| 【発明の名称】 |
ポリブテンパイプの接続構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】国枝 達雄
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構造で他のパイプに容易に接続することができ,かつ耐久性,水密性に優れた,ポリブテンパイプの接続構造を提供すること。
【解決手段】ポリブテンパイプ1と,該ポリブテンパイプ1の少なくとも一方の端部17に突出形成したフランジ11と,該フランジ11の背面18側において該ポリブテンパイプ1の外周に遊嵌装着した係合具2とよりなり,かつ上記フランジ11はポリブテンパイプ1自体を加熱軟化することにより形成してなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリブテンパイプと,該ポリブテンパイプの少なくとも一方の端部に突出形成したフランジと,該フランジの背面側において該ポリブテンパイプの外周に遊嵌装着した係合具とよりなり,かつ上記フランジはポリブテンパイプ自体を加熱軟化することにより形成してなることを特徴とするポリブテンパイプの接続構造。 【請求項2】 請求項1において,上記係合具は,ネジ部を有する袋ナットであることを特徴とするポリブテンパイプの接続構造。 【請求項3】 少なくとも一方の端部に突出形成したフランジを設けてなるポリブテンパイプを製造するにあたり,ヒータを有するフランジ形成具にポリブテンパイプの端部を押圧し,該端部を加熱軟化させて,該端部にフランジを形成する方法であって,上記フランジ形成具は,上記ポリブテンパイプの穴を挿入する棒状突起部と,該棒状突起部の周囲に設けられ上記フランジの外側形状を成形する加工部と,該加工部を加熱するためのヒータとを有することを特徴とするポリブテンパイプの製造方法。 【請求項4】 請求項3において,上記棒状突起部は,上記ポリブテンパイプの穴と略同じ直径を有していることを特徴とするポリブテンパイプの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【技術分野】本発明は,ポリブテン樹脂の接着に用いる接着剤が開発されていないために,従来,他のパイプとの間の接続が極めて困難であったポリブテンパイプにおける,その接続構造及び製造方法に関する。 【0002】 【従来技術】従来,例えば温水器等の給湯パイプに対して,金属パイプを接続するにあたっては,金属継ぎ手を介して接続している。この場合,金属パイプは半径方向に突出したフランジを有し,金属継ぎ手との間にゴムパッキン等を介して,袋ナット等により接続している。しかし,この場合,上記金属パイプと金属継ぎ手とは,異種の金属が用いられている。それは,上記金属パイプには,曲げ加工性等の特性が要求され,上記金属継ぎ手には,ネジ部の切削加工性等の特性が要求されるためである。 【0003】そして,上記金属パイプと金属継ぎ手とは異種の金属を用いるため,両者間に電位差を生じ,いわゆる電解腐食を生ずることがある。そのため,特に温水等の高温下においては,長期間の使用が困難である。また,配管工事現場において,上記金属パイプを所望形状に曲げ加工するためには,加工具や加工作業を必要とする。また,複雑な方向への曲げ加工は,非常に困難である。 【0004】そこで,上記電解腐食を避けるために,耐熱性に優れ,弾力性,柔軟性に富み,施工性に優れたポリブテン樹脂を用いることが提案されている。 【0005】 【解決しようとする課題】しかし,ポリブテン樹脂には,これを他者と接合できる接着剤がない。そのため,金属パイプにかわってポリブテンパイプを使用する場合には,例えば,図5に示すごとき,複雑な接続構造を採用しなければならない。 【0006】即ち,図5に示すごとく,金属継ぎ手81の小径突起部811に対してポリブテンパイプ9の端部92の穴91をねじ込み,ポリブテンパイプ9の外周に配設したゴムパッキン82を上記端部92の上に嵌合する。さらに,ゴムパッキン82の上に袋ナット83を嵌合して,袋ナット83の雌ネジ部833を金属継ぎ手81の雄ネジ部812に螺合する。 【0007】このとき,袋ナット83のテーパ部831が,ゴムパッキン82の筒状部821とポリブテンパイプ9の端部92とを縮径させ,金属継ぎ手81の小径突起部811に押圧固定する。