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【発明の名称】 シャワー接続具の取付構造
【発明者】 【氏名】田中 敬通

【氏名】坪田 充夫

【要約】 【課題】シャワー接続具を水栓本体に対して正確に位置決めすることができ、しかも、水栓本体の構造の簡略化を図ることもできるシャワー接続具の取付構造を提供する。

【解決手段】水栓本体11とシャワー配管1Kとの間に介在されるシャワー接続具70を水栓本体11に取り付けるためのシャワー接続具70の取付構造である。シャワー接続具70を水栓本体11の取付孔18、19に挿嵌すると共に、水栓本体11からのシャワー接続具70の抜脱を防止する抜け止め手段(例えば、被係止部73に係止部58を係止させて構成)を備える。水栓本体11に第1の取付孔18と第2の取付孔19とを併設し、シャワー接続具70を両取付孔18、19に挿嵌してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水栓本体とシャワー配管との間に介在されるシャワー接続具を水栓本体に取り付けるためのシャワー接続具の取付構造であって、前記シャワー接続具を水栓本体の取付孔に挿嵌すると共に、水栓本体からのシャワー接続具の抜脱を防止する抜け止め手段を備えたことを特徴とするシャワー接続具の取付構造。
【請求項2】 前記水栓本体に第1の取付孔と第2の取付孔とを併設し、シャワー接続具を両取付孔に挿嵌したことを特徴とする請求項1に記載のシャワー接続具の取付構造。
【請求項3】 前記抜け止め手段は、シャワー接続具に設けられた被係止部に、シャワー接続具以外の部材に取着された抜け止め部材の係止部を係止させることにより構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載のシャワー接続具の取付構造。
【請求項4】 前記抜け止め部材が、抜け止めの他に別の機能を有する部材であることを特徴とする請求項3に記載のシャワー接続具の取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本各発明は、水栓本体とシャワー配管との間に介在されるシャワー接続具を水栓本体に取り付けるためのシャワー接続具の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】シャワー付きの水栓では、シャワー配管を用いて水栓本体とシャワー吐水口を連絡するのが一般的である。この種の水栓の中には、水栓本体とシャワー配管とを直に接続するのではなく、別体のシャワー接続具を介在させた状態にて接続するものがある。具体的には、水栓本体の接続口に螺合固定されるシャワー接続具を用いて水栓本体とシャワー配管とを接続したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の水栓では、以下のような問題を生ずる。即ち、図6(a)は、シャワー接続具70の一例としてのシャワーエルボーを示しており、一端側の水栓接続部83を水栓本体11の接続口1Hに螺合固定すると共に、他端側の配管接続部80をシャワー配管1Kの始端に接続して用いられる。ところが、このようにシャワー接続具70がシャワーエルボー等の方向性を有するものである場合、接続口1Hへの螺合固定では、その方向性が定まらない。よって、例えば、図6(b)の一点鎖線若しくは二点鎖線に示すように、配管接続部80の方向に「位置ずれ」を生じ、位置決め配置されたシャワー配管1Kの始端に、配管接続部80を的確に接続できないことがある。
【0004】更に、螺合式のシャワー接続具70を用いる場合には、水栓本体11の接続口1Hに雌ネジ1Jを設ける必要があるため、その分、水栓本体11の構造が複雑化し、製造上の手間やコストが嵩むことになる。しかも、水栓本体11には、雌ネジ1Jを刻設可能な十分な肉厚を確保しなければならない。
【0005】本各発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シャワー接続具を水栓本体に対して正確に位置決めすることができ、しかも、水栓本体の構造の簡略化を図ることもできるシャワー接続具の取付構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、本各発明が採った手段は、先ず、請求項1の発明に係わるシャワー接続具の取付構造では、「水栓本体とシャワー配管との間に介在されるシャワー接続具を水栓本体に取り付けるためのシャワー接続具の取付構造であって、前記シャワー接続具を水栓本体の取付孔に挿嵌すると共に、水栓本体からのシャワー接続具の抜脱を防止する抜け止め手段を備えたこと」をその要旨とする。
