脂を生成させると同時に発泡反応させることによって製造することができる。 【0012】具体的には、ポリイソシアネート化合物を主体とするI成分とその他の成分を予め配合、混合したR成分をウレタン発泡機を用いて混合し、所要形状の型に注入し、発泡硬化させてブロック体を製造するバッチ方式、あるいは走行するコンベア上に吐出させコンベア上で発泡、硬化させる連続発泡方式などで製造する。 【0013】ウレタン発泡機は低圧方式、または高圧方式が使用できるが、本発明の目的を達成するには、強度および熱伝導率等の物性のすぐれた硬質ポリウレタンフォームが得られる高圧式が好適である。 【0014】本発明は、硬質ポリウレタンフォームの範疇に属するポリイソシアネートの三量化反応によって生成したイソシアヌレート環を樹脂の化学構造に導入した、いわゆるポリシソシアヌレートフォームも含むものである。 【0015】本発明において使用するポリイソシアネート化合物は、従来より硬質ポリウレタンフォームに使用されているものがいずれも使用できるが、取り扱い性、生成した硬質ポリウレタンフォームの低温物性などからMDI等のポリメリックMDI、ポリメリックMDIをベースとした末端基としてイソシアネート基を有するプレポリマーが好適である。ポリヒドロキシル化合物は末端基として活性水素を有するもので官能基数2以上、ヒドロキシル基当量50〜300が好適である。例えば、グリセリン、トリメチルロールプロパン、ペンタエリスリトール、シュグローズ、ソルビトールの多価アルコールにアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール、ポリカルボン酸(アジピン酸、無水フタル酸など)と、多価アルコール(エチレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコールなどの縮合により生成させたポリエステルポリオール、回収PET等を利用した芳香族ポリエステルポリオールなどである。ヒドロキシル化合物は単独でもよく、あるいは異なるものを適宜混合してもよい。いずれの場合においてもR成分中のこれらヒドロキシル化合物のヒドロキシル当量は100ないし200である。これらより小さいと生成した硬質ポリウレタンフォームの脆性が大きく、また大きいと強度が小さいことなどにより実用に耐えない。 【0016】触媒はトリエチレンジアミン、ジメチルシクロヒキシルアミンなどの3級アミン、トリアジン、有機錫化合物などが適宜組み合わせて使用する。ポリイソシアヌレートフォームの場合は、三量化触媒としてアルキルアミノフェノール、アルコラート、有機酸の金属塩等が使用される。整泡剤はシリコーンオイルが好適である。 【0017】発泡剤は、主としてハイドロフルオロカーボンであり、ポリヒドロキル化合物を含んだ混合液(R成分)を予め混合することが可能であり、これによりR成分の粘度が低下し、I成分との混合性が向上し、生成した硬質ポリウレタンフォームの強度、熱伝導率等物性が向上する。ハイドロフルオロカーボンとしては、CF3CH2CHF2(HFC−245fa)、CF3CH2CF2CH3(HFC−365mFC)、CF3CH2F(HFC−134a)などが挙げられる。 【0018】 【実施例】本発明に用いられる硬質ポリウレタンフォームの原料配合の実施例および得られる硬質ポリウレタンフォームの物性を下記表1に示す。なお、本実施例は、表1に示す配合を用い高圧発泡機による連続発泡式でブロック体を製造し、これを1週間養生した後、JIS A 9511−1995に準拠して物性を測定したものである。 【0019】 【表1】
注 *1)ソルビトール系ポリエーテルポリオール*2)ポリエステルポリオール【0020】 【発明の効果】本発明によれば、剛性構造の外槽と、その内面に設けた耐圧縮性断熱材と、さらにその内面側に設けた金属薄板からなるメンブレン内槽とを備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクにおいて、前記耐圧縮性断熱材が圧縮強度15N/cm2以上、常温(30℃)から超低温(−162℃)における平均熱伝導率が0.023W/m・K以下であり、発泡剤がハイドロフルオロカーボンである硬質ポリウレタンフォームとすることにより、環境破壊物質を使用せず、かつ充分な物理的特性を有する耐圧縮性断熱材を備えたメンブレン式低温液化ガス貯蔵タンクを提供することができる。また、本発明は、回収PETが使用できるので資源の有効利用、環境問題に有効に貢献できる効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000220262 【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社 【識別番号】000110804 【氏名又は名称】ニチアス株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年3月30日(1999.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072383 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 武三郎
|
| 【公開番号】 |
特開2000−283392(P2000−283392A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−88465 |
|