| 【発明の名称】 |
管体の結合方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 光郎
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| 【要約】 |
【課題】結合される端部付近に径変化や曲げがある管体を、溶接によらずに結合することを可能にすること。
【解決手段】挿入部40aにフランジ10の端部16aを、挿入部40bにパイプ20の端部20aを挿入し、アダプタ30の内部から力を加えて、小径部36が大径となり両端部側になるにしたがって径が小さくなるように膨出変形させ、端部16a、20aも外側に膨出変形させる。膨出変形により、端部16a及び端部20aはラッパ状に拡管され、端部16a、20aは内観32及び大径部38a、38bに密接させられる。これにより、ネック部16及びパイプ20は、アダプタ30を介して確実にしかも強固に結合される。アダプタ30の内側から力を加えるので、ネック部16やパイプ20の外周を金型等で保持する必要はなく、端部16aの近くに椀状部14のような径変化があっても結合できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内管と、該内管の外周に固定される小径部が長手方向の中央部に設けられ、前記内管との間に管体の端部を挿入可能な挿入部を形成する大径部が前記小径部の両側に設けられている外管とからなるアダプタを介して、管体同士を結合する方法であって、前記挿入部の一方に一方の管体の端部を挿入し、前記挿入部の他方に他方の管体の端部を挿入してから、前記アダプタの内側から力を加えて、前記アダプタの前記中央部が大径となり両端部側になるにしたがって径が小さくなるように該アダプタを外側に膨出変形させると共に前記両管体の端部も外側に膨出変形させることを特徴とする管体の結合方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、管体の結合の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の排気管では、例えばフランジの管状のネック部とパイプとを溶接によって結合していた。また、パイプ同士の結合にも溶接を用いることがあった。ところが、上述のような溶接による結合では、全周の溶接に要する時間が長く、滑らかな溶接線を得ることが難しく、また応力集中が発生しやすいという問題があった。 【0003】こうした溶接に伴う不具合は、溶接を用いずにパイプ同士を結合すれば発生しないわけで、そのような技術として特開平4−54393号公報及び特開平4−266684号公報に開示されるものがある。これらの技術では、金属短管の内側の中央部に左右対称に肉厚部を設けて、その肉厚部に軸方向に開口する溝を形成した接合治具が使用される。この接合治具を使用してパイプ同士を接合するには、プレス機の金型によって接合しようとする2本のパイプ及び接合治具の外周を保持して、パイプの管端をそれぞれ接合治具の溝に左右から押し込みながら、接合治具をもその中央部に押し付ける。すると、接合治具の中央部が外側に突出変形させられ、溝に嵌合している管端はフランジ状に拡径され溝内にかしめられ、それによって2本のパイプ同士が接合される。 【0004】これら特開平4−54393号公報及び特開平4−266684号公報に開示される技術によれば、溶接を用いずにパイプ同士を結合するので溶接に伴う不具合は発生しない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平4−54393号公報及び特開平4−266684号公報に開示される技術は、パイプ及び接合治具の外周をプレス機の金型で保持する構造であるため、パイプの管端からある程度までは(金型の厚み以上は)直管とする必要がある。そのため、管端近くに曲げや径変化(拡管や絞り)がある場合(一例としてフランジのネック部とパイプとを結合するような場合)には、この手法は適用できなかった。すなわち、こうした管体の結合には溶接を採用するしかなかった。 