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【発明の名称】 独立波付管の接続構造
【発明者】 【氏名】丹生 仁

【氏名】マツル マニッシュ

【氏名】斎藤 健一

【要約】 【課題】情報ケーブルなどの外管として用いられる独立波付管で、リング状ゴムパッキンの取り付けあるいは取り外しが容易で密封を十分に行うことのできる接続構造とする。

【解決手段】被接続独立波付管と、その外周に取り付けられた円筒状管継手の間に嵌められているリング状パッキンの断面を独立波の間の大きさよりも小さなものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多くの独立波が軸方向に並べて外周に付けられている被接続独立波付管と、その被接続独立波付管の管端近くの隣り合った独立波間の外周に嵌められて、被接続独立波付管の独立波面と円筒状管継手内面間を密封しているリング状ゴムパッキンと、被接続独立波付管の管端から前記リング状ゴムパッキンのある深さ以上まで外挿された円筒状管継手とを持っている接続構造において、リング状ゴムパッキンの内径は、隣り合った独立波間外周に嵌めた状態で、独立波の山での外径よりも小であるとともに、リング状ゴムパッキンが嵌められている隣り合った独立波間の溝底における外径と、独立波の山での外径との平均よりも大であることを特徴とする独立波付管の接続構造。
【請求項2】 多くの独立波が軸方向に並べて外周に付けられている被接続独立波付管と、その被接続独立波付管の管端近くの隣り合った独立波間の外周に嵌められて、被接続独立波付管の独立波面と円筒状管継手内面間を密封しているリング状ゴムパッキンと、被接続独立波付管の管端から前記リング状ゴムパッキンのある深さ以上まで外挿された円筒状管継手とを持っている接続構造において、前記リング状ゴムパッキンの断面積は、隣り合った独立波管外周に嵌めた状態で、隣り合った独立波山間にある円筒状管継手内面と独立波で囲まれた面積の60%以下であることを特徴とする独立波付管の接続構造。
【請求項3】 前記リング状ゴムパッキンが嵌められている隣り合った独立波間の溝底に補助リングが嵌められていることを特徴とする請求項1あるいは2記載の独立波付管の接続構造。
【請求項4】 前記補助リングの外径が、リング状ゴムパッキンが嵌められている隣り合った独立波間の溝底における外径と、独立波の山での外径との平均よりも大であることを特徴とする請求項3記載の独立波付管の接続構造。
【請求項5】 前記補助リングは、円環の一部が切り欠かれているC状リングであることを特徴とする請求項3あるいは4記載の独立波付管の接続構造。
【請求項6】 前記補助リングは、その外周に円周方向の溝が付けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか記載の独立波付管の接続構造。
【請求項7】 前記リング状ゴムパッキンは、その上面に1ヶまたは複数のリップが付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の独立波付管の接続構造。
【請求項8】 前記リング状ゴムパッキンは、その下面に1ヶまたは複数のリップが付けられていることを特徴とする請求項7記載の独立波付管の接続構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックスで作られたコルゲート管あるいは波付管の接続構造に関するもので、特に光ケーブルなどの情報ケーブルを内部に保持するのに使用されている情報ボックスと称されているプラスチックスで作られた独立波付管の接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ケーブルなどの情報ケーブルを地中に埋設する場合、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ファイバー強化プラスチック樹脂等で作られ、径が150mm以上の大口径の外管の中に入れられて設置されている。これら外管は管の外面に独立波すなわちリブが軸方向に多数並べて付けられていて、埋設されたときに土の重さなどの為に偏平になったり潰れたりすることを防ぐ構造をしている。
【0003】このような独立波付管を接続するには、図8に上半分を断面で示している側面図にあるように、独立波付管1、1′の管端に近いところの外周にある隣り合った独立波11の間に、リング状ゴムパッキン8を嵌めておいて、このリング状ゴムパッキン8の外周に円筒状管継手2を外挿して接続する。リング状ゴムパッキン8は隣り合った独立波11の側面間および管継手2の内面に強く接して密封するようになっているので、接続した独立波付管1、1′を土中に埋設しても、土砂や水、空気などがリング状ゴムパッキン8と管継手内面や独立波付管の外面との隙間から管内に侵入することがなく、独立波付管内に設置されている情報ケーブルを保護することができる。
【0004】ここで独立波付管1、1′は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ファイバー強化プラスチック樹脂等で作られたもので、その内面は複数の情報ケーブル保護用内管を通しやすくするためにストレートになっており、外周にはリブ状の独立波11が管軸方向に並んでつけられている。管外周の独立波の部分と、ストレートな内面とは別の材料で作った二重管とすることもできる。
