トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 超小型クランプ金具とその引き絞り操作方法
【発明者】 【氏名】長野 賢二

【要約】 【課題】直径−約2.5〜12.0mmの極めて細い柔軟なフレキシブルチューブを挟み潰すおそれなく、コネクターやバルブなどの各種機器へ締結固定できる超小型のクランプ金具を提供する。

【解決手段】クランプバンド(11)の中間非重合部分(11c)が内側重合部分(11a)並びに外側重合部分(11b)と各々隣り合う境界位置付近から第1、2工具受け止め爪(17)(20)を何れも斜め外向きに切り起して、その中間非重合部分(11c)の円周面を包囲する如く差し入れた引き絞り操作工具(A)の両挟持爪(25)を、上記両工具受け止め爪(17)(20)へ係止させて引き絞り操作した時、上記内側重合部分(11a)から斜め外向きに切り起されている締結固定用楔爪(13)と、外側重合部分(11b)に開口する楔爪受け入れ穴(16)とが、自づと喰い付き係止し合うように定めた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一定長さ(L)の金属帯板材料(M)から成るクランプバンド(11)を、その一端側の内側重合部分(11a)と他端側の外側重合部分(11b)とが一定量(X)だけ部分的にオーバーラップする口径(D)−約2.5〜12.0mmの円形リング状に捲き曲げ立体化した超小型クランプ金具であって、上記内側重合部分(11a)とその付近のクランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)からは、締結固定用楔爪(13)と第1工具受け止め爪(17)とを何れもクランプバンド(11)の円周面と鋭角(α)(β)に交叉する同じ向きとして外方へ切り起す一方、上記外側重合部分(11b)には楔爪(13)の受け入れ穴(16)を対応形成すると共に、その付近のクランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)からは第2工具受け止め爪(20)を、上記第1工具受け止め爪(17)と逆向きのほぼ対称形態として、やはりクランプバンド(11)の円周面と鋭角(γ)に交叉する外方へ切り起し、上記クランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)へ、その円周面の抱き込み包囲状態に差し入れた引き絞り操作工具(A)の第1、2挟持爪(25)を、上記第1、2工具受け止め爪(17)(20)へ係止させて引き絞り操作することにより、上記クランプバンド(11)の口径(D)を強制的に収縮変形させた時、その内側重合部分(11a)の締結固定用楔爪(13)と外側重合部分(11b)の楔爪受け入れ穴(16)とが自づと喰い付き係止し合うように定めたことを特徴とする引き絞り操作式の超小型クランプ金具。
【請求項2】第1、2工具受け止め爪(17)(20)を低くとも金属帯板材料(M)における一定厚み(T)の約2倍に相当する一定高さ(H1)(H2)として、クランプバンド(11)の円周面から外方へ切り起したことを特徴とする請求項1記載の引き絞り操作式の超小型クランプ金具。
【請求項3】締結固定用楔爪(13)をその切り起し先端部へ行く程徐々に細くなるほぼ山型又は半円型に造形する一方、楔爪受け入れ穴(16)をその楔爪(13)の切り起し先端部と対応する入口部(16a)が円弧状の半円型又は同じく入口部(16a)が広幅な等脚台形に開口させたことを特徴とする請求項1記載の引き絞り操作式の超小型クランプ金具。
