| 【発明の名称】 |
Oリングによる超低抵抗摺動型シール構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉見 直文
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構成で安定したシール作用を行なって摺動軸などをスムーズに摺動させ、ねじれや磨耗などを発生させずシール圧力を任意に設定して最適な摺動抵抗が得られる技術の提。
【解決手段】ロータリジョイントなどのケーシング1の穴13に軸15が遊嵌され穴または軸のいずれか一方に周設された溝にOリング6を装着して軸支持部を摺動可能にシールした構造において、溝5はOリング6の両側面に摺動自在に接触してOリングを直径方向に拡・縮可能に保持する側壁5bにより形成され溝底5aに流体圧の供給路7が開設され、溝に対向する摺動面はOリングの内径面または外径面との間に溝底5aから流体圧を供給したときOリング6が拡径または縮径して摺動面に接触しシール作用を行なう大きさの隙間8を有する構成。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーシングの穴に軸が遊嵌され該穴または軸のいずれか一方に周設された溝にOリングを装着することにより軸支持部を摺動可能にシールした構造において、前記溝は前記Oリングの両側面に摺動自在に接触してそのOリングを直径方向に拡大または縮小可能に保持する側壁により形成される共に溝底に流体圧の供給口が開設され、さらに前記溝に対向する摺動面は前記Oリングの内径面または外径面との間に隙間を有し、この隙間は前記溝底から流体圧を供給したとき前記Oリングが拡径または縮径して摺動面に接触することによりシール作用を行なう大きさに設定されていることを特徴とするOリングによる超低抵抗摺動型シール構造。 【請求項2】 ロータリジョイントのフローティングシート先端に配置させたシール面を回転軸側のシール面に密着させることで前記フローティングシートの浮動軸部に貫通させた流路を回転軸側の流路に連通させるため、ケーシングに穿設された流体供給路に前記フローティングシートの浮動軸部をOリングを介して摺動自在に装着した摺動型シール構造において、前記Oリングを装着する溝はこのOリングの両側面に摺動自在に接触してそのOリングを直径方向に拡大または縮小可能に保持する側壁により形成されると共に溝底に流体圧の供給口が開設され、さらに前記溝に対向する摺動面は前記Oリングの内径面または外径面との間に隙間を有し、この隙間は前記溝底から流体圧を供給したとき前記Oリングが拡径または縮径して摺動面に接触することによりシール作用を行なう大きさに設定され、かつ前記流体圧の供給口が前記流体供給路または他の圧力源に連通されていることを特徴とするOリングによる超低抵抗摺動型シール構造。 【請求項3】 前記溝がケーシング側に配置され摺動面がフローティングシートの浮動軸部に配置されていることを特徴とする請求項2記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造。 【請求項4】 前記溝の開口幅に対し溝底幅を広くする様に少なくとも両側壁のうち一方の側壁が傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1記載ないし請求項3のうちいずれかの項に記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、Oリングによってシール構造を形成するものであって極めて小さな摺動抵抗や始動抵抗と、摺動後での良好なシール作用とが得られるようにしたシール構造に関し、特に流体圧の小さなクーラントやオイルミストなどを経由させるロータリジョイントなどに適したOリングによる超低抵抗摺動型シール構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、シール面が運動(移動)するようなシリンダやピストン、ロータリジョイントなどの軸部シールには、Oリングを使用したシール構造が多く採用されている。例えば、一般機械などに使用されるロータリジョイントでは、図8に示すように、一方側のシールリング50が先端に設けられたフローティングシート54がケーシング52に穿設された流体供給路53に軸部55を装着され、他方側のシールリング51が回転軸56側に配置されており、このうち前記フローティングシートの軸部55をOリング57を介し前記流体供給路53に浮動状態に支持してスプリング58で回転軸56方向に押圧することにより、シールリング同士を面合し固定側と回転側とを接続することで流路を形成する様に成されている。この場合、Oリング57は装着用溝59内で溝底60と軸部55外周面(摺動面)との間で直径方向で十分なつぶし代が取られて圧縮状態となり、さらに、その使用状態では、高圧側隙間61からの流体62の圧力で低圧側隙間63に密着した状態でシール作用を果たしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】シール面の往復運動が非常に早いと、Oリングなどのねじれ、磨耗などによるシール寿命が極めて短いという問題があった。