| 【発明の名称】 |
バルク容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】西野 博夫
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| 【要約】 |
【課題】外気熱吸収率を高め、別途に熱源を設けることなく、円滑な気化作用を得る。
【解決手段】液化ガスを収容し、その液相部を気化させ気相として外部に供給するバルク容器1である。この容器1の底面に、上下に傾斜するフィン20付きパイプ21を連通して設ける。フィン20の存在により、液相部気化用吸熱面積の拡大が図られる。パイプ21内に生じた気泡はその傾斜によって滞留せず、吸熱に支障は生じない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液化ガスを収容し、その液相部を気化させ気相として外部に供給するバルク容器1であって、その容器1の前記液相部に対応する外面に大気熱吸収用フィン20を付設したことを特徴とするバルク容器。 【請求項2】 液化ガスを収容し、その液相部を気化させ気相として外部に供給するバルク容器1であって、その容器1の前記液相部に対応する外面に1本又は複数本のパイプ21を設け、そのパイプ21を容器1内に連通して、前記液化ガスを前記パイプ21に流通可能とし、そのパイプ21外周面に大気熱吸収用フィン20を設けたことを特徴とするバルク容器。 【請求項3】 上記パイプ21と容器1の連通部をそのパイプ21が交換・追加可能な接続部としたことを特徴とする請求項2に記載のバルク容器。 【請求項4】 上記パイプ21が上記容器1との連通部に向かい上下に傾斜していることを特徴とする請求項2又は3に記載のバルク容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、液化ガスを収容し、その液相部を気化させ気相として外部に供給するバルク容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般家庭で使用される液化ガスとしてのLP(液化ガス)は、シリンダ型のガスボンベを宅配して交換する方式が一般的である。そのガスボンベからのガス供給は、ボンベ表面から外気熱を吸収して液相部を気化させ、その気化部からガス圧でもって行う。その際、プロパンにあっては、1kgを気化させるのに約427kJの気化熱を必要とし、そのガスの発生量は外気温、風速、日照、残液量等によって決まる。このため、冬期で無風の夜間は、ガスの発生量が少ないため、比較的消費量の小さい消費設備に限定される。 【0003】ところで、近年、人件費などの配送コストの高騰により、配送の合理化を図るべく、従来、工業用などに限定使用されているバルク容器を使用した方式が考案されている。この方式は、図13に示すように、消費先にバルク容器1を設置し、タンクローリ車から充填弁2を介してLPガスを充填し、ガス取出弁3、一次調整器4、二次調整器5、メータ6を介して燃焼器に供給する。図中、7は安全弁、8はフロート式液面計である。 【0004】そのバルク容器1は、上述のように、タンクローリ車からLPガスが充填されるので、従来から使用されているガスボンベに比べて大容量のものである。この大容量であることは、ガス充填量に対する容器表面積が減少することとなる。すなわち、例えば容量50kgのガスボンベと、容量200kgのバルク容器とでは、総容量を相互で同一とした場合、4本のガスボンベと、1本のバルク容器とでは、大気に触れる表面積はバルク容器の方が、ガスボンベに比べて大きく減少することとなる。 【0005】このように、容量に対する表面積が小さいバルク容器1は、ガスボンベに比べて外気熱の吸収効率が悪く、液相部を気化させて気相とする能力、いわゆるガス発生能力が低いものとなる。ガス発生能力が低いと、ガス発生能力以上にガスを取出すような事態が発生すると、液相部の温度が低下し、必要な圧力が得られなくなり、外部へのガスの供給ができなくなる恐れがある。 【0006】このため、図14に示すように、従来、工業用として使用されているバルク容器1と同様に、気化器(バーパライザ等)9を配管に設け、バルク容器1内の液相を気化器9で強制的に気化して燃焼器側に供給することが行われている。 【0007】また、特開平10−26298号公報等には、図15に示すように、バルク容器1の底部(液相部)に熱交換器10を配置し、この熱交換器10にボイラーなどの給湯器11から温水を送り込んで気化する技術が開示されている。この技術は、外気温センサー12、圧力センサ13及び温度センサ14の検出信号に基づき、制御器15により給湯器11を制御する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】図14に示す、バルク容器1の外部に気化器9を設けた構成では、設置スペースに特に限りがある一般家庭では実用的でない。また、LPを液状態で気化器9に取出して気化させるため、気化熱は100%気化器9から得ることとなる。このため、気化器9が電気などのエネルギーを使用するものであれば、多額のランニングコストが必要となり、大気熱を利用する空温式気化器であれば、大きな熱交換器と液温をさげるための減圧弁並びに気化器に具備すべき液流出防止装置等の安全装置が必要となるため、高額のイニシャルコストと、広い設置場所が必要となる。 【0009】図15に示す、バルク容器1内に熱交換器10を配設したものは、適切な気化状態を得ようとすれば、給湯器11の制御が煩雑となるうえに、その付加機器及び安全装置が必要であり、同様に、高いイニシャルコストと、広い設置場所が必要である。 【0010】この発明は、以上の実情の下、安価な構成でもって、外気熱により円滑な気化を行い得るようにすることを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、この発明は、バルク容器の表面積を容量に対して広くするようにしたのである。