| 【発明の名称】 |
グロメット |
| 【発明者】 |
【氏名】猪上 琢也
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| 【要約】 |
【課題】装着が容易であり、しかも外れ難い構成としたグロメットを提供する。
【解決手段】パネル20に設けた貫通孔21に装着され、内側にワイヤハーネスが通される筒状をした柔軟性のあるものであって、貫通孔21への装着状態においてパネル20の貫通孔21周縁部を挟む2つの筒状挟持部2、4を有し、その一方の筒状挟持部4が途中の中折れ部7で中折れ状態の2層構造であって、その2層構造となった一方の筒状挟持部4の貫通孔21に近い側の層部分5と他方の筒状挟持部2との各々が、パネル20の貫通孔21周縁からそれより外側の位置までの環状領域と略全体的に当接可能であり、一方の筒状挟持部4の貫通孔21から遠い側の層部分6が、外力を吸収すべく中折れ部7での中折れ角度を変えるように変形する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 柔軟性を有し、壁に設けた貫通孔に変形させて装着され、内側にワイヤハーネスが通される筒状をしたグロメットであって、貫通孔への装着状態において壁の貫通孔周縁部を挟む2つの筒状挟持部を有し、その一方の筒状挟持部が途中で中折れ状態の2層構造であって、その2層構造となった一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分が、壁の貫通孔周縁からそれより外側の位置までの環状領域と略全体的に当接可能であり、一方の筒状挟持部の貫通孔から遠い側の層部分が、外力を吸収すべく中折れ角度を変えるように変位する構成となっていることを特徴とするグロメット。 【請求項2】 2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着時、その全体を軸心に沿った折り畳み状態に変形可能であり、かつ折り畳み状態のときの外寸を貫通孔よりも小さくなして貫通孔を挿通されることを特徴とする請求項1に記載のグロメット。 【請求項3】 2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着後、両層部分が所定の中折れ角度で開いた状態になるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のグロメット。 【請求項4】 2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着後において外力を受けた場合、両層部分が所定の中折れ角度からより小さな中折れ角度へと変化するとともに、中折れ位置が外方に移動するようになっていることを特徴とする請求項3に記載のグロメット。 【請求項5】 2層構造をした一方の筒状挟持部には、中折れ位置の外方への移動を容易にすべく、その移動後の中折れ位置相当箇所に他の部分よりも薄肉の薄肉部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のグロメット。 【請求項6】 2つの筒状挟持部の間に設けられた凹溝の溝底が開口側に向けて突出部を有するよう形成され、その突出部が貫通孔の内縁と接触することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のグロメット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンルームと車内との仕切パネル等の壁に設けた貫通孔に装着され、内側にワイヤハーネスが通されるグロメットに関する。 【0002】 【従来の技術】上述したグロメットとしては、種々の構成のものが知られている。例えば、図4に示す第1の技術のグロメット100は、パネル110に設けた貫通孔111の周縁に取り付けられる凹状の挟持部101と、その挟持部101の一方側に形成された外力吸収部102とを有し、凹状の挟持部101が貫通孔111の周縁に取り付けられると共に、外力吸収部102の一方側に形成した取付孔103の内側にワイヤハーネス112が取り付けられる構成である(実開昭63−82885号)。 【0003】また、図5に示す第2の技術のグロメット120は、通常は、(a)の舌片121を径方向外方に放射状に延ばした状態(正規の状態)になっており、パネル110に設けた貫通孔111に挿入する際に、(b)に示すように、テーパ筒部122から大径筒部123までの部分を矢印C方向に回転し、小径筒部124(図5(a)参照)側に被せるよう裏返した状態に変形させ得るようになっている。