トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F17 ガスまたは液体の貯蔵または分配




【発明の名称】 耐圧容器
【発明者】 【氏名】香川 和彦

【要約】 【課題】耐圧容器本体の保護特性に優れ、耐圧容器本体の液の残量も確認し易い耐圧容器を提供する。

【解決手段】カバー本体16の下側からクッション材60付きの耐圧容器本体12を挿入し、カバーボトム18をカバー本体16の下部に螺着する。カバー本体16には複数個の開口30と目盛32とが設けられている。各開口30の位置関係は、上段側の開口30の下端が1つ下段側の開口30の上端よりも下位となるものであり、耐圧容器本体12の上下全体にわたって途切れることなく連続的に液位を確認できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂複合材料製の耐圧容器本体と、該耐圧容器本体を収容したカバーとを備えてなり、該耐圧容器本体は、該耐圧容器本体の側周を囲むカバー本体と該カバー本体の底部に螺着された底部とからなり、該カバー本体の下端側は該耐圧容器本体を挿入可能な大きさとなっている耐圧容器。
【請求項2】 請求項1において、該耐圧容器本体とカバーとの間にクッション材を介在させたことを特徴とする耐圧容器。
【請求項3】 請求項1または2において、該カバーは、下端から高さ方向の途中部分まで実質的に等径の筒状であり、上部はそれよりも小径となっていることを特徴とする耐圧容器。
【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項において、該カバーに耐圧容器本体内の液位表示用の目盛が設けられていることを特徴とする耐圧容器。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項において、該カバーに該耐圧容器本体を透視するために設置高さを異ならせて複数個の開口が設けられており、任意の1つの第1の開口とその下側の第2の開口のとの位置関係は、該第1の開口の下端が第2の開口の上端よりも下位となるものであることを特徴とする耐圧容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CNG(圧縮天然ガス)等の各種圧縮ガス、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス、その他の各種加圧物質を充填するための耐圧容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CNG等の収容に用いられる耐圧容器として、CNG等を透過させない合成樹脂製の内殻と、600kg/cm2の耐圧規格を満たす外層のFRP(繊維強化樹脂)補強層よりなる外殻とを有したものがある。
【0003】この耐圧容器を製造するには、まず、回転成形法等により内殻を合成樹脂により成形する。この内殻の成形に併せて、又は内殻の成形後に口金を内殻の鏡板部の中央に装着する。その後、内殻の外周にエポキシ樹脂等を付着させたカーボン等の補強繊維をヘリカル巻き及びフープ巻きしてFRP補強層を巻付形成した後加温して樹脂を硬化させる。なお、液化ガスの導入やガス取出のために耐圧容器の鏡板部に口金を埋設配置することが通常行なわれている。
【0004】この耐圧容器を自立可能にすると共に、耐圧容器の保護を目的として筒状のスカートやプロテクタを該耐圧容器の上端側及び下端側に耐圧容器と同軸的に一体化させることがある(特開平9−222197号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスカート又はプロテクタ付きの耐圧容器にあっては、耐圧容器の鏡板部は保護されるが、耐圧容器の胴部は保護されない。
【0006】本発明は耐圧容器本体の胴部も十分に保護される耐圧容器を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は耐圧容器本体の保護特性に優れた耐圧容器を提供することを目的とする。
【0008】本発明は、さらに、耐圧容器本体内の液の残量を確認し易い耐圧容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の耐圧容器は、合成樹脂複合材料製の耐圧容器本体と、該耐圧容器本体を収容したカバーとを備えてなり、該耐圧容器本体は、該耐圧容器本体の側周を囲むカバー本体と該カバー本体の底部に螺着された底部とからなり、該カバー本体の下端側は該耐圧容器本体を挿入可能な大きさとなっているものである。
【0010】かかる耐圧容器は、耐圧容器本体がカバー内に挿入されたものであり、耐圧容器本体の胴部も十分に保護される。
【0011】この耐圧容器本体とカバーとの間にクッション材を介在させることにより、耐圧容器の落下時等に耐圧容器本体に加えられる衝撃を緩和できる。
【0012】このカバーに耐圧容器本体内の液位表示用の目盛を設けることにより、耐圧容器本体内の液の残量を精度良く確認することができる。この残量を目視確認するためにカバーに開口を設けても良い。この場合、開口の高さは異なっており、且つ任意の1つの第1の開口とその下側の第2の開口のとの位置関係は、該第1の開口の下端が第2の開口の上端よりも下位となることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る耐圧容器の正面図、図2は該耐圧容器の正面縦断面図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図、図4はカバーボトムの要部斜視図である。