【請求項4】クランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)における第1、2工具受け止め爪(17)(20)の相互間へ、その金属帯板材料(M)の加工位置決め用パイロット穴(23)を開口形成したことを特徴とする請求項1記載の引き絞り操作式の超小型クランプ金具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に医療機器や理化学機器、測定機器、油圧・空圧機器などの用途分野において、薬液やエヤー、オイル、その他の流体を給送する直径−約2.5〜12.0mmの極めて細い柔軟なフレキシブルチューブを、コネクターやバルブなどの各種機器における接続円周面へ締結するために使う引き絞り操作式の超小型クランプ金具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の極めて細い柔軟なフレキシブルチューブを、コネクターやバルブなどの各種機器における接続円周面へ締結固定する超小型のクランプ金具としては、図21、22に示すようなオエティカー(Oetiker)と称する耳付きの金属製品が使われている。
【0003】これは、一定帯幅のステンレス鋼板から造形された無端なクランプバンド(1)の円周面一部に、1個の架橋型耳片(2)を連続的に張り出し形成した一体品であって、その耳片(2)をプライヤーなどの専用工具(3)により強く引き絞り操作して、そのクランプバンド(1)の口径を収縮変形させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このようなクランプ金具のクランプバンド(1)は無端な一体品であるため、これをフレキシブルチューブ(4)の切り離し端部から通し込み使用しなければならず、そのチューブ(4)が長くなればなる程、甚だ面倒である。
【0005】又、上記クランプバンド(1)の円周面から部分的に張り出す耳片(2)が、倒立U字型の架橋状態にあるため、これを専用工具(3)によって引き絞り操作する際、チューブ(4)を咬み込み破損させてしまうおそれがあり、その操作に特別の注意も必要となる。
【0006】更に、上記型式のクランプ金具にとって、引き絞り操作するための耳片(2)は必要不可欠であるが、そのクランプバンド(1)の円周面積に対する耳片(2)の占有面積は、チューブ(4)の直径が小さくなればなる程、相対的に大きくなって、その耳片(2)がチューブ(4)の直径線上へ接近する結果、上記引き絞り操作時にチューブ(4)を直径方向から挟み潰してしまうおそれがあり、その超小型化にも制約を受けることとなる。
【0007】この点、本発明者は本発明と近似する基本的な構成を備えた引き絞り操作式のクランプ金具について、既に実公平7−47671号を提案した。そして、この公知考案によれば、クランプバンド(11)を流体給送用ホースや防塵用ベローズ、軸継手用ブーツなどの被締結物(10)へ、その切り離し端部から通し込む必要がなく、その直径方向からでも捲き掛け使用できる利便性があると言える。
【0008】しかし、上記公知考案の場合、直径−約12.0mm以上の太い流体給送用ホースやその他の被締結物(10)については、その被締結物(10)が仮令弾力性を有さないとしても、事実上全然支障なく使用することができるが、本発明の対象とするような直径−約2.5〜12.0mmの極めて細い柔軟なフレキシブルチューブについては、これをその構成のまま適用実施することができない。その理由は次の通りである。
【0009】即ち、上記公知考案のクランプ金具でも、クランプバンド(11)における内側重合部分(11a)と外側重合部分(11b)とのオーバーラップする一定量(X)は必要不可欠であるが、その一定のオーバーラップ量(X)がここから操作工具受け止め用の第3凸状チヤンネル壁(24)や弾性瘤(25)も外向きに膨出する状態として、クランプバンド(11)の限られた円周面積に比し相当大きな面積を占有している関係上、仮りにクランプバンド(11)の金属帯板材料(M)を一層薄肉化したとしても、そのクランプ金具の超小型化には自づと限界がある。