なお、図5(a)中の125はパネル110の貫通孔111の縁に嵌合する嵌合溝で、125aはその溝縁部であり、Tはテープである。 【0004】そして、(b)に示す状態で、(c)に示すようにワイヤハーネス112の一方側端部を、パネル110の貫通孔111に通し、その後、ワイヤハーネス112を矢印A方向に引っ張る。すると、舌片121の先端が貫通孔111内に挿入されると共に、舌片121より外側に位置する裏返し状態の大径筒部123が、貫通孔111周縁のパネル110部分に当接する。更にワイヤハーネス112を引っ張ると、(d)に示すように裏返し状態の大径筒部123はパネル110に当接したまま、ワイヤハーネス112と一体化された小径筒部124が矢印A方向側に移動する。このとき、正規の状態に戻ろうとするモーメントMにより、大径筒部123が正規の状態に反転し、また、舌片121が拡開すると共に外向きに回転し、(e)に示すように大径筒部123の外周の嵌合溝125が貫通孔111の周縁に嵌まると共に、舌片121がパネル110に当接する状態になるように構成されている(特開平8−212857号)。 【0005】また、図6に示す第3の技術のグロメット130は、(b)に示すように、ワイヤハーネス112を取り付ける小径筒部130aと、中径筒部130bと、大径筒部130cと、大径筒部130cの外周先端より小径筒部130a側の後方へと折り返した折返部130dと、大径筒部130cの折返部130dの外周面に設けたパネル係止溝130eとを有する。このグロメット130のパネル110への装着は、以下のように行われる。先ず、(a)に示すように、パネル係止溝130eの右側部分が右側に倒れてパネル110に形成した貫通孔111よりも小径になすように、折返部130dの左側部分を手で支えた状態で小径筒部130aをC方向に引っ張り、その状態のまま、グロメット130をD方向に移動させてパネル係止溝130eの右側部分を貫通孔111に挿入していき、貫通孔111より突出させる。その後、折返部130dの左側部分におけるC方向への引っ張りを止めると、パネル係止溝130eの右側部分が起き上がって元の状態に戻ることで装着されるように構成されている(特開平9−265846号)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の技術のグロメットにあっては、凹状の挟持部101を構成する2つの突出部が共に倒れ込み構造とはなっていないため、グロメットの弾性力を利用してグロメットを強い力で引っ張るか押し込むことによりパネルの貫通孔に装着するので、装着することが比較的困難である。 【0007】これに対して、第2の技術のグロメットは、グロメット自身を、その弾性力を利用して裏返し、これによりパネルに当接する部分を小径になし、その後、パネルの貫通孔近傍で、裏返し状態から元の状態に復元させて、小径とされた部分を拡径化することでパネルの貫通孔周縁部を挟み込むようにして装着しているため、容易に装着することが可能である。しかし、グロメットに取り付けたワイヤハーネスがグロメットを裏返しする方向に引っ張られると、グロメットが容易に裏返しされてパネル貫通孔から外れる虞がある。このことは第3の技術のグロメットにあっても同様である。詳細には、第3の技術のグロメットは、パネル貫通孔を挟むパネル係止溝130eの片方の突出部を倒して貫通孔よりも小径になし、その状態で貫通孔に挿入してパネル係止溝130eの片方の突出部を元の状態に戻すことで装着されるが、この場合も、グロメットに取り付けたワイヤハーネスがグロメットにおけるパネル係止溝130eの片方の突出部を倒す方向に引っ張られると、その突出部が容易に倒れるためにパネル貫通孔から外れる虞がある。 【0008】このような不都合を防止すべく、変形部分を変形しにくい構造(比較的硬い構造)にすると、抜けは生じにくくなるが、装着時にグロメットを変形させるのに大きな力が必要となり、装着作業性が低下する。 