| 【発明の名称】 |
蒸発ガス量制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】淵元 洋一
【氏名】上野 康弘
【氏名】間渕 暢浩
【氏名】国府田 康雄
【氏名】早瀬 貴宏
【氏名】内田 博幸
【氏名】新井 達也
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| 【要約】 |
【課題】新たな液化ガスを導入しても、導入初期の蒸発ガス量の急減及びそれに続く蒸発ガス量の急増を緩和することができる蒸発ガス量制御装置を提供する。
【解決手段】液化ガスタンク内に垂直に延び、下端部がタンク底部近傍に開放し、上端部にタンク内の蒸発ガスと連通した上向の開口部の受口4aを有する受入リード管4と、該受入リード管の受口内に液化ガスを導入する液化ガス導入管6と、前記受口から受入リード管内に導入されるタンク内の蒸発ガスを冷却するように受口のまわりに液化ガスを噴霧する液化ガス噴霧装置12とを備える。液化ガス噴霧装置12は、受入リード管の受口4aの上方に位置し受入リード管を囲むリング上の環状管13と、液化ガスを液化ガスタンクに導入する受入管5から分岐し環状管13に液化ガスを供給する液化ガス分岐管12とからなる。環状管には受口のまわりに液化ガスを噴霧するように複数のノズル13aが設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液化ガスタンク内に垂直に延び、下端部がタンク底部近傍に開放し、上端部にタンク内の蒸発ガスと連通した上向の開口部の受口を有する受入リード管と、該受入リード管の受口内に液化ガスを導入する液化ガス導入管と、前記受口から受入リード管内に導入されるタンク内の蒸発ガスを冷却するように受口のまわりに液化ガスを噴霧する液化ガス噴霧装置とを備えたことを特徴とする蒸発ガス量制御装置。 【請求項2】 前記液化ガス噴霧装置は、前記受入リード管の受口の上方に位置し受入リード管を囲むリング上の環状管と、液化ガスを液化ガスタンクに導入する受入管から分岐し前記環状管に液化ガスを供給する液化ガス分岐管とからなり、前記環状管には受口のまわりに液化ガスを噴霧するように複数のノズルが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の蒸発ガス量制御装置。 【請求項3】 前記液化ガス導入管に設けられた液化ガス流量制御弁と、液化ガス分岐管に設けられた蒸発ガス流量制御弁と、これらの流量制御弁を開度制御する蒸発ガス制御回路とを備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸発ガス量制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、LNG等の液化ガスを液化ガスタンクに受け入れる際に発生する蒸発ガス量の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図3は、LNG用大型地下貯槽の縦断面図である。この図に示すように、LNG貯槽(以下、LNGタンク)は、地下に埋設されたコンクリート製の中空容器1、容器内面に取り付けられた薄い金属製のメンブレン2、容器上面を覆う屋根部3、容器内にLNGを供給する受入リード管4、及び容器からLNGを外部に供給するための供給管(図示せず)、等から構成されている。大型のLNGタンクの場合に、中空容器1の直径は50m以上にもなり、LNGの液深も50m以上に達する。 【0003】受入リード管4は、通常、屋根部3を通して設けられ、内部での蒸発を最小限に抑制するために、メンブレン2の底板2a付近まで垂直に延びている。メンブレン2には部分的に撓み部分(図示せず)が設けられ熱膨張による内部応力の発生を低減するようになっている。また、受入リード管4の上部には、タンク内の気体と連通した漏斗状の受口4aが設けられ、受入ライン中で発生した蒸発ガスをタンク内の気体部に開放し、液体(LNG)のみをタンク内に供給して受入リード管4の振動を防止するようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の液化ガス供給手段には、蒸発ガスが減少してタンク内圧が低下することがある問題点があった。