【0010】そのクランプ金具のクランプバンド(11)を上記直径−約2.5〜12.0mmの極めて細いフレキシブルチューブと対応して、その締結に必要な口径寸法まで超小型化すると、操作工具受け止め用第2、3凸状チヤンネル壁(18)(24)の一対がクランプバンド(11)のオーバーラップする円周面の一半(北半球)側から、そのクランプバンド(11)の直径線(赤道)を越えて、残る円周面の他半(南半球)側まで到達することになるため、上記円周面の一半(北半球)側へ言わば突き当てる如く臨む引き絞り操作工具(P)の両作用爪(42)を、上記第2、3凸状チヤンネル壁(18)(24)へ係止させて引き絞り操作した時、そのフレキシブルチューブを直径方向から挟み潰してしまうことは必至である。
【0011】それだからと言って、逆にクランプバンド(11)がオーバーラップしない円周面の他半(南半球)側から上記引き絞り操作工具(P)を、その懐部が中間非重合部分(11c)の円周面へ言わば外接する如き包囲状態に差し入れて、その一対の作用爪(42)を上記第2、3凸状チヤンネル壁(18)(24)へ係止させようとしても、その操作工具受け止め用の第2、3凸状チヤンネル壁(18)(24)は何れもクランプバンド(11)の板厚(T)とほぼ等しい寸法として、僅か外向きに膨出されているに過ぎず、しかもその第3凸状チヤンネル壁(24)の手前位置には、これよりも背高く弾性瘤(25)が外向きに膨出されているため、上記引き絞り操作工具(P)の両作用爪(42)を第2、3凸状チヤンネル壁(18)(24)へ係止させることさえ不可能であり、到底引き絞り操作することができない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題を改良し、極めて細い柔軟なフレキシブルチューブの締結用にふさわしい超小型のクランプ金具を提供しようとするものであり、そのための構成上一定長さの金属帯板材料から成るクランプバンドを、その一端側の内側重合部分と他端側の外側重合部分とが一定量だけ部分的にオーバーラップする口径−約2.5〜12.0mmの円形リング状に捲き曲げ立体化した引き絞り操作式の超小型クランプ金具であって、【0013】上記内側重合部分とその付近のクランプバンドがオーバーラップしない中間非重合部分からは、締結固定用楔爪と第1工具受け止め爪とを何れもクランプバンドの円周面と鋭角に交叉する同じ向きとして外方へ切り起す一方、【0014】上記外側重合部分には楔爪の受け入れ穴を対応形成すると共に、その付近のクランプバンドがオーバーラップしない中間非重合部分からは第2工具受け止め爪を、上記第1工具受け止め爪と逆向きのほぼ対称形態として、やはりクランプバンドの円周面と鋭角に交叉する外方へ切り起し、【0015】上記クランプバンドがオーバーラップしない中間非重合部分へ、その円周面の抱き込み包囲状態に差し入れた引き絞り操作工具の第1、2挟持爪を、上記第1、2工具受け止め爪へ係止させて引き絞り操作することにより、上記クランプバンドの口径を強制的に収縮変形させた時、その内側重合部分の締結固定用楔爪と外側重合部分の楔爪受け入れ穴とが自づと喰い付き係止し合うように定めたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1、2は本発明に係る超小型クランプ金具の展開状態(材料加工状態)を示しており、そのクランプ金具の材料としては一定厚み(T)(例えば約0.3〜0.5mm)と、一定幅(W)(例えば約2.0〜6.0mm)とを備えたステンレス鋼板(SUS301又はSUS304)やその他の発錆しない金属帯板(M)が採用され、その予じめの長尺物から対象とするフレキシブルチューブ(10)の直径寸法に応じた一定長さ(L)として、適当にカットされることとなる。
【0017】図3〜9は製品として完成したクランプ金具とその使用状態を示しており、(11)は上記適当な一定長さ(L)にカットされた金属帯板材料(M)から、正面視の円形リング状に捲き曲げ立体化されることにより、上記チューブ(10)の円周面へ密着作用するクランプバンドであって、その捲き曲げ一端側に同じく捲き曲げ他端側が外接する如く、一定量(X)だけ部分的にオーバーラップしている。
【0018】つまり、クランプバンド(11)における長手方向の捲き曲げ一端側が内側重合部分(11a)をなし、同じく捲き曲げ他端側が外側重合部分(11b)となるオーバーラップ状態にある。(11c)はその余のオーバーラップしないクランプバンド(11)の中間非重合部分を示している。