【0009】本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、装着が容易であり、しかも外れ難い構成としたグロメットを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明のグロメットは、柔軟性を有し、壁に設けた貫通孔に変形させて装着され、内側にワイヤハーネスが通される筒状をしたグロメットであって、貫通孔への装着状態において壁の貫通孔周縁部を挟む2つの筒状挟持部を有し、その一方の筒状挟持部が途中で中折れ状態の2層構造であって、その2層構造となった一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分が、壁の貫通孔周縁からそれより外側の位置までの環状領域と略全体的に当接可能であり、一方の筒状挟持部の貫通孔から遠い側の層部分が、外力を吸収すべく中折れ角度を変えるように変位する構成となっている。 【0011】この構成のグロメットは、装着時において、2層構造となった一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分が、壁の貫通孔周縁からそれより外側の位置までの環状領域と略全体的に当接可能となっており。また、2層構造となった一方の筒状挟持部の貫通孔から遠い側の層部分が、中折れ角度を変えるように変位するので、その角度変化により外力を吸収する。よって、外力を吸収するときにあっても、一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分も、他方の筒状挟持部も、その全体が壁に当接もしくはほぼ当接したままであるので、壁を挟持する力が一定に保持されることになり、外力を受けても容易に外れない。また、グロメットが柔軟性を有していてグロメットを変形させて壁の貫通孔に装着できるので、装着を容易に行うことができる。 【0012】その変形の形態として、請求項2のように、2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着時、その全体を軸心に沿った折り畳み状態に変形可能であり、かつ折り畳み状態のときの外寸を貫通孔よりも小さくなして貫通孔を挿通される構成とすることができる。このような構成により、貫通孔を挿通させるときに折り畳まれたグロメットの外寸が貫通孔よりも小さいので、抵抗なく貫通孔に挿通させ得、装着作業性はさらに向上する。 【0013】本発明のグロメットにおいて、2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着後、両層部分が所定の中折れ角度で開いた状態になるように形成されている構成とすることができる。 【0014】この構成にあっては、貫通孔への装着後において、2層構造をした一方の筒状挟持部の両層部分が所定の中折れ角度で開いた状態になっているので、所定の中折れ角度から小さくなるような両層部分の開き角度へ容易に形状変化して、2層構造をした一方の筒状挟持部の貫通孔より遠い側の層部分のみで外力を吸収できる。よって、一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分は壁を挟持する機能のみでよく、他方の筒状挟持部と協働して確実に壁を挟持することになる。他方の筒状挟持部は、装着時に変形させる必要がなく、壁を挟持する機能だけを有していればよいので、肉厚を厚くして挟持機能を拡大できるようになしておくのが好ましい。 【0015】本発明のグロメットにおいて、2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着後において外力を受けた場合、両層部分が所定の中折れ角度からより小さな中折れ角度へと変化するとともに、中折れ位置が外方に移動するようになっている構成とすることができる。 【0016】この構成にあっては、外力を受けると中折れ位置が外方に移動するので、一方筒状挟持部の壁と当接可能面積が拡大し、ますます抜け難い構造となり、他方の筒状挟持部と協働して壁をより確実に挟持することとなる。 【0017】このとき、請求項5のように、2層構造をした一方の筒状挟持部には、中折れ位置の外方への移動を容易にすべく、その移動後の中折れ位置相当箇所に他の部分よりも薄肉の薄肉部が設けられている構成とすることが好ましい。 【0018】本発明のグロメットにおいて、2つの筒状挟持部の間に設けられた凹溝の溝底が開口側に向けて突出部を有するよう形成され、その突出部が貫通孔の内縁と接触する構成とすることができる。 【0019】この構成とした場合には、貫通孔の内側とグロメットの外側との間の隙間が突出部で遮断されるので、貫通孔とグロメットとの間でのシール機能が確保されることになる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。 