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【発明の名称】 管継手及び配管方法
【発明者】 【氏名】井上 智史

【要約】 【課題】部品点数が少なく、現場で作業性よく配管施工をおこなえ、また、位置決めが容易かつ確実な管継手を提供する。

【解決手段】継手本体1の接続開口2…に挿入された被接続パイプの接続端を掛止するための径方向に弾性変形可能な締付リング5が、上記接続開口2…の内部に形成された凹周溝21…内に嵌装され、さらに、継手本体1の平坦状の底面11と同一面上にある底面と、ボルト用孔7とを有する取付フランジ8が、継手本体1に一体的に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 継手本体の接続開口に挿入された被接続パイプの接続端を掛止するための径方向に弾性変形可能な締付リングが、上記接続開口内部に形成された凹周溝内に嵌装され、さらに、上記継手本体の平坦状の底面と同一面上にある底面とボルト用孔とを有する取付フランジが、上記継手本体に一体的に形成されていることを特徴とする管継手。
【請求項2】 ストレート型、エルボ型、T型、十字型等の一揃えの管継手において、底面から接続開口の軸心までの間隔Hが、同一寸法に設定されている請求項1記載の管継手。
【請求項3】 ストレート型、エルボ型、T型、十字型等の一揃えの管継手において、背面から接続開口の軸心までの間隔Kが、同一寸法に設定されている請求項1又は2記載の管継手。
【請求項4】 継手本体の接続開口に挿入された被接続パイプの接続端を掛止するための径方向に弾性変形可能な締付リングが、上記接続開口内部に形成された凹周溝内に嵌装され、上記継手本体の平坦状の底面と同一面上にある底面とボルト用孔とを有する取付フランジが、上記継手本体に一体的に形成され、さらに、底面から接続開口の軸心までの間隔Hを、同一寸法とした一揃えのストレート型、エルボ型、T型、十字型等の一揃えの管継手の該継手本体の接続開口に上記被接続パイプの接続端を挿入し、かつ、該継手本体の底面を取付対象面に着座させた状態にて、上記取付フランジをボルト締結により、上記取付対象面に固定することを特徴とする配管方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管継手及び配管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックや鋼管等の配管の接続には、ストレート型やエルボ型、T型、Y型、十字型等の各種管継手が用いられるが、例えば、図13に示すように、そのような管継手a,b,cには、特に、取付対象面に取り付けるための手段が設けられていないため、別途、用意された取付金具d…を用いて、ボルト締結等によって、配管Pが取付対象面に固定されていた。
【0003】また、このような取り付け状態では、管継手a,b,cや取付金具d…が外部に露出して見栄えがよくないため、場合によっては、これらを配管Pと共に、別途、用意したカバー部材f…で覆い隠していた。
【0004】
【発明が解決しようと課題】上述のような従来の管継手の施工方法では、見栄えが悪く、別途、取付金具d…やカバー部材f…を用意する必要があるため、部品点数が多くなり、その施工作業が面倒で手間がかかり、かつ、コスト高となっていた。
【0005】また、配管Pの位置決めが容易でなく、現場で、面倒な寸法出しが必要とされることもあり、その対策も求められていた。
【0006】そこで、本発明は、部品点数が少なく、現場で作業性よく配管施工をおこなえ、また、位置決めが容易かつ確実な管継手及び配管方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の管継手は、上述の課題を解決するために、継手本体の接続開口に挿入された被接続パイプの接続端を掛止するための径方向に弾性変形可能な締付リングが、上記接続開口内部に形成された凹周溝内に嵌装され、さらに、上記継手本体の平坦状の底面と同一面上にある底面とボルト用孔とを有する取付フランジが、上記継手本体に一体的に形成されている。
【0008】また、ストレート型、エルボ型、T型、十字型等の一揃えの管継手において、底面から接続開口の軸心までの間隔が、同一寸法に設定されていてもよい。
【0009】あるいは、ストレート型、エルボ型、T型、十字型等の一揃えの管継手において、背面側から接続開口の軸心までの間隔が、同一寸法に設定されていてもよい。
【0010】また、継手本体の接続開口に挿入された被接続パイプの接続端を掛止するための径方向に弾性変形可能な締付リングが、上記接続開口内部に形成された凹周溝内に嵌装され、上記継手本体の平坦状の底面と同一面上にある底面とボルト用孔とを有する取付フランジが、上記継手本体に一体的に形成され、さらに、底面から接続開口の軸心までの間隔を、同一寸法とした一揃えのストレート型、エルボ型、T型、十字型等の一揃えの管継手の該継手本体の接続開口に上記被接続パイプの接続端を挿入し、かつ、該継手本体の底面を取付対象面に着座させた状態にて、上記取付フランジをボルト締結により、上記取付対象面に固定してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の管継手及び配管方法の実施の一形態を図面に基づいて詳説する。
