| 【発明の名称】 |
高圧ホース |
| 【発明者】 |
【氏名】堀場 竜一
【氏名】河合 悦子
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| 【要約】 |
【課題】ブレーキホース10は、飛び石などの外力から保護するための構成が簡単で、しかも長尺物の製造の容易にすること。
【解決手段】ブレーキホース10は、高圧油を流す流路を形成する内管ゴム層12と、内管ゴム層12上に積層され、補強糸を埋設した補強層と、EPDMゴムからなる外管ゴム層16と、EPDMゴムに熱溶着しかつオレフィン系の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマから形成されるとともに、上記外管ゴム層のほぼ全長にわたってほぼ均一な厚さに積層され、外管ゴム層を外力から保護する保護層17とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高圧油を流すための高圧ホースにおいて、高圧油を流す流路を形成する内管ゴム層と、内管ゴム層上に積層され、補強糸を埋設した補強層を有する中間層と、中間層上に積層された外管ゴム層と、外管ゴム層に熱溶着しかつ熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマから形成されるとともに、上記外管ゴム層のほぼ全長にわたってほぼ均一な厚さに積層され、外管ゴム層を保護する保護層と、を備えたことを特徴とする高圧ホース。 【請求項2】 請求項1において、上記外管ゴム層がEPDMゴムから形成され、保護層がオレフィン系の熱可塑性エラストマから形成されている高圧ホース。 【請求項3】 請求項1において、上記外管ゴム層がクロロプレンゴムから形成され、保護層が塩化ビニル系の熱可塑性エラストマから形成されている高圧ホース。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、自動車ブレーキのマスタシリンダと油圧装置とを接続してブレーキ油を供給するための高圧ホースに関し、詳しくは外力に対する保護手段に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、自動車に使用される高圧ホースとして、図5及び図6に示すものが知られている。図5は従来のブレーキホース100を示す斜視図、図6はその半断面図である。図5及び図6において、ブレーキホース100は、ブレーキ油圧に対して高い耐圧性を有する必要から、ゴム及び繊維糸を多層に積層することにより形成されている。すなわち、ブレーキホース100は、ブレーキ油を流す流路101を形成する内管層102と、下補強糸104と、中間ゴム層106と、上補強糸層108と、ゴム材料からなる外管層110と、を積層することにより構成されている。 【0003】このブレーキホース100は、耐圧性や引き回しの容易性を確保するためにゴム材料から形成されているので、これを保護するために、その外周部に各種の保護部材や取付部材、たとえば、グロメット112、プロテクタ114あるいはスプリング116などを装着している。グロメット112は、樹脂材料から形成され、車体側の取付金具に把持されるものであり、プロテクタ114やスプリング116は、飛石などからブレーキホース100を保護するためのものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このような取付部材や保護部材は、複数の別部材で構成されているために、部品点数が多くなるうえに、製造工程も複雑になり、コストアップになるという問題があった。たとえば、プロテクタ114は、ブレーキホース100と別体に形成し、これを接着剤で接着しており、部品点数や工程が複雑になる。 【0005】また、特開平5−50786号公報に記載されているように、未加硫のホース本体に未加硫のプロテクタ部材を外嵌させて、加硫により接着することによりプロテクタをブレーキホースに一体化する手段も知られている。しかし、従来の公報の技術では工程が複雑になるだけでなく、癖付けが難しいために長尺物にすることが難しいという問題があった。 【0006】本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、飛び石などの外力から保護するための構成が簡単であり、しかも長尺物の製造も容易な高圧ホースを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上記課題を解決するためになされた本発明は、高圧油を流すための高圧ホースにおいて、高圧油を流す流路を形成する内管ゴム層と、内管ゴム層上に積層され、補強糸を埋設した補強層を有する中間層と、中間層上に積層された外管ゴム層と、外管ゴム層に熱溶着しかつ熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマから形成されるとともに、上記外管ゴム層のほぼ全長にわたってほぼ均一な厚さに積層され、外管ゴム層を保護する保護層と、を備えたことを特徴とする。 【0008】本発明にかかる高圧ホースは、高圧油を流すための流路を形成する内管ゴム層と、補強糸により耐膨張性を確保するための中間層とを積層して構成されている。さらに、中間層上には、EPDMゴムまたはクロロプレンゴムなどからなる外管ゴム層が積層されている。ここで、EPDMとは、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムをいう。さらに、外管ゴム層上には保護層が形成されている。保護層は、飛石などの外力に対して保護作用を果たすものである。保護層の材料は、EPDMゴムまたはクロロプレンゴムなどに熱溶着する熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマから形成されているので、押出工程により外管ゴム層上にほぼ均一な厚さでかつ全長にわたって形成することができる。このような保護層は、従来の技術で説明したようなプロテクタやグロメットなどの種々の役割を果たし、その部品点数や製造工程を簡略化することができる。 