すなわち、投入管より落下する液化ガスが、受口4aのまわりの蒸発ガスを巻き込んでリード管内に流入し、流入した蒸発ガスが低温に保持されたタンク内の貯液で冷却され液化するため、タンク内の蒸発ガス量が一時的に減少し、タンク内を負圧にしたり、タンク内に下流側から蒸発ガスが逆流することがある問題点があった。 【0005】この問題点を解決するために、本願発明の出願人等は、先に図4に模式的に示す「蒸発ガス制御装置」(特願平4−188255号)を提案した。この蒸発ガス制御装置は、低温タンク1に受入ランイ5からタンク気相中の蒸発ガスを巻き込みながら液相内に新たな液化ガスを導入するためにリード管4を有する液化ガス導入管6を設けると共に、受入ライン5から分岐させてタンク内気相中に液化ガスを散布させて蒸発ガスとして導入する蒸発ガス導入管7を設け、この蒸発ガス導入管7に流量制御弁7aを設けると共にタンク内気相中の蒸発ガス圧を検出する圧力検出器8を設け、この圧力検出器8により求まる蒸発ガス圧に応じて上記流量制御弁7aを開度制御してタンク内気相の蒸発ガスを増減させる蒸発ガス制御回路9を設けたものである。 【0006】この構成により、液相内に新たな液化ガスを導入するとタンク気相中の蒸発ガスが巻き込まれ、この蒸発ガスが液相内で液化するので、タンク内気相中の蒸発ガス圧が低下する。タンク内気相中の蒸発ガス圧が低下すると、蒸発ガス制御回路9により流量制御弁7aが開度制御され、蒸発ガス導入管7からの液化ガス散布量を増加する。タンク内気相中に散布された液化ガスは気化して蒸発ガスを増加させる。この結果、タンク内気相中の蒸発ガス圧が上昇する。逆に、タンク内気相中の蒸発ガス圧が上昇するときには、流量制御弁7aが抑制され蒸発ガス導入管7からの液化ガス散布量が減少し、気化量が少なくなるのでタンク内気相中の蒸発ガス圧は低下する。従って、このような制御により、原理的にはタンク内気相中の蒸発ガス圧をほぼ一定に維持することができる。 【0007】しかし、実際のLNGタンクでは、特に新たな液化ガスを導入する際に、導入初期に蒸発ガスが一時的に急減してタンク内圧が低下し、次いで逆に蒸発ガス量が急増し、その後徐々に定常値に戻る傾向を示すことがわかった。そのため内圧が低下する場合には、他のLNGタンクから蒸発ガスが逆流して、下流側設備への供給量が不足することがあり、その後の蒸発ガスの急増時には、大量の蒸発ガスを下流側に供給するために大型のコンプレッサを余分に必要とし、設備が過剰になる問題点があった。 【0008】すなわちLNG等を貯留する低温タンクにおいては、発生する蒸発ガス量が多いとタンク内圧が高まるため、蒸発ガスを系外に抜き出してタンク内圧を安定に維持することが必要であり、逆にタンク内圧が低くなると低温タンクが負圧になるためタンクは常に微圧(約1000mmAq前後)に保つ必要がある。しかし、上述したPCタンク等では受入配管の構造から、LNGのボトムフィード受入れ時にタンク上部にある蒸発ガスが受入リード管から巻き込まれ、液中で再液化された後、再び蒸発ガスとして液面から再発生する。このタンク上部の蒸発ガスの温度は相対的に高いため、液中で再液化しても再蒸発するため、上述したように、蒸発ガス量が急減/急増が生じるものと考えられる。このためタンク基数が少ない基地では、タンク内圧が低くなり、ホットガスの導入等、負圧防止措置が必要となる。一方、タンク基数の多い基地でも、受入れ後半から受入れ終了後の蒸発ガス発生量が金属二重殻式LNGタンクに比べて多くなり、処理する設備の費用がかかる。 【0009】本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、新たな液化ガスを導入しても、導入初期の蒸発ガス量の急減及びそれに続く蒸発ガス量の急増を緩和することができ、これにより、導入初期の内圧低下、蒸発ガスの逆流、下流側への供給量不足、及び、その後の大量の蒸発ガスを処理するための過剰設備を削減することができる蒸発ガス量制御装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、液化ガスタンク内に垂直に延び、下端部がタンク底部近傍に開放し、上端部にタンク内の蒸発ガスと連通した上向きの開口部の受口を有する受入リード管と、該受入リード管の受口内に液化ガスを導入する液化ガス導入管と、前記受口から受入リード管内に導入されるタンク内の蒸発ガスを冷却するように受口のまわりに液化ガスを噴霧する液化ガス噴霧装置とを備えたことを特徴とする蒸発ガス量制御装置が提供される。 