| 【発明の名称】 |
耐圧ホース |
| 【発明者】 |
【氏名】鍋嶋 義和
【氏名】山北 聡
|
| 【要約】 |
【課題】複数のモノフィラメントを連接して、それを取り扱いやすくするとともに、強度アップなどを図れるようにする。
【解決手段】複数本のモノフィラメント4〜8を幅方向に連接した連結連糸9で編み布2を構成しながら、チューブ1の表面を覆ったものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数本のモノフィラメントを幅方向に連接した連結連糸で編み布を構成しながら、チューブの表面を覆ってなる耐圧ホース。 【請求項2】 連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、他のモノフィラメントよりも太くしたモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ請求項1記載の耐圧ホース。 【請求項3】 他のモノフィラメントよりも太くした特定のモノフィラメントの断面形状を円形にした請求項2記載の耐圧ホース。 【請求項4】 連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、他のモノフィラメントとはその断面形状を異にしたモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ請求項1または2記載の耐圧ホース。 【請求項5】 連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、他のモノフィラメントはその材質を異にしたモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ請求項1〜4のいずれか1に記載の耐圧ホース。 【請求項6】 連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、導電性を有するモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ請求項1〜4のいずれか1に記載の耐圧ホース。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、チューブの表面を編み布で覆った耐圧ホースに関する。 【0002】 【従来の技術】耐圧ホースには、チューブ1の柔軟性を維持して、しかも、その耐圧強度を上げるために、モノフィラメントで編み布2を編成しながら軟質合成樹脂製のチューブ1の周囲を覆うことが、従来から知られている。また、編成効率を上げるために、図4,5に示すように、複数本のモノフィラメントを一束にしてなるモノフィラメント束3を、1本の糸のようにして編成した編み布2で、軟質合成樹脂製のチューブ1の周囲を覆うことも従来から知られている。 【0003】複数のモノフィラメントを一束にしたモノフィラメント束3を用いるのは、その編成効率を高めるためである。例えば、モノフィラメントを1本ずつ単独で編成していけば、どうしても編み布2の編成に時間がかかってしまう。しかし、上記したようにモノフィラメント束3を用いれば、その束にしたモノフィラメントをいっぺんに編成できるので、それだけ編成効率がよくなる。このような観点から、最近では、複数のモノフィラメントを一束にしたモノフィラメント束3を用いた編み布2で、チューブ1の表面を覆った耐圧ホースが多く出回っている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のようにした従来の耐圧ホースでは、編み布2を編成する前に、複数のモノフィラメントを束ねる作業をしなければならない。その一つとして、モノフィラメント束3の端末がばらけないようにすることである。もし、モノフィラメント束3の端末がばらけてしまうと、その編成作業がうまくいかなくなるからである。編成作業がうまくいかないだけではない。この編み布2で覆ったホースを、例えば希望の長さでカットすると、その切り口でモノフィラメントがばらけてしまう。しかし、ホース端には継手などをはめることが多いので、ホースの切り口でモノフィラメントがばらけると、継手などがはめにくくなる。さらに、ホース端の耐圧性が劣ってしまう。 【0005】また、モノフィラメント束3を構成する1本1本のモノフィラメントのテンションも等しくしておかなければならない。1本1本のモノフィラメントのテンションがまちまちだと、編み布2の表面の張り具合も不均一になり、その表面がでこぼこしてしまう。編み布2の表面がでこぼこすれば、商品価値がなくなるだけでなく、テンションが弱いモノフィラメントの部分の耐圧性も劣ってしまう。したがって、従来の端末ホースでは、端末をそろえたり、テンションを均一化させたりするための前処理工程が多くなるという問題があった。 【0006】さらに、1本1本のモノフィラメントを別々にしておくと、ホースの使用中に、モノフィラメントの1本でも切れてしまうと、その部分の耐圧強度が落ちてしまう。特に、その切れたモノフィラメントが編み布2から抜けてしまうと、耐圧強度が極端に落ちてしまう。また、上記のようにモノフィラメントが切れて、その部分の強度が落ちたままにしておくと、ホース内に高圧が作用したときに、ホース全体の圧力バランスが崩れてそれが蛇行することもある。ホースの蛇行は、周辺に精密機械や部品などがある場合に特に問題になる。この発明の目的は、チューブ表面を編み布で覆ってを耐圧強度を高めるとともに、編み布の編成効率を高められる耐圧ホースを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数本のモノフィラメントを幅方向に連接した連結連糸で編み布を構成しながら、チューブの表面を覆った点に特徴を有する。