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【発明の名称】 高圧液化ガス容器用弁
【発明者】 【氏名】大谷 利幸

【氏名】今井 敏眞

【要約】 【課題】高圧液化ガス容器に追加加工を施す必要なく、バルク配送に対応して容器内の液位を正確に測定可能とする。

【解決手段】弁本体21の下部に、下向きに開口してセンサ収納空間37をガス流路27cと平行に形成する。センサ収納空間37内には受圧板40で支持して超音波センサ41を収納し、弁本体21と一体的に設ける。受圧板40は、弾性部材42を介してセンサ収納空間37の入口に圧入する。また、超音波センサ41は、リード線43を介して計測・演算部44と接続する。計測・演算部44は、表示部46および通信部47とともにケース45内に取り付けて一体化し、それらで電装ユニット25を構成する。電装ユニット25は、ねじ等で弁本体21に取り付け、計測・演算部44や表示部46も弁本体21に一体的に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高圧液化ガス容器の口部に取り付け、ガス流路を開閉する高圧液化ガス容器用弁において、前記高圧液化ガス容器内に収容する液化ガスの液面を非接触で検知するセンサを、弁本体に一体的に設けてなる高圧液化ガス容器用弁。
【請求項2】 少なくとも、前記センサに計測信号を出力したり前記センサの出力値から液化ガスの液位を演算したりする計測・演算部と、その演算結果を表示する表示部も、前記弁本体に一体的に設けてなる、請求項1に記載の高圧液化ガス容器用弁。
【請求項3】 前記計測・演算部と前記表示部とを共通部材に取り付けて一体化してなる、請求項2に記載の高圧液化ガス容器用弁。
【請求項4】 前記センサとして超音波センサを用いてなる、請求項1、2、または3に記載の高圧液化ガス容器用弁。
【請求項5】 前記弁本体にセンサ収納空間を形成し、そこに前記センサを収納して弾性部材を介して弾性支持してなる、請求項4に記載の高圧液化ガス容器用弁。
【請求項6】 前記センサ収納空間の入口に弾性部材を介して受圧板を圧入し、その受圧板で前記センサを支持してなる、請求項5に記載の高圧液化ガス容器用弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液化石油ガス等の液化ガスを収納する高圧液化ガス容器に適用し得る。詳しくは、そのような高圧液化ガス容器において、その口部に取り付け、ガス流路を開閉する高圧液化ガス容器用弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえばプロパンガスボンベなどの高圧液化ガス容器には、液面計を備えていなかった。このため、ガス容器の重さやガス使用量や使用期間などから容器内のガス残量を推定し、ガスがなくなったり少なくなったとき、ガスを満杯に収容する新たな容器と交換していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年の規制緩和の下、ガスをタンクローリなどで運んで現場で容器に充填する、いわゆるバルク配送が認められる方向にある。
【0004】すると、高圧液化ガス容器に液面計を備えないことから、容器内のガス残量を正確に把握できず、ガスを容器内にどの程度充填してよいか判らないこととなる。充填しすぎは危険であるし、充填不足は非効率である、という問題があった。
【0005】故に、高圧液化ガス容器に液面計を備えることが考えられる。しかし、液面計を取り付けるには、既存の容器を含め、容器の、液面計を取り付ける個所に追加加工を施さなければならない面倒があり、費用も嵩む課題があった。
【0006】そこで、この発明の目的は、高圧液化ガス容器に追加加工を施す必要なく、バルク配送に対応して容器内の液位を正確に測定可能とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため、請求項1に記載の発明は、高圧液化ガス容器の口部に取り付け、ガス流路を開閉する高圧液化ガス容器用弁において、高圧液化ガス容器内に収容する液化ガスの液面を非接触で検知するセンサを、弁本体に一体的に設けてなる、ことを特徴とする。
【0008】そして、この請求項1に記載の発明では、弁本体に一体的に設けるセンサで、高圧液化ガス容器の口部を通してガス容器内の液化ガスの液面を検知する。
【0009】請求項2に記載の発明は、その請求項1に記載の高圧液化ガス容器用弁において、少なくとも、センサに計測信号を出力したりセンサの出力値から液化ガスの液位を演算したりする計測・演算部と、その演算結果を表示する表示部も、弁本体に一体的に設けてなる、ことを特徴とする。
