| 【発明の名称】 |
樹脂継手 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮木 誠二
【氏名】山田 昌弘
|
| 【要約】 |
【課題】継手本体と樹脂管の被接続部全体にわたって均等に加熱でき、停電にも影響されず、継手本体の樹脂が溶融して発熱体同士が接触したとしてもショートする心配がないと共に、溶融した継手本体と樹脂管の被接続部を冷却して固着する冷却時間を短くして作業効率の高い樹脂継手を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂製の管を内嵌させるための熱可塑性樹脂製の継手本体1を設け、前記継手本体1の内周部に、前記継手本体1と前記樹脂管2の被接続部3とを溶着させる熱エネルギーを発生する発熱体4を埋設してある樹脂継手1において、前記発熱体4をヒートパイプ5により形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂製の管を内嵌させるための熱可塑性樹脂製の継手本体を設け、前記継手本体の内周部に、前記継手本体と前記樹脂管の被接続部とを溶着させる熱エネルギーを発生する発熱体を埋設してある樹脂継手であって、前記発熱体がヒートパイプにより形成されている樹脂継手。 【請求項2】 前記継手本体の内周部に埋設するヒートパイプの形状を網筒状に形成してある請求項1記載の樹脂継手。 【請求項3】 前記ヒートパイプを、前記継手本体の内周部に沿うC型形状に形成すると共に前記継手本体の長手方向に沿って複数並設してある第1ヒートパイプ部と、前記C型形状の第1ヒートパイプ部の各々を連通状態に接続する第2ヒートパイプ部とで形成してある請求項1記載の樹脂継手。 【請求項4】 前記第2ヒートパイプ部に連通状態に接続してある複数の前記第1ヒートパイプ部における前記各々の第1ヒートパイプ部先端の方向を、隣合うもの同士で前記継手本体の内周部に沿った周方向への延出方向を異ならせて前記継手本体の長手方向に並設して形成してある請求項3に記載の樹脂継手。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂製の管を内嵌させるための熱可塑性樹脂製の継手本体を設け、前記継手本体の内周部に、前記継手本体と前記樹脂管の被接続部とを溶着させる熱エネルギーを発生する発熱体を埋設してある樹脂継手に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の樹脂継手としては、発熱体としてニクロムまたは鉄クローム合金などでできた電熱線を、継手本体の内周部にコイル状に埋設して構成してあった。そのため、前記電熱線への通電を行ってジュール熱を発生させ、その発熱で前記継手本体と樹脂管の被接続部とを加熱溶融して接合させた後、自然冷却して固着していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来の樹脂継手によれば、前記電熱線に通電加熱して継手本体と樹脂管の被接続部とを溶着するのであるが、電熱線による通電加熱だと、電気抵抗及び電圧に影響され易いので、継手本体と樹脂管の被接続部全体にわたって均等加熱を行い難くなり易いと共に、電熱線の温度を調節するために電圧をコントロールするコントローラを設ける必要があるので、前記コントローラに異常を生じたり、断線又は停電になったりしたときには溶着作業ができなくなっていた。また、通電加熱により継手本体の樹脂が溶融したときに、隣接するコイル同士が接触した場合、ショートする心配がある。さらに、溶融した継手本体と樹脂管の被接続部を冷却して固着する冷却時間は、自然冷却のため時間がかかり、作業性の悪いものであった。 【0004】従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、継手本体と樹脂管の被接続部全体にわたって均等に加熱でき、停電にも影響されず、継手本体の樹脂が溶融して発熱体同士が接触したとしてもショートする心配がないと共に、溶融した継手本体と樹脂管の被接続部を冷却して固着する冷却時間を短くして作業効率の高い樹脂継手を提供するところにある。 