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【発明の名称】 管体の伸縮自在継手構造
【発明者】 【氏名】藤崎 裕士

【要約】 【課題】組み付け作業を容易且つ迅速に行える管体の伸縮自在継手構造を提供することを課題とする。

【解決手段】連結対象となる管体22aの各端部に装着される揺動用継手体1,1aに、ジョイント管7,7aの一端部が揺動自在に連結された管体の伸縮自在継手構造において、前記揺動用継手体1,1aは、球状凹面3,3aを有する膨出部5,5aと該膨出部5,5aから延設された筒状の取付部12,12aとを有し、前記ジョイント管7,7aに設けられた膨出球面部8,8aが、前記球状凹面3,3aに摺動自在となるように、前記取付部12,12aから嵌挿され、取付部12,12aと膨出球面部8,8aとの間には、膨出球面部8,8aが揺動用継手体1,1aから離脱すのを規制するための抜止リング体18が装着されていることにある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 連結対象となる管体(2)(2a)の各端部に装着される揺動用継手体(1),(1a)に、ジョイント管(7),(7a)の一端部が揺動自在に連結された管体の伸縮自在継手構造において、前記揺動用継手体(1),(1a)は、球状凹面(3),(3a)を有する膨出部(5),(5a)と該膨出部(5),(5a)から延設された筒状の取付部(12),(12a)とを有し、前記ジョイント管(7),(7a)に設けられた膨出球面部(8),(8a)が、前記球状凹面(3),(3a)に摺動自在となるように、前記取付部(12),(12a)から嵌挿され、取付部(12),(12a)と膨出球面部(8),(8a)との間には、膨出球面部(8),(8a)が揺動用継手体(1),(1a)から離脱すのを規制するための抜止体(18)が装着されていることを特徴とする管体の伸縮自在継手構造。
【請求項2】 前記ジョイント管(7),(7a)の膨出球面部(8),(8a)における抜止体(18)が摺動する部分は、厚肉状に形成されている請求項1に記載の管体の伸縮自在継手構造。
【請求項3】 前記取付部(12),(12a)内周面には、前記膨出球面部(8),(8a)との間で押圧されるパッキン(16)が収納される収容凹部(13),(13a)が形成され、しかも、該収容凹部(13),(13a)には、前記パッキン(16)に形成された凹部(16b)に係止する係止凸部(15)が形成されている請求項1又は2に記載の管体の伸縮自在継手構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管体の伸縮自在継手構造、さらに詳しくは例えば水道管や設備配管等の各種配管系に使用される継手構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の伸縮自在継手は、従来より主として地中に埋設される水道管等の埋設管に使用されてきたが、近年に於いては建造物内の設備配管等用としても幅広く採用されるに至っている。
【0003】かかる伸縮自在継手は、例えば、実公平2−40385号公報に示す如く、連結対象となる管体の各端部に装着される揺動用継手体に、ジョイント管の一端部が揺動自在に連結されたものである。そして、揺動用継手体とジョイント管とは摺動自在に球面嵌合されている。
【0004】該揺動用継手体とジョイント管とは互いに抜け出ない(離脱しない)ようにする必要があるが、従来では、ストッパー用リングをジョイント管に外嵌すると共に、該ストッパー用リングと揺動用継手体とにフランジ部をそれぞれ設け、両方のフランジ部を複数のボルトとナットにより締結固定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる従来の伸縮自在継手は、ストッパー用リングと揺動用継手体とを複数のボルトとナットで締結することにより取り付ける構成であることから、組み付け作業が面倒で煩雑となる欠点があった。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、組み付け作業を容易且つ迅速に行える管体の伸縮自在継手構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、上記課題を解決するために講じた技術的手段は、連結対象となる管体22aの各端部に装着される揺動用継手体1,1aに、ジョイント管7,7aの一端部が揺動自在に連結された管体の伸縮自在継手構造において、前記揺動用継手体1,1aは、球状凹面3,3aを有する膨出部5,5aと該膨出部5,5aから延設された筒状の取付部12,12aとを有し、前記ジョイント管7,7aに設けられた膨出球面部8,8aが、前記球状凹面3,3aに摺動自在となるように、前記取付部12,12aから嵌挿され、取付部12,12aと膨出球面部8,8aとの間には、膨出球面部8,8aが揺動用継手体1,1aから離脱すのを規制するための抜止体18が装着されていることにある。
