| 【発明の名称】 |
暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】小澤 忠利
【氏名】永井 達也
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| 【要約】 |
【課題】作業者が上を歩いたり、土砂を埋め戻したときの移動、また対向する暗渠が離間方向に変位したときに、防砂部材が暗渠間の目地内にずれ込むことを防止できる暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造を提供する。
【解決手段】継手結合部(3)の外周に、可撓性の素材によって形成された帯状の防砂部材(20)を被覆し、この防砂部材を連結された一方の暗渠(1)の外周に取り付け手段(30)で固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可撓継手を介して連結された暗渠の継手結合部の外周に、可撓性の素材によって形成された帯状の防砂部材を被覆し、連結された一方の暗渠の外周に取り付け手段で固定することを特徴とする暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造。 【請求項2】 上記帯状の防砂部材は、ゴム等の可撓性素材で出来ており、その物性値が引張強度9.8MPa(100kgf/cm2)以上、伸び200%以上、硬さJIS K6253タイプA40〜80HS、圧縮永久歪30%であることを特徴とする請求項1記載の暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造。 【請求項3】 上記帯状の防砂部材は、その内部に引張強度4.9N/cm(50kgf/cm)以上の金属線・金属網等の補強部材を介装した請求項1記載の暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造。 【請求項4】 上記帯状の防砂部材は、下部防砂部材と上部防砂部材とに分割形成され、前記下部防砂部材は暗渠の継手結合部の下側を略U字状に覆い、前記上部防砂部材は暗渠の継手結合部の上側を逆U字状に覆うと共にその両端部が前記下部防砂部材の両端部の外側に重合し、該重合部が接合手段によって接合されていること、を特徴とする請求項1に記載の暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造。 【請求項5】 可撓継手を介して連結された暗渠の継手結合部の上面および両側面に、可撓性の素材によって形成された帯状の防砂部材を被覆し、連結された一方の暗渠の上面および両側面に取り付け手段で固定することを特徴とする暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、堤防等に設置される樋管等の暗渠の可撓継手による結合部位への土砂の侵入を防ぐ暗渠継手結合部への土砂侵入防止構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の河川の堤防等を横断して構築される樋管等の暗渠は、暗渠の接続目地部の外周に、耐圧用のゴムプレートを配置することにより、地盤変動に追従して変位に対応し、暗渠の接続目地部への土砂の侵入を防止していた(例えば特許第2662851号)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし従来の暗渠の継手結合部への土砂侵入防止構造にあっては、耐圧用のゴムプレートを暗渠間に設置した後、作業者が上を歩いたり、土砂を埋め戻ししたときに、また対向する暗渠が離間方向に変位したときに、耐圧用のゴムプレートが接続されるべき暗渠と暗渠の目地内にずれこむという問題点があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決するための本発明にかかる暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造は、可撓継手を介して連結された暗渠の継手結合部の外周に、可撓性の素材によって形成された帯状の防砂部材が被覆され、該防砂部材といずれか一方の暗渠の外周面との重合部が取付手段により固定されていることを特徴とする(もう一方の暗渠との重合部は、暗渠離間方向の変位に備えてフリーにしてある)。 【0005】また、帯状の防砂部材は下部防砂部材と上部防砂部材とに分割形成され、下部防砂部材は継手結合部の下側を略U字状に覆い、上部防砂部材は継手結合部の上側を逆U字状に覆うと共にその両端部が下部防砂部材の両端部の外側に重合し、該重合部が接合手段によって接合されていることを特徴とする。 