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【発明の名称】 配管付属重量物の支持装置
【発明者】 【氏名】古沢 安則

【要約】 【課題】配管に取り付けられた油圧機器類等の重量物を確実に支持でき、取付け取り外しも容易に行うことができる配管付属重量物の支持装置を提供する。

【解決手段】弁装置1の下方に配置され、工場等のフロアに設置される脚3と、脚3の上部にフラットプレート4を備え、フラットプレート4上に位置調整ネジ5によって上下方向位置調整可能に押さえベース6が取り付けられている。位置調整ネジ5は2つのナット7によりフラットプレート4を挟むことで、押さえベース6の位置を固定する。押さえベース6の底壁6a上に弁装置1を支持し、側壁6bに設けた押ネジ8によりブラケット9を押しつけて、弁装置1を保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 配管に取り付けられる重量物に対応する位置に設置され、位置調整部材を介して重量物を支持するベース部材と、このベース部材に対して重量物を押圧保持するクランプ部材とを有することを特徴とする配管付属重量物の支持装置。
【請求項2】 上記重量物が油圧機器類であり、上記ベース部材が、脚とこの脚に進退可能に設けられた油圧機器類の押さえベースとを備え、上記位置調整部材が上記押さえベースと脚との間に設けられた位置調整ネジであり、上記クランプ部材が押さえベースに支持された油圧機器を周囲から押圧する押ネジであることを特徴とする請求項1に記載の配管付属重量物の支持装置。
【請求項3】 上記重量物がフランジであり、上記ベース部材が、ベースとこのベースに進退可能に設けられフランジの受容部を有するフランジの押さえ部材とを備え、上記位置調整部材が上記ベースと押さえ部材との間に設けられた位置決めネジであり、上記クランプ部材が押さえ部材に受容されたフランジを押さえ部材に固定する締結帯であることを特徴とする請求項1に記載の配管付属重量物の支持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、弁装置、流量計、フランジ等の配管付属重量物の支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、発電プラントや産業用プラント等における各種配管には様々な機器類が取り付けられている。この種の配管には、通常はポンプ等により作動油が流れている関係で、脈動等の理由からある程度の配管の振動は避けられないものとなっている。
【0003】このような配管の振動は、配管内に介装された各種油圧機器等の重量物をマスとした振動系を構成するため増幅され、場合によっては配管の端部に接続されたフランジでさえもマスとして作用して繰り返し荷重により配管の疲労の原因となっている。したがって、従来はこのような発電プラントや産業用プラントにおける配管にはこれをサポートする支持装置を各所に設けるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の支持装置にあっては、例えば油圧機器類を支持する場合にこの油圧機器の両側の配管を支持するようにしていたため、支持が十分ではなく、例えば高さの高い弁装置等においては弁体から延びる弁頭の部分の振動を抑えることはできない。そのため弁頭部を別途支持するサポートを追加する必要があり、結果として3箇所で支持することとなり取付け作業性が悪いという問題がある。
【0005】また、支持する対象がフランジである場合には、接合されているフランジの両側を支持すると、例えばメインテナンス等で両側がフランジの配管を外すような場合に、配管を外す前に支持装置自体を外さなければならず作業が面倒であるという問題がある。そこで、この発明は、配管付属の重量物をその形状に関わらず確実に支持でき、取り外しも容易に行うことができる配管付属重量物の支持装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、配管に取り付けられる重量物(例えば、第一実施形態における弁装置1、第二実施形態におけるフランジ11)に対応する位置に設置され、位置調整部材(例えば、第一実施形態における位置調整ネジ5、第二実施形態における位置決めネジ16)を介して重量物を支持するベース部材(例えば、第一実施形態における脚3及び押さえベース6、第二実施形態におけるベース12及び押さえ部材17)と、このベース部材に対して重量物を押圧保持するクランプ部材(例えば、第一実施形態における押ネジ8、第二実施形態におけるバンド19)とを有することを特徴とする。重量物を支持する場合にはベース部材を重量物に対応する位置に設置して位置調整部材により位置調整し重量物を支持した状態で、クランプ部材によりベース部材に重量物を押圧保持する。
【0007】また、請求項2に記載された発明は、請求項1において、上記重量物が油圧機器類(例えば、第一実施形態における弁装置1)であり、上記ベース部材が、脚(例えば、第一実施形態における脚3)とこの脚に進退可能に設けられた油圧機器類の押さえベース(例えば、第一実施形態における押さえベース6)とを備え、上記位置調整部材が上記押さえベースと脚との間に設けられた位置調整ネジ(例えば、第一実施形態における位置調整ネジ5)であり、上記クランプ部材が押さえベースに支持された油圧機器を周囲から押圧する押ネジ(例えば、第一実施形態における押ネジ8)であることを特徴とする。重量物である油圧機器類を取り付ける場合には油圧機器類の配置位置に脚を設置し、この脚に設けられた押さえベースを位置調整ネジにより進退動させて油圧機器類に対する位置決めを行い、次に、押さえベースに設けられた押ネジによって油圧機器を周囲から押圧して、油圧機器類を取り付ける。