また、前記のような装置において、近年はクーラントやオイルなどを大量に消費する加工方法やエネルギーロスなどの見直しが行なわれ、また、悪条件化でも非常に安定した動作を得られる様な要求が多くなっているが、例えば、上記のようなロータリジョイントでは、ドローバーの進退作用で回転軸56がフローティングシート54からいったん離反してから元位置に戻る動作がある。この様にシールリング同士が一旦離れるような条件の下で、前記クーラント使用量を減らす加工方法あるいはクーラントを使用しないドライ加工を採用していると、発熱などの問題からシールリング同士を密着させるスプリングが使用できないので、フローティングシートは弱い押圧力のみでも敏感に摺動可能としなければならない。このような場合は、フローティングシートの軸部55を浮動状態で支持するOリング57を、装着用溝59内で圧縮状態にセットした状態から、そのつぶし率をどんどん小さくしていき最小限にすることが考えられる。しかしながらこの状態は各種精度上非常に不安定な状態であるし摺動抵抗にも大きなばらつきが生じるという問題がある。 【0004】本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で安定したシール作用を行なうと共にシリンダやピストン、ロータリジョイントの摺動軸などを極めてスムーズに摺動させることができ、ねじれや磨耗などを発生させにくくしてシール寿命の延命化が図れるようにしたOリングによる超低抵抗摺動型シール構造を提供することにある。また、本発明は簡単な構造でシール圧力を任意に設定して最適な摺動抵抗が得られるようにしたOリングによる超低抵抗摺動型シール構造を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明請求項1記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造にあっては、ケーシングの穴に軸が遊嵌され該穴または軸のいずれか一方に周設された溝にOリングを装着することにより軸支持部を摺動可能にシールした構造において、前記溝は前記Oリングの両側面に摺動自在に接触してそのOリングを直径方向に拡大または縮小可能に保持する側壁により形成されると共に溝底に流体圧の供給口が開設され、さらに前記溝に対向する摺動面は前記Oリングの内径面または外径面との間に隙間を有し、この隙間は前記溝底から流体圧を供給したとき前記Oリングが拡径または縮径して摺動面に接触することによりシール作用を行なう大きさに設定されていることを特徴とする。 【0006】請求項2記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造にあっては、ロータリジョイントのフローティングシート先端に配置させたシール面を回転軸側のシール面に密着させることで前記フローティングシートの浮動軸部に貫通させた流路を回転軸側の流路に連通させるため、ケーシングに穿設された流体供給路に前記フローティングシートの浮動軸部をOリングを介して摺動自在に装着した摺動型シール構造において、前記Oリングを装着する溝はこのOリングの両側面に摺動自在に接触してそのOリングを直径方向に拡大または縮小可能に保持する側壁により形成される共に溝底に流体圧の供給口が開設され、さらに前記溝に対向する摺動面は前記Oリングの内径面または外径面との間に隙間を有し、この隙間は前記溝底から流体圧を供給したとき前記Oリングが拡径または縮径して摺動面に接触することによりシール作用を行なう大きさに設定され、かつ前記流体圧の供給口が前記流体供給路または他の圧力源に連通されていることを特徴とする。 【0007】請求項3記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造にあっては、請求項2記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造において、前記溝がケーシング側に配置され摺動面がフローティングシートの浮動軸部に配置されていることを特徴とする。 【0008】請求項4記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造にあっては、請求項1ないし請求項3のうちいずれかの項に記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造において、前記溝の開口幅に対し溝底幅を広くする様に少なくとも両側壁のうち一方の側壁が傾斜して設けられていることを特徴とする。 【0009】 【作用】請求項1、2および請求項3記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造にあっては、Oリングなどのつぶし代がないため、摺動抵抗や始動抵抗が非常に低い状態(理論上のシールによる抵抗は0である)でシール面の運動(移動)を行なうことができる。