【0006】また本発明の一側面においては、暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造は、可撓継手を介して連結された暗渠の継手結合部の上面および両側面に、可撓性の素材によって形成された帯状の防砂部材を被覆し、連結された一方の暗渠の上面および両側面に取り付け手段で固定することを特徴とする。 【0007】 【作用】上記の如く構成された暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造では、継手結合部への直接の土砂の侵入は、被覆された防砂部材によって防がれる。可撓継手によって結合された暗渠が地盤変動に追従して相対変位する際には、防砂部材は、その可撓性で変形して暗渠の変位を妨げることなく継手結合部を覆った状態を保つ。また外周に被覆された防砂部材の端部を一方の暗渠にボルト等で固定したため、施工取付時、作業者が上を歩いたり、土砂を埋め戻ししたときの土砂による防砂部材の移動を防止できるようになり、また暗渠が変位によって離間した時においても目地間の防砂部材の脱落量を減少させることができるため、従来の防砂部材に比してスライド方向(暗渠軸方向)の設計長さを短くすることができ、コストを低減することができる。さらに本発明の防砂部材を一方の暗渠の外周面にボルト等の取り付け手段で固定することにより、固定された側はスライドすることがないので、その分設計長さを短くできる。また構造物周辺等、防砂部材の取付スペースが少ないところにも施工できる。 【0008】更に土砂の侵入防止に関しては、目地間に掛かる主要な土圧は、暗渠上面と側面方向に集中するので、継手結合部の上面と側面のみを覆う防砂部材の使用でも充分な防砂効果がある。この暗渠上面と側面のみを覆う防砂部材を使用する場合は、コストを低減でき、施工も継手結合部に上から防砂部材をかぶせるだけでよいので容易となる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 【0010】図1は、本発明に係る暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造の一実施形態を示す斜視図、図2は、そのB−B断面図である。 【0011】図1に示されるように、暗渠1、2は、継手結合部3を介して結合されている。継手結合部3は、図2に示されるように、暗渠1、2の内周側を可撓継手10によって結合すると共にその外周に防砂部材としての防砂ゴムシート20が被覆されて構成されている。さらに防砂ゴムシート20は、後に後述するように、一方の暗渠との重合部を取り付け手段30により固定されている。 【0012】図2に示すように暗渠1、2の対向する端面の間には、暗渠1、2の相対変位を許容するための所定間隔の隙間が設定されており、この隙間は内周側の可撓継手10と外周側の防砂ゴムシート20によって囲まれて閉塞した変位許容空間4となっている。 【0013】可撓継手10は、暗渠1、2の周方向に連続し、幅方向両端部にそれぞれ装着部11が形成されると共にこの両側の装着部11に挟まれた中央に内周側の弛むように屈曲された可撓変形部12が形成されている。両装着部は図示しないボルトによってそれぞれ暗渠1、2に固定され、暗渠1、2をその内外をシールしつつ結合すると共に、可撓変形部12の弾性変形でシール状態を保って両者の変位を許容するようになっている。 【0014】また、防砂ゴムシート20は、クロロプレンゴム等の可撓性を有する素材によって所定厚さかつ所定幅の帯状に形成され、図8に示すように厚さ方向略中央の内部に補強繊維20Aが内挿されて補強されている。その長手方向(暗渠1、2の外周方向)には、図9に示されるように下部防砂部材としての下部シート21と上部防砂部材としてのシート22とに分割されている。 【0015】さらに、図10に示すように、下部防砂部材21と上部防砂部材22は、一方の暗渠に固定するために使用するアンカーボルトを挿通するための穴が暗渠1または2の外周に沿う方向に一定の間隔(200〜250mm位のピッチ)で複数開孔されている。また図9のC部相当部位の拡大図である図8に示されるように下部シート21は継手結合部3の下側から暗渠1、2の側面下部を覆うように設けられ、その先端部は、内周側(暗渠側面に当接する側)から外周面に向け所定の勾配で斜めにカットされている。 【0016】上部シート22は、継手結合部3の上側と暗渠1、2の側面を覆い、その両端部は下部シート21の先端部の上側に所定量重合して設けられている。 