【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴構成は図1に例示するごとく、熱可塑性樹脂製の管2を内嵌させるための熱可塑性樹脂製の継手本体1を設け、前記継手本体1の内周部に、前記継手本体1と前記樹脂管2の被接続部3とを溶着させる熱エネルギーを発生する発熱体4を埋設してある樹脂継手であって、前記発熱体4がヒートパイプ5により形成されているところにある。 【0005】請求項2の発明の特徴構成は図2に例示するごとく、前記継手本体1の内周部に埋設するヒートパイプ5の形状を網筒状に形成してあるところにある。 【0006】請求項3の発明の特徴構成は図4,5に例示するごとく、前記ヒートパイプ5を、前記継手本体1の内周部に沿うC型形状に形成すると共に前記継手本体1の長手方向に沿って複数並設してある第1ヒートパイプ部5cと、前記C型形状の第1ヒートパイプ部5cの各々を連通状態に接続する第2ヒートパイプ部5bとで形成してあるところにある。 【0007】請求項4の発明の特徴構成は図6に例示するごとく、前記第2ヒートパイプ部5bに連通状態に接続してある複数の前記第1ヒートパイプ部5cにおける前記各々の第1ヒートパイプ部5c先端の方向を、隣合うもの同士で前記継手本体1の内周部に沿った周方向への延出方向を異ならせて前記継手本体1の長手方向に並設して形成してあるところにある。 【0008】尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。 【0009】〔作用及び効果〕請求項1の発明により、熱可塑性樹脂製の管を内嵌させるための熱可塑性樹脂製の継手本体を設け、前記継手本体の内周部に、前記継手本体と前記樹脂管の被接続部とを溶着させる熱エネルギーを発生する発熱体を埋設して、前記発熱体がヒートパイプにより形成されているから、前記継手本体と前記樹脂管の被接続部とを溶着する作業性を向上させることができる。つまり、ヒートパイプは、熱応答性がよく、どのような熱源であっても小さい温度差で大量の熱を輸送することができると共に、ヒートパイプ全体にわたる温度分布においても等温化が図れるので、通電することなく熱源を接触するだけで継手本体と樹脂管の被接続部を熱溶着することができる。例えば、熱源をガスヒーターとして、前記ガスヒータでヒートパイプの端部を加熱した場合、電気を使用することなく継手本体と樹脂管の被接続部を加熱溶融することができる。このとき、ヒートパイプを製造する際の封入液の種類、封入圧等により加熱温度を設定することができるので、使用温度に適した加熱温度になるようにヒートパイプを予め製造しておくことで、安定した使用温度を現出させることができる。また、加熱により継手本体の樹脂が溶融したときに、例え、隣接するヒートパイプ同士が接触したとしても、電熱線と違って短絡することがない。さらに、溶融した継手本体と管の被接続部を冷却するときには、ヒートパイプの端部に冷熱源を接触するだけで、溶融した継手本体と管の被接続部を急冷して固化することができる。その結果、停電に影響されることなく、継手本体と管の被接続部全体にわたって均等加熱することができると共に、ショートすることなく、正確で安定して融着作業ができる。その上、融着部を強制冷却することもできるために、冷却時間を短くすることができ、作業効率を高めることができるようになった。 【0010】請求項2の発明により、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記継手本体の内周部に埋設するヒートパイプの形状を網筒状に形成してあるから、さらに均等加熱を行うことができ、前記継手本体と前記樹脂管の被接続部とを溶着する作業性を向上させることができると共に、継手本体の強度を高めることができる。つまり、網目状に形成したヒートパイプを、筒状にして継手本体の内周部に埋設してあるので、コイル状に巻回して埋設したものに比して、継手本体の強度を高くすることができると共に、網目に配置されたヒートパイプにより縦横に均等に熱を伝えることができる。その結果、継手本体の変形を防止できると共に、継手本体と管の被接続部をムラなく溶融できるので溶着性能を高めることができる。 【0011】請求項3の発明により、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記ヒートパイプを、前記継手本体の内周部に沿うC型形状に形成すると共に前記継手本体の長手方向に沿って複数並設してある第1ヒートパイプ部と、前記C型形状の第1ヒートパイプ部の各々を連通状態に接続する第2ヒートパイプ部とで形成してあるから、効率の良い均等な熱伝導を行える。