| 【発明の名称】 |
ラインパイプのライニング構造およびライニングの取外し方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹井 典夫
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| 【要約】 |
【課題】ラインパイプの耐用年数の永久化の目的の下で、ライニングチューブのコストの低減をもたらして経済性を高める。
【解決手段】パイプの内周面に沿わせて配設するライニングチューブ1の肉厚を、それの周方向で、輸送流体による摩耗量に応じて厚くする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パイプの内周面に沿わせてライニングチューブを配設してなるラインパイプにおいて、ライニングチューブの肉厚を、それの周方向で、輸送流体による、 摩耗量に応じて厚くしてなるラインパイプのライニング構造。 【請求項2】 ライニングチューブの周方向の肉厚を、ライニングチューブのないパイプの周方向における摩耗率に比例して変化させてなる請求項1に記載のラインパイプのライニング構造。 【請求項3】 軟質ゴムからなるライニングチューブの外周面に、ライニングチューブとは異なった色を付したウレタンゴム層を設けてなる請求項1もしくは2に記載のラインパイプのライニング構造。 【請求項4】 ウレタンゴム層の厚みを約1mmとしてなる請求項3に記載のラインパイプのライニング構造。 【請求項5】 パイプの内周面に沿わせて配設し、両端部分をパイプの内周面に粘着させたライニングチューブを有するラインパイプの、そのライニングチューブをパイプから取外すに当り、ライニングチューブの両端部分をパイプから引き剥すとともに、それらの端部分内に挿入したそれぞれの負圧吸引管に前記端部分を緊締し、次いで、負圧吸引管を経てライニングチューブ内の空気を吸引除去して、ライニングチューブとパイプとの間へ大気圧を導入することで、ライニングチューブをその全長にわたってパイプから離隔させる工程を含んでなるラインパイプのライニングの取外し方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、土砂、石炭や鉱石の粉粒などを含む摩耗性流体を輸送するパイプラインに適用して好適なラインパイプのライニング構造および、摩耗等したライニングを交換するに際してのそのライニングの取外し方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】たとえば、水力発電において、貯水池に流下した土砂、有機物等をも水とともに導水管によって吸引して送給することで、貯水池への土砂、有機物等の堆積を防止する発明者の先の提案技術にあっては(特開平3−140517号公報参照)、径が300mm程度の岩石が導水管内を、約10m/secの速度で移動することになるので、導水管の底部の摩耗量が頂部のそれに比して5倍にも達することになる。従って、鋼管の内面にタールエポキシ樹脂で防食塗装を施した在来管を導水管として用いた場合には、約半年間の使用で底部が摩滅することになる。これはすなわち、導水管の摩耗は一般に、流速の二乗に比例して増加し、また、粒径が大きいほど頂底部の摩耗量の差が大きくなることによるものである。 【0003】また、粒径が0.2 〜0.5mm 程度の石炭粉粒を含む石炭スラリーを3〜4m/secの流速で輸送する場合には、底部の摩耗量は頂部の約4倍であり、導水管の耐用年数は約20年である。そして、土砂の混入率の小さい灌漑用では、導水管底部の摩耗量は頂部の約2倍であって、耐用年数は約40年である。 【0004】このように、導水管の摩耗量、ひいては、耐用年数および、頂底部の摩耗量の差は、流速および粒径のみならず、粉流体の比重、混入率等によってもまた大きく影響されることになるも、近年の省資源、省エネルギー化の要請に加え、水力発電、石炭スラリー輸送、砂漠緑化等の事業の事業収益性の向上のためには、導水管の耐用年数の延長が極めて重要な課題となっている。 【0005】そこで発明者は、ラインパイプ、ひいては、パイプラインの耐用年数の永久化を目的として、特開平1−307597号に係る発明を提案した。これは、パイプをライニングチューブをもってライニングすることとし、ライニングチューブが摩耗したときの交換性を高めるため、パイプの内面とライニングチューブとの密着を、乾燥固化する接着剤を使用することなく、それらの両端部分だけを粘着剤にて接合し、それ以外の部分では、ライニングチューブとパイプとの間の空気を除去して、ライニングチューブを大気圧の作用下でパイプ周面に圧着させることにより実現し、この一方で、ライニングチューブの取外しを、パイプとライニングチューブとの間への空気の圧入によるライニングチューブのパイプからの引き剥しに基いて行い、その後、古いライニングチューブのパイプからの引き出しと、新しいライニングチューブのそこへの引込みとを行うものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、発明者の上記提案技術に、以下の観点から一層の改善を加えたものであり、とくに、ライニングチューブのコストを有利に低減させて経済性を高めるとともに、そのライニングチューブの取外し作業の効率を高め、また好適には、ライニングチューブの摩耗寿命の予測を可能にして、事前の準備を容易ならしめるものである。 