【0017】下部シート21と上部シート22の重合部は、図8に示されるように、上部シート22が下部シート21の端部の傾斜面に沿って乗り上げ、下部シート21の上面(外面)と上部シート22の下面(内面)のそれぞれ対応する位置に固定された接合手段としての面ファスナー21A、22Aが係合することで、下部シート21と上部シート22が接合固定されている。 【0018】なお、上部シート22と下部シート21の重合部の接合は、面ファスナーとすれば施工性容易であると共に当該接合部の防砂を完全とすることができ、また、変形の際の追従性も良好となる。 【0019】防砂部材20を一方の暗渠に取り付けるための取り付け手段30は、図1の実施形態においては、図2の断面図および図3の部分斜視図に示すように暗渠1の上面および下面の防砂ゴムシート20上に暗渠の幅方向に延長するようにして配置された押さえ板32とこの防砂ゴムシート20を貫通して暗渠1に碇着するアンカーボルト31、および図7の斜視図に示すように暗渠1の両側面上の防砂ゴムシート20上に暗渠の高さ方向に所定間隔で配置された角座金33と防砂ゴムシート20を貫通して暗渠1に碇着するアンカーボルト31によって構成されている。 【0020】取り付け部材は、上記の例に限らず、図4の側面図および図5の斜視図に示すように、防砂ゴムシート20上に暗渠の幅方向に延長する押さえ板34上に一端部35aが載置され下方にL字状に折曲した他端部35bが防砂ゴムシート20から暗渠軸方向に離間して暗渠1上に接触するように所定間隔で配置された複数のクランプ金具35と、このクランプ金具35を貫通して暗渠1に碇着するアンカーボルト31によって構成してもよい。また、図6の側面図にしめすように、押さえ板なしでクランプ金具35とアンカーボルト31によって構成してもよい。 【0021】また、図11は、暗渠の底部以外を防砂部材25で覆わせた実施形態を示す。 【0022】目地間にかかる主要な土圧は暗渠の上面と側面にかかり、底部は、土圧が低いため、防砂部材がなくても対応できる場合が多いので、このような場合にはこの実施形態を使用することができる。 【0023】図2に示されるように、防砂ゴムシート20(下部シート21及び上部シート22)の幅方向両縁部の内面側には、パッキン部材としての防砂パッキン36が接着固定されており、この防砂パッキン36は、暗渠1、2の外周面に圧接されて暗渠1、2の外周面と防砂ゴムシート20の間の隙間を塞いでいる。 【0024】防砂パッキン36は、ジオテキスタイル等の不織布により所定の厚さかつ所定幅に形成されており、その透水率は砂等の固形物は透過せず水は透過するように選択設定される。このような条件を満たす透水率:Kは、K=0.1〜0.01(cm/sec)程度が適当である。 【0025】また、防砂ゴムシート20の幅方向中央(防砂パッキン36の配設部位を除く部位)と暗渠1、2の外周面の間には、摩擦軽減シート40が介挿されている。摩擦軽減シート40は、ポリプロピレン等の樹脂繊維による織布または不織布等の透水性を有する薄いシートであって、その表面の防砂ゴムシート20に対する摩擦係数が、暗渠1、2の外周面の防砂ゴムシート20に対する摩擦係数より充分小さいように選択設定されている。 【0026】また防砂パッキン36と摩擦軽減シート40は防砂ゴムシートと重合する暗渠の外側表面との間に生じる小さな間隙を完全に密閉し土砂の侵入を防ぐために設置されているもので、また透水性を有する部材を選定している理由は、防砂パッキン36と摩擦軽減シート40が仮に止水性の部材であるとすると、暗渠軸方向の防砂ゴムシート端部(特に防砂ゴムシートが取り付け金具で固定されていない側において危惧が大きい)に浸水の集中応力が生じ、暗渠外周面との間から浸水して、結果としてそこから土砂が侵入してしまう。よって防砂パッキン36と摩擦軽減シート40には、透水性を持たせ、水分の透過を許容させることにより防砂ゴムシート端部における浸水の集中応力の発生を防ぎ、防砂ゴムシートと暗渠外周面との間から土砂が侵入するのを防止するためである。 【0027】この摩擦軽減シート40が暗渠1、2の外周面と防砂ゴムシート20の間に介装されていることで、防砂ゴムシート20は暗渠1、2の外周面に直接当接している状態に比較して容易に滑って過大な引張力が防砂ゴムシートに加わらない構造となっている。 【0028】而して、上記の如く構成された継手結合部3では、変位許容空間4内への土砂の侵入は、防砂ゴムシート20によって防がれる。