つまり、前記ヒートパイプの加熱端部から前記C型形状の第1ヒートパイプ部各々の端部までの距離を、ヒートパイプを一連に延設して前記継手本体の内周部に巻回して形成したものに比して短くできるので、ヒートパイプに封入した封入液の行き来が速やかになり、効率の良い熱輸送が行える。その結果、前記継手本体と前記樹脂管の被接続部とを溶着する溶着性能を高めることができ、作業効率を高めることができるようになった。 【0012】請求項4の発明により、請求項3による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記第2ヒートパイプ部に連通状態に接続してある複数の前記第1ヒートパイプ部における前記各々の第1ヒートパイプ部先端の方向を、隣合うもの同士で前記継手本体の内周部に沿った周方向への延出方向を異ならせて前記継手本体の長手方向に並設して形成してあるから、速やかに均等加熱することができる。つまり、継手本体長手方向における前記継手本体の内周部に沿った周方向での熱の輸送方向が交互になるので加熱が偏ることなく前記継手本体全体に対して均等に加熱することができる。その結果、溶着性能を高めることができると共に、作業効率を高めることができるようになった。 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明に関わる樹脂継手Tは、都市ガス、プロパンガス等のガス用配管の接続に使用される。図1に示すように、熱可塑性のポリエチレン樹脂製(PE)の樹脂管2に対して、熱溶着自在な熱可塑性のポリエチレン樹脂にて筒状の継手本体1を形成すると共に、その継手本体1の内周部に、前記継手本体1と前記樹脂管2とを溶着させるための熱エネルギーを発生する発熱体4が埋設されて構成されている。 【0013】前記発熱体4は、その端部に熱源を接触させるだけで前記継手本体1と前記樹脂管2の被接続部3を熱溶着することができる熱エネルギーを発生するヒートパイプ5にて構成されており、前記筒状の継手本体1の左右両側から接続対象の樹脂管2が内嵌される左右の内周部に、前記継手本体1の中央部及び両端部を除いて、螺旋状に巻回される状態で左右別々に独立した状態で埋め込まれている。 【0014】前記ヒートパイプ5は、図1,2に示すように、螺旋状に巻回した極細の金属管内に少量の水を真空状態で封入して形成してある。つまり、真空状態では水はすぐに蒸発するので、継手本体1外に出ているヒートパイプ5の端部5aにガスヒータ6(熱源の一例)を接触させると、管内の水が熱エネルギーを吸収しながら蒸発して移動し、継手本体1内で熱ネルギーを放出する。そして、前記金属管の内面には縦溝が彫ってあるので、熱エネルギーを放出後、液化した水が毛細管現象で前記ヒートパイプ5の端部5aにもどり、また、前記ガスヒータ6により蒸発して移動し、継手本体1での熱エネルギー放出を繰り返す。このようにして通電することなくガスヒータ6を接触するだけで熱エネルギーを発生し、継手本体1と樹脂管2の被接続部3とを熱溶着することができる。尚、ヒートパイプ5の途中、例えば、継手本体1の内周部以外の溶融しては困る部分には、断熱材を入れることによって、熱のロス、及び溶融を防ぐことができる。また、ヒートパイプ5の金属管内に封入する封入液の種類、又は封入圧により加熱溶融する使用温度を変更することができるので、ヒートパイプ5の製造時に使用温度を設定することが可能である。 【0015】次に、前記ヒートパイプ5による継手本体1と樹脂管2の被接続部3とを熱溶着する加熱行程と、溶融した継手本体1と樹脂管2の被接続部3を冷却して固着する冷却行程について説明する。かかる樹脂継手1を用いて、樹脂管2を熱溶着して接続する加熱行程は、図1に示すように、継手本体1の両側に、各樹脂管2の端部を内嵌させた状態を保持しつつ、左右の各ヒートパイプ5の端部夫々に熱源としてのガスヒータ6を接触させて、熱エネルギーを発生させ、その熱によって、ヒートパイプ5の周囲の樹脂、つまり、継手本体1の内周部が加熱され、その部分を軟化させる。