【0008】そして、揺動用継手体等にフランジ部を設けて複数のボルト及びナットで両方のフランジ部を締結する作業が不用となり、組み付け作業を容易且つ迅速に行え作業性の向上を図ることができる。しかも、フランジ部が不用となることから、フランジ部により揺動用継手体等の径外方向に大型化するのも防止できる。
【0009】また、前記ジョイント管7,7aの膨出球面部8,8aにおける抜止体18が摺動する部分は、厚肉状に形成されている場合には、揺動用継手体1,1aに対するジョイント管7,7aの揺動摺動時に、特に衝撃力の作用する部分の補強を図ることができる。
【0010】しかも、前記取付部12,12a内周面には、前記膨出球面部8,8aとの間で押圧されるパッキン16が収納される収容凹部13,13aが形成され、しかも、該収容凹部13,13aには、前記パッキン16に形成された凹部16bに係止する係止凸部15が形成されている場合には、揺動用継手体1,1aとジョイント管7,7aとの間で球面摺動してもパッキン16が移動することなく保持でき、負圧に対して強く、良好な水密性を維持することができる。更に、パッキン16の位置決めを簡単な構造で行え、収容凹部への組み込みも容易に行える利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について図面に従って説明する。図1に於いて、1,1aは、連結対象となる二本の管体2,2aにそれぞれ取り付けられた揺動用継手体で、球状凹面3,3aを有する膨出部5,5aがそれぞれ形成されている。
【0012】7,7aは一端に前記膨出部5,5aに球面嵌合する膨出球面部8,8aを有するジョイント管で、各ジョイント管7,7aの他端側には、嵌合筒部10,10aがそれぞれ設けられている。一方のジョイント管7の嵌合筒部10は他方のジョイント管7の嵌合筒部10aによりも小径に形成されている。
【0013】12,12aは前記揺動用継手体1,1aの膨出部5,5aの先端に一体的に延設された取付部である。各取付部12,12aは、環筒状を呈し、取付部12,12aには、前記膨出球面部8,8aが嵌挿されている。即ち、図2に示す如く、取付部12,12aの基部側(膨出球面部8,8aの大径部分に対応する部分)の内周面には、環状溝の収容凹部13,13aが形成されている。該収容凹部13,13aには、例えば収容凹部13,13aの周面に連続する係止凸部15がそれぞれ形成され、該係止凸部15に係合するようにリング状のパッンキン16が前記収容凹部13に収容されている。尚、係止凸部15は揺動用継手体の軸心方向の中央位置又は、一方位置等の所定の位置に設けることができる。
【0014】該パッンキン16は、図3(b)に示す如く両側に断面円形のシール部16aを有し、該シール部16a間の凹部16bに前記係止凸部15が係合している。また、シール部16aの直径は、前記収容凹部13の周面と膨出球面部8,8aとの間隙よりも大きく設定されており、パッンキン16は収容凹部13と膨出球面部8,8aとにより若干偏平状に弾性変形して水密状態を維持する。尚、パッンキン16は仮想線で示す如く収容凹部13の周面に接触させるようにしても良い。
【0015】更に、取付部12,12aの収容凹部13,13aよりも先端側には抜止体としての抜止リング体18が内嵌されている。該抜止リング体18は、内周表面が凹球面に形成され、該凹球面が膨出球面部8,8aの大径部よりも基部側(小径部分)と摺動するようになっている。20は前記抜止リング体18を固定するための固定手段としてのC形リング(止め輪)で、取付部12,12aの内周面にそれぞれ嵌合され、ここに、膨出球面部8,8aは揺動用継手体1,1aから離脱するのを規制されている。また、前記ジョイント管7,7aの膨出球面部8,8aにおける抜止リング体18が摺動する部分は、厚肉状の厚肉部22が膨出球面部の周方向に連続して形成されている。
【0016】23は略中央部に段部24が形成されて左右両端側の口径が相違すべく形成された補助ジョイント管で、その大口径側管部23aは、一方のジョイント管7の嵌合筒部10にスライド自在に外嵌され、且つ小口径側管部23bは、他方のジョイント管7aの嵌合筒部10aに嵌挿入されている。