【0011】上記本発明の構成によれば、受入リード管の受口のまわりに液化ガスを噴霧する液化ガス噴霧装置を備え、噴霧した液化ガスの蒸発潜熱により受入リード管内に導入されるタンク内の蒸発ガスを冷却するので、噴霧した液化ガスが、タンク内の比較的高温の蒸発ガスにより加熱されて直ぐに蒸発するので、導入初期の蒸発ガス量の急減を緩和することができる。更に、噴霧した液化ガスにより、受入リード管内に導入されるタンク内の蒸発ガスの温度が下がり、従来受入リード管内に巻き込まれる蒸発ガスよりもエンタルピーを低くし、結果としてタンク内全体の液化ガスのエンタルピーを下げ、導入初期の蒸発ガス量の急減後に生じる蒸発ガス量の急増を緩和することができる。 【0012】本発明の好ましい実施形態によれば、前記液化ガス噴霧装置は、前記受入リード管の受口の上方に位置し受入リード管を囲むリング状の環状管と、液化ガスを液化ガスタンクに導入する受入管から分岐し前記環状管に液化ガスを供給する液化ガス分岐管とからなり、前記環状管には受口のまわりに液化ガスを噴霧するように複数のノズルが設けられている。この構成により、環状管のノズルから受口のまわりに液化ガスを噴霧して、受口から受入リード管内に導入されるタンク内の蒸発ガスを積極的に冷却することができる。また、液化ガス分岐管が受入管から分岐して設けられているので、噴霧する液化ガスの量を増やすほど、液化ガス導入管から受口内に導入する液化ガスを減らすことができ、蒸発ガス量を増加することができる。従って、巻込ガス量が多くなる時間帯に受入液の一部を環状管側へ供給することにより、受入リード管に供給される液化ガスの量が減少し、その分冷たい蒸発ガスならびにリード管近傍のフラッシュにより冷却された蒸発ガスがリード管に巻き込まれる。 【0013】また、前記液化ガス導入管に設けられた液化ガス流量制御弁と、液化ガス分岐管に設けられた蒸発ガス流量制御弁と、これらの流量制御弁を開度制御する蒸発ガス制御回路とを備える、ことが好ましい。この構成により、蒸発ガス制御回路により蒸発ガス流量制御弁を開して噴霧する液化ガス流量を増加させ、液化ガス流量制御弁を閉じて受入リード管内に導入する液化ガスを減らすほど、タンクから直ぐに発生する蒸発ガス量を増加し、遅れて発生する蒸発ガス量を低減することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。図1は、本発明による蒸発ガス量制御装置の全体構成図である。この図に示すように、本発明の蒸発ガス量制御装置10は、液化ガスタンク内に垂直に延びた受入リード管4と、受入リード管4に液化ガス(例えばLNG)を導入する液化ガス導入管6と、液化ガスをタンク内の気相部分に噴霧する液化ガス噴霧装置12とを備える。 【0015】受入リード管4は、下端部4bがタンク底部近傍に開放し、上端部に受口4aを備えている。受口4aは下端が受入リード管4に連結され上端が漏斗状に広がりその部分がタンク内の蒸発ガス(気相)と連通している。液化ガス導入管6のタンク内下端6bは、受入リード管4の受口4aに近接してその真上に位置し、受口4a内に液化ガスを直接流下して導入するようになっている。 【0016】液化ガス噴霧装置12は、受入リード管4の受口4aの上方に位置し受入リード管4を囲むリング状の環状管13と、液化ガスを液化ガスタンクに導入する受入管5から分岐し環状管13に液化ガスを供給する液化ガス分岐管14とからなる。液化ガス導入管6には液化ガス流量制御弁6aが設けられ、液化ガス分岐管14には蒸発ガス流量制御弁14aが設けられ、これらの流量制御弁6a,14aは蒸発ガス制御回路16によりその開度を制御するようになっている。 【0017】更に、液化ガス噴霧装置12の環状管13には受口4aのまわりに液化ガスを噴霧するように複数のノズル13aが設けられている。このノズル13aは、環状管13に設けられた貫通孔でもよく、或いは、内圧で液化ガスを微細な液滴に噴霧する周知のノズルであってもよい。 【0018】図2は、新たな液化ガスを導入する際に発生する蒸発ガス量の変化を模式的に示す図である。この図において、横軸は液化ガスの導入開始からの経過時間、縦軸はタンクからの蒸発ガス発生量である。また、図中のAは金属二重殻式LNGタンクの場合、Bは従来のPCタンク、Cは本発明の蒸発ガス量制御装置を備えたPCタンクの場合を示している。 【0019】図2に示すように、金属二重殻式LNGタンクの場合(A)には、導入初期に蒸発ガス量があるレベルまで上昇し、その後徐々に低下して定常状態になる傾向を示す。