【0012】図1はT型継手の斜視図、図2は図1のA部拡大図、図3は正面図、図4は断面平面図で、これらの図において、符号1は継手本体で、例えば、硬質プラスチック材料等により型成形で一体的にコンパクトに形成されたものである。2,3,4は配管(被接続パイプ)Pを接続するための接続開口、21,31,41はその開口端に形成された凹周溝である。
【0013】各凹周溝21,31,41の直上部分は、所定幅W1 だけ上方に向けて切り欠かれ、上下開放(外方に開放状)で凹周溝21,31,41に連通する切欠部22,32,42が形成されており、その各凹周溝21,31,41内には、内周部に掛止刃51が形成されて一部が切断されて径方向に弾性変形可能な締付リング(掛止部材)5が2枚嵌装されている。なお、各接続開口2…には、複数の凹周溝21…が形成されていてもよい。また、各凹周溝21,31,41には、締付リング5が単一嵌装されてもよく、三枚以上嵌装されてもよい。
【0014】上述の締付リング5は、鋼材を焼き入れした高剛性なものであり、図5に示すように、その内周部には掛止刃51を形成すると共に、その両切断端52,52の間には、切断開部53が形成されており、別途、用意してある工具によって、縮径状態として、各接続開口2,3,4の前面側から各凹周溝21,31,41内に、予め嵌め込まれ、かつ、その切断開部53…には、各切欠部22,32,42から挿入された操作部材9…の先端部が差し込まれている。なお、図1及び図3では、操作部材9の一つの図示を省略している。
【0015】操作部材9が切断開部53に差し込まれた状態では、締付リング5は、その弾発力に抗して、強制的に拡開状態とされ、その内径は、配管Pを挿入できる程度に拡がっている。しかして、上述の所定幅W1 は、かかる操作部材9の先端部を挿入可能な程度に設定される。
【0016】各凹周溝21,31,41の奥側には、それぞれ2条のリング溝23,24,33,34,43,44が形成され、各リング溝にはシール用のOリング6…が嵌装されている。そして、その奥側には、挿入される配管Pの管端を当接させて位置決めするための周状段部25,35,45が形成されている。
【0017】上述の継手本体1の底面11は平坦面とされ、その接続開口2の両側の角部には、ボルト用孔7, 7を有する取付フランジ8, 8が形成され、その取付フランジ8, 8の底面は、取付対象面に対して安定状態に、作業性よく取り付けることができるように、継手本体1の平坦な底面11と面一状に形成されている。
【0018】その底面11から接続開口2,3,4の軸心までの間隔H、及び、背面12から接続開口2,3,4の軸心までの間隔Kは、それぞれストレート型(図7参照)やエルボ型(図8参照)、十字型等の一揃えの管継手において、同一寸法に設定されている。
【0019】従って、このような一揃えの管継手を用いて、後述するように、その背面12を取付基準面(天井、壁面等)に当接させた状態にて、底面11を取付対象面(床面、壁面等)に着座させて、ボルト締結等で固定することにより、別途、面倒な寸法出しをしなくても、正確なアライメントで施工することができる。
【0020】このような管継手の接続の対象となる配管Pは、プラスチックを素材とするものや、プラスチックの内部に金属の(コイル状や網目状の)補強を施したもの、あるいは、プラスチックの接続端部のみ金属パイプで内側から補強したもの、または、金属を素材とする配管も適用可能である。
【0021】上述のような構成のT型継手の各接続開口2,3,4に配管P…を接続するには、前述したように、予め、操作部材9が差し込まれて拡開状態となっている締付リング5内に配管Pの接続端を挿入し、その先端部が、周状段部25,35,45に当接するまで押し込む。
【0022】しかる後に、操作部材9を上方に引き抜くことによって、締付リング5の拡開状態を解除すれば、締付リング5が自体の弾性力により縮径し、その掛止刃51を配管Pの外面に食い込ませ、これにより、配管P…を継手本体1に対して強固な掛止状態に接続することができる。
【0023】その操作部材9は、例えば、図6に示すように、きわめて構成が簡易なものであり、その先端部の両側には、締付リング5の両切断端52,52と当接する当接面91,91が形成され、その上方両側には、継手本体1の上面に着座する着座部92,92が形成され、さらにその上部には、(図示省略の離脱作業具を引っ掛けるための)丸孔93を有する掴み部94が形成されている。
【0024】このような操作部材9…を、予め、継手本体1の各切欠部22,32,42に挿入して、各締付リング5…を安定な拡開状態に設定・保持しておくことができ、その状態で出荷し、かつ、そのまま現地に搬入して、上述のように、きわめて作業性よく配管Pの接続作業をおこなうことができる。
【0025】図7は、管継手の異なる実施の形態(ストレート型)の斜視図であり、各部の名称は、前実施の形態と同符号を用いて、説明を省略する。
【0026】図8は、エルボ状の管継手を示す別の実施の形態の斜視図であり、同様に、各部の名称は、前実施の形態と同符号を用いて、説明を省略する。なお、図示は省略するが、その他に、十字型や45°エルボ型、Y型、径違いエルボ型、径違いT型、径違いY型等々、種々の形態の管継手に本発明を適用することができる。
【0027】その接続作業(配管作業)では、従来のように、面倒な螺子加工やボルトの締結作業も不要となり、熟練者を要することなく、能率よくおこなうことができる上に、例えば、天井や壁面等を取付基準面として選択することにより、図11及び図12に示すように、配管Pのアライメントを精度よく確保することができる。