【0017】前記一方のジョイント管7の嵌合筒部10の先端部には、図3(a)に示す如く環状の収容凹部25が形成され、その中央には係止凸部24が突設されている。そして、該収容凹部25には、前記補助ジョイント管23の大口径側管部23aの内周面に押圧されるパッキン26が外嵌収容されている。尚、該パッキン26は、好ましくは前記パッキン16と同様の大きさ及び形状を呈しており、パッキン26は収容凹部25に形成された係止凸部24に係合しているのも前記同様である。
【0018】前記補助ジョイント管23の大口径側管部23aの先端部には、テーパー状部28が膨出形成されており、該テーパー状部28には、外面がテーパー状のスペーサー(リング体)30が、前記一方のジョイント管7の嵌合筒部10に摺動自在となるように、内嵌されている。該スペーサー30は止め輪31(固定手段)で固定されている。従って、該スペーサー30が前記収容凹部25を形成する突起状のストッパー部32に当接することにより、一方のジョイント管7と補助ジョイント管23との抜け止めが図られる。
【0019】前記補助ジョイント管23の小口径側管部23bの先端には、環状の収容凹部33が形成され、その中央には係止凸部34が突設されている。そして、該収容凹部33には、前記補助ジョイント管23の内周面に押圧されるパッキン35が外嵌され収容されている。尚、該パッキン35の大きさ及び断面形状は、前記パッキン16と同様のものである。
【0020】前記他方のジョイント管7aの嵌合筒部10aの先端部には、テーパー状部37が膨出形成されており、該テーパー状部37には、外面がテーパー状のスペーサー38が、前記ジョイント管7aの嵌合筒部10aに摺動自在となるように介在されている。尚、40は固定手段としての止め輪を示す。従って、該スペーサー38が前記収容凹部33を形成するストッパー部32に当接することにより、他方のジョイント管7aと補助ジョイント管23との抜け止めが図られる。
【0021】43,43aは両方の揺動用継手体1,1aの取付部12,12aに形成されたフック体で、両方のフック体43,43aは、連結体45が着脱自在に連結されている。また、連結体の中央には、吊り下げ用孔46が形成されている。尚、フック体及び連結体45は、揺動用継手体1,1aの周方向に単数又は複数設けられている。
【0022】本実施の形態は以上のような構成からなり、次にその使用例について説明する。先ず、上記管継手の組み立てに際しては、パッンキン16がそれぞれ嵌合された揺動用継手体1,1aに、各ジョイント管7,7aの膨出球面部8,8aを嵌入する。
【0023】更に、抜止リング体18を取付部12,12a内に嵌入し、止め輪20を取付部12,12a内に嵌合させることにより、抜止リング体18を装着することができる。ここに、各ジョイント管7,7aは球面嵌合により、揺動用継手体1,1aに対して揺動自在となっている。
【0024】また、一方のジョイント管7の嵌合筒部10を補助ジョイント管23の大口径側管部23aに嵌入した後に、スペーサー30を大口径側管部23aのテーパー状部28と嵌合筒部10間に装着し、該スペーサー30を止め輪31で固定する。
【0025】また、補助ジョイント管23の小口径側管部23bは、他方のジョイント管7aの嵌合筒部10aに嵌挿入した後に、スペーサー38を小口径側管部23bと嵌合筒部10aのテーパー部37との間に装着し、スペーサー38を止め輪40で固定する。
【0026】更に、連結体で両方の揺動用継手体1,1aを連結すると、揺動用継手体1,1aはジョイント管7,7aに対して揺動することはなく、しかも、ジョイント管7,7aと補助ジョイント管23との伸縮が規制される。従って、管継手の運搬や取扱い等が容易となる。
【0027】次に、かかる管継手は図1のように例えば水道管等の如き管体2,2aが接続されて地中に埋設して使用される。その作業時には、連結体45を介して管継手を吊り上げて接続作業を行う。このとき、図1に示す如く組み立てた状態において、揺動用継手体1,1aの両端面を固定し且つ揺動用継手体1,1aの首振り(曲がり)を防止して出荷状態で行える。
【0028】また、連結体45を取り外すことにより、各ジョイント管7,7aと補助ジョイント管23とが相互にスライド自在で、全体として所定の寸法範囲内で伸縮自在となる。従って、管継手は伸縮自在であるため、管継手を適当に伸縮させて他の管体2,2aとを容易に連結することもできる。