またそのため、シリンダやピストンなどのスムーズな動きを得ることができるし、磨耗などによるシール効果の低下がなく長期にわたって均一な状態で良好に使用することができる。シール面の運動が停止状態、あるいは停止に準ずる状態(完全には停止していないが、Oリングにシール作用を起こさせる圧力が生じるには十分な状態)になってから、内圧または外圧により、本来のシール作用を果たす構造であるので、Oリングなどにねじれや磨耗を発生させにくくし、シール部の延命化を図ることができる。ドライ運転を実施可能とするシールリング焼きつき防止用逆バネを装着したシール部では、流体圧の有無によるOリングのシール作用と逆バネの付勢力によるシール部の開閉が良好に作用するから、Oリングに振動状の不要な摺動を与えずOリングを延命化させることができる。常時Oリングなどをつぶした形でシールする構造ではないから、大量生産においても従来よりばらつきのない均質なシール構造を得ることができる。また、簡単な構造であっても、シール圧力を任意に設定して最適な摺動抵抗が得られるから、様々な使用状態に対応することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をロータリジョイントを例に取って図面により説明する。図1は本実施の形態のロータリジョイントのOリングによる超低抵抗摺動型シール構造を示しており、(イ)はシールリング同士が密着する前を示す断面図、(ロ)は同密着した状態を示す断面図、図2は回転軸がフローティングシートを押し込む状態を示す断面図である。尚、これらの図ではフローティングシートの回り止めは省略している。 【0011】まず、このロータリジョイントRは、工作機械の工具側にオイルミストMを供給するように設けられたものであり、ケーシング1と、フローティングシート2と、Oリングによる超低抵抗摺動型シール構造部3と、流路シール部4とを主要な構成としている。 【0012】前記ケーシング1は、略有底円筒状に形成され、流体供給路13を内部に有し、その底面側に外部と連通する接続口を貫通させている。 【0013】前記フローティングシート2は、固定側流路と回転側流路とを連通させるものであって、前記流体供給路13に浮動軸部15(外周面が摺動面となる)が摺動自在に嵌着され、フランジ部16には図示しない切欠が設けられ、軸心には流路18が貫通して設けられている。尚、前記流体供給路13の内径は、浮動軸15をがたつきなくスムーズに摺動させると共に、後述するOリング6を浮動軸15の溝5に装着させ自由状態とさせた時、Oリング外径との間わずかな隙間8が形成される大きさに形成されている。 【0014】前記Oリングによる超低抵抗摺動型シール構造部3は、所定の圧力が発生したとき前記流体供給路13と浮動軸15との間をシールするものであって、浮動軸15の外周面に周設された溝5と、この溝5に装着されたOリング6と、前記溝5の溝底5a側と流体供給路13とを連通する多数の連通路7とで構成されている。前記溝5は、Oリング6を装着し自由状態あるいはわずかに溝底5aに接触する状態とした時、Oリング外径側が浮動軸15の外周面より突出させない深さを有すると共に、その状態でOリングの両側面に軽接触する側壁5bを有するように形成されている。また、その溝5は、前記Oリング6の外径よりわずかに狭い開口幅を有する様に両側壁5b,5bを傾斜させることにより設けられている。 【0015】次に、9は回転管軸であって、工作機械の主軸19にねじ込みすることによって着脱自在に装着されており、軸心に前記フローティングシート2の流路18と同一径の流路20が貫通して設けられている。この回転管軸9と前記フローティングシート2は軸心を一致させ端面同士を対抗するように配置されている。 【0016】そして、前記流路シール部4は、フローティングシート2の端面に固定されるシールリング21と、回転管軸9の端面に固定されるシールリング22の一組よりなり、超硬合金やセラミックにより形成されている。尚、ケーシング1には係止ピンを突設してフローティングシート2の回り止めを行なっている。 【0017】上述のように構成されたロータリジョイントRは、接続口が外部に配置されたオイルミスト発生器に接続される。そして、オイルミスト発生器からオイルミストMが供給されると、オイルミストMはケーシング1の接続口からフローティングシート2の流路18で絞られ発生した圧力でフローティングシート2を回転管軸9側に押圧する。フローティングシート2はこの押圧力によって摺動し、先端のシールリング21を回転管軸側のシールリング22に密着させる。この後、オイルミストMは主軸側の流動抵抗により圧力を上昇させるから、その圧力の上がったオイルミストMが前記連通路7を介して溝底5aに流入しOリング6を拡径させる。 【0018】前記Oリング6の拡径により、そのOリング6の外周面が流体供給路13の内周面に沿って接触し浮動軸15との間をシールしてしまうことになる。このOリングのシール作用により、オイルミストMはいずこからも漏洩することなく全量主軸側に供給されることになる。そしてオイルミストMの供給停止により前記と略逆の手順により初期状態に戻され待機することになる。 