【0007】請求項1の発明によると、取付孔へ挿嵌し、抜け止めを講じることによってシャワー接続具を取り付けるため、シャワー接続具が方向性を有するものであっても、正確に位置決めすることができる。また、水栓本体には、シャワー接続具を螺合するための雌ネジを設ける必要がなく、水栓本体の構造の簡略化や薄肉化を図ることもできる。
【0008】ここで、「シャワー接続具」としては、例えばシャワーエルボーのような屈曲形状を呈して方向性を備えるものに限らず、直管のように方向性を有さないものも包含する。尚、方向性を有するシャワー接続具としては、その外形に起因するものに限定されない。例えば、直管状に形成されており、外形の面では方向性を備えない場合であっても、その周面に「シャワー接続具であることを示す表示」や「ハンドシャワー、ボディシャワー等のシャワー態様を示す表示」等が描かれ、「この表示を使用者・施工業者が認識し易い位置、例えば、水栓の前面側や上面側等に向けるべき等の取付上の制約」がある場合等には、方向性を備えることになるからである。また、外形の面で方向性を有するものとしては、外面に何らかの部材のための基準面が設けられている場合等も例示できる。
【0009】また、「抜け止め手段」としては、後述する請求項3の発明のような「係止により抜け止めを行う抜け止め部材を用いる手段」に限定されず、例えば、ロー付け等の接着による抜け止め、止めネジによる抜け止め等の種々の手段を選択できる。
【0010】次に、請求項2の発明のシャワー接続具の取付構造では、「請求項1の発明のシャワー接続具の取付構造において、前記水栓本体に第1の取付孔と第2の取付孔とを併設し、シャワー接続具を両取付孔に挿嵌したこと」をその要旨とする。
【0011】請求項2の発明によると、シャワー接続具の挿嵌部分が複数の取付孔によって支持されるため、シャワー接続具のガタツキが防止され、取付安定性が高められる。尚、本発明において、第1の取付孔と第2の取付孔は、水栓本体の上下方向、前後方向、左右方向、斜め上下方向、斜め前後方向、斜め左右方向等の所望の方向に沿って併設することができる。
【0012】次に、請求項3の発明のシャワー接続具の取付構造では、「請求項1又は請求項2の発明のシャワー接続具の取付構造において、前記抜け止め手段は、シャワー接続具に設けられた被係止部に、シャワー接続具以外の部材に取着された抜け止め部材の係止部を係止させることにより構成されていること」をその要旨とする。請求項3の発明によると、より簡単な構造にてシャワー接続具のより確実な抜け止めを行うことができる。ここで、「係止」の具体的な態様として、「シャワー接続具に周方向に沿った溝状や段部状の被係止部を設け、この被係止部をプレート状の抜け止め部材の係止部で係止したもの」等を例示できる。尚、抜け止め部材を取着する部材としては、水栓本体や、水栓本体に装着された種々の機器、或いは、水栓本体を設置部に取り付けるためのステーや、設置部に取り付けられた種々の機器等を例示することができる。また、抜け止め部材自体の取着方法も特に問わず、例えば、水栓本体や、水栓の設置部にビス止め等の手法で取着したり、他の部材を介して取着すること等が例示できる。
【0013】最後に、請求項4の発明のシャワー接続具の取付構造では、「請求項3の発明のシャワー接続具において、前記抜け止め部材が、抜け止めの他に別の機能を有する部材であること」をその要旨とする。
【0014】請求項4の発明では、抜け止めの他に別の機能を有する部材によって抜け止め部材を兼用することで、部品点数の減少や水栓の構造の簡略化を図っている。ここで、別の機能を有する部材としては、水栓本体を設置部に取り付けるために介在されるステーや、水栓本体に組み込まれる止水栓、ストレーナ、逆止弁等の種々の機器等が例示できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本各発明に関わる「シャワー接続具の取付構造」の実施の形態を、図面に従って詳細に説明する。本例では、図1〜図4を用いて本各発明を水栓10に適用した一適用例について説明する。先ず、本水栓10の概要を図1を用いて説明する。この水栓10は、ユニットバスの壁面パネル等を用いて構成される設置部1Aに取り付けられている。尚、この設置部1Aは、図示を省略する浴室の奥壁前方に立ち上げられてたものである。