【0007】■粒体の比重、粒径、粒体の混入率などによって、周方向の摩耗量が大きく異なるので、その摩耗量に合わせてライニングチューブの周方向の厚みを変化させることがチューブコストを低減できてより経済的である。 ■砂漠緑化、石炭スラリー輸送用のパイプライン長さは数百キロメートルから千キロメートルを越える場合があり、かかる長い距離にわたって摩耗したライニングチューブを短期間に引き剥さなければならない。水力発電の導水管の場合も同様に長さは数十キロメートルになり、発電停止時間を短縮するため、より一層、短時間の引き剥しが求められるところ、空気圧入方式の引き剥しでは時間がかかり過ぎる。 ■ライニングが摩滅して取換え時期がくる前に、使用者に、たとえば、一年後の取換えが必要であることが容易に判るようにしておけば、使用者はその間に新しいライニングチューブを製作者に依頼することで、取換え準備を容易に行うことができる。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明のラインパイプのライニング構造は、パイプの内周面に沿わせてライニングチューブを配設してなるラインパイプにおいて、ライニングチューブの肉厚を、それの周方向で、 輸送流体による、摩耗量に応じて厚くして、摩耗量の多い部分は肉厚に、少ない部分は薄肉にしたものである。 【0009】これによれば、ラインパイプを一定期間使用した後の、ライニングチューブの摩耗末期に至って、それの周方向の残存肉厚を周方向の全体にわたって実質的に均一ならしめることができ、これにより、ライニングチューブの特定部分に余剰の肉厚が残存することがないので、ライニングチューブコストの低減、原材料歩留りの向上等の下で経済性を有利に向上させることができる。 【0010】そしてこのことは、ライニングチューブの周方向の肉厚を、ライニングチューブのないパイプの周方向における各部の摩耗率に比例して変化させて、ライニングチューブの周方向における残存肉厚を一層均一化した場合にとくに顕著である。 【0011】ここで好ましくは、軟質ゴムからなるライニングチューブの外周面に、ライニングチューブとは異なった色を付したウレタンゴム層を設け、より好ましくは、そのウレタンゴム層の厚みを約1mmとする。これによれば、ライニングチューブの完全な摩滅をウレタンゴム層の露出によって確認することができ、特定の厚みのそのウレタンゴム層の摩耗予測をもって、ライニングの交換時期を簡単かつ容易に、しかも正確に予想することができる。 【0012】また、この発明の、ラインパイプのライニングの取外し方法は、パイプの内周面に沿わせて配設し、両端部分をパイプの内周面に粘着させたライニングチューブを有するラインパイプの、そのライニングチューブをパイプから取外すに当り、 ライニングチューブの両端部分をパイプから引き剥すとともに、それらの端部分内に挿入したそれぞれの負圧吸引管に前記端部分を緊締し、次いで、負圧吸引管を経てライニングチューブ内の空気を吸引除去して、ライニングチューブとパイプとの間へ大気圧を導入することで、ライニングチューブをその全長にわたってパイプから離隔させる工程を含むものである。 【0013】この方法では、ライニングチューブの両端部分のパイプからの引き剥しは、粘着剤に抗して行うだけであるので比較的容易であり、しかも、ライニングチューブ内の空気の排出除去は、ライニングチューブとパイプとの間への空気の圧入に比してより簡単にかつ短時間のうちに行うことができるので、ライニングの取外し作業を能率良く行うことが可能となる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基いて説明する。図1はこの発明に係るライニング構造を、最外側のラインパイプを除いた横断面で示す実施形態であり、図中1はライニングチューブを示す。軟質ゴムからなるこのライニングチューブ1は、上部から下部に向けて肉厚が次第に厚くなる円管形状をなす。このようなライニングチューブ1の製造は、たとえば、摩耗した在来鋼管の横断面内で周方向の各部の壁厚を測定して求めた、周方向における摩耗比率と比例するようにライニングチューブ1の周方向の肉厚を特定し、これに基いて製造した押出し型を用いて、軟質ゴムを、通常は2Kmの長さに押出し成形し、それを連続的に加硫硬化させることによって行うことができる。 【0015】そして好ましくは、このようなライニングチューブ1の外周に、均一厚み、たとえば1mmの厚みの、ライニングチューブ1とは異なった色を付したウレタンゴム層2を、好ましくはチューブ外周面に接着させて設ける。このウレタンゴム層2は、ライニングチューブ1との共押出しによって形成し得ることはもちろんであるが、ライニングチューブ1の加硫硬化後に事後的に付設することもできる。 【0016】この場合、プライマー処理を施したライニングチューブ1の中心軸線を上下方向に向けて、それの肉厚形状を維持しつつ、外周面に着色ウレタンゴムを塗布することが、ライニングチューブ1の上下および側面での膜厚むらを防ぐ上で好ましく、ウレタンゴムの余分な垂れ落ちは拭い取って後、ウレタンゴムを加硫硬化させることで、図1に示すように、ライニングチューブ1の外周面に、その全周にわたって、ウレタンゴム層2をほぼ均一厚さで接合させることができる。 【0017】なおここでより好ましくは、図1に仮想線で示すように、ウレタンゴム層2のさらに外周面を補強シート3で補強して、ライニングチューブ1の内周側および外周側からの外力の作用に対して、それの周方向および軸線方向の変形を十分に拘束し、併せて、そのライニングチューブ1のパイプ内周面に対する擦れを有効に防止する。 