【0014】この耐圧容器10は繊維強化合成樹脂製の耐圧容器本体12と、この耐圧容器本体12を囲むカバー14とからなり、該カバー14は略筒状のカバー本体16と、該カバー本体16の下端部に螺着されたカバー底部としてのカバーボトム18とからなる。
【0015】耐圧容器本体12は円筒状であり、上部及び下部の鏡板部の中央には口金20,22が埋設配置されている。上側の口金20にはバルブ部品24が螺じ込みにより固着されている。
【0016】カバー本体16の下部から中央にかけては、ほぼストレートな円筒状であるが、成形時の脱型のために若干の抜き勾配を有する。カバー本体16の上部は上方ほどすぼまるようにテーパ状となっている。カバー本体16の下部は、耐圧容器本体12が挿通可能な開放形状となっている。
【0017】該カバー本体16の下部内周面には雌ネジ26が設けられ、カバーボトム18の外周には該雌ネジ26に螺合した雄ネジ28が設けられている。カバー本体16の中部には耐圧容器本体12を透視するために複数個の開口30が設けられている。この開口30は円形であるが、楕円形などでも良い。
【0018】この実施の形態にあっては、上下に隣り合う開口30同士の位置関係は、周方向における位置が異なり、且つ上段側の開口30の下端が1つ下段側の開口30の上端よりも下位となるものとなっている。
【0019】開口30を通して耐圧容器本体12内の液位を定量的に目視確認するために、カバー本体16には、上下方向に延在する目盛32が設けられている。
【0020】カバー本体16の上部には、バルブ部品24を操作するときに腕や工具などを通すためのバルブ用切欠36が上端から略U字形状に切り込まれた形状にて形成されている。また、このカバー本体16の上部には、手先等を引掛けて耐圧容器10を持ち上げるために取手孔38が設けられている。このカバー本体16の上部と中部との境目付近には、耐圧容器本体12の上面に掛かった水をカバー14外に流出させるための水抜き孔40が設けられている。
【0021】カバーボトム18は、環状部42と、該環状部42の上端に連なり中央に向かって下り勾配となっている皿状部44と、該皿状部44の中央に下向きに突設された口金嵌合部46とを有する。この口金嵌合部46には水抜き孔48が設けられている。該口金嵌合部46に前記口金22が上方から嵌合している。
【0022】環状部42の外周面には前記雄ネジ28が設けられている。また、この環状部42には、図3,4の通りU字形状スリット50を形成することにより弾性変形可能な舌片部52が形成されている。この舌片部52の外周面に突起54が設けられている。前記カバー本体16の下部には、この突起54が入り込む突起係合孔56が設けられている。
【0023】耐圧容器本体12の上部と下部とにはそれぞれクッション材60が介在されている。このクッション材60は、耐圧容器本体12の直胴部から鏡板部にかけての突角部付近を覆うように設けられている。このクッション材60は、耐圧容器本体12を周回するリング状でも良く、小片状でも良い。クッション材はさらに他の箇所にも設けられても良いが、耐圧容器本体12をカバー本体16内に挿入し易くするために図示のように上下の突角部付近にのみ設けるのが好ましい。
【0024】この耐圧容器10を組み立てるには、カバー本体16内に下端側からクッション材60付きの耐圧容器本体12を挿入し、次いでカバーボトム18をカバー本体16に螺じ込むだけで良い。カバーボトム18をカバー本体16に十分に螺じ込むと、舌片部52の突起54が突起係合孔56に嵌合し、十分にカバーボトム18がカバー本体16に螺じ込まれたことが確認される。
【0025】このように構成された耐圧容器10は、カバー14によって耐圧容器本体12の全体を保護しており、耐久性に優れる。とくに、この実施の形態ではクッション材60を耐圧容器本体12とカバー14との間に介在させており耐衝撃性に優れる。
【0026】また、この耐圧容器10は、図1,2の起立した姿勢にて自立させることができる。この場合、カバー14は、下部から中部にかけて直胴状であるので、複数個の耐圧容器10を並立させたときに隣接した耐圧容器の側面の下部から中部同士を当接させることができる。これにより、耐圧容器10の保管スペースが小さくなると共に、各耐圧容器10が相互に支え合うことにより耐圧容器10が倒れにくいものとなる。
【0027】この耐圧容器10は、開口30を通して耐圧容器本体12内の液位を目視できる。そして、目盛32によりこの液位を精度よく認識することができる。
【0028】また、下段側の開口30の上端が上段側の開口30の下端よりも上位となっているので耐圧容器本体12内の液位を耐圧容器の上下方向に途切れなく連続して視認することができる。なお、開口30の代わりに上下に長いスリット状の開口をカバー本体16に設けた場合、該カバー本体16の拡径方向の剛性が小さくなってしまうが、この実施の形態によればこの剛性も十分に高いものとなる。
【0029】この実施の形態では開口30を円形孔としているので角形の開口に比べ開口30の縁部に局部的に応力が集中することがない。
【0030】
【発明の効果】以上の通り、本発明の耐圧容器は、耐圧容器本体を十分に保護することができる。
【0031】また、本発明は耐圧容器本体内の液の残量を容易に目視確認しうるよう構成することも可能である。
【出願人】 【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【出願日】 平成11年3月30日(1999.3.30)
【代理人】 【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
【公開番号】 特開2000−283391(P2000−283391A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−88960