【0028】配管方法についてより詳しく説明すると(図11及び図12参照)、継手本体1の接続開口2,3,4に、各配管P…の接続端を挿入した後、継手本体1の平坦な底面11を壁面(取付対象面)16に着座させると共に、継手本体1の背面12を取付基準面とした天井15に当接させた状態として、取付フランジ8のボルト用孔7に固定ボルト(図示省略)を挿入して電動工具等でねじ込み締結した後に、操作部材9を引き抜くことによって締付リング5…で、各配管Pを継手本体1に掛止・固定すれば、配管Pを精度の高い整列状態で壁面16に取り付けることができる。
【0029】このような施工では、別途、取付金具等を要することなく、また、面倒な螺子加工やボルトの締結作業も不要となるため、熟練者を要することなく、きわめて施工作業性がよく、トータルで施工コストを大幅に低減することができる。
【0030】そして、接続された配管Pの軸心線Lは、各管継手の継手本体1の背面12から、全て、等しい間隔Kに設定されており、また、その軸心線Lと底面11との間隔Hも、全て、等しく設定されている。従って、取り付けられた各配管Pは、天井15及び壁面16の双方に対して、全て、一定の間隔に整然と保持される。
【0031】特に、その継手本体1は、袋ナット等が不要で構成が簡易で嵩張ることがなく、コンパクトに形成され、かつ、ボルトの締結作業も不要であるため、取付基準面に近接した位置に、継手本体1を固定することができる。また、ボルト締結のための工具を用いることができないような狭い箇所にも、継手本体1を作業性よく取り付けることもできる。
【0032】なお、締付リング5の切断開部53に差し込まれる操作部材9は、実施の形態に示すものに限定されることなく、例えば、その先端部は、切欠部22…から挿入されなくてもよく、配管Pの挿入に邪魔にならないような状態で、切断開部53に差し込まれて締付リング5を拡開状態に保持することができればよく、その形態の如何を問わない。
【0033】図9は、さらに異なる実施の形態を示し、この場合、継手本体1の切欠部22,32,42の幅W2 をやや大に設定し、締付リング5の拡開代を大きくして、より大きな縮径代を確保できるようにしている。これにより、配管Pへの掛止刃51の食い込み力を大にすることができる。なお、同図にて、取付基準面に当接させる背面は、紙面の裏側にあるものとする。
【0034】この場合、その締付リング5の両切断端部52,52には、凹部54,54が形成されており、配管接続作業をおこなう現場で、その凹部54,54に、操作部材19(図10参照) の先端部に形成した凸部191, 191を内方から嵌合させて、締付リング5を拡開させるようにする。
【0035】その操作部材9は、図10に示すように、ピン軸192 によって、回動自在に枢結された二本の操作杆193, 193の先端部に凸部191, 191が形成される一方、基端側には、把手194, 194が設けられ、その両把手194, 194を握ることによって、両凸部191, 191を外方に開くことができるようになっている。
【0036】このような操作部材9によれば、より大きな力で締付リング5を大きく拡開させることができるため、特に、強力な食い込み力が必要とされる場合に、好適である。
【0037】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、以下のような効果を奏する。
【0038】請求項1に記載の発明では、袋ナットが不要で、その継手本体1は、きわめて簡易な構成でコンパクトに形成することができ、安価に提供することができる。
【0039】また、その接続(配管)作業は、現場で、継手本体1の接続開口2…に被接続パイプP…の接続端を挿入してこれを締付リング5で掛止させ、継手本体1の底面11を取付対象面に着座させて、取付フランジ8のボルト用孔に固定ボルトを挿入してねじ込み締結することにより、従来のように、別途、取付金具を必要とせず、螺子加工やボルト締結等の面倒な作業が不要で、きわめて作業性よく配管施工をおこなうことができる。
【0040】また、継手本体1がコンパクトに形成されることから、天井や壁面等に近接させた状態に継手本体1を取り付けることができる。また、狭い箇所にも継手本体1を取り付けることができる。
【0041】請求項2に記載の発明によれば、各管継手の底面から接続開口の軸心までの間隔Hを、同一寸法に設定するので、配管Pの高さを精度よく揃えて取り付けることができる。
【0042】請求項3に記載の発明によれば、各管継手の背面から接続開口の軸心までの間隔Kを、同一寸法に設定するので、配管Pを取付基準面との間隔を一定とした精度の高い整列状態で取り付けることができる。
【0043】請求項4に記載の方法の発明によれば、各管継手を介して、取付対象面に取り付けられる配管Pが、取付対象面との間隔を一定とした精度の高いアライメントで整然と取り付けられ、従来のカバー部材f(図13参照)を用いなくても、整然と美しい配管が簡単に得られる。
【出願人】 【識別番号】000221638
【氏名又は名称】東尾メック株式会社
【識別番号】390037774
【氏名又は名称】井上スダレ株式会社
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
【公開番号】 特開2000−193160(P2000−193160A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−369347