【0019】上記クランプバンド(11)は言うまでもなく金属帯板材料(M)自身の一定幅(W)を備えているが、その内側重合部分(11a)の切り離し一端のみを金属帯板材料(M)の一定幅(W)よりも狭く、その半分程度の一定幅(W1)(例えば約1.0〜3.0mm)を有するガイドノーズ(12)として切り欠くことが望ましい。
【0020】そうすれば、金属帯板材料(M)の長尺物を間歇的に順送し乍ら、そのクランプバンド(11)を一定長さ(L)にカットする加工位置の目印となり、又クランプバンド(11)を円形リング状に捲き曲げ立体化する際の先導作用に役立てることができる。但し、そのガイドノーズ(12)としての切り欠きは、これを省略してもさしつかえない。
【0021】上記クランプバンド(11)の内側重合部分(11a)におけるガイドノーズ(12)と隣り合う位置付近からは、締結固定用楔爪(13)がそのクランプバンド(11)の円周面と鋭角(α)に交叉する関係状態として、斜め外向きに切り起されている。
【0022】つまり、図1、2の展開状態から明白なように、金属帯板材料(M)から成るクランプバンド(11)の長手中心線上には、そのクランプバンド(11)の中間非重合部分(11c)に向かって徐々に先細りとなる円弧状の切り込み線(14)が、上記ガイドノーズ(12)の一定幅(W1)とほぼ等しい一定幅(W2)だけ付与され、その切り込み線(14)による区画内部がほぼ半円型の締結固定用楔爪(13)として、クランプバンド(11)から図2、3のような斜め外向きに曲げ起されているわけである。(15)はその曲げ起し稜線を示唆している。
【0023】その際、締結固定用楔爪(13)がクランプバンド(11)の円周面と交叉する鋭角(α)を、大きくとも約45度に設定すると共に、同じく円周面からの切り起し高さ(H)を、その低くとも上記金属帯板材料(M)の一定厚み(T)とほぼ等しく寸法化することが好ましい。
【0024】他方、クランプバンド(11)における外側重合部分(11b)の切り離し他端位置には、上記内側重合部分(11a)の締結固定用楔爪(13)と対応する楔爪受け入れ穴(16)が開口形成されている。この楔爪受け入れ穴(16)の開口幅(S)は、上記楔爪(13)における切り起し基端部の一定幅(W2)よりも若干広い寸法として、その楔爪(13)を円滑に受け入れることができるようになっている。
【0025】しかも、同じく楔爪受け入れ穴(16)の開口形状はほぼ半円型として、その楔爪(13)の切り起し先端部と対応する入口部(16a)が、上記楔爪(13)をクランプバンド(11)の長手中心線上へ自づと引き寄せ得る円弧状に屈曲されてもいる。
【0026】又、クランプバンド(11)のオーバーラップしない中間非重合部分(11c)において、上記内側重合部分(11a)の締結固定用楔爪(13)と隣り合う境界位置付近からは、引き絞り操作工具用の第1工具受け止め爪(17)が上記楔爪(13)と同じ向きの斜め外方へ切り起されている。
【0027】図1、2の展開状態から明白な通り、金属帯板材料(M)から成るクランプバンド(11)の長手中心線上に、上記楔爪(13)と同じ方向に先細りとなる円弧状の切り込み線(18)が刻入され、その切り込み線(18)による区画内部がほぼ半円型の第1工具受け止め爪(17)として、クランプバンド(11)から図2、3のような斜め外向きに曲げ起されているのであり、そのクランプバンド(11)の円周面とやはり鋭角(β)に交叉している。(19)はその第1工具受け止め爪(17)の曲げ起し稜線を示唆している。
【0028】(20)は上記第1工具受け止め爪(17)と対をなす引き絞り操作工具用の第2工具受け止め爪であり、これはクランプバンド(11)のやはりオーバーラップしない中間非重合部分(11c)において、上記外側重合部分(11b)の楔爪受け入れ穴(16)と隣り合う境界位置付近から、第1工具受け止め爪(17)と逆向きの斜め外方へ切り起されている。
