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【発明の名称】 管内の流体合流部構造
【発明者】 【氏名】宮口 治衛

【要約】 【課題】温度差のある流体が合流する場合でも、熱疲労のような温度差による悪影響を受けることのない管内の流体合流部構造を提供する。

【解決手段】主管4に設けられた分岐管5から主管4の内部に内管6が延設され、主管4の内部に、主管4内壁から離隔した位置に主管4に沿って耐熱性材料からなるサーマルスリーブ7が挿入され、上記内管6の開口端6aがサーマルスリーブ7の側壁に貫通され、内管6とサーマルスリーブ7とが連通していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主管に設けられた分岐管から主管の内部に内管が延設され、主管の内部に、主管に沿って耐熱性材料からなるサーマルスリーブが主管内壁から離隔した位置に挿入され、上記内管の開口端がサーマルスリーブの側壁に貫通され、内管とサーマルスリーブとが連通していることを特徴とする管内の流体合流部構造。
【請求項2】 上記内管が貫通されるサーマルスリーブの開口部の周縁と、内管の外周壁との間に間隙が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の管内の流体合流部構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、管内の流体合流部構造に係り、特に、温度差のある流体の合流部に用いられる管内の流体合流部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、温度差のある流体を合流させる場合には、合流部分において高温の流体と低温の流体とが交互に管壁に接触することが原因で熱疲労が生じてしまう。とりわけ、この合流部分に用いられている配管が高圧配管であるような場合には、上記熱疲労による耐圧の低下が問題となる。したがって、このような熱疲労が生ずるのを少しでも抑えるために、様々な管内の流体合流部構造が採用されている。
【0003】この一例を図2によって説明すると、1は主管であって、主管1には分岐管2が設けられている。分岐管2には主管1の内部に向かって延長した内管3が取り付けられ、内管3はその先端部を主管1に沿う方向に湾曲した状態で配置されている。このようにして構成された主管1と分岐管2に対して、温度差のある流体が矢印で示すように流入して合流すると、主管1内を流れる流体と分岐管2を流れる流体との混合が促進されて流体の温度がある程度均一化されるため、その分だけ主管1の内壁は直接高温あるいは低温の流体にさらされることがなく耐圧部に作用する熱疲労が緩和される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の管内の流体合流部構造にあっては、混合の促進によってある程度の熱疲労は軽減されるものの、耐圧部の熱疲労を満足のゆくまで軽減するには至らなかった。すなわち、混合されて温度が均一化され熱負荷の原因とならなくなった流体については問題ないが、一部混合されないでそのまま主管1の内壁に衝突する流体については、相変わらず熱負荷の原因となってしまい、耐圧部の熱疲労発生は避け難いものとなっている。
【0005】また、主管1と分岐管2との流量比により混合の状況が変化するため、流量比の変化する合流部では形状を最適なものとすることが困難であるという問題がある。そこで、この発明は、温度差のある流体が合流する場合でも、熱疲労のような温度差による悪影響を受けることのない管内の流体合流部構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、主管に設けられた分岐管から主管の内部に内管が延設され、主管の内部に、主管に沿って耐熱性材料からなるサーマルスリーブが主管内壁から離隔した位置に挿入され、上記内管の開口端がサーマルスリーブの側壁に貫通され、内管とサーマルスリーブとが連通していることを特徴とする。
【0007】このように構成することで、主管を流れる流体と分岐管を流れる流体とに温度差があっても、両流体は主管内の耐圧性を要求されないサーマルスリーブ内において混合され、主管の内壁が直接的に両流体にさらされるのを防止する。また、混合を促進することにより熱疲労の発生を防止しようとした場合のように、流量比の変化する合流部の形状を最適化する必要も無くなる。更に、請求項2に記載した発明のように、内管が貫通されるサーマルスリーブの開口部の周縁と、内管の外周壁との間に間隙が設けられている構造にすることで、熱負荷にさらされ伸縮するサーマルスリーブが内管と干渉するのを防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態を図1と共に説明する。図1に示すのは、この発明の一実施形態の管内の流体合流部構造である。4は主管を示し、この主管4は耐圧性のある材料(例えば、ステンレス製等の耐圧管)から成形され、主管4には分岐管5が接続されている。分岐管5には主管4の内部に向かって内管6が直線状に延設されている。