【0008】また、請求項3に記載された発明は、上記重量物がフランジ(例えば、第二実施形態におけるフランジ11)であり、上記ベース部材が、ベース(例えば、第一実施形態におけるベース12)とこのベースに進退可能に設けられフランジの受容部(例えば、第二実施形態における受容部17a)を有するフランジの押さえ部材(例えば、第二実施形態における押さえ部材17)とを備え、上記位置調整部材が上記ベースと押さえ部材との間に設けられた位置決めネジ(例えば、第二実施形態における位置決めネジ16)であり、上記クランプ部材が押さえ部材に受容されたフランジを押さえ部材に固定する締結帯(例えば、第二実施形態におけるバンド19)であることを特徴とする。重量物であるフランジを支持する場合にはフランジの配置位置にベースを設置し、このベースに設けられた押さ部材を位置決めネジにより進退動させて油圧機器類に対する位置決めを行い、配管の例えば外周部分を押さえ部材の受容部に支持する。次に、押さえ部材に支持されたフランジの例えば周囲を締結帯によって締め付けてフランジを押さえ部材に固定する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1、図2はこの発明の第一実施形態を示すものであり、重量物としての弁装置を支持する支持装置である。図1において、1は油圧機器類としての弁装置を示し、弁装置1は弁体1aと弁頭1bとを備えている。弁装置1の弁体1aに、配管のフランジ2(図中鎖線で示す)が取り付けられる取付けフランジ部1cが設けられている。
【0010】そして、この弁装置1が支持装置S1により支持されている。支持装置S1は弁装置1の下方に配置され、工場等のフロアに設置される脚3を備えている。脚3はその上部にフラットプレート4を備え、このフラットプレート4上に位置調整ネジ5によって上下方向位置調整可能に押さえベース6が取り付けられている。具体的には押さえベース6の下部に位置調整ネジ5が取り付けられ、この位置調整ネジ5はフラットプレート4を貫通し、位置調整ネジ5に設けられた2つのナット7によりフラットプレート4を挟み込んで締め付けることで、押さえベース6の位置を固定している。
【0011】上記押さえベース6はコの字形状をしており、弁装置1の配管取付け方向側が開放された形状のもので、底壁6aから立ち上がる一対の側壁6bに弁装置1の周壁1dを押圧する押ネジ8が設けられている。押ネジ8の先端には弁装置1の弁体1aの外壁を押圧するブラケット9が取り付けられている。尚、押ネジ8にはナット10,10が設けられ、押ネジ8を締め付けた後、ナット10,10により押ネジ8を固定するようになっている。また、ブラケット9は弁装置1の周壁1dを受け入れる凹部9aを備えている。
【0012】上記第一実施形態によれば、弁装置1を支持装置S1により支持する場合には、弁装置1の下方の工場のフロアに脚3を設置し、この脚3に設けられた押さえベース6を位置調整ネジ5により進退動させて弁装置1に対する上下方向での位置決めを行いナット7,7により位置調整ネジを5、すなわち押さえベース6を固定する。次に、押さえベース6に設けられた押ネジ8によってブラケット9で弁装置1を両方から押圧して、弁装置1を固定する。このとき、押ネジ8で弁本体1aを押圧したらナット10,10で押ネジ8を固定する。
【0013】したがって、重量の大きい弁装置1自体を支持するため、この弁装置1がマスとなる振動系の振動を抑制することができ、そのため一箇所で弁装置1を支持でき、よって高さの高いものであると3箇所で支持する必要があった従来に比較して弁装置1の取付け作業が行い易くなる。また、弁装置1あるいは配管をメインテナンス等において取り外す必要がある場合には、ナット10,10を緩めて押ネジ8によるブラケット9の押圧を解除すれば押さえベース6に支持された状態で弁装置1を取り外すことができるため、取り外し作業を容易に行うことができる。もちろん、ナット7,7を緩めて位置調整ネジ5を緩めれば支持装置1自体を容易に取り外すことができる。
【0014】また、弁装置1の弁体1を上下方向では位置調整ネジ5により微調整し、周方向では押ネジ8により調整することにより弁装置1を確実に固定することができる。このとき、押ネジ8のブラケット9の凹部9aにより弁装置1の弁体1aは、ずれることなく適正な位置に確実に固定される。したがって、弁本体1の接合部分に無理な力がかかることなく、弁本体1を支持することができる。また、弁装置1の弁頭1bを支持しなくても、弁装置1を確実に支持できるため配管サポートの信頼性を高めることができる。これにより、弁装置1の近傍のサポートを少なくすることができる。
【0015】次に、この発明の第二実施形態を図3によって説明する。この実施形態は重量物としてのフランジを支持する支持装置である。図3において、11はフランジを示し、配管(図示せず)の端部に取り付けられており、このフランジ11が支持装置S2により支持されている。支持装置S2はフランジ11の下方に配置され、工場等のフロアに設置されるベース12を備えている。ベース12は上部にテーブル13を備え、テーブル13にはブラケットプレート14がボルト15締めされている。そして、このブラケットプレート14に位置決めネジ16を介して押さえ部材17が上下方向に位置調整可能に取り付けられている。具体的には押さえ部材17の下部に位置決めネジ16が取り付けられ、この位置決めネジ16はブラケットプレート14を貫通し、位置決めネジ16に設けられた2つのナット18によりブラケットプレート14を挟むことで、押さえ部材17を固定している。