そのため,ポリブテンパイプ9は金属継ぎ手81に接続される。 【0008】なお,ゴムパッキン82の貫通穴826は,上記ポリブテンパイプ9の外径と略等しい。また,ゴムパッキン82のフランジ822は,上記袋ナット83のテーパ部831の周縁部に押圧される。なお,金属継ぎ手81は,六角部813を介して上記雄ネジ部812の反対側に配設した雄ネジ部814により,給湯パイプの雌ネジ部(図示略)に螺合接続してある。 【0009】なお,給湯時においては,温水器(図示略)から供給された温水は,上記給湯パイプより,上記金属継ぎ手81の貫通穴816とポリブテンパイプ9の穴91とを通じて,給湯される。 【0010】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,簡単な構造で他のパイプに容易に接続することができ,かつ耐久性,水密性に優れた,ポリブテンパイプの接続構造を提供しようとするものである。 【0011】 【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,ポリブテンパイプと,該ポリブテンパイプの少なくとも一方の端部に突出形成したフランジと,該フランジの背面側において該ポリブテンパイプの外周に遊嵌装着した係合具とよりなり,かつ上記フランジはポリブテンパイプ自体を加熱軟化することにより形成してなることを特徴とするポリブテンパイプの接続構造にある。 【0012】本発明において最も注目すべきことは,上記ポリブテンパイプの端部にはポリブテンパイプ自体を加熱軟化することにより上記フランジを突出形成してあり,上記ポリブテンパイプの外周には上記係合具を設けてあることである。 【0013】ポリブテンパイプの原料であるポリブテン(PB)は,1−ブテンを重合することにより製造される合成樹脂で,ポリエチレン(PE)や,ポリプロピレン(PP)と同じポリオレフィン系の樹脂である。また,ポリブテンの平均分子量は約120万と非常に大きい。ポリブテンパイプは例えばJIS,K6792にも示されている。 【0014】本発明のポリブテンパイプを,例えば給湯パイプ等の他のパイプ又は継ぎ手に対して,接続するにあたっては,まず,上記ポリブテンパイプの端部に形成したフランジを他のパイプ(又は継ぎ手,以下同様)に当接させる。次いで,上記ポリブテンパイプの外周に配設した係合具を上記他のパイプに接続する。上記ポリブテンパイプのフランジは,上記係合具により上記他のパイプに押圧されて密着固定される。 【0015】次に,本発明の作用につき説明する。本発明においては,上記ポリブテンパイプは電気絶縁性を有するので,たとえ接続相手である他のパイプが金属であっても,これらが電解腐食することはない。また,上記ポリブテンパイプのフランジは,ポリブテン樹脂自体の物性として弾力性を有する。そのため,該フランジを上記係合具で押圧することにより,従来例に示したゴムパッキンにかわって,漏水を防止することができる。そのため,上記ゴムパッキンは必ずしも必要としない。また,上記フランジは上記ポリブテンパイプの端部に一体的に形成されており,両者の接合手段は不要である。 【0016】それ故,ポリブテンパイプの接続構造が簡単になる。また,上記他のパイプへの接続作業が容易になる。また,上記ポリブテンパイプのフランジは従来例に示したゴムパッキンに比べて非常に高い耐熱性を有するので,該フランジの熱劣化を確実に防止することができ,耐久性,水密性を大幅に向上させることができる。 【0017】次に,請求項2の発明のように,上記係合具は,ネジ部を有する袋ナットであることが好ましい。この場合には,上記係合具のネジ部を上記他のパイプに螺合して,確実に上記ポリブテンパイプを接続することができる。なお,上記ネジ部は袋ナットの内周に配設してもよいし,外周に配設してもよい。即ち,上記ネジ部は雌ネジでも雄ネジでもよい。 【0018】次に,請求項3の発明は,少なくとも一方の端部に突出形成したフランジを設けてなるポリブテンパイプを製造するにあたり,ヒータを有するフランジ形成具にポリブテンパイプの端部を押圧し,該端部を加熱軟化させて,該端部にフランジを形成する方法であって,上記フランジ形成具は,上記ポリブテンパイプの穴を挿入する棒状突起部と,該棒状突起部の周囲に設けられ上記フランジの外側形状を成形する加工部と,該加工部を加熱するためのヒータとを有することを特徴とするポリブテンパイプの製造方法にある。 