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【発明の名称】 断熱部材
【発明者】 【氏名】三須 安雄

【氏名】米倉 豊

【氏名】五十嵐 教之

【要約】 【課題】曲がった狭い隙間にも容易に適用できて、運搬などの取扱中にも、確実に袋の気密性を保持できてしかも、安価かつ容易に製造ができる断熱部材を提供する。

【解決手段】人工的に製造された耐火性の無機繊維層の両側に柔軟性と可燃性を有するシ−トを配した積層体が、通気性のない可燃性の袋の内部に密封されており、この袋の内部が減圧されており、無機繊維層が圧縮されていることを特徴とする断熱部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人工的に製造された耐火性の無機繊維層の両側に柔軟性と可燃性を有するシ−トを配した積層体が、通気性のない可燃性の袋の内部に密封されており、この袋の内部が減圧されており、無機繊維層が圧縮されていることを特徴とする断熱部材。
【請求項2】 無機繊維層がアルミナ短繊維またはアルミナシリカ短繊維のマットまたはブランケットであることを特徴とする請求項1に記載の断熱部材。
【請求項3】 シートが紙または合成高分子のフイルムであることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱部材。
【請求項4】 袋の少なくとも一端が熱融着により密封されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、わん曲した隙間を埋めるのに好適な断熱部材に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に示すように、特開平7−189677号公報に記載されている排気ガス浄化用コンバ−タ−20は、触媒保持体21と、その触媒保持体21の外方を覆うシェル22と、両者の間に配置した断熱部材層23よりなり、その断熱部材層23は、気密シ−トにより被覆されている。そして、この断熱部材層23は、触媒保持体21側のアルミナファイバ−と、シェル22側のシリカ−アルミナセラミックファイバ−の2層構造からなり、触媒保持体21はコ−ジェライトよりなる。上記シェル22は上シェル22aと下シェル22bからなる。これらの上シェル22aと下シェル22bは、共に断面が半長円形の殻である。
【0003】また、各種工業炉の耐火構造体は高温度で長期間使用していると、耐火物の収縮によって亀裂、目地開き等の隙間が生ずることがある。耐火物の熱膨張を吸収する目的で、予め隙間を開ける場合がある。さらに、耐火断熱材として使用した無機繊維の目地に隙間が生じる場合がある。このように耐火構造体に隙間が生じると、この隙間を通して高温側の気体である炉内ガスや熱風が背面に侵入し、背面構造体の破損や熱損失等を招く。
【0004】この種の弊害を防止するために、設備の新設、補修または稼動時に、耐火構造体に生じた隙間に無機繊維を充填することが行われている。
【0005】従来の充填作業は、バルク状の無機繊維を細い棒を使って押し込んだり、または無機繊維のブランケットを隙間に沿って少しずつ押し込んでいた。いずれにしても、充填作業に多大の時間と労力を要した。
【0006】そこで、特公昭51−35044号では、無機繊維のバルクやブランケットを通気性のない袋に入れて減圧密封し、耐火構造体の隙間に充填する方法が提案されている。また、特公昭61−58752号では、隙間に挿入する際のガイドを目的として、無機繊維の両側に薄板を積層して、袋に入れて減圧密封して、これを隙間に充填する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来の排気ガス浄化用コンバ−タ20は、わん曲状の狭い隙間に断熱部材層23を挟んで取り付けるため、気密シ−トの気密性を保持したまま所定の隙間に取り付けるのが非常に困難であった。
【0008】また、特公昭51−35044号に提案された方法には、次のような欠点があった。
【0009】無機繊維は、その製造方法に起因して、太い径の繊維が混在する。太い径の繊維は、堅くて柔軟性がない。無機繊維のバルクやブランケットを通気性のない袋に入れて減圧した際に、無機繊維が、袋を傷付けて、袋に孔があき、気密性を失って、圧縮ができなくなる。また、製造の際に、圧縮できたとしても、その後の運搬などの取扱中に袋の気密性が失われて、本来の目的に使用できなくなることが、しばしば起こった。
【0010】また、特公昭61−58752号では、薄板で挟むので、柔軟性に乏しく、曲がった隙間には使用できない。また、薄板は高価であり、その切断、加工に多くの工数が必要である。さらに、耐火構造体の隙間に挿入した後の、薄板の処理にも問題が残る。