第2の発明は、連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、他のモノフィラメントよりも太くしたモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ点に特徴を有する。第3の発明は、他のモノフィラメントよりも太くした特定のモノフィラメントの断面形状を円形にした点に特徴を有する。 【0008】第4の発明は、連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、他のモノフィラメントとはその断面形状を異にしたモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ点に特徴を有する。第5の発明は、連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、他のモノフィラメントはその材質を異にしたモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ点に特徴を有する。第6の発明は、連結連糸を構成するモノフィラメントのうち、導電性を有するモノフィラメントを、少なくとも1本含んだ点に特徴を有する。 【0009】 【発明の実施の形態】図1に示した第1実施例は、5本のモノフィラメント4〜8をその幅方向に連接して連結連糸9を構成したものである。そして、上記モノフィラメント4〜8のうち、中央に位置する1本のモノフィラメント6を他のものよりも太くしている。このようにした連結連糸9を、1本の糸のようにして編み布2を形成しながら、チューブ1の周囲を覆ったもので、連結連糸9を用いたこと以外は、従来と同様である。 【0010】上記のように複数のモノフィラメント4〜8を幅方向に連接した連結連糸9を用いたので、編み布2を編成するとき、端末をわざわざ整えなくても、それがばらけたりしない。また、連結連糸9を用いた編み布2でチューブ1を覆った場合に、そのホースを希望の長さにカットしたりしても、その切り口においてモノフィラメントがばらけたりしない。ホースの切り口には、継手などをはめたりするので、そこのモノフィラメントがばらけると、継手などをはめにくくなる。しかし、この実施例のように、連接連糸9を用いれば、そのような不都合もない。 【0011】さらに、複数のモノフィラメントが連接しているので、それらを1本の糸として扱える。したがって、各モノフィラメント4〜8のテンションを意識的に整える必要がなくなり、それだけ編み布2の編成の前処理工程が、従来のものよりも少なくてすむ。 【0012】一方、上記連結連糸9を用いて編み布2を編成したときには、たとえ、モノフィラメント4〜8のうちの1本が切断したとしても、その切断した1本のモノフィラメントが抜けてしまったりして、その部分の強度が極端に弱くなることもない。 【0013】複数のモノフィラメント4〜8を連接しただけで、以上のような効果を期待できるが、この実施例では、複数のモノフィラメントのうち、中央に位置するモノフィラメント6の太さを、他のものよりも太くしているので、さらに次のような効果も期待できる。すなわち、モノフィラメント6の太さが太いということは、その剛性も高くなる。連結連糸9の中に、剛性の高いモノフィラメントが1本でもあれば、それによって編成される編み布2の剛性も高くなるし、当然のこととして、ホースそのものの剛性も高まる。このように剛性が高まるので、いわゆるキンクしない腰のあるホースを得ることができる。 【0014】また、この第1実施例では、太さを太くしたモノフィラメント6の断面形状を円形にしているので、ホースを床などに接触させたとき、この太いモノフィラメント6が主に接触することになる。しかも、この太いモノフィラメント6の断面形状を円形にしているので、円の接線方向の1点が接触することになる。このように円の接線方向の1点が接触するので、ホースの側面がべったりと接触する場合よりも滑り性に優れたものになる。 【0015】ホースの滑り性は、それをリールなどに巻き付けるときに、特に効果を発揮する。ホースをリールに巻き付けるときにホースに滑り性がないと、幾重にも重なったホースとホースとの間に、どうしてもすき間ができてしまう。このすき間が大きくなればなるほど、巻き径が極端に大きくなってしまう。どうしても巻き径が大きくなってしまう場合には、その巻き径に合わせてリールも大型化しなければならないなど、いろいろなところに悪影響が波及する。 【0016】しかし、この実施例ではホースの滑り性を維持できるので、上記した問題は発生しない。しかも、特定のモノフィラメントの太さをただ単に太くするだけで、滑り性をよくできるので、コスト的にも有利なものとなる。なお、他のものよりも太くしたモノフィラメントの断面形状を、第1実施例では円形にしたが、それが真円である必要はない。楕円形であってもよいし、いわゆる円形に近いものであればどのようなものでもよい。 【0017】また、この第1実施例では、1本のモノフィラメント6だけを太くしたが、他のものよりも太いモノフィラメントを、少なくとも1本含んでいれば、上記した効果を期待できる。また、他のものより太いモノフィラメントを2本以上含んでいてもよい。太いモノフィラメントを、どのような位置に何本含ませるかは、ホースの用途等に応じて決めればよいことである。 【0018】図2に示した第2実施例は、複数のモノフィラメント4〜8のうち、中央に位置するモノフィラメント6の形状を、他のモノフィラメントと相違させたものである。すなわち、中央のモノフィラメント6の断面形状を長方形にし、その他のモノフィラメントの断面形状を円形にしたものである。このように異形のモノフィラメントを含ませることによって、ホースの特性などを自由に決めることができる。例えば、図示のように中央のモノフィラメント6の断面形状を長方形にすることによって、連接連糸の幅方向の引っ張り強度を高めたりできる。 【0019】図3に示した第3実施例は、複数のモノフィラメント4〜8のうち、その中央のモノフィラメント6の材質を他のものと相違させたものである。