これは、金属二重殻式LNGタンクでは、タンクの側壁を貫通して、直接液相に液化ガスを導入するため、PCタンクのように気相の蒸発ガスの巻き込みがなく、比較的安定して供給できるためである。一方、従来のPCタンク(B)では、新たな液化ガスを導入する際に、導入初期に蒸発ガスが一時的に急減してタンク内圧が低下し、次いで逆に蒸発ガス量が急増し、その後徐々に定常値に戻る傾向を示す。これは、上述したように、LNGのボトムフィード受入れ時にタンク上部にある相対的に高い温度の蒸発ガスが受入リード管から巻き込まれ、液中で再液化された後、再び蒸発ガスとして液面から再発生するためと考えられる。 【0020】上述した本発明の構成によれば、図2(C)に模式的に示すように、液化ガス噴霧装置12のノズル13aから噴霧した液化ガスが、タンク内の比較的高温の蒸発ガスにより加熱されて直ぐに蒸発するので、導入初期の蒸発ガス量の急減を緩和することができる。更に、噴霧した液化ガスにより、受入リード管4内に導入されるタンク内の蒸発ガスの温度が下がり、従来受入リード管内に巻き込まれる蒸発ガスよりもエンタルピーを低くするので、図2(C)に模式的に示すように、結果としてタンク内全体の液化ガスのエンタルピーを下げ、導入初期の蒸発ガス量の急減後に生じる蒸発ガス量の急増を緩和することができる。 【0021】また、上述した構成によれば、環状管13のノズル13aから受口4aのまわりに液化ガスを噴霧して、受口4aから受入リード管4内に導入されるタンク内の蒸発ガスを積極的に冷却することができる。更に、液化ガス分岐管14が受入管5から分岐して設けられているので、噴霧する液化ガスの量を増やすほど、液化ガス導入管6から受口内に導入する液化ガスを減らすことができ、蒸発ガス量を増加することができる。従って、巻込ガス量が多くなる時間帯に受入液の一部を環状管側へ供給することにより、受入リード管4に供給される液化ガスの量が減少し、その分冷たい蒸発ガスならびにリード管近傍のフラッシュにより冷却された蒸発ガスがリード管に巻き込まれる。 【0022】また、蒸発ガス制御回路16により、蒸発ガス流量制御弁14aを開いて噴霧する液化ガス流量を増加させ、同時に液化ガス流量制御弁6aを閉じて受入リード管4内に導入する液化ガスを減らすほど、タンクから直ぐに発生する蒸発ガス量を増加し、遅れて発生する蒸発ガス量を低減することができる。逆に、蒸発ガス制御回路16により、蒸発ガス流量制御弁14aを閉じて噴霧する液化ガス流量を減少させ、同時に液化ガス流量制御弁6aを開いて受入リード管4内に導入する液化ガスを増やすほど、タンクから直ぐに発生する蒸発ガス量が減少し、遅れて発生する蒸発ガス量を増加させることができる。従って、蒸発ガス制御回路16により、蒸発ガス流量制御弁14a及び液化ガス流量制御弁6aを制御することにより、直ぐに発生する蒸発ガス量と、遅れて発生する蒸発ガス量を調整することができる。 【0023】なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。例えば、上述の説明では、LNGについて主として説明したが、本発明はその他の液化ガスにも同様に適用することができる。また、例えばリング状の環状管は、円形を意味するものでなく、四角形、多角形にも、変更可能である。 【0024】 【発明の効果】上述したように、本発明の蒸発ガス量制御装置は、新たな液化ガスを導入しても、導入初期の蒸発ガス量の急減及びそれに続く蒸発ガス量の急増を緩和することができ、これにより、導入初期の内圧低下、蒸発ガスの逆流、下流側への供給量不足、及び、その後の大量の蒸発ガスを処理するための過剰設備を削減することができる。等の優れた効果を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社 【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月17日(1999.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097515 【弁理士】 【氏名又は名称】堀田 実 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−266295(P2000−266295A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−71182 |
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