【0016】上記押さえ部材17にはフランジ11の周面を受け入れる弧状の受容部17aが形成されている。そして、押さえ部材17には、押さえ部材17の受容部17aに支持されたフランジ11を押さえ部材17に固定するバンド19が、その両端をボルト20によって着脱可能に固定されるようになっている。
【0017】上記第二実施形態によれば、フランジ11を支持装置S2により支持する場合には、フランジ11の下方にベース12を設置し、このベース12のブラケットプレート14に設けられた押さえ部材17を位置決めネジ16により進退動させてフランジ11に対する上下方向での位置決めを行い、ナット18,18を締め付けて位置決めネジ16を固定する。このとき、押さえ部材17の受容部17aにはフランジ11が位置決めされた状態となる。この状態で押さえ部材17上のフランジ11の外周の上半部にバンド19を巻き付け、バンド19の両端部をボルト20によって押さえ部材17の両端に固定すれば、フランジ11を確実に支持することができる。
【0018】したがって、重量の大きいフランジ11自体を支持するため、このフランジ11がマスとなる振動系の振動を抑制することができる。また、位置決めネジ16によって微調整しながらフランジ11を正確に支持することができるため、フランジ11の接合部分に無理な力がかかることなく、フランジ11を支持することができる。そして、フランジ11のみを支持することができるため、配管の取付け取り外し作業が行い易くなる。
【0019】すなわち、メインテナンス等の際に、バンド19を外しても押さえ部材17の受容部17aによってフランジ11は、ずれることなく支持されており、かつ、配管を取り外す場合に、押さえ部17の上部が開放されているため、配管を取り外す場合に支持装置S2が邪魔にならないのである。尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、第一実施形態において、ブラケット9を設けることなく押ネジ8により直接的に弁装置1の弁体1aを押さえるようにしても良い。このように構成することで、比較的鋳造品である場合が多い油圧機器類の複雑な形状に対しても、柔軟に対応することができる効果がある。
【0020】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、重量物を支持する場合にはベース部材を重量物に対応する位置に設置して位置調整部材により位置調整し重量物を支持した状態で、クランプ部材によりベース部材に重量物を押圧保持することができる。したがって、重量物自体を支持するため配管の振動を抑制することができ、一箇所で重量物を支持するため、重量物の取付け作業が行い易くなるという効果がある。また、重量物自体あるいは配管をメインテナンス等において取り外す必要がある場合の取り外し作業を容易に行うことができるという効果がある。
【0021】請求項2に記載した発明によれば、重量物である油圧機器類を取り付ける場合には油圧機器類の配置位置に脚を設置し、この脚に設けられた押さえベースを位置調整ネジにより進退動させて油圧機器類に対する位置決めを行い、次に、押さえベースに設けられた押ネジによって油圧機器を周囲から押圧して、油圧機器類を取り付けることができる。したがって、上記請求項1の効果に加え、比較的鋳造品である場合が多い油圧機器類の複雑な形状に対しても押さえベースを位置調整ネジによって進退動させることで確実に支持することができ、かつ、押ネジによって押さえベース上に油圧機器類を確実に支持することができ、配管サポートの信頼性を高めることができる。これにより、油圧機器類の近傍のサポートを少なくできる効果がある。また、油圧機器類のみを支持することができるため、例えばメインテナンス等の際に、押ネジをによる押圧を解除し、油圧機器類を押さえベースに支持した状態で配管を取り外したり、取り付けること等ができるため作業が行い易いという効果がある。
【0022】請求項3に記載された発明によれば、重量物であるフランジを支持する場合にはフランジの配置位置にベースを設置し、このベースに設けられた押さ部材を位置決めネジにより進退動させて油圧機器類に対する位置決めを行い、配管の例えば外周部分を押さえ部材の受容部に支持し、押さえ部材に支持されたフランジの例えば周囲を締結帯によって締め付けてフランジを押さえ部材に固定することができる。したがって、上記請求項1の効果に加え、押さえ部材を位置決めネジによって進退動させることで確実に支持することができ、かつ、締結帯によって押さえ部材にフランジを確実に支持することができ、配管サポートの信頼性を高めることができる。これによって、フランジ近傍のサポートを少なくできる効果がある。また、フランジのみを支持することができるため、例えばメインテナンス等の際に、締結帯を外しフランジを押さえ部材に支持した状態で配管を取り外したり、取り付けること等ができるため作業が行い易いという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開2000−193140(P2000−193140A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−372040