【0006】本発明は、溶接によらずにフランジとパイプあるいはパイプ同士を結合するにあたって、管端近くに曲げや径変化があるパイプ等の管体であっても、適用可能な管体の結合方法を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための請求項1記載の管体の結合方法は、内管と、該内管の外周に固定される小径部が長手方向の中央部に設けられ、前記内管との間に管体の端部を挿入可能な挿入部を形成する大径部が前記小径部の両側に設けられている外管とからなるアダプタを介して、管体同士を結合する方法であって、前記挿入部の一方に一方の管体の端部を挿入し、前記挿入部の他方に他方の管体の端部を挿入してから、前記アダプタの内側から力を加えて、前記アダプタの前記中央部が大径となり両端部側になるにしたがって径が小さくなるように該アダプタを外側に膨出変形させると共に前記両管体の端部も外側に膨出変形させることを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】請求項1記載の管体の結合方法が対象とする管体は、パイプに限るわけではなく、例えばフランジのネック部のような管状の部材も含まれる。したがって、この結合方法は、パイプ同士の結合、パイプとフランジ(ネック部)との結合、フランジ同士の結合等に適用できる。 【0009】この結合方法で、管体同士を結合するために使用するアダプタは、互いに連結された内管と外管とからなる二重管構造であり、外管の長手方向の中央部には、内管の外周に固定される小径部が設けられ、小径部の両側には、内管との間に管体の端部を挿入可能な挿入部を形成する大径部が設けられている。内管と外管とは、例えば小径部に施されたスポット溶接によって連結されるが、他の手法を用いてもよい。 【0010】内管と大径部とで形成される挿入部には、結合対象となる管体の端部が挿入されるので、内管の外径は、結合対象となる管体の内径よりも小径、大径部の内径は、結合対象となる管体の外径よりも大径とされる。ただし、挿入部に挿入された管体の端部ががたつくのは好ましくないので、管体の端部と挿入部とのクリアランスはなるべく小さい方がよい。 【0011】管体同士を結合するには、まずアダプタの一方の挿入部に一方の管体の端部を挿入し、他方の挿入部に他方の管体の端部を挿入する。そして、このアダプタの内側から力を加えて、アダプタの中央部が大径となり両端部側になるにしたがって径が小さくなるように、アダプタを外側に膨出変形させると共に挿入部に挿入されている両管体の端部も外側に膨出変形させる。 【0012】アダプタの内側から力を加えるには、例えば割型バルジ等の拡管器具を使用すればよい。このような形状にアダプタを膨出変形させ、両管体の端部も外側に膨出変形させたことにより、両管体の端部は内管及び大径部に密接させられる。このため、管体をアダプタから抜き取る方向の力に対しては大径部が抵抗となり、管体をアダプタに押し込む方向の力に対しては内管が抵抗となるから、アダプタと管体とが連結され、管体同士がアダプタを介して結合される。 【0013】しかも、管体の端部が内管の外面及び大径部の内面と密接するので、連結部分での気密性が確保される。 【0014】 【実施例】次に、本発明の実施例を説明することにより発明の実施の形態をより具体的に説明する。この実施例は、図1に示すように、フランジ10とパイプ20とをアダプタ30を介して結合する例である。 【0015】フランジ10は、図示しない相手方に当接されてボルト等で締付けられるフランジフェース12、これに連設されている椀状部14及び一方の管体に該当するネック部16を備えている。他方の管体に該当するパイプ20は直管である。アダプタ30は、内管32及び外管34からなる2重管構造をしている。内管32は短直管であるが、外管34は、長手方向の中央部に小径部36が設けられ、その両側に大径部38a、38bが設けられたくびれ管である。なお、本実施例では内管32と外管34の長さを同じにしているが、これを異ならせてもよい。 【0016】小径部36は内管32の外径に整合する内径で、内管32に嵌合され、周方向に約90度間隔で施された4点のスポット溶接にて内管32に固着されている。小径部36の両側に連設されている大径部38a、38bは、内管32の外周との間に、ネック部16の端部16a及びパイプ20の端部20aを挿入可能な挿入部40a、40bを形成している。 【0017】なお、この実施例では、ネック部16とパイプ20の肉厚は互いに等しいが等しくなくてもよい。また、挿入部40a、40bの幅(内管32の外周と大径部38a、38bの距離)は、ネック部16及びパイプ20の肉厚をわずかに上回っていて(実質的に同じで)、端部16a、20aが挿入部40a、40b内でがたつくことはない。 【0018】アダプタ30にてフランジ10とパイプ20を結合するには、図2に示すように、まず挿入部40aにネック部16の端部16aを挿入し、挿入部40bにパイプ20の端部20aを挿入する。そして、アダプタ30の内側から力を加えて、図3に示すように、アダプタ30の中央部(小径部36)が大径となり両端部側になるにしたがって径が小さくなるように、アダプタ30を外側に膨出変形させ、併せてネック部16の端部16a及びパイプ20の端部20aも外側に膨出変形させる。 