【0005】管継手2は全体として円筒状をしており、この円筒部22の内径はリング状ゴムパッキン8を強く締め付けるために、ゴムパッキン8の自由外径よりも小さなものとなっている。円筒部22の端部にはテーパーの付いた開口23を持っていて、リング状ゴムパッキン8を外挿した独立波付管1、1′を管継手2の円筒部22に容易に挿入できるようになっている。また、管継手2の長さ方向中央部に内径が絞られた段差部21があって、挿入された独立波付管1、1′がそれ以上奥へ入っていかないようになっている。2本の独立波付管1、1′の接続すべき管端同士を図8に示すように管継手2に挿入して接続する。
【0006】リング状ゴムパッキン8は、接続すべき独立波付管1、1′の端部に近いところ外周にある独立波11間に取り付ける必要がある。また、接続した管を分解するときには、独立波間に取り付けられたリング状ゴムパッキン8を取り外すことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】リング状ゴムパッキン8が管外周の独立波11間にきっちりと取り付けられて管継手2で接続シールされるためには、リング状ゴムパッキン8の内径が独立波間の溝(あるいは谷)の外径と同じかあるいは少し小さい程度にしておき、リング状ゴムパッキン8の外径が管継手円筒部22の内径よりも少し大きいものとしておかなければならない。また、リング状ゴムパッキン8の断面の形状も、独立波間の溝(あるいは谷)に入ってその溝を塞ぐものになっていなければならないことは当然である。
【0008】このようなリング状ゴムパッキン8を管外周の独立波間に嵌め込むには、独立波11の山の外径以上に引き伸ばして取り付ける必要がある。呼び径で250A(内径250mm)の独立波付管1の場合で、溝から波の山までの高さは15mm以上なので、少なくとも30mm伸ばす必要がある。材質がNBR等加硫ゴムで作られた通常のリング状ゴムパッキン8の場合で、250A用のパッキンを30mm伸ばすためには、40Kg以上の力が必要である。一人の作業者が手で引くだけではこれだけの力を出すことができない。そこでリング状ゴムパッキンの片側を所定の独立波間に架けておいて、他方を引き伸ばすのにバールや大きなドライバー状のものを用いて引いているが、このような工具を用いると、パッキン面に傷が付いたり、場合によっては独立波付管の波にも傷を付けることになっていた。
【0009】更に、誤って別の独立波間にリング状ゴムパッキンを入れてしまった場合や接続を分解するときなどには、独立波間にはまり込んでいるゴムパッキンを伸ばして取り除く必要がある。この場合は取り付けるときよりも更に面倒な作業となっていることはよく知られたことである。
【0010】そこで本発明は、独立波付管のリング状ゴムパッキンを取り付けあるいは取り外すのにそれ程大きな力を必要としないで、しかも独立波付管と管継手との間の密封が十分に行なえる接続構造を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の独立波付管の接続構造は、多くの独立波が軸方向に並べて外周に付けられている被接続独立波付管と、その被接続独立波付管の管端近くの隣り合った独立波間の外周に嵌められて、被接続独立波付管の独立波面と円筒状管継手内面間を密封しているリング状ゴムパッキンと、被接続独立波付管の管端から前記リング状ゴムパッキンのある深さ以上まで外挿された円筒状管継手とを持っているものにおいて、リング状ゴムパッキンの内径は、隣り合った独立波間外周に嵌めた状態で、独立波の山での外径よりも小であるとともに、リング状ゴムパッキンが嵌められている隣り合った独立波間の溝底における外径と、独立波の山での外径との平均よりも大であることを特徴とする。
【0012】また本発明の独立波付管の接続構造は、多くの独立波が軸方向に並べて外周に付けられている被接続独立波付管と、その被接続独立波付管の管端近くの隣り合った独立波間の外周に嵌められて、被接続独立波付管の独立波面と円筒状管継手内面間を密封しているリング状ゴムパッキンと、被接続独立波付管の管端から前記リング状ゴムパッキンのある深さ以上まで外挿された円筒状管継手とを持っているものにおいて、前記リング状ゴムパッキンの断面積は、隣り合った独立波管外周に嵌めた状態で、隣り合った独立波山間にある円筒状管継手内面と独立波で囲まれた面積の60%以下であることを特徴とする。
【0013】上記接続構造において、リング状ゴムパッキンが嵌められている隣り合った独立波間の溝底に補助リングが嵌められていることが好ましい。その補助リングの外径が、リング状ゴムパッキンが嵌められている隣り合った独立波間の溝底における外径と、独立波の山での外径との平均よりも大であることが好ましい。前記補助リングは、円環の一部が切り欠かれているC状リングとすることができる。また、前記補助リングは、その外周に円周方向の溝が付けられているものとすることもできる。
【0014】本発明において、前記リング状ゴムパッキンは、その上面に1ヶまたは複数のリップが付けられており、あるいはその下面に1ヶまたは複数のリップが付けられているものとすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は本発明の独立波付管の接続構造の斜視図で、図2は本発明の接続構造の第一実施例の拡大した一部の縦断面図、図3は本発明の接続構造の第一実施例を示す図2の3-3 断面図である。図4、5、6、7は各々本発明の接続構造の第二、三、四、五実施例の拡大した一部の縦断面図である。これらの図で従来の接続構造を示す図8と同じ部品については同じ参照符号を用いて示している。