【0029】つまり、図1、2の展開状態からやはり明白なように、クランプバンド(11)の長手中心線上には上記締結固定用楔爪(13)や第1工具受け止め爪(17)と逆向きに先細りとなる円弧状の切り込み線(21)が付与され、その切り込み線(21)による区画内部が上記第1工具受け止め爪(17)とほぼ対称な半円型の第2工具受け止め爪(20)として、クランプバンド(11)から図2、3のような斜め外向き曲げ起されているわけであり、そのクランプバンド(11)の円周面と鋭角(γ)に交叉している。(22)はその第2工具受け止め爪(20)の曲げ起し稜線を暗示している。
【0030】その場合、上記第1、2工具受け止め爪(17)(20)がクランプバンド(11)の円周面から切り起される高さ(H1)(H2)としては、これらを上記締結固定用楔爪(13)のそれよりも背高く、その低くとも金属帯板材料(M)における一定厚み(T)の約2倍に寸法化することが好ましい。後述する引き絞り操作工具の第1、2挟持爪を、確実に安定良く受け止めることができるからである。
【0031】又、上記第1、2工具受け止め爪(17)(20)がクランプバンド(11)の円周面と交叉する鋭角(β)(γ)については、その対称な一対の何れも上記楔爪(13)のそれとほぼ同様に、大きくとも約45度に設定する一方、同じく第1、2工具受け止め爪(17)(20)における切り起し基端部の一定幅(W3)(W4)を、上記楔爪(13)のそれよりも若干広く寸法化することにより、引き絞り操作工具の引き絞り操作力に対抗できる強度アップを図ると共に、その楔爪(13)と識別して誤りなく使用できるように定めることが望ましい。
【0032】更に、(23)はクランプバンド(11)のオーバーラップしない中間非重合部分(11c)に位置しつつ、その上記第1、2工具受け止め爪(17)(20)の相互間に開口形成された金属帯板材料(M)の加工位置決め用パイロット穴であり、ここに後述する自動プレス加工装置の工程用パンチ(図示省略)を受け入れて、上記金属帯板材料(M)の長尺物を一定ピッチづつ間歇的に順送し、その過程においてクランプバンド(11)の必要なプレス加工を行なうために使用される。
【0033】次に、図10〜13は本発明の変形実施形態に係り、図1〜9の上記基本実施形態よりも更に超小型のクランプ金具を示しているが、その基本実施形態と異なる構成は次の通りである。
【0034】即ち、本発明に係るクランプ金具の変形実施形態では締結固定用楔爪(13)を、その切り起し先端部へ行く程徐々に細くなるほぼ山型として造形する一方、楔爪受け入れ穴(16)をその開口幅(S)が上記楔爪(13)の切り起し先端部と対応する入口部(16a)において広幅となる等脚台形に開口させている。
【0035】又、第1、2工具受け止め爪(17)(20)もその切り起し先端部へ行く程徐々に細くなるほぼ対称な山型に造形している。この場合にも、第1、2工具受け止め爪(17)(20)における切り起し基端部の一定幅(W3)(W4)は、これらを上記締結固定用楔爪(13)のそれに比して、若干広く寸法化することが好ましい。
【0036】尚、図10〜13の変形実施形態におけるその他の構成は、上記基本実施形態と実質的に同一であるため、その図10〜13に図1〜9との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0037】このような本発明のクランプ金具は、上記一定厚み(T)と一定幅(W)を有するステンレス鋼板やその他の金属帯板材料(M)から、次の方法によって効率良く量産することができる。
【0038】即ち、スタンピング工程金型とフォーミング工程金型とから多段連続型(順送型)をなす自動プレス加工装置(図示省略)へ、長尺な上記金属帯板材料(M)を送入して、これに図14、15のような予備となる加工位置決め用のパイロット穴(23)を打ち抜き、そのパイロット穴(23)へ各加工金型の工程用パンチ(図示省略)を抜き差し自在に差し込むことにより、金属帯板材料(M)を自づと正しく位置決め停止させると共に、そのパイロット穴(23)の間隔ピッチ(P)を送りピッチとして、上記金属帯板材料(M)を間歇的に順送する。