【0019】以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限定されるものではない。Oリング6は、図3に示すように、ケーシングの流体供給路13を形成するボス部外周面25に設け、連通路7を他の外部圧力源と接続するようにしてもよい。この場合、フローティングシート26は有底円筒状に形成され円筒部26aを前記ボス部に外嵌させる構造となる。また、図4に示すように、前記有底円筒状に形成したフローティングシートをボス部に外嵌させる構造において、連通路7は前記流体供給路13と接続するようにしてもよい。フローティングシート2は、図5に示すように、フローティングシートの浮動軸15に二面幅部27を設け、これにプレートで略U字状に形成した回り止め28を挿入してケーシング1側にボルト30で着脱自在に固定するようにしてもよい。図6に示すように、流体供給路13に連通するように円筒状の取り付けベース29をケーシング1側にボルト30で着脱自在に取り付け、フローティングシート2をこの取り付けベース29を介してケーシング1に装着し、回り止めは前記取り付けベース29に突設した軸部31をフローティングシートのフランジ部32に穿孔した貫通穴33に挿通させた構造としてもよい。この場合は取り付けべース29を着脱することによってフローティングシート2側のシール構造部分を一体として着脱でき、保守点検などを容易にすることができるという利点がある。Oリングの溝5は浮動軸15側に配置した例で説明してきたが、図7に示すように、ケーシングの流体供給路13側に配置してもよい。この場合は連通路7を流体供給路でなく外部の別の圧力供給手段に接続し圧力を任意に調整することにより、様々なシール効果を得るようにすることもできる。また、本実施の形態では、Oリングによる超低抵抗摺動型シール構造はロータリジョイントに使用した場合を例に取って説明してきたが、回転軸側またはケーシング側が変位するような様々な装置、例えば感度を良くしたエアシリンダやダンパ類などにも採用することができる。溝5の形状は任意に設定できるものであり、例えば一方の側壁のみ傾斜させてもよいし、両側壁を通常の溝形状の様に平行で溝底に垂直となるように形成してもよい。ロータリジョイント自体の構造や形状も任意に設定することができる。シール部を形成するシール材はOリングの名称で記載したが、そのO状のリングであれば、材質、軸断面形状、表面処理など様々な仕様のOリングを使用することができる。 【0020】 【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1、2および請求項3記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造にあっては、前記構成としたため、Oリングなどのつぶし代がないため、摺動抵抗や始動抵抗が非常に低い状態(理論上のシールによる抵抗は0である)でシール面の運動(移動)を行なうことができる。またそのため、シリンダやピストンなどのスムーズな動きを得ることができるし、磨耗などによるシール効果の低下がなく長期にわたって均一な状態で良好に使用することができる。シール面の運動が停止状態、あるいは停止に準ずる状態(完全には停止していないが、Oリングにシール作用を起こさせる圧力が生じるには十分な状態)になってから、内圧または外圧により、本来のシール作用を果たす構造であるので、Oリングなどにねじれや磨耗を発生させにくくし、シール部の延命化を図ることができる。ドライ運転を実施可能とするシールリング焼きつき防止用逆バネを装着したシール部によく作用し良好で安定したシール作用を行ないOリングを延命化することができる。常時Oリングなどをつぶした形でシールする構造ではないから、大量生産においても従来よりばらつきのない均質なシール構造を得ることができるなどの効果が得られる。 【0021】請求項4記載のOリングによる超低抵抗摺動型シール構造にあっては、前記構成としたため、簡単な構造であっても、シール圧力を任意に設定して最適な摺動抵抗が得られるから、様々な使用状態に対応することができるなどの効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000179328 【氏名又は名称】リックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月26日(1999.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109988 【弁理士】 【氏名又は名称】今村 定昭 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−283361(P2000−283361A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−83851 |
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