【0009】外管ゴム層の好適な材料として、EPDMゴムやクロロプレンゴムなどの熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマを用いることができるが、EPDMゴムを用いた場合には保護層の材料として、オレフィン系の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマを用いることが好ましく、クロロプレンゴムを用いた場合には、保護層の材料として、塩化ビニル系の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマを用いることが好ましい。これにより、外管ゴム層に保護層を熱溶着させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。 【0011】図1は本発明の一実施の形態にかかるブレーキホース10を長手方向に切断した半断面図、図2は図1の2−2線に沿った断面図である。図1及び図2において、ブレーキホース10は、図示しない自動車の油圧ブレーキに使用されるマスタシリンダとタイヤ側の油圧装置とを接続するために使用されるものであり、5層に積層されることによりブレーキ油圧に耐えうるように構成され、さらに外力に対して保護するための層を備えている。すなわち、ブレーキホース10は、内管ゴム層12と、下補強糸層13と、中間ゴム層14と、上補強糸層15と、外管ゴム層16とを備えており、さらに外管ゴム層16の外周に保護層17が積層されている。この保護層17は、従来の技術で説明したプロテクタやグロメットの代わりの作用をする層である。 【0012】ブレーキホース10は、49MPaまでのブレーキ油圧に耐えることができる耐圧性能などの特性を得るために、各層の材質や肉厚等が定められている。 【0013】すなわち、内管ゴム層12は、主に耐油性を得るためにエチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム共重合物(SBR)などから形成されている。 【0014】下補強糸層13は、ポリエステル・ナイロン、ビニロンなどの繊維糸を内管ゴム層12上に螺旋状に巻回することにより形成されている。また、中間ゴム層14は、天然ゴム(NR)、EPDM、イソブチレン・イソプレン共重合物(IIR)から形成されている。さらに、上補強糸層15は、ポリエステル、ビニロンなどの繊維糸を中間ゴム層14上に螺旋状に巻回することにより形成されている。これらの下補強糸層13、中間ゴム層14及び上補強糸層15は、補強層(中間層)を構成し、主にホース自体の耐膨張性を高めている。 【0015】外管ゴム層16は主に耐オゾン性を得るために、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)などから形成されている。 【0016】さらに、最外層の保護層17は、プロテクタやグロメットとしての機能を果たす層であり、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマから形成されている。保護層17の材料選択の条件として、■ブレーキホース10の引き回しや飛石などの外力から効果的に保護できる軟質の材料であること、■加硫工程における熱で形崩れをしない融点をもつこと、■ 外管ゴム層16と熱溶着性に優れていること、である。 【0017】これらの条件を満たす熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマとしては、外管ゴム層16がEPDMゴムの場合には、ポリオレフィン系材料のうち150〜180℃の融点を有する材料や、外管ゴム層16がクロロプレンゴム(CR)の場合には、塩化ビニル系材料のうち150〜180℃の融点を有する材料を用いることができる。たとえば、熱可塑性エラストマとして、サントプレン(商標名:アドバンストエラストマーシステムズ[AES]社製)、ミラプレーン(商標名:三菱化学MKV株式会社製)を用いることができる。 【0018】ブレーキホース10の各層の厚さは、その強度及び柔軟性を考慮して定められ、たとえば、多層構造のホースの各層の厚さを、内管ゴム層12が0.6〜0.9mm、下補強糸層13が0.6〜1.2mm、中間ゴム層14が0.1〜0.4mm、上補強糸層15が0.6〜1.2mm、外管ゴム層16が0.5〜1.2mmの範囲に定めることが好ましい。また、保護層17の厚さの条件としては、0.15〜1.5mmであることが好ましい。保護層17をこの範囲としたのは、0.15mm未満であると、外力に対するブレーキホース10の保護の効果が十分に得られないからであり、一方、1.5mmを越えると、ブレーキホース10自体を硬くして、その引き回しに支障を生じるからである。 【0019】次に、ブレーキホース10の製造方法について説明する。ブレーキホース10は、周知の方法により、つまりゴム押出工程、繊維糸の巻回工程及び加硫工程を施すことにより製造することができる。 【0020】図3はホース製造装置30を説明する説明図である。図3において、ホース製造装置30は、第1押出機40と、ブレード装置50と、第2押出機60とを備えている。第1押出機40は、ゴム材料を押し出すことにより内管押出体12A(内管ゴム層12)を形成するための装置である。 【0021】ブレード装置50は、下補強糸層13、中間ゴム層14及び上補強糸層15を内管押出体12Aに順次積層形成するための装置であり、第1スパイラル装置52と、中間シート形成装置54と、第2スパイラル装置56とを備えている。第1スパイラル装置52は、ドラム52aに装着されたボビンキャリアを備え、該ボビンキャリアから補強糸13aを繰り出しつつ内管押出体12A上に螺旋状に巻回することにより下補強糸層13を形成する装置である。中間シート形成装置54は、第1スパイラル装置52によって巻回された下補強糸層13上に、中間ゴム層14を形成するためのシート材14aをローラから繰り出す装置である。第2スパイラル装置56は、第1スパイラル装置52とほぼ同様な構成であり、該ドラム56aに装着されたボビンキャリアを備え、該ボビンキャリアから補強糸15aを繰り出しつつ中間ゴム層14上に螺旋状に巻回することにより上補強糸層15を形成する装置である。 【0022】また、第2押出機60は、外管ゴム層16及び保護層17をそれぞれ形成するための装置である。図4は第2押出機60を説明する説明図である。