【0021】(実施形態1)図1は実施形態1に係るグロメットを示し、(a)は装着前の状態を示す断面図、(b)はその右側面図、(c)は装着後の状態を示す断面図、(d)はその右側面図である。 【0022】このグロメット1は、例えば合成ゴムや天然ゴム等の弾性材料からなり、(b)および(d)に示すように全体が筒状に形成されており、(c)に示すパネル20の貫通孔21への装着状態において、パネル20の貫通孔21周縁部を挟む2つの筒状挟持部2、4を有し、両者の間には貫通孔21の内縁21aと溝底3aが接する凹溝3が形成されている。この溝底3aは貫通孔21の内縁21aに向けて突出した山形に形成されている。 【0023】一方(右側)の筒状挟持部4は、途中の中折れ部7で山折りの中折れ状態の2層構造となっている。具体的には、筒状挟持部4の構成は、中折れ部7より左側に半径方向に立設して設けられ、他方(左側)の筒状挟持部2と協働して、パネル20の貫通孔21周縁からそれより外側位置までの環状領域と略全体的に当接可能に挟持する内層5と、中折れ部7より右側に設けられ、内層5に対して中折れ部7を揺動中心として揺動する外層6と、外層6の内層5とは反対側に設けられた平行筒部8と、平行筒部8の外層6とは反対側に設けられた段差部10と、段差部10の平行筒部8とは反対側に設けられ、図示しないワイヤハーネスが取り付けられる取付部11とからなる。平行筒部8と外層6との間は、山折りの中折れ部7とは反対側に谷折りに折れ曲がった折曲部9となっている。 【0024】かかる構成のグロメットは、パネル20の貫通孔21に装着するに際し、図示しないワイヤハーネスを取付部11に取り付けた状態で、(a)に示すように折り畳まれる。具体的には、内層5を軸芯に平行にし、その内側に外層6及び平行筒部8がこの順に同じく平行となるように折り曲げられ、この折り曲げに伴って、凹溝3がその開口角度を大きくしかつ開口を右斜め方向にして傾けられる。このように3重に折り畳まれた部分の外側に、段差部10および取付部11が位置するようになっている。このように折り畳まれた状態において、内層5および段差部10の外径は貫通孔21の内径よりも小さくなっている。 【0025】そして、その状態を保持したまま、取付部11側から矢印A方向へパネル20の貫通孔21に挿入する。その後、図示しないワイヤハーネス、平行筒部8または取付部11等を把持して矢印A方向に引っ張ることで、グロメット1は元の状態に戻るように変形する。その変形は、中折れ部7が外側に拡径するように変位していき、内層5が立設状態となることで、折曲部9が矢印A方向へ移動して全体が(c)に示す装着状態となる。このとき、凹溝3の山形をした溝底3aは、貫通孔21の内縁21aと接触してシール機能を確保する。なお、溝底3aは全体的に山形とせず、内縁21aと接触するように一部を突出させた形状としてもよい。 【0026】この(c)に示す装着状態において、内層5は他方の筒状挟持部2と協働してパネル20の貫通孔21周縁からそれより外側位置までの環状領域と略全体的に当接可能に挟持すると共に、外層6がその内層5に対して中折れ部7を揺動中心として揺動する、つまり中折れ角度を変えるように変形する。 【0027】したがって、本実施形態1に係るグロメットにあっては、装着時において、上述のように内層5、外層6及び平行筒部8を3重に折り畳むと共にその折り畳んだときの外径を貫通孔21よりも小径とするため、強い力を要せずとも貫通孔21に装着でき、装着を容易に行うことが可能となる。また、装着後においては、ワイヤハーネスに矢印A方向とは反対向きの力が加わり、その力が取付部11、段差部10および平行筒部8を介して外層6に伝達されても、外層6が中折れ角度を小さく変えるように変位して力を吸収するので、内層5には力がほとんど伝わらない。よって、上述の力がグロメットに加わっても、内層5は他方の筒状挟持部2と協働してパネル20の貫通孔21周縁部を確実に挟持した状態を維持することとなり、グロメット1が貫通孔21から外れ難くなる。また、ワイヤハーネスに矢印A方向の力が加わっても、大径の筒状挟持部2が厚肉に形成されて貫通孔21からの抜け防止に寄与するために、グロメット1が貫通孔21から外れることがない。 【0028】なお、中折れ部7の中折れ角度としては、外部から受けた力を吸収するためには大きい方が好ましいが、ワイヤハーネスに矢印A方向とは反対向きの力が加わって移動する距離に応じた角度程度としておけばよい。 