【0019】上記製造方法においては,まず,上記フランジ形成具の棒状突起部を上記ポリブテンパイプの穴に挿入し,上記ポリブテンパイプの端部を上記フランジ形成具の加工部に当接する。次いで,上記フランジ形成具のヒータにより上記加工部を加熱し,該加工部に対して上記ポリブテンパイプの端部を押圧する。そして,上記ポリブテンパイプの端部を,加熱された加工部に沿って加熱軟化させて上記フランジを突出形成する。 【0020】上記製造方法によれば,上記ポリブテンパイプの端部を加熱軟化することにより,上記ポリブテンパイプ自体より上記フランジを容易に形成することができる。 【0021】次に,請求項4の発明のように,上記棒状突起部は,上記ポリブテンパイプの穴と略同じ直径を有していることが好ましい。この場合には,上記ポリブテンパイプの穴を縮径させることなく,上記フランジを形成することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】実施形態例本発明の実施形態例にかかるポリブテンパイプの接続構造及びポリブテンパイプの製造方法につき,図1〜図4を用いて説明する。本例のポリブテンパイプの接続構造は,図1,図2に示すごとく,ポリブテンパイプ1と,該ポリブテンパイプ1の少なくとも一方の端部17に突出形成したフランジ11と,該フランジ11の背面18側において該ポリブテンパイプ1の外周12に遊嵌装着した係合具2とよりなる。かつ上記フランジ11はポリブテンパイプ1自体を加熱軟化することにより形成してなる。 【0023】以下,詳説する。上記係合具2は,図1,図2に示すごとく,ネジ部としての雌ネジ部21を有する袋ナットである。また,上記係合具2は,上記フランジ11の背面18に係合する係合部22を有する。係合部22にはポリブテンパイプ1の本体部を挿通するための貫通穴24が設けてある。 【0024】本例のポリブテンパイプ1を,他のパイプとしての給湯パイプ39に対して,継ぎ手3を介して接続するにあたっては,図1,図2に示すごとく,まず,上記ポリブテンパイプ1の端部17に形成したフランジ11を,継ぎ手3の雄ネジ部31の側面に当接させる。なお,上記継ぎ手3は,六角部32を介して上記雄ネジ部31の反対側に配設した雄ネジ部33により,給湯パイプ39の雌ネジ部390に螺合接続してある。 【0025】そして,上記ポリブテンパイプ1のフランジ11の背面18に対して,上記係合具2の係合部22を係合させる。次いで,上記係合具2の雌ネジ部21を上記継ぎ手3の雄ネジ部31に螺合する。これにより,ポリブテンパイプ1を継ぎ手3を介して上記給湯パイプ39に接続する。上記ポリブテンパイプ1のフランジ11は,上記継ぎ手3の雄ネジ部31の側面に押圧されて密着固定される。 【0026】なお,給湯時においては,温水器(図示略)から供給された温水は,上記給湯パイプ39より,上記継ぎ手3の貫通穴30とポリブテンパイプ1の穴10とを通じて,給湯される。 【0027】次に,上記ポリブテンパイプ1の製造方法について,図3,図4を用いて説明する。上記製造方法においては,図3,図4に示すごとく,ヒータ41を有するフランジ形成具4にポリブテンパイプ1の端部17を押圧し,該端部17を加熱軟化させて,該端部17にフランジ11を形成する。 【0028】上記フランジ形成具4は,図3に示すごとく,上記ポリブテンパイプ1の穴10を挿入する円柱状の棒状突起部42と,該棒状突起部42の周囲に設けられ上記フランジ11の外側形状を成形する有底の円筒状の加工部43と,該加工部43を加熱するためのヒータ41とを有する。 【0029】上記棒状突起部42は,上記ポリブテンパイプ1の穴10と略同じ直径を有している。上記加工部43は,上記棒状突起部42と同軸的に配設された円筒体431と,上記棒状突起部42と垂直に形成された基底部432とよりなり,その間に上記端部17を挿入する環状溝430を有する。 【0030】上記ヒータ41は,上記基底部432の下方に配置した本体部40内に設けてあり,上記基底部432に発熱部を対向配設してある。上記ヒータ41にはコンセント46が接続してある。