【0019】この膨出変形の手法に制限はないが、例えば図4に示すような割型バルジ50を用いれば簡便である。この割型バルジ50は4個の割型52を集合した形態である。各割型52は互いに同形状であり、割型バルジ50に相当する筒状体を4分割した1個に相当している。割型52の内面には内テーパ面54が設けられており、そのテーパ方向は、割型バルジ50の割フランジ56側から先端側に進むにしたがって対面する内テーパ面54同士の間隔が狭まる方向である。また、各割型52の外面には、断面形状が山状の凸部58が設けられている。 【0020】こうした構造の割型バルジ50では、各内テーパ面54に整合するテーパ面を有する押込棒(図示は省略)を割フランジ56側から押し込むと、押込棒の前進に伴って割型52同士の間隔が拡大する。このような割型バルジ50にて、上述の膨出変形加工を行うには、まず、図4(c)に一点鎖線で示すように各割型52を互いに接触させた収縮状態にして、これを図2に示される状態のアダプタ30の内側に挿入する。このとき、凸部58をアダプタ30の小径部36に対応させる。アダプタ30と割型バルジ50の位置合わせ(凸部58と小径部36の対応)が済んでから、割型バルジ50内に押込棒を押込むと、押込棒の前進に伴って割型52同士の間隔が拡大するから、各凸部58がアダプタ30の小径部36に対応する部分を内側から外側に向かって押圧して、この部分を外側に膨出変形させる。これによって、アダプタ30、ネック部16の端部16a及びパイプ20の端部20aが図3に示されるように膨出変形する。その後、押込棒を抜き取って割型バルジ50を収縮状態にして、これをアダプタ30から抜き取れば、膨出加工は終了である。 【0021】この膨出加工によって、図3に示すようにネック部16の端部16a及びパイプ20の端部20aは外周側にラッパ状に拡管された状態となり、ネック部16の端部16aは内管32及び大径部38aに密接させられ、パイプ20の端部20aは内管32及び大径部38bに密接させられる。 【0022】このため、フランジ10(ネック部16)をアダプタ30から抜き取る方向の力に対しては大径部38aが抵抗となり、ネック部16をアダプタ30に押し込む方向の力に対しては内管32が抵抗となるから、ネック部16とアダプタ30とが確実に連結される。同様に、パイプ20をアダプタ30から抜き取る方向の力に対しては大径部38bが抵抗となり、パイプ20をアダプタ30に押し込む方向の力に対しては内管32が抵抗となるから、パイプ20とアダプタ30とが確実に連結される。このようにして、フランジ10(ネック部16)とパイプ20とが、アダプタ30を介して確実にしかも強固に結合される。 【0023】また、端部16a、20aが内管32の外面及び大径部38a、38bの内面と密接するので、連結部分での気密性も確保される。以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。 【0024】 【発明の効果】以上のように、本発明の管体の結合方法によれば、アダプタ及び管体の端部を膨出変形させて、アダプタを介して管体同士を結合するので、結合作業に要する時間は事実上膨出変形に要する時間だけとなり、作業時間の短縮と作業工数の低減が可能になる。 【0025】また、結合部分の外観も良好であり、溶接等の加熱処理は実施しないから熱応力による応力集中は発生しない。しかも、十分な気密性を確保できる。さらに、アダプタ及び管体の端部を膨出変形させる際に、アダプタの内側から外側に向かって外力を作用させるので、管体やアダプタの外周を金型などで保持する必要はなく、管体の一方または双方の管端近くに曲げや径変化があっても、そうした曲げや径変化に関係なく管体同士を結合することができる。特に、フランジのネック部や端部近くに曲げがあるパイプ等を結合するのに好適である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391002498 【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月4日(1998.12.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉
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| 【公開番号】 |
特開2000−170964(P2000−170964A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−345565 |
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