【0029】(実施形態2)図2は実施形態2に係るグロメットを示し、(a)は装着前の状態を示す断面図、(b)はその右側面図、(c)は装着後の状態を示す断面図、(d)はその右側面図、(e)は装着後に外力を受けた状態を示す断面図、(f)はその右側面図である。 【0030】このグロメット31は、例えば合成ゴムや天然ゴム等の弾性材料からなり、(b)、(d)および(f)に示すように全体が筒状に形成されており、(c)に示すパネル20の貫通孔21への装着状態において、パネル20の貫通孔21周縁部を挟む2つの筒状挟持部32、34を有し、両者の間には貫通孔21の内縁21aと溝底33aが接する凹溝33が形成されている。 【0031】一方(右側)の筒状挟持部34は、途中の中折れ部37で山折りの中折れ状態の2層構造となっている。具体的には、筒状挟持部34の構成は、中折れ部37より左側に半径方向に立設して設けられ、他方(左側)の筒状挟持部32と協働してパネル20の貫通孔21周縁からそれより外側位置までの環状領域と略全体的に当接可能に挟持する内層35と、中折れ部37より右側に設けられた外層36と、外層36の内層35とは反対側に設けられた段差部40と、段差部40の外層36とは反対側に設けられ、ワイヤハーネス42が取り付けられる取付部41とからなる。 【0032】上記外層36は、内層35に対して中折れ部37を揺動中心として揺動し、その揺動可能範囲を越えると、外層36の途中の内面側に形成した、他の部分よりも薄肉の薄肉部としてのノッチ36a部分で山折りに折れ曲がると共に、ノッチ36a部分よりも左側部分36bがパネル20に当接して中折れ位置が外側に移動し、ノッチ36a部分よりも右側部分36cが、パネル20に対して当接した内層35および左側部分36bに対して当接可能なように変形する。 【0033】かかる構成のグロメット31は、パネル20の貫通孔21に装着するに際し、ワイヤハーネス42を取付部31に取り付けた状態で、(a)に示すように折り畳まれる。具体的には、内層35を軸芯に平行にし、その内側に外層36の左側部分36b及び外層36の右側部分36cがこの順に同じく平行となるように折り曲げられ、この折り曲げに伴って、凹溝33がその開口角度を大きくしかつ開口を右斜め方向にして傾けられる。このように3重に折り畳まれた部分の外側に、段差部40および取付部41が位置するようになっている。このように折り畳まれた状態において、内層35および段差部40の外径は貫通孔21の内径よりも小さくなっている。 【0034】そして、その状態を保持したまま、取付部41側から矢印B方向へパネル20の貫通孔21に挿入する。その後、ワイヤハーネス42または取付部41等を把持して矢印B方向に引っ張ることで、グロメット31は元の状態に戻るように変形する。その変形は、中折れ部37が外側に拡径するように変位していき、内層35が立設状態となることで、ノッチ36a部分が矢印B方向へ移動して全体が(c)に示す装着状態となる。このとき、凹溝33の山形をした溝底33aは、貫通孔21の内縁21aと接触してシール機能を確保する。なお、溝底33aは全体的に山形とせず、内縁21aと接触するように一部を突出させた形状としてもよい。 【0035】この(c)に示す装着状態において、内層35は他方の筒状挟持部32と協働してパネル20の貫通孔21周縁部を挟持すると共に、外層36がその内層35に対して中折れ部37を揺動中心として揺動する、つまり中折れ角度を変えるように変位する。そして、その揺動可能範囲を越えると、(e)に示すように、外層36の途中の内面側に形成したノッチ36a部分で山折りに折れ曲がると共に、ノッチ36a部分よりも左側部分36bがパネル20に当接し、ノッチ36a部分よりも右側部分36cが、パネル20に対して当接した内層35および左側部分36bに対して当接可能なように変形する。 【0036】したがって、本実施形態2に係るグロメット31にあっては、上述のように内層35、外層36の左側部分36b及び外層36の右側部分36cを3重に折り畳むと共にその外径を貫通孔21よりも小径とするため、強い力を要せずとも貫通孔21に装着でき、装着を容易に行うことが可能となる。また、ワイヤハーネス42に矢印B方向とは反対向きの力が加わり、その力が取付部41および段差部40を介して外層36に伝達されても、外層36が中折れ角度を小さく変えるように揺動変位して力を吸収するので、内層35には力がほとんど伝わらない。更には、その揺動可能範囲を越えると、(e)に示すように、外層36の途中の内面側に形成したノッチ36a部分で山折りに折れ曲がると共に、外層36の左側部分36bがパネル20に当接して中折れ位置が外方に移動、つまり拡径し、外層36の右側部分36cが、パネル20に対して当接している内層35および左側部分36bに対して当接可能なように変形する。