第2押出機60は、外管ゴム層16を形成するための外管押出部61と、保護層17を形成するための保護層押出部62とを備えており、外管押出部61からゴム材料を押し出して外管ゴム層16を形成しつつ、保護層押出部62から熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマを供給して該外管ゴム層16上に保護層17を形成する装置である。 【0023】次に、図3及び図4を用いて、ホース製造装置30によるブレーキホース10の一連の製造工程について説明する。いま、第1押出機40からEPDMゴムが押し出されることにより、円筒状の内管押出体12Aが形成される。このとき内管押出体12A内には、マンドレル(図示省略)が挿入される。 【0024】続いて、内管押出体12Aは、ブレード装置50に送られて、第1スパイラル装置52のドラム52aの回転によりボビンから補強糸13aが繰り出されて内管押出体12A上に積層されるとともに、中間シート形成装置54からシート材14aが供給され、さらに第2スパイラル装置56のドラム56aの回転によりボビンから補強糸15aが繰り出される。これにより、 第1押出機40により押し出された直後の内管ゴム層12に、下補強糸層13、中間ゴム層14及び上補強糸層15が順次形成される。 【0025】次に、第2押出機60が、外管ゴム層16及び保護層17を形成するためのゴム材料及び熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマを、外管ゴム層16上に共押出するために供給する。ここで、保護層17の押出条件としては、シリンダ温度が160〜200℃、つまり融点より10〜20℃高く設定することが好ましい。シリンダ温度が高すぎると、外管ゴム層16のゴム表面の加硫が促進され、過加硫となり、ゴム物性の低下(伸び、接着性)が生じやすいからである。 【0026】続いて、加硫工程を行なう。加硫工程の条件として、90〜150℃で15〜40分に設定する。この加硫工程により、内管ゴム層12、中間ゴム層14及び外管ゴム層16は、通常の加硫接着が行なわれて接合される。また、保護層17と外管ゴム層16とは、互いに熱溶着性を有する材料から形成されているので一体化する。このとき、保護層17の融点は、150〜180℃であり、加硫温度と比べて高いので、保護層17は形崩れすることがない。これにより、ブレーキホース10が一体化して形成される。 【0027】上記実施の形態にかかるブレーキホース10によれば、保護層17が外管ゴム層16上にほぼ均一な厚さで積層されて、プロテクタ、車体への取付部材としての機能を全て果たすので、従来の技術で説明したような、複数のプロテクタやグロメットなどを設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができ、コストダウンを図ることができる。 【0028】また、保護層17は、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマにより形成したので、外力に対する抵抗力をゴム材料で形成した場合より、薄い保護層17でも大きな効果を得ることができる。 【0029】さらに、ブレーキホース10の一部が損傷して、外管ゴム層16が外部に露出した場合において、保護層17と外管ゴム層16との材料の相違により、これを容易に視認することができ、ブレーキホース10の取り替えの要否を容易に知ることができる。 【0030】保護層17は、ゴム材料と異なった性質を有する熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマを用いているので、外管ゴム層16と異なった作用・効果を付加することも容易である。たとえば、保護層17は、色彩を付して意匠性を向上させることが、ゴム材料を用いた場合よりも容易である。 【0031】さらに、保護層17は、外管ゴム層16と同時に一連の押出工程により形成することができるので、長尺物であってもその製造工程が簡単である。 【0032】また、上記実施の形態において、外管ゴム層16の材料としてEPDMゴムの代わりに、クロロプレンゴム(CR)を用いた場合には、CRは、EPDMより耐オゾン性が劣るが、接着性に優れている。このようなCRの性質を活かすとともに保護層17の材料として、塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマを用いて、大きな耐オゾン性と接着性能を同時に得ることができる。 【0033】なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。 【0034】(1) 上記実施の形態では、高圧ホースとして、ブレーキホースについて説明したが、これに限らず、外力から保護するための保護層を必要とするものであれば、例えば、車両にあっては、軽いハンドル操作での車両の操舵を図るためのパワーステアリング装置や、ブレーキ油圧を制御して車輪の制動や駆動の様子を制御するアンチブレーキ装置,トラクションコントロール装置等におけるオイルの圧送に用いられるものであってもよい。 【0035】(2) 上記実施の形態におけるホースとして、図1及び図2に示すように、6層構造のものを説明したが、これに限らず、用途に応じて種々の構成のものを用いることができ、例えば、3層のブレーキホースの上に保護層を形成してもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000241463 【氏名又は名称】豊田合成株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月24日(1998.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097146 【弁理士】 【氏名又は名称】下出 隆史 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193151(P2000−193151A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−366523 |
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