表面積が広くなれば、外気熱(大気熱)の吸収も大きく、液相部が円滑に気化する。 【0012】表面積の拡大化は、容器の外郭形状を襞状にしたり、フィンを付設するなど、が考えられる。因みに、容器の材質をアルミニウムなどの熱伝達率の高いものにしても、気化の向上は図り得る。 【0013】 【発明の実施の形態】この発明の実施形態としては、上述のバルク容器の液相部に対応する外面にフィンを設けたり、又は、その外面に沿う1本又は複数本のパイプを設け、そのパイプを容器内に連通して、液化ガスをパイプに流通可能とし、パイプ外周面にフィンを設けた構成を採用し得る。 【0014】このようにすれば、バルク容器が大気から受ける気化熱で不足する分を、効率の良いフィンにより大気熱を吸収するため、電気等の別途のエネルギーコストは不要であり、また空温式気化器のように大きくならず、比較的小さな設置スペースで済む。特に、従来のバルク容器の下部にパイプが収まれば、設置スペースの増加は全く無い。 【0015】上記フィン又はパイプを液相部に対応する容器の外面としたのは、液相部が対応しなければ、吸熱しても気化に大きく貢献しないからであり、好ましくは、容器の高さ(径)の3分の1以下の外面又は下方とする。 【0016】この構成において、上記パイプと容器の連通部をそのパイプが交換・追加可能な接続部とすれば、容器の設置地域、設置個所、気候などに応じて、種々のパイプを取付けることができ、安定した気化能力を有するバルク容器とし得る。また、パイプをその連通部に向かって上下に傾斜させれば、パイプ内に生じた気泡(ガス)をパイプ外に円滑に排出することができ、吸熱作用の劣化を招くことがない。なお、パイプの数、フィンの数及び取付位置は、容器の大きさ、形状などを考慮し、最適な気化が行われるように実験等によって適宜に設定する。 【0017】 【実施例】一実施例を図1乃至図4に示し、この実施例は、図13で示した従来のバルク容器1の底面に、フィン20付きのパイプ21を付設したものである。パイプ21は複数本から成って、両端のヘッダー管22に連結され、ヘッダー管22が接続フランジ管23を介してバルク容器1に連結されている。この接続フランジ管23の接続換えにより、パイプ21の本数、長さなどを適宜に変更し得る。パイプ21は一方に上下に傾斜して内部に発生したガスが滞留しないようになっている。フィン20は、図4に示すようにパイプ21と一体に引き抜き成形してもよいが、別途に溶接等によって固着してもよい。フィン20及びパイプ21にはアルミニウムなどの熱伝導率のよい材料を使用する。 【0018】図5、6には他の実施例を示し、この実施例は、容器1の底面中央にヘッダー管22を接続フランジ管23を介して連結したものであり、ヘッダー管22の両側にフィン20付きのパイプ21を傾斜させて接続している。なお、パイプ21と容器1の連通部の数は、1個所、及び2個所に限らず、3個所以上、任意である。 【0019】フィン20の取付けは、上記以外に、有効に吸熱すればいずれの態様でもよく、例えば図7乃至図11に示す態様が考えられる。図7の態様は、円板、多角板をパイプ21の長さ方向に等間隔に設けたものであり、このとき、図8に示すように各パイプ21間のフィン20を一体ものとし得る。また、図9の態様は、フィン20をパイプ21にらせん状に設けたものであり、このとき、図10に示すようにフィン20を細片20aからなる短冊状とし得る。さらに、図11に示すように、細片20aをパイプ21の全周外面に密に設けたフィン20ともし得る。細片20aからなるフィン20は図1、図7及び図8の実施例でも採用し得る。 【0020】ここで、バルク容器1が外気から受ける気化熱によって発生するガス量の計算は、通常、残液量30%でLPの蒸気圧が0.7kgf/cm2 (液温 −25℃)という条件において、以下の計算に依っている(「LPガスデータ必携」(株)産報 発行)。 W=Q×{(t−T1 )+(t−TL ) }×A/2×LW :発生するガス量(kg/h) Q :総括伝達係数(kcal/m2 ・℃・h) t :外気温(℃) T1 :スタート時の液温度(℃) TL :圧力が0.7kgf/cm2 時の液温度(℃) A :残液が容量の30%のときの濡れ面積(m2 ) L :蒸発潜熱(100kcal/kg) 【0021】これによると、L=100kcal/kgから、LP=500kgの容器1において、外気温−5℃の時のガス発生量は約6.5kg/hとなる。一方、アルミ製フィン付パイプ(厚さ:2mm、パイプ径:23mm、フィン高さ:56mm)21においては、外気温−5℃の時のガス発生量は単位長さ当たり約1.5kg/h・mとなるため、5m分のアルミ製フィン付パイプ21を設置すれば、6.5+(1.5×5)=14kg/hとなって、バルク容器1単体の場合の2倍以上のガス発生量が得られることになる。 【0022】上記実施例はフィン20をパイプ21に設けたが、図12に示すように、バルク容器1に直接に設けることもできる。このとき、フィン20は、同図のごとく全面に設けてもよいが、少なくとも液相部となる外面には設ける。 【0023】 【発明の効果】この発明は、以上のようにして外気熱吸収面積を広くしたので、電気エネルギー等の熱源を別途に設ける必要もなく、十分な気化機能を有するバルク容器を安価にして得ることができ、かつ安全なものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000118534 【氏名又は名称】伊藤工機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月13日(1999.7.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−88192(P2000−88192A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平11−198877 |
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