また、土圧による防砂ゴムシート20の変位許容空間4内への侵入は、図12に示すように防砂ゴムシート20が暗渠1、2外周面に(摩擦軽減シート40を介して)圧接されることによる摩擦力と、一方の暗渠に防砂ゴムシート20を固定する固定手段によって防止する。 【0029】なお防砂ゴムシート20は、その物性値が引張強度9.8MPa(100kgf/cm2)以上、伸び200%以上、硬さJIS K6253タイプA40〜80HS、圧縮永久歪30%のものが相応しい、さらにその内部に引張強度4.9N/cm(50 kgf/cm)以上の金属線・金属網等の補強部材を介装することにより、土圧によって生ずる引張り力によって破断しない強度を持たせ、また暗渠が近接方向に相対変位した際に、防砂ゴムシートが折れて暗渠内側に落ち込まない程度の剛性を備えたものにしてある。 【0030】また基礎地盤の沈下等の地盤変動に際しては、可撓継手10の可撓変形部12が弾性変形し、暗渠1、2は地盤変動に追従して変位する。防砂ゴムシート20は、暗渠1、2の変位に伴って弾性屈曲すると共に摩擦軽減シート40の上を滑って暗渠1、2に対して移動して継手結合部3を覆った状態を保つ。 【0031】即ち、暗渠1、2が中心軸方向に近接する方向以外の相対変位(暗渠1、2の離間、屈曲、心づれ)をする場合には、図13、図14に示すように暗渠1、2の外縁間隔:Dが拡がる(D+α)こととなって、防砂ゴムシート20は屈曲変形のみでなく伸長変形するか暗渠に対して相対移動しなければ暗渠1、2の相対変位に対応できないが防砂ゴムシート20は暗渠1、2の外周面との間に介装された摩擦軽減シート40によって移動に抗する抵抗である摩擦力が軽減されているために比較的容易に移動することができ、暗渠1、2の相対変位を許容するのである。このように防砂ゴムシート20が暗渠1、2に対して移動して変位に対応することにより、内挿された補強コード20Aによって伸長変形が規制される防砂ゴムシート20が無理に引っ張られて破損することが防がれる。 【0032】また、暗渠1、2が近接する方向以外の変位では、変位許容空間4の容積が増大して当該変位許容空間4内が負圧となるため、暗渠1、2の外周面と防砂ゴムシート20の内面との間に隙間があると当該隙間を介して吸引力が働いて土砂を吸入するが、当該部位には摩擦軽減シート40及び防砂パッキン36が介装されているため、これらを透過した水のみが変位許容空間4内に侵入可能であって砂等が侵入することはない。従って、変位許容空間4に土砂が詰まってそれ以後の暗渠1、2の近接する変位が不能となることは防がれる。 【0033】 【発明の効果】以上述べたように、本発明による暗渠継手結合部の土砂侵入防止構造によれば、継手結合部への外周に被覆され、あるいは接続されるべき暗渠の結合部の上面と側面に被覆される防砂部材を一方の暗渠にボルト等により固定したため、施工取付時における作業者の荷重や埋め戻しの土砂による防砂部材のずれ込みを防止できるようになり、また暗渠が離間方向に変位した時においても土砂の目地内への防砂部材のずれ込み量を減少させることができる。 【0034】また防砂部材の幅方向(暗渠軸方向)の設計長さを短くすることができ、コストを低下させることができる。 【0035】また本発明の防砂部材を一方の暗渠の外周面にボルト等で固定することにより、ボルト固定された側はスライドすることがないのでスライド分を予定した設計長さを確保する必要がないので、図15に示すように構造物周辺等で防砂部材の取付スペースlが少ないところにも施工できる。 【0036】また土砂の侵入防止に関しては、目地間に掛かる主要な土圧は、暗渠上面と側面方向の目地間に集中するので底部側のプレートは省くことができ、これによってコストを低減でき、施工においても防砂部材の設置は、継手結合部に上から防砂部材をかぶせ、ボルト固定するだけでよいので容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000196624 【氏名又は名称】西武ポリマ化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月17日(1999.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070747 【弁理士】 【氏名又は名称】坂本 徹 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−320757(P2000−320757A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−135449 |
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