| 【発明の名称】 |
金具付きホースのインサート射出成形品およびその成形方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中山 明成
【氏名】渡辺 清
【氏名】海老沢 実
【氏名】小林 陽二
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| 【要約】 |
【課題】端末処理等の信頼性に優れた金具付きホースのインサート射出成形およびその工業的に有利な成形方法を提供すること。
【解決手段】複数個の継手金具または中間金具が加圧固定されたゴムまたはプラスチックホースの金具間の周上に、インサート射出成形によりジャケットを被覆して成る金具付きホースのインサート射出成形品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数個の継手金具または中間金具が加圧固定されたゴムまたはプラスチックホースの金具間の周上に、インサート射出成形によりジャケットを被覆して成ることを特徴とする金具付きホースのインサート射出成形品。 【請求項2】前記ジャケットの内部または前記ジャケットと前記ホースとの間に電線が配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の金具付きホースのインサート射出成形品。 【請求項3】ジャケットを被覆するためのインサート射出成形を二度に分けて行い、一次成形で1つの金具の周上およびホースの周上に、金具間距離の公差より長い寸法の複数個のブロックを射出成形し、二次成形でホース上の前記ブロックを金型内に突出させたピンで支えつつ、ブロックの無い側の金具のところで金型との位置決めを行い、ブロック付き金具のところまで射出成形することを特徴とする金具付きホースのインサート射出成形品の成形方法。 【請求項4】前記金型内に突出させたピンを可動とし、射出と同時にこれを金型内に引き込むことにより、一次成形でホース上にブロックを成形せずとも、ジャケットの偏肉およびピン跡の貫通を防止したことを特徴とする請求項3記載の金具付きホースのインサート射出成形品の成形方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、金具付きゴムまたはプラスチックホースのインサート射出成形品、特に自動車用途において、センサ用信号線を複合一体化させた構造の金具付きホースのインサート射出成形品に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ゴムまたはプラスチックホースの内部に、アース線や信号線、あるいはヒータを内蔵した製品に関しては多くの報告がある。その製造法の多くはホース上に金属導体を配置し、その上から押出成形によりホース外層を連続的に被覆するか、熱収縮チューブ等により必要な部分のみ被覆するものであった。 【0003】しかし、自動車用ゴムホース等、継手金具や中間金具等が加圧固定されたホースに電線を内蔵させようとした場合、前記押出成形により外層を連続的に被覆する方法では、電線を導出する部位で、ホース外層の被覆の部分的な除去、および電線の端末処理の必要がある。その際、ホース自身を傷つけることにより、亀裂の発生、屈曲特性の低下、あるいは取り除いた外層部分からの水の浸入等が予想される。また、金具を加圧固定した後に電線を配置し、熱収縮チューブで被覆した場合、熱収縮チューブ端末部には空隙が存在するため、水の浸入が予想される。水の浸入は、凍結によるチューブ破損を引起こす恐れがあり、信頼性に欠ける。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、端末処理等の信頼性に優れた金具付きホースのインサート射出成形品およびその工業的に有利な成形方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の金具付きホースのインサート射出成形品は、複数個の継手金具または中間金具が加圧固定されたゴムまたはプラスチックホースの金具間の周上に、インサート射出成形によりジャケットを被覆したものである。 【0006】また、上記目的を達成するため、本発明の金具付きホースのインサート射出成形品の成形方法は、ジャケットを被覆するためのインサート射出成形を二度に分けて行い、一次成形で1つの金具の周上およびホースの周上に、金具間距離の公差より長い寸法の複数個のブロックを射出成形し、二次成形でホース上の前記ブロックを金型内に突出させたピンで支えつつ、ブロックの無い側の金具のところで金型との位置決めを行い、ブロック付き金具のところまで射出成形するようにしたものである。 【0007】本発明に基づいて作製された電線入りホースの外観の一例を図1に示す。 【0008】ホース上に電線を配置する方法は、図2〜4に例示したように、複数個の継手金具または中間金具が加圧固定されたゴムまたはプラスチックホース1に対して、電線6をホース1上の金具間に縦添えする方法(図2)、電線を巻き付ける方法(図3)等があり、好ましくは外径の増大を最小限に抑えるためホース1上にフラットケーブル7を巻き付け、金具部に固定されたコネクタ8でケーブルと接続し、金具部からケーブルを導出する方法である(図4)。これらをインサートとして金型内にセットし、射出成形を行う。射出成形でジャケットを被覆すべき部分は、係止用のプレート部を除く金具および金具で区切られたホース部である。 【0009】プレート部ごと金型にインサートするためには、金具間の距離は±0.1mm程度の公差に抑えることが必要となる。しかし、実際の製造工程においては数ミリの公差が生じる。従って、本発明においては、ジャケット両端の金具を同時にインサートするのは極めて困難なことから、インサート射出成形を二度に分けて行うようにした。 【0010】一次成形で片端の金具上に、長手方向の寸法が金具間距離の公差より長い寸法のブロックを射出成形し、二次成形では他端側の金具で位置決めを行い、ブロック付き金具までを射出成形することにより、金具間距離に公差が存在しても成形を可能にした。より具体的には、図5に一次成形のブロック形状を、図6に二次成形の金型形状を示す。