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【発明の名称】 管体と地中構造物との接続構造
【発明者】 【氏名】中井 健司

【氏名】岸田 実樹

【要約】 【課題】埋設管路内を挿通する鞘管を、埋設管路が接続されたハンドホールに対して、容易に、しかも強固に接続することができる。

【解決手段】ハンドホール10の側壁11に開口部11aが設けられており、開口部11a内に接続部材35の管状をした接続本体部35aが挿入されて、接続部材35のフランジ部31bが、側壁11の外面に圧接されている。接続本体部35aには、ハンドホール10の外側にて、ダクトスリーブ22端部が嵌合されている。開口部11a内に挿入された接続本体部35aの端部は、開口部11a内に挿入されたカラー部材31の雌ねじ部31aにネジ結合されて、カラー部材31のフランジ部31bが側壁11の内面に圧接されている。カラー部材31のフランジ部31bには、埋設管路20内を挿通する複数の鞘管40の端部がそれぞれ取り付けられた固定板32が取り付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地中構造物に接続された埋設管路内を挿通する管体と、地中構造物との接続構造であって、地中構造物の側壁に設けられた開口部内に挿入される円筒状であって内周面にネジ溝が設けられた雌ねじ部、および、この雌ねじ部が前記開口部内に挿入された際に地中構造物の側壁の内面に圧接されるように雌ねじ部の一方の端部に設けられたフランジ部を有するカラー部材と、このカラー部材の雌ねじ部内のネジ溝に一方の端部がネジ結合されて地中構造物から外側に延出した状態で保持された管状の接続本体部、および、地中構造物における側壁の外面に圧接されるようにこの接続本体部に設けられたフランジ部を有する接続部材と、この接続部材における地中構造物の外側に延出する接続本体部に接続された埋設管路と、地中構造物内にて前記カラー部材のフランジ部に突き合わされた状態で一体的に取り付けられており、既設管路内を挿通する管体の端部がそれぞれ取り付けられた固定板と、を具備することを特徴とする地中構造物と管体との接続構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に埋設された埋設管内を、光ファイバーケーブル、電力ケーブル等のケーブルをそれぞれ被覆した状態で挿通する鞘管等の管体と、埋設管が接続される地中構造物との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に埋設された埋設管路内に、複数本の電力ケーブル、通信ケーブル等を鞘管にて被覆した状態で挿通して敷設する際には、埋設管路の端部が接続されるマンホール、ハンドホール等の地中構造物に対して、ケーブルを被覆する各鞘管を固定する必要がある。地中構造物に対する埋設管路および鞘管の接続構造としては、例えば、実用新案登録第3049157号公報等に開示されている。
【0003】地中構造物に対する埋設管路および鞘管の接続構造の一例を図3に示す。この接続構造では、ケーブルの接続、保守点検作業を実施するために地中に設けられた中空直方体状のハンドホール10に、既設管路50が接続されている。ハンドホール10の側壁11には開口部11aが設けられており、この開口部11aに、既設管路50を構成するダクトスリーブ52の基端部が接続されている。ダクトスリーブ52は、ハンドホール10から突出するように配置されており、その先端部には、埋設管路50を構成するボディ管51の端部がスライド可能に接続されている。そして、ダクトスリーブ52に対して複数のボディ管51が、順次、軸方向に接続されることによって、既設管路50が構成されている。埋設管路50内には、光ファイバーケーブル61が内部に挿通する複数の鞘管62が挿通している。