【0009】一方、主管4の内部には、後述するサーマルスリーブの受容部4aが形成されている。そして、この受容部4a内であって、主管4に沿う方向に耐熱性材料からなるサーマルスリーブ7が、主管4の内壁との間に一定の間隔を隔た位置に挿入されている。このサーマルスリーブ7は熱疲労に強い耐熱合金から成形され、基端側には折り返すような取付部7aが設けられ、この取付部7aが主管4の挿入端側の開口部4bに溶接接合されている。
【0010】また、サーマルスリーブ7の先端側に対向する主管4内壁は小径となるようにに有段成形されてサーマルスリーブ7の内径と整合するようになっている。更に、サーマルスリーブ7先端には主管4の内壁との間に間隙C1を確保してあり、サーマルスリーブ7が熱により伸縮しても両者が干渉しないようになっている。したがって、サーマルスリーブ7は外周壁も先端も主管4内壁には接触しない状態で挿入されている。そして、このサーマルスリーブ7の外周壁には内管6の延長線上に開口部7b形成され、この開口部7bに主管4の分岐管5から延びる内管6の開口端6aが貫通している。ここで、サーマルスリーブ7の開口部7bの周縁と、内管6の外周壁との間には間隙C2が形成されており、サーマルスリーブ7が熱により伸縮した場合でも内管6とサーマルスリーブ7とが干渉しないようになっている。
【0011】このように構成された主管4、分岐管5、及び、サーマルスリーブ7を備えた配管が、図示しない流体循環経路に組み込まれており、上記主管4と分岐管5に温度差のある流体が矢印で示すように流れ込み、サーマルスリーブ7内で合流するようになっている。尚、上記間隙C1、間隙C2は大きければ大きいほど上記干渉の問題はなくなるが、あまりに大きいと、サーマルスリーブ7内で混合する流体が直接的に主管4、内管6の内壁に衝突してしまうため、上記干渉が生じない最小限の大きさに設定することが望ましい。
【0012】上記実施形態によれば、主管4及び分岐管5から温度差のある流体が流入した場合に、両流体はサーマルスリーブ7内で衝突しサーマルスリーブ7内で混合される。したがって、温度差のある各流体が直接接触するのはサーマルスリーブ7内壁であって、耐圧部を構成する主管4の内壁にはこれら温度差のある流体が直接的にさらされることはなくなる。したがって、主管4等に熱疲労が生ずることはなく、その結果、耐圧性を要求される主管4が温度差がある流体にさらされることにより熱疲労を起こし、耐圧性が低下するような事態が発生することはなくなる。
【0013】ここで、サーマルスリーブ7には熱負荷がかかることとなるが、熱疲労に強い耐熱合金から成形されたサーマルスリーブ7は熱負荷に十分に対抗できる。すなわち、このサーマルスリーブ7は主管21の内部に挿入されている関係上サーマルスリーブ7の内外壁の圧力差はなくなるため、サーマルスリーブ7には耐圧を考慮した材料を使用する必要がない。よって、サーマルスリーブ7の選定にあたっては、耐圧に関する各種基準の対象外となり材質も基準類の制限を受けず、最も熱疲労上有利なものを採用することができるのである。
【0014】したがって、流体の温度差による熱疲労の発生を防止できるため主管4の耐圧部の信頼性を向上させることができる。また、混合を促進することにより熱疲労の発生を防止しようとした場合のように、流量比の変化する合流部の形状を最適化する必要も無くなるため、主管4の形状等様々な点で設計の自由度を高めることができるという効果がある。そして、サーマルスリーブ7が熱により伸縮しても、サーマルスリーブ7と内管6との間に形成された間隙C2によって許容できるため、両者が干渉することはない。尚、サーマルスリーブ7の先端と主管4との間に形成された間隙C1についても同様の理由でサーマルスリーブ7の熱による伸縮を許容しているため、両者が干渉しないことは、上記内管6とサーマルスリーブ7の場合と同様である。
【0015】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、主管を流れる流体と分岐管を流れる流体とに温度差があっても、両流体は主管内のサーマルスリーブ内において混合され、主管の内壁が直接的に両流体にさらされるのを防止することができるため、温度差を有する流体の合流部において、例えば、主管に耐圧が要求されていても、流体の温度差による熱疲労の発生を確実に防止でき耐圧部の信頼性を向上させることができる効果がある。
【0016】また、混合を促進することにより熱疲労の発生を防止しようとした場合のように、流量比の変化する合流部の形状を最適化する必要も無くなるため、設計の自由度を高めることができるという効果がある。そして、請求項2に記載した発明のように、内管が貫通されるサーマルスリーブの開口部の周縁と、内管の外周壁との間に間隙が設けられていることにより、熱負荷にさらされ伸縮するサーマルスリーブが内管と干渉するのを防止することができ、サーマルスリーブ等の破損を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開2000−193150(P2000−193150A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−372041