【0016】図1〜3で、1、1′は被接続独立波付管であり、その外周に多くの独立波11が管軸方向に並んで設けられている。2は管継手であり、中央に内径の絞られた段差部21があり、その両側に平行の円筒部22、22′がある。円筒部22、22′の端部にテーパーの付いた開口23、23′がある。独立波付管1、1′の端部から数山離れた隣り合った独立波11間にリング状ゴムパッキン3が嵌められている。このリング状ゴムパッキン3の外径は自由状態(管継手2が外挿されていない状態)で管継手2の円筒部22、22′よりも少し大きくなっていて、管継手2が外挿されたときに、リング状ゴムパッキン3の外周を円筒部22の内面で押さえつけて密封するようになっている。リング状ゴムパッキン3の内径Rは、隣り合った独立波間外周に嵌めた状態で、隣り合った独立波間の溝底の外径R1と独立波の山での外径R2の平均(R1+R2)/2よりも大きくなっている。しかし、好ましくは、この内径Rが独立波の山での外径R2よりも小さく、より好ましくはR2からR1側に1/4だけ入った大きさよりも小さい、すなわち(R2+(R1+R2)/2)/2よりも小さいことがよい。
【0017】これをリング状ゴムパッキン3の断面積で言うと、隣り合った独立波間外周に嵌めた状態で、隣り合った独立波山間にある円筒状管継手内面と独立波で囲まれた面積の60%以下、好ましくは50%以下にすることがよい。
【0018】このように、リング状ゴムパッキン3は径方向の肉厚が薄いものなので、リング状ゴムパッキン3を独立波付管1の独立波11間に取り付ける際に容易に伸ばすことができる。
【0019】特に図2、3に示す第一の実施例においては、リング状ゴムパッキン3の下にある独立波間は空洞となっているが、この場合はリング状ゴムパッキン3の片側を独立波間に引っ架けておいてパッキン3を伸ばそうとすると独立波間の溝の空洞にまずはまり込む。このようにしておいて、パッキン3を伸ばすと少し伸ばしただけで反対側も独立波間に入り込ませることができる。その上で、パッキン3の位置を独立波付管と同心に調整すれば図2、3に示すようになる。管継手2の開口23をリング状ゴムパッキン3の付いた独立波付管1の端部から外挿して、段差部21のところまで挿入すればよい。
【0020】次ぎに図4〜7に断面図で示している第二以降の実施例では、リング状ゴムパッキン3、3a、3bが嵌められている独立波間の溝に補助リング4、4aが嵌められている。図4の第二実施例では、補助リング4が他のゴムあるいはプラスチックスで作られたもので、その外径を独立波11の山と溝の距離の半分、すなわち(R1+R2)/2よりも少し大きなものとしていて、リング状ゴムパッキン3に引っ張り力を加えるようになっている。管継手2を独立波付管1の管端から嵌めるときに、リング状ゴムパッキン3が独立波間の空間内に変形してしまわないようにしている。この補助リング4としては円環の一部を切り欠いたC字状のものが、嵌めやすいので取り扱いに便利である。
【0021】図5の第三実施例では補助リング4aとして、外周に円周方向の溝の付いたものが使われている。C字状ではなく円環状をしていても溝を付けることによって、独立波付管への取り付けが容易となっている。リング状ゴムパッキン3は波壁に沿ったところが特に力を受けるので、補助リング4aの中央に溝があっても、ゴムパッキン3を支える働きは変わらない。
【0022】図6の第四実施例では、リング状ゴムパッキン3aの外周面に複数のリップが突出したもの、図7の第五実施例ではリング状ゴムパッキン3bの外内周面に複数のリップが付けられているものである。このようなリップが付けられていることによって管継手2を独立波付管1へ挿入するときの力を下げることができる。
【0023】
【実施例】呼び径250Aのポリエチレン製の独立波付管の場合、独立波11の溝の底での外径は257mm、独立波11の山の外径は292mm、山間の距離は29mmである。管継手の円筒部の内径は296mmなので、隣り合った独立波山間にある円筒状管継手内面と独立波で囲まれた部分の面積は231mm2 である。
【0024】これにリング状ゴムパッキンとしてNBR製で、パイプに装着し管継手を外挿したときに、外径が296mm,内径が276mm,面間距離が10mm、断面積が137mm2 になるものを使用しこのパッキンを管継手に装着するときに30mm伸ばすのに要する力は25kgであり、従来のものに比して約60%の小さい力で伸ばすことができた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の、嵌められている隣り合った独立波間の溝底における外径と独立波の山の外径の平均よりも大の内径を持ったリング状ゴムパッキンを使用している接続構造をしているものは、独立波付管への取り付けや取り外しのときに伸ばすのに要する力が少なくてすみ、作業者一人の手の力で十分に作業が行なえるものである。また伸ばすときに工具を必要としないので、パッキンや管の波への傷も付かないものである。しかも、管継手と独立波付管とでパッキンを十分に締め付けることができるので、密封効果は低下しない。
【出願人】 【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100074848
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 寛
【公開番号】 特開2000−193167(P2000−193167A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−368400