【0010】そして、この請求項2に記載の発明では、計測・演算部からの計測信号を受けてセンサでガス容器内に収容する液化ガスの液面を検知し、その出力値から計測・演算部で液位を演算し、その演算結果を表示部で表示する。
【0011】請求項3に記載の発明は、その請求項2に記載の高圧液化ガス容器用弁において、計測・演算部と表示部とを共通部材に取り付けて一体化してなる、ことを特徴とする。
【0012】そして、この請求項3に記載の発明では、計測・演算部と表示部とを一体的に取り扱い、弁本体に取り付ける。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1、2、または3に記載の高圧液化ガス容器用弁において、センサとして超音波センサを用いてなる、ことを特徴とする。
【0014】そして、この請求項4に記載の発明では、センサから超音波を発信し、液化ガスの液面で反射して戻ってくる時間から液面を検知する。
【0015】請求項5に記載の発明は、その請求項4に記載の高圧液化ガス容器用弁において、弁本体にセンサ収納空間を形成し、そこにセンサを収納して弾性部材を介して弾性支持してなる、ことを特徴とする。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の高圧液化ガス容器用弁において、センサ収納空間の入口に弾性部材を介して受圧板を圧入し、その受圧板でセンサを支持してなる、ことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。図1には、この発明による弁を高圧液化ガス容器に取り付けた状態の縦断面を示す。図中符号10は高圧液化ガス容器、20はこの発明による弁である。
【0018】高圧液化ガス容器10は、内部に、高圧を加えて液化した液化石油ガスなどの液化ガス12を収納し、頂部中央に、図では概略的に示す口部13を有する。その口部13に、弁20を取り付けてなる。
【0019】弁20は、弁本体21の図中上部にハンドル22、図中右側にガス出入口部23、図中左側に安全弁24、図中手前側に詳しくは後述する電装ユニット25を設けてなる。
【0020】図2には、その弁20の、図1中A−A線に沿う矢示方向縦断面を示す。弁本体21は、たとえば鋳造で、図2に示すように筒状につくる。そして、中間に上向きの第1の段部aと第2の段部bを設けて縦方向に貫通する貫通孔27をあけ、内周にねじ部を有する最上段の拡径の取付孔27aと、中段の中径の弁収納孔27bと、最下段の小径のガス流路27cとを形成してなる。
【0021】第2の段部b上には、弁座cを設け、また弁収納孔27bの周壁には、図1のガス出入口部23へと通ずる出入口28を、貫通孔27と直角方向に開口する。
【0022】そうして、取付孔27aには、上方から取付リング30をねじ込む。取付リング30の中心には、弁軸31をねじ込んでなる。その弁軸31の下端には、スライド部材32をはめ付けて連結する。スライド部材32は、外周に設けるOリング33を介して弁収納孔27b内に気密に収納し、下面に、弾性体よりなる弁体34を弁座cと対向して保持する。
【0023】一方、弁軸31の上端には、取付ねじ35を用いて図1にも示したハンドル22を取り付ける。
【0024】さて、弁本体21には、また下向きに開口してガス流路27cと平行にセンサ収納空間37を形成する。そのセンサ収納空間37の頂部内壁からは、外部へと通ずる連通孔38を設けてなる。
【0025】そして、センサ収納空間37内には、受圧板40で支持して、高圧液化ガス容器10内に収容する液化ガス12の液面12aを非接触で検知する超音波センサ41を収納し、弁本体21に一体的に設ける。受圧板40は、センサ収納空間37の入口に、天然ゴムや樹脂製ゴムなどからなるたとえばOリング状の弾性部材42を介して圧入することで、その弾性部材42を介して超音波センサ41をセンサ収納空間37内で弾性支持してなる。
【0026】超音波センサ41は、そのリード線43を連通孔38を通して外部へと引き出し、超音波センサ41に計測信号を出力したり超音波センサ41の出力値から液化ガスの液位を演算したりする計測・演算部44に接続する。計測・演算部44は、ケース45内に取り付ける。ケース45内には、計測・演算部44とともに、その演算結果を表示する表示部46、およびたとえば集中監視盤と通信を行う通信部47も取り付ける。これにより、それらをまとめて一体化し、図1に示す上述した電装ユニット25を構成してなる。なお、通信部47のリード線48は、ケース45の孔45aから外部に引き出す。