そうすると、継手本体1の熱膨張によって、一旦径方向の内側に前記継手本体1の内面が移動して、前記継手本体1の内周部と前記樹脂管2の表面部とが接触することで熱エネルギーを前記樹脂管2に伝える。そして、熱エネルギーが伝わると、前記樹脂管2の表面部分は、軟化して前記樹脂管2の外径を拡げる方向に熱膨張することにより、前記継手本体1と前記樹脂管2とが溶着することになる。次に、前記溶着した前記継手本体1と前記樹脂管2の被接続部3を冷却して固着する冷却行程は、左右の各ヒートパイプ5の端部5a夫々に氷又はドライアイス等(冷熱源の一例)を接触させることにより、前記加熱行程とは反対に、急速に冷却することができる。 【0016】〔別実施形態〕以下に他の実施形態を説明する。 〈1〉ヒートパイプ5の形状は先の実施形態で説明したコイル状に限るものではなく、例えば、図3に示すように、網筒状に形成したものを前記継手本体の内周部に埋め込んだものでも良い。 〈2〉ヒートパイプ5の形状は上記の網筒状に形成するものに限るものではなく、井桁筒状、格子筒状等、継手本体と樹脂管の被接続部とに均等に熱エネルギーを与えることができるならその形状は任意である。 〈3〉ヒートパイプ5の形状は上記の構成に限定されるものではなく、例えば、ヒートパイプの外周に放熱フィンのついたものを前記継手本体の内周部に埋め込んだものでも良い。これだと、放熱フィンを介してより熱エネルギーが伝わり易くなるので、樹脂を溶融し易くなり、溶着効率が良くなる。 〈4〉ヒートパイプ5の形状は先の実施形態で説明した左右別々に独立した形状に限るものではなく、左右のヒートパイプを一体にして形成してあるものでも良い。これだと、一度に左右の樹脂管を接続することができる。 〈5〉ヒートパイプ5の形状は、上記の構成に限定されるものではなく、例えば、図4(イ)(ロ)に示すように、継手本体1の内周部に沿うC型形状に形成した第1ヒートパイプ部5cを前記継手本体1の長手方向に沿って複数並設し、前記C型形状の各々の第1ヒートパイプ部5cの略中央部を加熱端部5aに連通接続してある第2ヒートパイプ部5bにより連通状態に一体的に接続されてヒートパイプ5を形成してあるものでも良い。 〈6〉ヒートパイプ5の形状は、上記の構成に限定されるものではなく、例えば、図5(イ)(ロ)に示すように、継手本体1の内周部に沿うC型形状に形成した第1ヒートパイプ部5cを前記長手方向に沿って複数並設し、前記C型形状の各々の第1ヒートパイプ部5cの一端部を加熱端部5aに連通接続してある第2ヒートパイプ5bにより連通状態に一体的に接続されてヒートパイプ5を形成してあるものでも良い。 〈7〉ヒートパイプ5の形状は、上記の構成に限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、継手本体1の内周部に沿うC型形状に形成した第1ヒートパイプ部5cを前記長手方向に沿って複数並設し、前記C型形状の各々の第1ヒートパイプ部5cの先端部の方向を、隣合うもの同士で前記継手本体1の内周部に沿った周方向への延出方向を異ならせると共に、第1ヒートパイプ部5c各々の他端部を加熱端部5aに連通接続してある第2ヒートパイプ部5bにより連通状態に一体的に接続されてヒートパイプ5を形成してあるものでも良い。 〈8〉熱源は先の実施形態で説明したガスヒータに限るものではなく、電熱ヒータや、バーナーの熱による直接加熱でも良い。すなわち、熱エネルギーを供給することができる熱源であれば任意である。 〈9〉ヒートパイプの使用は、上記の構成に限定されるものではなく、ヒートパイプを冷却する冷却工程にのみ使用する構成であっても良い。または、ヒートパイプ自信に通電してジュール熱を発生する通電による加熱工程と併用するものでも良い。 〈10〉樹脂継手は先の実施形態で説明したガス管に使用するものに限るものではなく、例えば、給水用、給湯用、冷暖房用、冷温水用の樹脂管継手でも良い。つまり、熱可塑性樹脂製の流体配管であれば適用可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年5月18日(1999.5.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−329284(P2000−329284A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−137225 |
|