【0016】本例では、水栓10として湯水混合水栓を用いており、水栓本体11と、これを被覆するカバー20とを備えている。尚、水栓10は、予め適温となるように温度調節された混合湯水を扱う単水栓等の他のタイプの水栓であってもよい。水栓本体11は、湯水の混合調節を行う温度調節弁2Bと、流出路をカラン側の流出路15若しくはシャワー側の流出路16に切り換えると共に流量調節を行う流路切換弁2Cと、を内蔵している。そして、水栓本体11の右側面には流路切換弁2Cを操作するための操作部1Eが取着されており、水栓本体11の左側面には温度調節弁2Bを操作するための操作部1Eが取着されている。
【0017】上記の温度調節弁2Bとしては、例えば、(a)ワックスエレメントや形状記憶合金エレメント等の温度変化に対応して変形する感温素子を用いて構成され、湯及び水の混合度合いを自動的に調節するサーモスタット方式、(b)互いに摺動して流路の開閉を行う固定ディスクと可動ディスクとを用いて構成される摺動ディスク方式、(c)湯と水との混合度合いを別個のハンドルにより調節する2ハンドル方式等の種々の方式のものを利用できる。また、流路切換弁2Cとしては、(d)摺動ディスク方式、(e)対向する一対の弁口に対して弁体を進退させて流路の切換及び流量調節を行うリフト方式等の種々の方式のものを利用できる。
【0018】上記の流路切換弁2Cの外郭を構成するハウジングの小径部の周面には、図示破線に示す、カラン側の流出口2Gが開口し、前述のカラン側の流出路15と連通可能となっている。また、このハウジングの大径部の周面にも、図示破線に示す、シャワー側の流出口2Jが開口し、前述のシャワー側の流出路16と連通可能となっている。また、水栓本体11の背面の図示左方からは温度調節弁2Bに給湯を行うための湯側の接続口13が突出し、図示右方からは温度調節弁2Bに給水を行うための水側の接続口13が突出している。尚、この接続口13の数は、単水栓においては1つとなる。また、両接続口13の根本側の周囲部には平滑面12が隆起状に設けられている。
【0019】カバー20としては、主カバー21及び図示破線の副カバー22からなる分割型カバーを用いている。このうち、主カバー21は、水栓本体11の上面、前面及び底面前方寄りを被覆するものであり、水栓本体11にその前面側より装着される。また、主カバー21の前面側の左右両端にはカラー23が取着され、主カバー21の水栓本体11前方への抜け止めが図られる。また、副カバー22は、水栓本体11の両側面と、底面の残部とを被覆するものであり、水栓本体11にその底面側より装着される。但し、後述するように、副カバー22は水栓本体11等を設置部1Aに設置した後に装着される。尚、カバー20としては、本例に示す分割型のものに限らず、一体型のものを用いてもよいし、水栓10がカバーを備えないものであってもよい。
【0020】ところで、設置部1Aは、前述のように、浴室の奥壁の前方に立設されており、奥壁と設置部1Aとの間には、図1に示すように、共に剛性管で構成された給湯用の水道配管1Fの端末と、給水用の水道配管1Fの端末とが引き回されている。尚、各水道配管1Fを、可撓管を用いて構成してもよい。また、設置部1Aには、前述の湯側及び水側の両接続口13、13と略同ピッチで、2つの貫通孔1B、1Bが穿設されている。そして、この設置部1Aに対して、前述の水栓10が、左右一対のアダプター30、30及び固定ステー40を有する接続具Sと、固定部材44と、取付ステー50とを用いて取り付けられる。次に、これらに関し、図2及び図3を中心に詳述する。
【0021】アダプター30は、図2に示すように、三段階に外径を変化させた段差型筒状物であり、最大径部分が前述の湯側若しくは水側の各接続口13、13に接続可能な前方接続部31とされ、最小径部分が給湯用若しくは給水用の各水道配管1Fに接続可能な後方接続部32とされている。また、前方接続部31は前述の貫通孔1Bに遊入可能な外径を備え、外周面には雄ネジ33が刻設されている。また、前方接続部31の内周面には2つの周回溝が設けられ、各周回溝にはシール部材34、34がはめこまれている。更に、後方接続部32の外周面には雄ネジ35が刻設され、前方接続部31及び後方接続部32に挟まれた中間部36にも、雄ネジ37が刻設されている。