【0004】ダクトスリーブ52の基端部には、フランジ部52aが設けられており、フランジ部52aがハンドホール10における側壁11の内面にボルト53によって取り付けられている。ハンドホール10の側壁11に設けられた開口部11aと、ダクトスリーブ52との間には、モルタル材54が充填されている。ハンドホール10の側壁11から外側に突出したダクトスリーブ52部分は、防護コンクリート55によって覆われている。ハンドホール10の開口部11a内に位置するダクトスリーブ52の端部内には、埋設管路50内を挿通する複数の鞘管62の端部を固定するための固定板63が設けられている。固定板63は、一対の円板状をした板材63aと、両板材63aにおける外周縁部の間に配置されたリング状の弾性体63bとを有しており、弾性体63bが外側に膨出するように、両板材63a同士が相互に近接されて固定されている。そして、弾性体63bの外周部分が、ダクトスリーブ52の内周面に圧接されることによって、固定板63がダクトスリーブ52内に固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような接続構造では、ダクトスリーブ52のフランジ部52aを、ハンドホール10の側壁11に対して、ボルト53によって取り付けた状態で、開口部11a内にモルタル材54を充填し、さらには、ダクトスリーブ52を被覆する防護コンクリート55を設ける必要があり、その作業が容易でないという問題がある。
【0006】また、固定板63は、ダクトスリーブ52をハンドホール10に取り付けた後に、狭小なハンドホール10内にて、一対の板材63aを相互に接近させ弾性体63bを膨張させることによって、ダクトスリーブ52内に固定するようになっており、その作業が容易でないという問題もある。
【0007】本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、簡潔な構造であって強度的にも優れており、しかも、施工性に優れた管体と地中構造物との接続構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の管体と地中構造物との接続構造は、地中構造物に接続された埋設管路内を挿通する管体と、地中構造物との接続構造であって、地中構造物の側壁に設けられた開口部内に挿入される円筒状であって内周面にネジ溝が設けられた雌ねじ部、および、この雌ねじ部が前記開口部内に挿入された際に地中構造物の側壁の内面に圧接されるように雌ねじ部の一方の端部に設けられたフランジ部を有するカラー部材と、このカラー部材の雌ねじ部内のネジ溝に一方の端部がネジ結合されて地中構造物から外側に延出した状態で保持された管状の接続本体部、および、地中構造物における側壁の外面に圧接されるようにこの接続本体部に設けられたフランジ部を有する接続部材と、この接続部材における地中構造物の外側に延出する接続本体部に接続された埋設管路と、地中構造物内にて前記カラー部材のフランジ部に突き合わされた状態で一体的に取り付けられており、既設管路内を挿通する管体の端部がそれぞれ取り付けられた固定板と、を具備することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】図1は、本発明の接続構造の実施の形態の一例を示す断面図である。この接続構造では、地中構造物であるハンドホール10に、地中に埋設された埋設管路20の端部が接続されている。埋設管路20の内部には、光ファイバーケーブルがそれぞれの内部を挿通する複数の管体である6本の鞘管40が挿通している。ハンドホール10は、各鞘管40内をそれぞれ挿通する光ファイバーケーブルの接続作業、保守点検作業等を実施するために地中に埋設された中空直方体状の構造物である。
【0011】埋設管路20は、複数のボディ管21が軸方向に順次接続されるとともに、ボディ管21の端部にダクトスリーブ22が接続されており、このダクトスリーブ22が、ハンドホール10の側壁11に接続された管状の接続部材35に接続されている。
【0012】接続部材35は、ダクトスリーブ22内に挿入されて接続される管状をした接続本体部35aを有しており、この接続本体部35aにおける一方の端部を残して、ダクトスリーブ22における一方の側部内に挿入されて、ダクトスリーブ22と一体的に接続されている。ダクトスリーブ22から突出した接続本体部35aの端部は、ハンドホール10の側壁11に設けられた円形状の開口部11a内に挿入されている。この開口部11a内に挿入された接続本体部35aの端部外周面にはネジ溝35cが設けられている。
