| 【発明の名称】 |
安全弁用ドリップパンの構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】折本 和英
【氏名】下野 展雄
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| 【要約】 |
【課題】蒸気の安全弁が作動して安全弁側配管から噴出流体が盆状受皿から溢出を防止するに好適な安全弁用ドリップパンの構造を提供する。
【解決手段】排気管1の内面を摺動する円筒状のシールリング4を設け、鉛直端部がシールリング4の高さよりも突出するように配管3を盆状受皿2の底面に固着することにより、安全弁から噴出する噴出流体Fが盆状受皿2から溢出するのを防止する安全弁用ドリップパンの構造。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】伝熱機器の安全弁からの流体を吹出す配管の鉛直端部と、吹出した前記流体の下流側に前記鉛直端部を覆って開口する逆漏斗状の開口部と前記流体を導入する鉛直導入部とを有する排気管と、前記鉛直端部並びに前記排気管の逆漏斗状の開口部を囲む外側に、前記鉛直端部を一体に固定した盆状受皿を有する安全弁用ドリップパンの構造において、前記排気管の逆漏斗状の開口部内面を鉛直方向にスライド可能のように円筒状のシールリングを設け、前記配管の鉛直端部が前記円筒状のシールリングの高さよりも突出するごとく前記配管を前記盆状受皿の底面に固着することにより、前記鉛直端部からの噴出流体が前記盆状受皿から溢出するのを防止することを特徴とする安全弁用ドリップパンの構造。 【請求項2】前記シールリングの下部断面を鋭角形状にして前記盆状受皿の底面との接触面積を減少させることを特徴とする請求項1記載の安全弁用ドリップパンの構造。 【請求項3】前記シールリングの外周部をラビリンス構造とすることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の安全弁用ドリップパンの構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、伝熱機器の蒸気配管等に設置されている安全弁から吹出す蒸気及びドレンのような流体を受ける容器の周辺構造、すなわち、安全弁用ドリップパンの構造に係り、特に、この流体を受ける容器からの噴出流体の溢出量を少なくするのに有効な安全弁用ドリップパンの構造に関する。 【0002】 【従来の技術】図3は、従来の安全弁用ドリップパンの構造を示す図である。図3に示すように、安全弁に接続された配管3と、この配管3とは別に設置した排気管1との間には、温度差に伴う熱変形のため両者の間に伸び差が発生する。安全弁側の配管3に固定されている盆状受皿2は、ドレンの受皿としての機能のほか、この伸び差を吸収する機能も兼ねるように設置することが好ましいので、排気管1の末端に開口する逆漏斗状の開口部1aと盆状受皿2とは直接接続とせずに、両者の間に間隙cを設けて配置している。すなわち、排気管1の逆漏斗状の開口部1aと盆状受皿2の底面との間に設ける間隙cと、開口部1aと盆状受皿2の側面との間に間隙dを設けている。配管3から排出された蒸気の膨張に対応して排気管1の開口部は、逆漏斗状に拡大し、かなりの重量を有しており配管3とは別に鉄骨等に固定されている。このため、温度差に伴う熱変形は鉛直方向だけでなく、水平方向にも生ずるから、伸び差を吸収するには間隙cのほか間隙dも必要になっている。安全弁用ドリップパンの構造は、この伸び差を吸収すると共に、安全弁からの蒸気の吹出しに伴うドレンを盆状受皿2に受け、噴出流体Fを排気管1の鉛直端部1bを経て矢印A方向に導くように構成している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、安全弁が作動して配管3から蒸気を吹出したとき、排気管1と盆状受皿2との間に設けた間隙c、間隙dを経て多量の噴出流体Fが矢印B方向に飛散して溢出するという問題点があった。本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、蒸気の安全弁が作動して蒸気を吹出す際に、盆状受皿2から噴出流体Fが溢出するのを防止するに好適な安全弁用ドリップパンの構造を提供することを目的としている。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は特許請求の範囲の請求項1に記載されているように、伝熱機器の安全弁からの流体(高圧蒸気、ドレン等)を吹出す配管の鉛直端部と、吹出した前記流体の下流側に前記鉛直端部を覆って開口する逆漏斗状の開口部と前記流体を導入する鉛直導入部とを有する排気管と、前記鉛直端部並びに前記排気管の逆漏斗状の開口部を囲む外側に、前記鉛直端部を一体に固定した盆状受皿を有する安全弁用ドリップパンの構造において、前記排気管の逆漏斗状の開口部内面を鉛直方向にスライド可能のように円筒状のシールリングを設け、前記配管の鉛直端部が前記円筒状のシールリングの高さよりも突出するごとく前記配管を前記盆状受皿の底面に固着することにより、前記鉛直端部からの噴出流体が前記盆状受皿から溢出するのを防止することを特徴とする安全弁用ドリップパンの構造である。 【0005】すなわち、図3の従来技術との相違点を、図1、図2を参照して説明すると、排気管の逆漏斗状の開口部の内周面に沿ってスライドするシールリング4を新設し、従来技術の下方の間隙cを閉止した点にあり、安全弁が作動して噴出流体Fが吹出すとき、盆状受皿2からの噴出流体Fの溢出を防止するために、排気管1の逆漏斗状の開口部1a内面を鉛直方向にスライド可能のようにシールリング4を設置したものである。 