【0022】固定ステー40は、図2に示すように、両アダプター30を所望のピッチで固定するものである。この固定ステー40は、略矩形状の薄板を用いて構成され、両端側に略長円形状の固定孔41を穿設している。そして、両固定孔41間のピッチは、2つの貫通孔1B、1Bと略同ピッチとされている。本例では、固定ステー40にその前面側より、アダプター30の後方接続部32及び中間部36が挿入され、中間部36及び前方接続部31の境界の段部が固定ステー40の前面に当接する。そして、中間部36の雄ネジ37に固定ステー40の後面側より、ナット43が螺合され、両アダプター30が固定ステー40に固定されて、全体で接続具Sを構成する。尚、本例では、中間部36の周面部分に一対の平行面(所謂2面幅)が形成され、この周面部分が前述の固定孔41の孔形状と対応した略長円状の外形を呈している。そして、この周面部分が固定孔41に嵌合するため、両アダプター30は固定ステー40に対して周り止め固定された状態となっている。
【0023】また、図2に示すように、左側の後方接続部32には袋ナット1Gを用いて給湯用の水道配管1Fの端末が接続され、右側の後方接続部32には同様にして給水用の水道配管1Fの端末が接続される。これにより、接続具Sは、その前方接続部31を前述の湯側及び水側の両接続口13、13と略同ピッチに配置した状態にて保持しつつ、剛性管を用いて構成される両水道配管1Fによって片持ち梁状に支持された状態となる。但し、固定ステー40の使用を省略したり、固定ステー40の代わりに、ボックス形状等の他の態様の固定具を用いてもよい。
【0024】本例では、各水道配管1Fと各後方接続部32との接続作業を、奥壁前方に設置部1Aを立設配置する前に行う。そして、設置部1Aの立設作業の一環として、各前方接続部31が設置部1Aの裏面側より、シートパッキン1Cを介在させながら貫通孔1Bに挿入される。これにより、各前方接続部31は各貫通孔1B内に納まった状態となる。また、本例では、各前方接続部31が雌型に形成され、シール部材34、34が外部へと露呈しないため、この挿入作業の際に各貫通孔1Bの内壁面やこの内壁面に存在する「バリ」等が、シール部材34、34に接触することはない。
【0025】この挿入作業によって固定ステー40の前面が設置部1Aの裏面にシートパッキン1Cを挟んで当接する。尚、本例では、固定ステー40の前面を用いて、設置部1A裏面に当接する当接面を構成したが、前方接続部31の根本側にフランジ部を延出し、このフランジ部の前面によって、この当接面を構成してもよい。また、本例と異なり、各水道配管1Fと各後方接続部32との接続作業や、前方接続部31の貫通孔1Bへの挿入作業を、奥壁前方に予め立設された設置部1Aの裏面側で行う場合には、設置部1Aに適宜な作業口を設ければよく、作業性の面で、可撓管で構成された水道配管1Fを用いることが好適である。
【0026】固定部材44は、図2に示すように、固定鍔45を備えたナットにより構成され、内周面には前方接続部31の雄ネジ33に螺合可能な雌ネジ46を備える。この固定部材44は、シートパッキン1Dと取付ステー50とを介在させた状態にて、設置部1Aの表面側より貫通孔1Bに挿入され、前方接続部31に螺合締結される。これにより、固定鍔45と固定ステー40の前面とで設置部1Aを挟持して接続具Sは設置部1Aに堅固に固定される。尚、本例と異なり、固定部材44が雄型とされ、前方接続部31が雌型とされてもよいし、両者の取着方法も螺合に限定されない。
【0027】図3に示すように、本例では、水栓本体11が設置部1Aに取付ステー50と補助プレート51とを介して固定されている。ここで、補助プレート51は、水栓本体11を設置部1Aに固定する機能を有するものであるが、この機能以外にも、後述するように、請求項4の発明に従って、シャワー接続具70の抜け止めをも行うものである。尚、設置部1Aへの水栓本体11の固定に際しては、この補助プレート51を省略して、水栓本体11を直に取付ステー50に取り付けるよう構成してもよい。また、水栓本体11を設置部1Aに直に固定してもよいし、ソケット等の接続管を介して設置部1Aに固定してもよい。
【0028】一方、取付ステー50は、設置部1Aに予め取着されて水栓本体11を設置部1Aに取り付けるためのものである。この取付ステー50は、水栓本体11の背面側に配置されるものであり、図2に示すように、略矩形の薄板を主体に構成され、左右両端側に挿通孔52を備えている。そして、挿通孔52に固定部材44のボスを挿通させた状態で、固定鍔45と設置部1Aとに挟持され、設置部1Aの表面に固定されている。また、図3に示すように、取付ステー50の上部両側面からは、先端を略鍵型形状としたフック53が突設し、下部の両端側からは、内周面に雌ネジを刻設した連結筒54が突出している。