【0011】このような従来技術に鑑み、本発明は、わん曲し狭い隙間にも容易に適用することができて、運搬などの取扱中にも、確実に袋の気密性を保持できて、しかも、安価かつ容易に製造ができる断熱部材を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の解決手段は請求項1〜4に記載されている。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に使用する無機繊維としては、ガラス繊維、岩綿、スラグウール、アルミナシリカ繊維やアルミナ繊維などのような無機の短繊維が好ましい。特に、アルミナシリカ繊維やアルミナ繊維は耐熱性に優れていて好ましい。
【0014】本発明で使用するマットは、無機の短繊維を二次元または三次元に配向した低密度の積層体である。
【0015】本発明で使用するブランケットは、無機の短繊維をニードリンクしたものや無機の長繊維製の糸により縫製したものが好ましい。
【0016】
【実施例】本発明の断熱部材は、図1〜2に示すように、無機繊維からなる無機繊維層1の両側にシート2を配した積層体を、可撓性で通気性がない袋3、例えば一端が解放されたナイロンやポリエチレン製の袋に入れて、次いで解放端から、例えば真空ポンプで袋の内部を強制排気して減圧する。この減圧により積層体の厚みは減少する。次いで、解放端を密封して断熱部材を得る。熱融着により密封すると、迅速かつ確実に密封できて好ましい。この断熱部材の厚みは、減圧の程度により任意に調整できる。
【0017】尚、シートは、無機繊維層と気密性の袋の間に位置して、柔軟であり、繊維が袋を傷付けるのを防止して、袋の気密性を保持する役割をはたすものである。
【0018】そのため、シートの材料としては、薄くて強度を有し、気孔の少ないシートからなり前記役割をはたすことができるものであれぱ採用できる。例えば、包装用紙やコート紙などの紙、あるいはナイロンやポリエチレンなどの合成高分子のフイルムが好ましい。厚さは、柔軟性と後処理のためには薄い方が好ましく、強度のためには厚い方が好ましい。このため、シートの厚さは20〜200μmが好ましい。より好ましくは、30〜100μmである。
【0019】本発明の断熱部材の一使用方法は、断熱部材を所望の隙間に挿入し、袋を開封し、袋内を大気圧に戻すことにより圧縮されていた無機繊維層の厚みを復元し、隙間を充填する。袋を解放する方法としては、袋の一部を破る方法がある。この他、そのまま放置し、使用時の熱によって袋を溶かしたり、燃やす方法であっても良い。
【0020】実施例1厚さ100mmのアルミナシリカ繊維からなるブランケットを、大きさ300×300mmに切断し無機繊維層とした。この無機繊維層の両側に、同じ大きさの厚さ約50μmのクラフト紙を重ねて積層体とした。この積層体を一端を解放したポリエチレン製の袋に入れて、真空ポンプで約0.05kg/cm2 まで減圧し、袋の解放端を熱融着して密封した。積層体の厚みは、約45mmであった。この断熱部材100個を段ボール箱に詰めてトラックで輸送したが、袋の気密性は全て保たれていた。
【0021】比較例1無機繊維層の両側にクラフト紙を重ねない他は、実施例1と同じ方法で製作した断熱部材100個を、同じように輸送した結果、断熱部材の20%が袋の気密性を失って、膨張していた。
【0022】
【発明の効果】本発明の断熱部材は、シートを用いることにより、繊維が袋を傷付けることがなく、袋の気密が保持できる。シートは、薄くて柔軟性を有するので、シートの切断加工が容易であり、作業性、取扱性に優れている。また、本発明に使用するシートは、広く安価に販売されていて入手容易であり、経済性にも優れている。さらに、シートは薄いために、使用後の処理が容易である。
【0023】シートは柔軟性を有するので、断熱部材も柔軟性を有している。この理由により、本発明の断熱部材は、曲がった隙間、例えば、自動車の排ガス浄化用触媒コンバーターの断熱部に使用するのに最適なものである。
【出願人】 【識別番号】000221236
【氏名又は名称】東芝モノフラックス株式会社
【出願日】 平成10年12月8日(1998.12.8)
【代理人】 【識別番号】100074538
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 徹
【公開番号】 特開2000−170991(P2000−170991A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−348703