一次成形によるブロック10、11が金具間距離の公差を吸収する働きをしており、二次成形でのジャケットの被覆を可能にしている。 【0011】ホース1は可とう性があるため、射出圧により容易に変形し、ジャケット9が偏肉する。これを防止するため、金型14内にホース1を保持するためのピン12を突出させ、中空に浮かせた状態で成形するようにした。しかし、そのままではジャケット成形後にホース表面まで貫通するピン跡が残ってしまい、ジャケット内部に容易に水が浸入する。これを防止するため、ジャケット9の成形前にホース1上に、図5に示すごときピン12を受けるためのブロック10を成形することとした。このブロック10の成形は、前記した一次成形時に行うこととした。一次成形と二次成形は基準となる位置が異なるため、ブロック10は金具間距離の公差以上の幅を必要とする。 【0012】金型内のピン12は、パーティング射出の場合、金型のパーティング面に対して少なくとも上下2方向に配置(図7)する必要がある。好ましくは、例えばパーティング面に対して45°の4方向に設置し、ホースを強固に保持することである(図8)。ゲート位置はホースの両側から均等に樹脂が射出されるよう、図8に示すごとくホース径方向に対して対称な位置に設置するのが好ましい。 【0013】より好ましくは、前記金型内に突出させたピン12を可動とし、射出と同時にこれを金型内に引き込むことである。これにより、一次成形でホース上にブロックを成形せずとも、ジャケットの偏肉およびピン跡の貫通を防止でき、工程、金型設計が簡略化される。 【0014】射出成形によりジャケットを構成するための材料としては、熱可塑性エラストマー、水架橋性エラストマー等が挙げられる。最も好適なのは、熱可塑性エラストマーである。射出成形が可能で、成形品は適度な可とう性があり、材料特性のバランスが良いためである。 【0015】熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。中でも、オレフィン系およびポリエステル系が耐熱性、耐薬品性の観点から優れており、さらに、オレフィン系は耐加水分解性に優れ、比較的低コストであることから最も好適である。 【0016】ここで、オレフィン系可塑性エラストマーとは、ポリプロピレンとエラストマー成分からなる組成物であり、エラストマー成分は架橋されている。 【0017】なお、ジャケットとホースの気密性を保つためには、金具とジャケットが接着していることが重要となる。このため、必要に応じて接着剤、プライマーを塗布することができる。接着剤はオレフィン系の反応接着型の接着剤が良好な接着性が得られる。射出直前に予熱を加えると接着性が向上する。 【0018】金具表面をサンドブラスト、あるいは酸化処理して、接着性を向上させることも有効な手段である。 【0019】 【発明の実施の形態】1回成形法および2回成形法で電線入りホースを作製した。 【0020】外径10mmのホースの片端にプレート付き継手金具が加圧固定され、ホース中間部にプレート付き中間金具が加圧固定されたホースを準備した。金具のプレート間の距離は300mmを狙ったが、実測したところ±2mm(0〜4mm)の公差があった。金具の加圧固定部には電線用コネクタが固定され、コネクタ間はスパイラル状に巻き付けた二芯のフラットケーブルで配線した。二芯0.2SQのケーブルをコネクタに接続し、金具のプレートの小孔から導出した。 【0021】金型は6種類作製した。一回成形のための金型は、ジャケット部外寸、金具プレート部、中間金具から出るホース部のみをキャビティとした金型で、金具プレート間距離は300mmとした。 【0022】二回成形のための金型は一次用、二次用に分かれ、一次用金型では継手金具部とホース上にブロックを成形するためのものである。ホース上のブロックはほぼ等間隔に7個所設定した。ブロックの肉厚は1mmとした。ホース上のブロックは適宜ゲートを塞ぐことによって、成形しないことも可能である。 【0023】二次用金型はピン無し、固定ピン有り、可動ピン有りの3種を作製した。ジャケットの肉厚は2mmとした。ピンは保持部一個所につき、ホースを2方向または4方向から保持した。ホース保持部の数は、ホース長手方向に9個所(ホース部7個所+金具部2個所)設けた。ゲートはホース保持部の中間付近のホース両側に設け、片側8個所(計16個所)配置した。射出材料は硬度73のオレフィン系熱可塑性エラストマー(サントプレン111−73;AES製)を選択した。 【0024】 【表1】
【0025】表1の実施例1〜3は2回成形で二次成形時にピンでホースを保持するタイプであり、金具間距離の公差によらずインサート射出成形を行うことができた。また、ホース保持部は2方向、4方向保持のいずれも成形は可能であったが、4方向保持の方が偏肉は小さかった。 【0026】一方、比較例1は1回成形でジャケットを被覆しようとしたもので、金具間距離が一定しないため、ホース全体を金型にインサートすることが不可能であった。また、比較例2は2回成形で行ったが、二次成形時にホース保持用のピンが無い金型である。射出時にホースが変形し、偏肉が極めて大であった。 【0027】 【発明の効果】以上、要するに本発明によれば、インサート射出成形によりホース金具間に配置された電線の上にジャケットが被覆された、信頼性の高い電線入りホースを提供することが可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005120 【氏名又は名称】日立電線株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月10日(1998.12.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100240 【弁理士】 【氏名又は名称】松本 孝
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| 【公開番号】 |
特開2000−170961(P2000−170961A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−350820 |
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