【0006】安全弁が作動していないときは、盆状受皿2とシールリング4との間、及び、シールリング4と排気管1との間は、互いに固定されていないために、安全弁側の配管3と排気管1との間の伸び差を吸収することができる。 【0007】一方、安全弁が作動して蒸気が吹出したときは、排気管1の外界に作用する大気圧Pよりも、シールリング4の上端部からの圧力の方が大きく、相対的にシールリング4を下方へ押圧する力が作用するため、シールリング4の下端と盆状受皿2の底面との間から、噴出流体Fが噴出するのを防止することができる。 【0008】また、請求項2に記載のように、シールリング4の下端を鋭角状に形成し、単位面積当りの接触圧力を増加することにより、シールリング4の下端を噴出流体Fが通過しようとするときシールリング4の浮き上がりを抑え、シール性を向上させると共にシールリング4の下端が横方向へずれるのに伴ってシールリング4の表面が削られるのを防止し、これによりシールリング4が盆状受皿2の底面にはまり込むいわゆる「スティック」を防止することができる(以上図1参照)。 【0009】請求項3は、排気管1の逆漏斗状開口部1aの内面に沿ってスライドするシールリング4の外側をラビリンス構造とした(シーリング5とする)ものである。ラビリンス構造とは、一般に、絞り口と膨張室とが交互に連続して形成された流路からなるものであって、この流路を通過する流体の粘性による摩擦効果、絞り口における縮流効果、圧縮性流体に対する熱力学的効果などに起因し、圧力損失が大きくなって流路抵抗が増加し、流量の減少に伴ってシール効果が得られる構造である(以上図2参照)。 【0010】ラビリンス流路断面の形状としては、直通形、食違い形、複合直通形、階段形などがあるが、本発明は、以下の実施の形態に示した直通形に限定するものではなく、シールリング5と排気管1の逆漏斗状開口部1a内面との間隙tを流動する噴出流体Fは、膨張と収縮の作用を繰返して受け、これにより流路抵抗が増大し、盆状受皿2から溢出する噴出流体Fは大幅に低減され、一層高度のシール性を確保することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、シールリングを用いた実施形態1の安全弁用ドリップパンの構造を示す図、図2は、ラビリンス構造のシールリングを用いた実施形態2の安全弁用ドリップパンの構造を示す図である。 【0012】<実施の形態1>図1に示す安全弁用ドリップパンの構造は、通常の運転中、すなわち、安全弁が吹出していないときは、盆状受皿2とシールリング4、並びに、排気管1とシールリング4は固定されていないから、互いに拘束されず、安全弁側の配管3と排気管1との間に生ずる伸び差は吸収され、しかも、安全弁側の配管3と排気管1は連結状態を保って配置されている。安全弁から蒸気が吹き出した際に、排気管1の逆漏斗状開口部1aの内周面をスライドするように設置されたシールリング4の上端には、排気管1の下流側の配管の圧力損失分に相当する圧力が付加され、一方排気管1の外郭及び盆状受皿2を囲む空間Pは大気に解放されているため、相対的にシールリング4には下方へ向かう押圧力Sが作用し、シールリング4の下端は、盆状受皿2の底面に押圧されて間隙cは閉じられるから、噴出流体Fはシーリング4の下端から溢出するのを妨げられる。 【0013】このとき、好ましくは、シールリング4の下部断面の先端を矢印Kに示すように鋭角状に形成し、盆状受皿2の底面と接触する面積を減少することにより、接触部分に作用する単位面積当りの圧力を増加することができるから、シールリング4は上方へ浮上することが妨げられ、噴出流体Fはもっぱら排気管1の鉛直端部1bを経て下流方向、すなわち、矢印A方向に導かれて排気処理されることとなり、よって盆状受皿2からの噴出流体Fの溢出は防止される。また、排気管1の内部圧力により、シールリング4下端の横方向のずれにより発生するシールリング2の表面の削込みは防止され、かつ、シールリング4と盆状受皿2の「スティック」を生ずることもない。 【0014】<実施の形態2>図2の安全弁用ドリップパンの構造は、外周をラビリンス構造としたシールリング5を備えたものである。安全弁が作動して蒸気が吹出した際に、実施の形態1の作用に加えて、シールリング4と排気管1との間隙tにより形成される流路を通過しようとする噴出流体Fに対し、シールリング5の外周面と排気管1の内周面との間の間隙tを通過する流体には、膨張と収縮を繰り返す力が作用し、流路抵抗を増大させることにより、シールリング外側の間隙tからの溢出量は一層少なくなる。 【0015】 【発明の効果】本発明の安全弁用ドリップパンの構造により、安全弁からの流体吹出しに際して、シールリングには下方に向かう押圧力が作用するため、シールリング下端と盆状受皿の隙間からの噴出流体の溢出を大幅に低減することが可能となる。またラビリンス構造のシールリングを用いることにより、シールリングと排気管の逆漏斗状開口部との間隙を通過する噴出流体の流路抵抗が増大し、噴出流体の溢出は大幅に低減され高いシール性を確保することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月9日(1999.4.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068353 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 純之助
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| 【公開番号】 |
特開2000−291885(P2000−291885A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−102235 |
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