【0029】補助プレート51は、図3に示すように、水栓本体11の底面に取着されるものである。この補助プレート51は、断面略くの字状の薄板を用いて構成され、水栓本体11の底面に止めネジ59を用いて固定される平板部57と、水栓本体11の下方に垂下する、左右一対の垂下部60とを備える。また、平板部57の後方側の端縁には、略半円状の切り欠き部58が設けられ、請求項4の発明の係止部58の一具体例を構成している。
【0030】本例では、図3に示すように、補助プレート51を抜け止め部材として、この補助プレート51の水栓本体11への取着に伴って、シャワー接続具70を水栓本体11に抜け止め固定している。次に、この点に関し、図4を中心に詳述する。シャワー接続具70としては、シャワーエルボーが採用されており、図4に示すように、このシャワー接続具70は、略筒形状とされた挿嵌部71と、略エルボー形状とされた接続具本体72とを備える。また、挿嵌部71及び接続具本体72の境界には被係止部73が周回溝状に設けられ、この被係止部73には前述の補助プレート51の係止部58が嵌合可能となっている。但し、請求項3の発明の「被係止部」はこれに限定されず、例えば、挿嵌部71と接続具本体72との境界に設けられる段部等であってもよい。また、挿嵌部71の上端部74及び下端部75の各周面には各々周回溝が設けられ、各周回溝にはシール部材76、76がはめ込まれ、中間部には周方向に沿って略等間隔に4つの連通孔77が穿設されている。
【0031】ここで、図4に示す水栓本体11内の空間部分17は、前述のシャワー側の流出路16と連通するシャワー室17を示している。このシャワー室17の下面側には第1の取付孔18が略筒状に開口し、上面側には第2の取付孔19が略筒状に開口している。尚、本例では、第1の取付孔18及び第2の取付孔19に雌ネジを設ける必要がなく、また、雌ネジを設けるために第1の取付孔18及び第2の取付孔19を厚肉に形成する必要がないため、水栓本体11の構造の簡略化が図られている。また、図4に示すカラン14には、前述のカラン側の流出路15が連通している。
【0032】本例では、前記シャワー接続具70の挿嵌部71を、その上端部74側より、第1の取付孔18を通じてシャワー室17に挿入し、続いて、上端部74を第2の取付孔19に挿嵌し、下端部75を第1の取付孔18に挿嵌する。これにより、シャワー接続具70の内部空間は連通孔77を介してシャワー室17と連通する。本例では、図4に示すように、シャワー配管1Kが設置部1Aの裏面側において引き回される、いわゆる「裏配管」とされており、シャワー配管1Kの始端が水栓10の下方において設置部1Aから突出されている。このため、シャワー接続具70の装着作業に際しては、接続具本体72の配管接続部80が、シャワー配管1Kの始端と連結可能な方向、即ち、配管接続部80の開口端が設置部1Aと対向する方向に調節される。この調節作業は、挿嵌部71の軸線を中心に、シャワー接続具70を回転するだけで行うことができるため、容易である。
【0033】尚、本各発明においては、第1の取付孔18の内壁面若しくは第2の取付孔19の内壁面の少なくとも一方に、図5(a)に示す平面状や、図示しない凹面状、凸面状等の各種面形状の位置決め面78を設けると共に、これに対応する挿嵌部71の周面部分に位置決め面78と衝合可能な衝合面79を設け、位置決め面78と衝合面79とを位置合わせしながらシャワー接続具70を装着してもよい。このようにすると、水栓本体11へのシャワー接続具70の装着によってシャワー接続具70の位置決めがなされるため、上記調節作業を省略することができる。
【0034】シャワー接続具70の抜け止め固定は、図4に示すように、補助プレート51の係止部58を被係止部73にその側方よりはめ込みつつ、この補助プレート51の平板部57を水栓本体11の底面に固定することによって行われる。このように、本例では、請求項4の発明に従って、「抜け止め部材」として他の機能を有する部材を採用しているため、抜け止めだけのために別途の部材を用意する必要がない。よって、部品点数の減少や水栓10全体の構造の単純化を図ることができる。尚、請求項1及び請求項2の発明においては、シャワー接続具70を水栓本体11に直に抜け止め固定してもよい。例えば、シャワー接続具70を第1の取付孔18の内壁面若しくは第2の取付孔19の内壁面の少なくと一方に接着固定したり、ロー付け固定してもよい。また、シャワー接続具70を第1の取付孔18若しくは第2の取付孔19の少なくと一方に止めネジにより固定してもよい。更には、図5(b)に示すように、第2の取付孔19の開口部よりも大径のフランジ部を備える止めネジ85を上端部74に螺着して、シャワー接続具70を抜け止め固定してもよい。