【0039】そして、その停止中先ずスタンピング工程での加工金型により、上記クランプバンド(11)におけるガイドノーズ(12)の切り欠き(輪郭抜き)加工や楔爪受け入れ穴(16)の抜き加工、締結固定用楔爪(13)と第1、2工具受け止め爪(17)(20)の切り起し加工を悉く一挙同時に、又は順次連続的に行なう。その加工状態は図16、17に示す通りである。
【0040】次に、上記加工状態の金属帯板材料(M)を図16、17の符号(C−C)で示す位置から切り離す如くカット加工して、図1、2のようなクランプバンド(11)としての一定長さ(L)に寸法化する。その場合、第1、2工具受け止め爪(17)(20)の向かい合う相互間隔(Y)を長短変化させるだけで、各種フレキシブルチューブ(10)の直径寸法に対応させることができる。
【0041】このような一定長さ(L)にカットされたクランプバンド(11)は、未だ展開状態にあるため、これを最後にフォーミング工程での加工金型により、順次段階的に捲き曲げ立体化して、図3のようなクランプバンド(11)の内側重合部分(11a)と外側重合部分(11b)とが部分的にオーバーラップする円形リング状に仕上げる。尚、その捲き曲げ加工に用いる芯金も図示省略してある。
【0042】茲に、クランプバンド(11)の円形リング状に捲き曲げ立体化されたクランプ金具は、約2.5〜12.0mmの口径(D)を備えた超小型として、図3から示唆される通り、上記第1、2工具受け止め爪(17)(20)の一対がクランプバンド(11)の直径線(赤道)(O−O)上まで到達せず、そのクランプバンド(11)の部分的にオーバーラップすることとなる円周面の一半(北半球)側へ、必らず偏心するように配置されている。このような第1、2工具受け止め爪(17)(20)の偏心した配置となるように、上記クランプバンド(11)がスプリングバック量を見越して、円形リング状に捲き曲げ立体化されているのである。
【0043】図3のような本発明の超小型クランプ金具との関係上、これを締結作業するための引き絞り操作工具(A)は、図18のような組立枢軸(24)の廻りに開閉作用する一対の第1、2挟持爪(25)と、これから一体的に延長された一対の第1、2開閉レバー(26)とを備え、その両開閉レバー(26)の相互間には両挟持爪(25)を常時閉合方向に付勢する圧縮コイルバネ(27)が介挿されている。
【0044】しかも、両挟持爪(25)の爪先部(25a)は上記クランプ金具におけるクランプバンド(11)の円周面と、これから鋭角(β)(γ)に切り起された第1、2工具受け止め爪(17)(20)との角隅部へ進入し得る形状に鋭利化されていると共に、同じく両挟持爪(25)の懐部(25b)が上記クランプバンド(11)の円周面を抱き込み包囲し得る大きさの凹曲面に造形されており、その中間非重合部分(11c)と干渉しないようになっている。
【0045】そこで、上記クランプ金具を使って、例えば医療用や理化学実験用などの極めて細い直径−約2.5〜12.0mmを備えたフレキシブルチューブ(10)を、図4〜9のようなコネクターやバルブ、その他の各種機器(28)における接続円周面へ締結作業するに当っては、上記クランプバンド(11)をそのチューブ(10)の円周面ヘ直径方向から一旦捲き掛ける。
【0046】その捲き掛け状態では、クランプバンド(11)の内側重合部分(11a)と外側重合部分(11b)とが部分的にオーバーラップしており、チューブ(10)からの脱落不能な仮り止め状態に保たれるため、次に上記引き絞り操作工具(A)を図19のように、クランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)の直径方向(F)から、その両挟持爪(25)の懐部(25b)がクランプバンド(11)の円周面を抱き込み包囲する如くに差し入れて、同じく両挟持爪(25)の爪先部(25a)を第1、2工具受け止め爪(17)(20)に係止させる。