よって、上述の力がグロメットに加わっても、内層35は他方の筒状挟持部32と協働してパネル20の貫通孔21周縁部を確実に挟持した状態を維持することとなり、グロメット31が貫通孔21から外れることがない。また、ワイヤハーネス42に矢印B方向の力が加わっても、大径の筒状挟持部32が厚肉に形成されて貫通孔21からの抜け防止に寄与するために、グロメット31が貫通孔21から外れることがない。 【0037】なお、中折れ部37の中折れ角度としては、外部から受けた力を吸収するためには大きい方が好ましいが、ワイヤハーネス42に矢印B方向とは反対向きの力が加わって移動する距離に応じた角度程度としておけばよい。 【0038】上記実施形態2においては、外層36の途中の内面側にノッチ36aを形成しているが、本発明はこれに限らず、図3に示すように外層36の途中の外面側にノッチ36aを形成してもよい。 【0039】 【発明の効果】以上詳述したように本発明による場合には、装着時において、2層構造となった一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分が、壁の貫通孔周縁からそれより外側の位置までの環状領域と略全体的に当接可能となっており、また、2層構造となった一方の筒状挟持部の貫通孔から遠い側の層部分が、中折れ角度を変えるように変位するので、その角度変化により外力を吸収するので、外力を吸収するときにあっても、一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分も、他方の筒状挟持部も、その全体が壁に当接もしくはほぼ当接したままであるので、壁を挟持する力が一定に保持されることになり、外力を受けても容易に外れない。また、グロメットを変形させて壁の貫通孔に装着されるので、装着を容易に行うことが可能になる。 【0040】また、本発明において、2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着後、両層部分が所定の中折れ角度で開いた状態になるように形成されている構成とすると、貫通孔への装着後において、2層構造をした一方の筒状挟持部の両層部分が所定の中折れ角度から小さくなるような角度へ容易に形状変化して、2層構造をした一方の筒状挟持部の貫通孔より遠い側の層部分のみで外力を吸収できる。よって、一方の筒状挟持部の貫通孔に近い側の層部分は壁を挟持する機能のみでよく、他方の筒状挟持部と協働して確実に壁を挟持することが可能になる。 【0041】また、本発明において、2層構造をした一方の筒状挟持部は、貫通孔への装着後において外力を受けた場合、両層部分が所定の中折れ角度からより小さな中折れ角度へと変化するとともに、中折れ位置が外方に移動するようになっている構成とすると、外力を受けると中折れ位置が外方に移動して拡径し、ますます抜けにくい構造となり、他方の筒状挟持部と協働して壁をより確実に挟持することが可能となる。 【0042】また、本発明において、2つの筒状挟持部の間に設けられた凹溝の溝底が開口側に向けて突出部を有するよう形成され、その突出部が貫通孔の内縁と接触する構成とすると、貫通孔の内側とグロメットの外側との間の隙間が突出部で遮断されるので、貫通孔とグロメットとの間でのシール機能を確保することか可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】395011665 【氏名又は名称】株式会社ハーネス総合技術研究所 【識別番号】000183406 【氏名又は名称】住友電装株式会社 【識別番号】000002130 【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月4日(1998.12.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067828 【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−170959(P2000−170959A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−346131 |
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