【0035】一方、本例では、請求項2の発明に従って、挿嵌部71を2つの取付孔18、19に挿嵌して2個所にて支持することにより、シャワー接続具70の取付安定性を高めているが、請求項1、3及び4の各発明においては、図5(c)に示すように、挿嵌部71を1つの取付孔18のみに挿入してもよい。この態様においてはシャワー接続具70の構造の単純化やコンパクト化を図ることができる。
【0036】補助プレート51及びシャワー接続具70を取着した水栓本体11には、主カバー21と、左右の両操作部1E、1Eとが取着された後に取付ステー50に取り付けられ、設置部1Aに設置される。この主カバー21等を取着した水栓本体11は、図1に示すように、湯側の接続口13を左側の前方接続部31に位置合わせし、水側の接続口13を右側の前方接続部31に位置合わせしながら、設置部1Aの側へと押し込まれる。この押し込み作業は、水栓本体11の平滑面12が、固定部材44の表面47に当接するまで行われ、この押し込み作業の後に、水栓本体11が取付ステー50に固定され、設置部1Aに取着される。即ち、図3に示すように、フック53先端側を挟着した状態にて、水栓本体11の両側面のネジ穴に止めネジ55を螺合し、垂下部60を挟着した状態にて、連結筒54の雌ネジに止めネジ56を螺合する。
【0037】この取付ステー50への水栓本体11の固定が完了した後に、副カバー22が装着される。この際、図4に示すように、接続具本体72は副カバー22の通過口24を通じて外部に露呈する。そして、接続具本体72の配管接続部80と、シャワー配管1Kの始端とを袋ナット84等を介して接続する。この接続作業は、配管接続部80とシャワー配管1Kの始端とが正確に位置合わせされているため、円滑に行われる。
【0038】尚、本例では、本各発明の「裏配管」への一適用例を示しているが、シャワー配管1Kが設置部1Aの前面側を主体に引き回される、いわゆる、「表配管」に対しても好適に適用できる。この場合には、シャワー接続具70として、シャワーエルボーに代えて、直管状のものを用いることもできる。
【0039】また、本各発明では、「方向性を有するシャワー接続具」の配管接続部の方向を、挿嵌部の軸心を中心とした何れの回転方向に向けてもよい。この点に関し、本例を用いて具体的に述べると、前記被係止部73を周回溝状に設けているため、シャワー接続具70を挿嵌部71の軸心を中心として何れの回転角に回転させても、被係止部73には係止部58が嵌合可能である。このため、例えば、シャワー配管1Kの始端が水栓10の下方において右側方より到達している場合には、シャワー接続具70を本例に比べて右回転させた状態にて水栓本体11に取着すれば、配管接続部80の開口端をシャワー配管1Kの始端に対向する方向に向けることができる。
【0040】また、本各発明においては、被係止部73及び係止部58間の係止状態を緩和する等して、既に水栓本体11に取り付けられたシャワー接続具70を、挿嵌部71の軸心を中心として回転自在とすることもできる。この場合には、例えば、シャワー接続具70を取着した状態にて水栓10が工場出荷されたとしても、施工現場におけるシャワー配管1Kの引き回し状態に応じて、シャワー接続具70を取着したままの状態にて、シャワー接続具70を所望方向に回転し、配管接続部80をシャワー配管1Kに的確に接続することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本各発明のシャワー接続具の取付構造によると、シャワー接続具を水栓本体に対して正確に位置決めすることができ、しかも、水栓本体の構造の簡略化を図ることもできる。
【出願人】 【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社ケーブイケー
【出願日】 平成11年6月2日(1999.6.2)
【代理人】 【識別番号】100101410
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武司
【公開番号】 特開2000−346260(P2000−346260A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−155808