【0027】そして、ケース45を、弁本体21にねじ等で取り付ける。これにより、弁本体21に、超音波センサ41とともに、計測・演算部44、表示部46、通信部47も一体的に設けてなる。
【0028】さて、以上のとおり構成した弁20は、弁本体21下部外周のねじ部21aで、図1に示すように高圧液化ガス容器10の口部13に取り付ける。そして、不使用時は、ハンドル22を一方向にまわして弁軸31をねじ込み、スライド部材32を下動して弁体34を弁座cに押し当て、出入口28に通ずるガス流路27cを閉じる。
【0029】一方、使用時は、ハンドル22を他方向にまわして弁軸31をねじ上げ、スライド部材32を上動して弁座cに対する弁体34の押し当てを解除し、図2に示すように出入口28に通ずるガス流路27cを開き、ガス容器10内のガスを出入口28を通して外部へと吐出可能とするとともに、出入口28を介してガス容器10内へのガスの充填を可能とする。
【0030】高圧液化ガス容器10内に収容する液化ガス12の液位を測定するときは、計測・演算部44からの信号に基づき超音波センサ41から超音波を発信し、液化ガス12の液面12aで反射して戻ってくる時間から、高圧液化ガス容器10の口部13を通して液面12aを検知し、その出力値から計測・演算部44で液位を演算し、その演算結果を表示部46で表示する。また、計測・演算部44の演算結果を、通信部47で集中監視盤などへ送る。
【0031】ところで、上述した例では、センサとして超音波センサ41を用いたが、超音波センサ41に代えてたとえば赤外線センサなどを用いることもできる。図示例のような構造で超音波センサ41に代えて赤外線センサを用いる場合は、光を透過することができるように、受圧板40をたとえば樹脂製などの透明部材でつくることが必要である。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり、この発明によれば、弁本体に一体的に設けるセンサで、高圧液化ガス容器の口部を通してガス容器内の液化ガスの液面を検知するから、高圧液化ガス容器への追加加工を不要として、たとえば既存の容器に追加加工を施す必要なく、弁を取り換えるだけで液位を正確に測定可能とし、低費用でバルク配送に対応することができる。
【0033】また、高圧液化ガス容器に追加加工を施さないから、溶接部分をなくし、低価格化を図るとともに、気密性を損なうおそれなく、バルク配送に対応することができる。
【0034】請求項2に記載の発明によれば、センサとともに、少なくとも計測・演算部および表示部も弁本体に一体的に設けるから、上記効果に加えて、全体をまとめて小型化し、また取り扱いを容易とすることができる。
【0035】請求項3に記載の発明によれば、計測・演算部と表示部とを共通部材に取り付けて一体化し、それらをまとめて一体的に取り扱うから、上記効果に加えて、小型化し、弁本体への取り付けを容易とし、信頼性を向上することができる。
【0036】請求項4に記載の発明によれば、センサとして超音波センサを用い、センサから発信した超音波が液化ガスの液面で反射して戻ってくる時間を下に液面を検知するようにしたから、上記効果に加えて、液位を非接触で一層正確に測定することができる。
【0037】請求項5に記載の発明によれば、弁本体にセンサ収納空間を形成し、そこにセンサを収納して弾性部材を介して弾性支持するから、上記効果に加えて、超音波センサの超音波振動を妨げることなく、効率的かつ正確にガス容器内に収容する液化ガスの液位を測定することができる。
【0038】請求項6に記載の発明によれば、センサ収納空間の入口に弾性部材を介して受圧板を圧入し、その受圧板でセンサを支持するから、弾性部材で超音波センサの超音波振動を妨げることなく、液位を正確に測定することができるとともに、併せて弾性部材で気密を保持してガス漏れを確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000006932
【氏名又は名称】リコーエレメックス株式会社
【出願日】 平成11年2月18日(1999.2.18)
【代理人】 【識別番号】100074310
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊介
【公開番号】 特開2000−240897(P2000−240897A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−39814