【0029】また、管継手に地震等により、二本の管体2,2a間に段差が生じた場合には、図4に示すように両ジョイント管7,7aの揺動及び伸長によって両管体2,2aの平行状態を維持したままその段差を適切に吸収できる。このとき、揺動用継手体1,1aと両ジョイント管7,7aとの間のパッキン16は、両ジョイント管7,7aが揺動しても位置決めされていることから、ずれるおそれがなく良好なシール性が確保される。しかも、前記ジョイント管7,7aの膨出球面部8,8aの厚肉部22で衝撃を受けることができ、ジョイント管の揺動摺動時に、膨出球面部8,8aが破損するおそれはない。
【0030】更に、ジョイント管7の嵌合筒部10と補助ジョイント管23の大口径側管部23aとの間のパッキン26や、補助ジョイント管23の小口径側管部23bとジョイント管7aの嵌合筒部10aとの間のパッキン35も同様に位置決めされていることから、それぞれ良好なシール性を発揮する。
【0031】しかも、補助ジョイント管23の大口径側管部23aと一方のジョイント管7との間に介在されたスペーサー30は、補助ジョイント管23とジョイント管7とのがた(折れ)をなくして伸縮摺動をスムーズに行わせることができる。また、補助ジョイント管23の小口径側管部23bと他方のジョイント管7aの嵌合筒部10aとの間に介在されたスペーサー38は、補助ジョイント管23とジョイント管7aとのがたをなくして伸縮摺動をスムーズに行わせることができる。このように、スペーサー30、38を介在させることにより、管継手全体をスムーズに伸縮させ、シール性を良好にすることができる。
【0032】また、止め輪31,40で直接ストッパー部32を当接する場合に比し、止め輪31,40をそれぞれ小さくすることができる共に、前記如くテーパ状のスペーサーを採用することにより、ストッパー部32が内嵌される補助ジョイント管23及びジョイント管7aの外径もそれぞれ小型化することができる。また、全体の構成が非常に簡易であるため、その製作も容易且つ安価に行えるという利点もある。
【0033】本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、前記スペーサー30,38は、リング状(連続する環状)のものであっても、または、管継手の周方向に複数個間隔をおいて配置されたピースであっても良い。また、抜止体は、必ずしもリング状のものである必要はなく、複数個を管継手の周方向に間隔を有して設けたものであっても良い。しかも、補助ジョイント管23は複数連接しても、あるいは省略することも可能である。補助ジョイント管23を省略する場合には、一方のジョイント管7の小径側の嵌合筒部10を他方のジョイント管7aの大径側の嵌合筒部10aに挿入することとなる。
【0034】
【発明の効果】以上の様に、本発明の揺動用継手体は、球状凹面を有する膨出部と該膨出部から延設された筒状の取付部とを有し、前記ジョイント管に設けられた膨出球面部が、前記球状凹面に摺動自在となるように、前記取付部から嵌挿され、取付部と膨出球面部との間には、膨出球面部が揺動用継手体から離脱すのを規制するための抜止リング体が装着されているので、従来と異なり揺動用継手体等にフランジ部が不用となり且つ複数のボルト及びナットでの締結作業が不用となり、組み付け作業を容易且つ迅速に行え作業性の向上を図ることができる。しかも、フランジ部が不用となることから、該フランジ部により揺動用継手体の径外方向に大型化するのも防止できる利点がある。
【0035】更に、前記ジョイント管の膨出球面部における抜止リング体が摺動する部分が、厚肉状に形成されている場合には、継手全体を厚肉にすることなく、揺動用継手体に対するジョイント管の揺動摺動時に、特に衝撃力の作用する部分の補強を図ることができる。
【0036】また、前記取付部内周面で且つ抜止リング体と球状部との間には、前記膨出球面部との間で押圧されるパッキンが収納される収容凹部が形成され、しかも、収容凹部には、パッキンに形成された凹部に係止する係止凸部が形成されている場合には、揺動用継手体とジョイント管との間で球面摺動してもパッキンが移動することなく、負圧に対して強く良好な水密性を維持することができる。しかも、パッキンの収容凹部への組み込みも容易に行える利点がある。また、本発明に係る継手構造は全体が非常に簡易な構成からなるために、その製作が容易で且つ安価に行えるという実用的な効果もある。
【出願人】 【識別番号】000132080
【氏名又は名称】株式会社スイケンテクノロジー
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇 (外1名)
【公開番号】 特開2000−193163(P2000−193163A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−373417