【0047】つまり、クランプバンド(11)がオーバーラップしない円周面の他半(南半球)側から引き絞り操作工具(A)を、その両挟持爪(25)の懐部(25b)が中間非重合部分(11c)の円周面へ言わば外接する如き抱き込み状態に差し入れて、両爪先部(25a)を第1、2工具受け止め爪(17)(20)での受け止め状態に奥深く進入させるのである。
【0048】そして、上記引き絞り操作工具(A)の両開閉レバー(26)を操作して、その両挟持爪(25)を組立枢軸(24)の支点廻りに強く引き絞れば、上記クランプバンド(11)の口径(D)が図19から図20のように収縮変形され、その過程では内側重合部分(11a)から斜め外向きに切り起されている締結固定用楔爪(13)が、外側重合部分(11b)に開口する楔爪受け入れ穴(16)へ自づと進入して、その喰い付き係止し合うことになる結果、上記チューブ(10)は各種機器(28)の接続円周面へ、図4〜9のような緊締状態に固定一体化されるのである。その後、上記操作工具(A)の両挟持爪(25)をクランプ金具よりも大きく開いて、その直径方向(F)へ抜き出すことは言うまでもない。
【0049】その場合、クランプバンド(11)の締結固定用楔爪(13)は内側重合部分(11a)から斜め外向きとして、そのクランプバンド(11)の円周面と鋭角(α)に交叉する姿勢状態に切り起されているため、これと対応する外側重合部分(11b)の楔爪受け入れ穴(16)へ、自づと円滑・確実に進入することとなり、瞬時に喰い付き係止し合うのである。
【0050】又、引き絞り操作工具用の第1、2工具受け止め爪(17)(20)はクランプバンド(11)の円周面から、その低くとも金属帯板材料(M)における一定厚み(T)の約2倍として背高く、且つその一対のほぼ対称な向きと姿勢に切り起されているため、その引き絞り操作工具(A)における両挟持爪(25)の懐部(25b)が大きく開放されていることとも相俟って、これをクランプバンド(11)の円周面に外接させる如く、そのクランプバンド(11)の中間非重合部分(11c)から差し入れて引き絞り操作するも、フレキシブルチューブ(10)を直径方向から挟み潰してしまうおそれがない。
【0051】本発明の上記構成を採用することにより初めて、冒頭に述べた公知考案の課題を解決でき、直径−約2.5〜12.0mmの極めて細い柔軟なフレキシブルチューブ(10)でも、そのコネクターやバルブなどの各種機器(28)へ一切の支障なく締結固定し得るのである。
【0052】尚、上記引き絞り操作工具(A)としては図示のような組立枢軸(24)の廻りに対称な形態をなすプライヤーが最適であるが、両挟持爪(25)を対象とするチューブ(10)の直径寸法よりも大きく開閉でき、又その両挟持爪(25)の懐部(25b)がクランプバンド(11)の円周面と干渉せず、これを抱き込み包囲し得る限り、非対称な形態の各種引き絞り操作工具を採用してもさしつかえない。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は一定長さ(L)の金属帯板材料(M)から成るクランプバンド(11)を、その一端側の内側重合部分(11a)と他端側の外側重合部分(11b)とが一定量(X)だけ部分的にオーバーラップする口径(D)−約2.5〜12.0mmの円形リング状に捲き曲げ立体化した超小型クランプ金具であって、【0054】しかも、上記内側重合部分(11a)とその付近のクランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)からは、締結固定用楔爪(13)と第1工具受け止め爪(17)とを何れもクランプバンド(11)の円周面と鋭角(α)(β)に交叉する同じ向きとして外方へ切り起す一方、【0055】上記外側重合部分(11b)には楔爪(13)の受け入れ穴(16)を対応形成すると共に、その付近のクランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)からは第2工具