すなわち、中央のモノフィラメント6を導電性樹脂で構成したものである。このように導電性樹脂を用いることによって、ホースに発生する静電気を除去できる。このホースに発生する静電気は、火花を発生させたり、コンピューターの誤作動を招いたりしていたが、この第3実施例のホースには、そのような問題が発生しない。 【0020】なお、この発明において、モノフィラメント6の材質とは、いわゆる物性的な材質だけでなく、導線を埋設したような構造的に異なるものも含む概念として用いている。したがって、この第3実施例で、特定のモノフィラメントに導線を埋設したものを用いてもよいこと当然である。また、上記のように材質を異ならせて達成しようとする効能は、何も導電性に限らない。例えば、特定のモノフィラメントに摺動剤としてのシリコンを混入したものを用いれば、摺動性に優れたホースを得ることができる。いずれにしても、特定のモノフィラメントを、他のものと材質を相違させることによって、目的の特性が得られることになる。したがって、必要とする特性に応じて、材質を選択すればよい。 【0021】 【発明の効果】第1の発明によれば、複数のモノフィラメントを幅方向に連接した連結連糸を用いたので、編み布を編成するとき、端末をわざわざ整えなくても、それがばらけたりしない。また、連結連糸を用いた編み布でチューブを覆った場合に、そのホースを希望の長さにカットしたりしても、その切り口においてモノフィラメントがばらけたりしない。ホースの切り口には、継手などをはめたりするので、そこのモノフィラメントがばらけると、継手などをはめにくくなる。しかし、連接連糸9を用いれば、そのような不都合もない。 【0022】さらに、複数のモノフィラメントが連接しているので、それらを1本の糸として扱える。したがって、各モノフィラメントのテンションを意識的に整える必要がなくなり、それだけ編み布の編成の前処理工程が、従来のものよりも少なくてすむ。一方、上記連結連糸を用いて編み布を編成したときには、たとえ、モノフィラメントのうちの1本が切断したとしても、その切断した1本のモノフィラメントが抜けてしまったりして、その部分の強度が極端に弱くなることもない。 【0023】さらに、複数のモノフィラメントが連接しているので、それらを1本の糸として扱える。したがって、各モノフィラメント4〜8のテンションを意識的に整える必要がなくなり、それだけ編み布2の編成の前処理工程が、従来のものよりも少なくてすむ。 【0024】第2の発明によれば、複数のモノフィラメントのうち、特定のモノフィラメントの太さを、他のものよりも太くしているので、ホースの剛性を高くできる。連結連糸の中に、剛性の高いモノフィラメントが1本でもあれば、それによって編成される編み布の剛性も高くなるし、当然のこととして、ホースそのものの剛性も高まる。このように剛性が高まるので、いわゆるキンクしない腰のあるホースを得ることができる。 【0025】第3の発明によれば、太くした特定のモノフィラメントの断面形状を円形にしたので、ホースを床などに接触させたとき、この太い円形のモノフィラメントが主に接触することになる。しかも、このときには、特定の太いモノフィラメントの断面円形の1点、すなわち接線方向の1点が接触することになる。このように円の接線方向の1点が接触するので、ホースの側面がべったりと接触する場合よりも滑り性に優れたものになる。 【0026】ホースの滑り性は、それをリールなどに巻き付けるときに、特に効果を発揮する。ホースをリールに巻き付けるときにホースに滑り性がないと、幾重にも重なったホースとホースとの間に、どうしてもすき間ができてしまう。このすき間が大きくなればなるほど、巻き径が極端に大きくなってしまう。このように巻き径が大きくなってしまう場合には、その巻き径に合わせてリールも大型化しなければならないなど、いろいろなところに悪影響が波及する。しかし、上記のように特定のモノフィラメントを太くして、その断面形状を円形にしているので、このような悪影響を回避できる。 【0027】第4の発明によれば、複数のモノフィラメントのうち、特定のモノフィラメントの形状を、他のモノフィラメントと相違させたので、ホースの特性などを自由に決めることができる。例えば、特定のモノフィラメントの断面形状を長方形にすることによって、連接連糸の幅方向の引っ張り強度を高めたりできる。 【0028】第5の発明によれば、特定のモノフィラメントの材質を他のものと相違させたので、ホースの特性などを自由に決められる。例えば、特定のモノフィラメントに摺動剤としてのシリコンを混入したものを用いれば、摺動性に優れたホースを得ることができる。いずれにしても、特定のモノフィラメントを、他のものと材質を相違させることによって、目的の特性が得られることになる。 【0029】第6の発明によれば、特定のモノフィラメントに導電性を持たせたので、ホースに発生する静電気を除去できる。このホースに発生する静電気は、火花を発生させたり、コンピューターの誤作動を招いたりしていたが、この発明によれば、そのような問題が発生しない。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000134534 【氏名又は名称】株式会社トヨックス
|
| 【出願日】 |
平成11年6月3日(1999.6.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076163 【弁理士】 【氏名又は名称】嶋 宣之
|
| 【公開番号】 |
特開2000−346250(P2000−346250A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月15日(2000.12.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−155988 |
|