また,上記フランジ形成具4の本体部40内には断熱材45が配設してあり,この断熱材45により上記ヒータ41の下部を断熱している。 【0031】上記ポリブテンパイプ1のフランジ11の加工方法においては,図4(a)に示すごとく,まず,上記ヒータ41により上記加工部43を加熱しておく。次いで,上記フランジ形成具4の棒状突起部42に上記ポリブテンパイプ1の穴10を挿入し,上記ポリブテンパイプ1の端部17を上記フランジ形成具4の加工部43の基底部432に当接,押圧する。 【0032】これにより,図4(b)に示すごとく,上記ポリブテンパイプ1の端部17は,加熱された加工部43により軟化され,上記基底部432に沿って円筒部431に当接するまで軟化屈曲し,フランジ11を突出形成する。 【0033】次いで,図4(c)に示すごとく,上記ヒータ41による加熱を停止し,上記フランジ11が冷却硬化した後,上記ポリブテンパイプ1を上記棒状突起部42から引き抜く。なお,必要に応じて,上記フランジ11の背面18に対して切削加工等を施し,上記フランジ11を所望の厚みにすることができる。 【0034】次に,本例の作用につき説明する。本例のポリブテンパイプの接続構造においては,上記ポリブテンパイプ1は電気絶縁性を有するので,たとえ接続相手である継ぎ手3が金属であっても,これらが電解腐食することはない。また,上記ポリブテンパイプ1のフランジ11は,ポリブテン樹脂自体の物性として弾力性を有する。そのため,このフランジ11を上記係合具2で押圧することにより,従来例に示したゴムパッキンにかわって,漏水を防止することができる。そのため,上記ゴムパッキンは必ずしも必要としない。また,上記フランジ11は上記ポリブテンパイプ1の端部17に一体的に形成されており,両者の接合手段は不要である。 【0035】それ故,ポリブテンパイプ1の接続構造が簡単になる。また,上記継ぎ手3への接続作業が容易になる。また,上記ポリブテンパイプ1のフランジ11は従来例に示したゴムパッキンに比べて非常に高い耐熱性を有するので,このフランジ11の熱劣化を確実に防止することができ,耐久性,水密性を大幅に向上させることができる。 【0036】また,上記係合具2は,雌ネジ部21を有する袋ナットである。そのため,上記係合具2の雌ネジ部21を上記継ぎ手3に螺合して,確実に上記ポリブテンパイプ1を接続することができる。 【0037】また,本例のポリブテンパイプの製造方法によれば,上記ポリブテンパイプ1の端部17を加熱軟化することにより,上記ポリブテンパイプ1自体より上記フランジ11を容易に形成することができる。 【0038】また,上記フランジ形成具4の棒状突起部42は,上記ポリブテンパイプ1の穴10と略同じ直径を有している。そのため,上記ポリブテンパイプ1の穴10を縮径させることなく,上記フランジ11を形成することができる。それ故,給湯時においては,温水が上記継ぎ手3の貫通穴30からポリブテンパイプ1の穴10へ通過する際に生じる圧力損失を,極力抑えることができる。 【0039】 【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,簡単な構造で他のパイプに容易に接続することができ,かつ耐久性,水密性に優れた,ポリブテンパイプの接続構造を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596174972 【氏名又は名称】国枝 達雄
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| 【出願日】 |
平成10年12月8日(1998.12.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079142 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 祥泰 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−170965(P2000−170965A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−348940 |
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