【0018】このような構成のライニングを有するラインパイプにおいて、対象とする特定の摩耗性流体を輸送した場合には、ライニングチューブ1は一定の使用期間中に、それの周方向肉厚に応じた量の摩耗を受けることになる。この場合において、ライニングチューブ1がその全周にわたって実質的に均等に摩滅したときは、通常は黒色とされるそのライニングチューブ1に代わって、たとえば淡紅色としたウレタンゴム層2が内周面に露出することになるので、この事実を、監視用枝管からの定期的な内視鏡検査等によって確認することで、ラインパイプのライナの交換時期が近づいたことを明確に認識することができる。 【0019】ところで、ウレタンゴムは耐摩耗性に優れており、ウレタンゴム層2の厚みを1mmとした場合には、それが露出してなお1〜2年の間使用を継続することができるので、その猶予期間中に新しいライニングチューブ1を製造等することで、ライニングチューブ1の更新を簡単かつ確実に準備することができる。 【0020】このようにして新たなライニングチューブ1の準備が完了して、摩耗したライニングチューブ1をラインパイプから取外すに至った場合には、はじめに粘着剤をもってラインパイプ4の内周面に両端部分を粘着させたライニングチューブ1、より正確には、ライニングチューブ1が摩滅してなお残存する、図2に示すようなウレタンゴム層2および補強シート3からなるライニング4を、パイプ5の両端のフランジ位置から、粘着剤の粘着力に抗してパイプ周面より引き剥し、次いで、それらの各端部分を、そこへ挿入した負圧吸引管6に、たとえば紐7によって気密に緊締し、そして、それぞれの負圧吸引管6に接続した、たとえば真空ポンプ8をもってライニング4内の空気を吸引除去して、パイプ5とライニング4との間へ大気圧を導入することで、そのライニング4をそれの全長にわたって圧潰させて、パイプ内周面から離隔させる。 【0021】これによれば、真空ポンプ8の能力を十分に確保することで、ライニング4とパイプ5との間に空気を圧入する場合に比してはるかに簡単に、かつ短時間のうちにライニング4をパイプ5から完全に離隔することができる。 【0022】その後は、使用済みのライニング4をパイプ5の一方側へ引き出し、この一方で、新たなライニングチューブ1をパイプ内に引き込むことになるも、使用済みライニング4の補強シート3は、摩耗等の実質的な損傷を受けることがないので、繰返しの使用が可能である。 【0023】 【発明の効果】かくして、この発明によれば、以下のような顕著な効果を奏することができる。 (1) ライニングチューブの肉厚を周方向に変化させることで、ライニングチューブそれ自体のコストを低減して経済性を高めることができる。 (2) ライニングチューブの取替え時期の接近が容易に発見できる。すなわち、ライニングチューブの円周方向の厚さは、摩耗性流体による周方向の摩耗率に合わせてあるので、軟質ゴムからなるライニングチューブが摩滅してなくなってウレタンゴム層が露出するのは、周方向で差がなく、ほとんど同時期になる。従ってウレタンゴム層が露出する時は、円周方向の広い範囲が露出し、発見が容易である。パイプラインの適当な位置に設置された監視用枝管から定期的に内視鏡で管内をチェックしておれば多くは、黒色のライニングチューブに対し、異色のウレタンゴム層の露出は容易に発見できるので、見落とすことはない。 (3) ライニングチューブの取替え時期を事前に予告してくれるので、新しいライニングチューブの製作等の十分な準備が容易である。 (4) 取替え時は、ライニングチューブは摩耗し尽くされ、好適には、ウレタンゴム層と補強シートだけが残存するが、補強シートはほとんど摩耗等されていないので、再使用が可能である。 (5) この方法に従って、ライニングチューブの取替えをすれば、パイプ内面は全く摩耗しないので、パイプの耐用年数は永久的である。 (6) 摩耗したライニングの引き剥し方法について、在来方法によってパイプ端から圧搾空気をパイプとライニングチューブとの間に吹き込んでそのチューブを押し潰す方法は、ライニングチューブ内に滞留している空気を追い出しながら押し潰すので時間がかかったが、この発明では強力な真空ポンプでライニングチューブ内を真空にすれば、ライニングチューブの全長が同時かつ迅速に真空になり、外周全長に大気圧が作用して急速に押し潰されるので、短時間の取替えが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391049839 【氏名又は名称】株式会社ワモンド
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| 【出願日】 |
平成11年3月30日(1999.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080687 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−283383(P2000−283383A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−89058 |
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