受け止め爪(20)を、上記第1工具受け止め爪(17)と逆向きのほぼ対称形態として、やはりクランプバンド(11)の円周面と鋭角(γ)に交叉する外方へ切り起し、【0056】上記クランプバンド(11)がオーバーラップしない中間非重合部分(11c)へ、その円周面の抱き込み包囲状態に差し入れた引き絞り操作工具(A)の第1、2挟持爪(25)を、上記第1、2工具受け止め爪(17)(20)へ係止させて引き絞り操作することにより、上記クランプバンド(11)の口径(D)を強制的に収縮変形させた時、その内側重合部分(11a)の締結固定用楔爪(13)と外側重合部分(11b)の楔爪受け入れ穴(16)とが自づと喰い付き係止し合うように定めてあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を完全に改良できる効果がある。
【0057】即ち、本発明の上記構成によれば、クランプバンド(11)のオーバーラップしない中間非重合部分(11c)における内側重合部分(11a)と隣り合う境界位置付近から第1工具受け止め爪(17)が、同じく中間非重合部分(11c)における外側重合部分(11b)と隣り合う境界位置付近から第2工具受け止め爪(20)が、その一対の互いに逆向くほぼ対称な形態として、何れもクランプバンド(11)の円周面と鋭角(β)(γ)に交叉する外方へ切り起されている。
【0058】そして、引き絞り操作工具(A)の両挟持爪(25)を、その懐部(25b)が上記中間非重合部分(11c)の円周面を抱き込み包囲する如く、クランプバンド(11)の直径方向(F)から差し入れ、その両挟持爪(25)の爪先部(25a)を上記第1、2工具受け止め爪(17)(20)へ係止させて引き絞り操作するようになっており、これによってクランプバンド(11)の口径(D)を収縮変形させた時、上記クランプバンド(11)の内側重合部分(11a)から外向きの鋭角(α)に切り起されている締結固定用楔爪(13)と、同じく外側重合部分(11b)に対応開口されている楔爪受け入れ穴(16)とが、自づと喰い付き係止し合うようになっているため、直径−約2.5〜12.0mmの極めて細い柔軟なフレキシブルチューブ(10)を、その直径方向から挟み潰してしまうおそれなく、コネクターやバルブなどの各種機器(28)へ確実に締結固定できるのである。
【0059】その場合、特に請求項2の構成を採用するならば、上記引き絞り操作工具(A)の両挟持爪(25)をクランプバンド(11)の第1、2工具受け止め爪(17)(20)へ、ますます安定良く確実に係止させることができ、そのクランプバンド(11)の引き絞り操作を特別な注意の必要なく、軽快に行なえる効果がある。
【0060】又、請求項3の構成を採用するならば、上記クランプバンド(11)における内側重合部分(11a)の締結固定用楔爪(13)を、同じく外側重合部分(11b)の楔爪受け入れ穴(16)へ一層円滑に、且つ瞬間的に正しく進入させることができ、その喰い付き係止し合う部分の耐久強度も向上し得る効果がある。
【0061】更に、請求項4の構成を採用するならば、多段連続型(順送型)自動プレス加工装置における各加工金型の工程用パンチを、そのパイロット穴(23)へ差し込むことにより、長尺な金属帯板材料(M)を間歇的に順送する過程において、そのクランプバンド(11)の必要なプレス加工を高精度に実行することができ、量産性に著しく優れるほか、製品−クランプ金具の軽量化にも役立つ効果がある。
【出願人】 【識別番号】390039686
【氏名又は名称】株式会社ケンロック
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100071548
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 賢二
【公開番号】 特開2000−193170(P2000−193170A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−373324