【0013】接続本体部35aにおけるハンドホール10の開口部11a内に挿入された端部に隣接して、全周にわたって外側に突出したフランジ部35bが設けられている。このフランジ部35bは、開口部11aが設けられたハンドホール10の側壁11における開口部11aの周囲の外面に突き合わせられている。
【0014】接続本体部35aが一方の側部が挿入されたダクトスリーブ22は、ハンドホール10の遠方側に位置する他方の側部が、大径の受け口部22aになっており、この受け口部22aにボディ管21の端部が挿入されている。ダクトスリーブ22の外周面には、それぞれが周方向に沿って外側に突出する多数のリブ22aが、軸方向に等しい間隔をあけて全体にわたって設けられている。
【0015】ハンドホール10の側壁11における開口部11a内に挿入された接続部材35における接続本板部35aの端部は、カラー部材31に接続されている。カラー部材31は、ハンドホール10の開口部11a内に嵌合された円筒状の雌ねじ部31aと、この雌ねじ部31aにおける一方の端部に設けられたフランジ部31bとを有しており、フランジ部31bが、ハンドホール10における側壁11の内面に突き合わせられるように、雌ねじ部31aが開口部11a内に挿入されている。カラー部材31の雌ねじ部31aは、開口部11aの軸方向長さよりも若干短い軸方向長さになっており、フランジ部31bが設けられた端部とは反対側の端部の内周面には、接続部材35における接続本体部35aの端部外周面に設けられたネジ溝35cにネジ結合するネジ溝31cが設けられている。
【0016】カラー部材31は、雌ねじ部31aに設けられたネジ溝31cが、接続部材35における接続本体部35aの端部外周面に設けられたネジ溝35cにネジ結合されて締め付けられることによって、接続部材35と一体化されており、カラー部材31のフランジ部31bが、ハンドホール10の側壁11における開口部11aの周囲の内面に圧接されるとともに、接続部材35のフランジ部35bが、ハンドホール10の側壁11における開口部11aの周囲の外面に圧接されている。
【0017】カラー部材31のフランジ部31bには、周方向に等しい間隔をあけてボルト33の頭部がそれぞれ埋設されている。各ボルト33の軸部は、ハンドホール10内において側壁11の遠方側に位置するフランジ部31bの端面からハンドホール10内にそれぞれ突出している。
【0018】ハンドホール10における側壁11の内面に圧接されたカラー部材31のフランジ部31bには、円板状の固定板32が取り付けられている。図2は、固定板32のハンドホール10内から見た正面図である。固定板32は、カラー部材31のフランジ部31bの端面に突き合わされており、固定板32の外周部分には、カラー部材31のフランジ部31bに設けられた各ボルト33がそれぞれ挿通する6つの貫通孔32aが、周方向に等しい間隔をあけて設けられており、各貫通孔32aをそれぞれ挿通した各ボルト33の軸部にナット34がそれぞれネジ結合されている。
【0019】固定板32の中心部には、ケーブルを被覆する1本の鞘管40の端部が挿入される1つの鞘管固定孔32bが設けられており、また、その鞘管固定孔32bの左右の各側部に各一対の鞘管固定孔32bがそれぞれ設けられるとともに、中心部の鞘管固定孔32bの下方にも1つの鞘管固定孔32bが設けられている。
【0020】固定板32に設けられた各貫通孔32aには、各カラー部材31のフランジ部31bに設けられたボルト33をそれぞれ挿通されて、各ボルト33に、ナット34がそれぞれにネジ結合されることによって、固定板32がカラー部材31に取り付けられている。そして、固定板32の各鞘管固定孔32bには、埋設管路20内を挿通した各鞘管40の端部が、それぞれ挿入されて固定されている。
【0021】ハンドホール10の側壁11に設けられた開口部11aと、開口部11a内に挿入されたカラー部材31の雌ねじ部31aとの間には、モルタル等のシール材(図示せず)が充填されて、カラー部材31の雌ねじ部31aが、開口部11a内に固定さている。
【0022】このような接続構造は、次のように構築される。まず、埋設管20の端部を構成するダクトスリーブ22の受け口とは反対側の端部内に、接続部材35の接続本体部35aを、フランジ部35bの遠方側の端部から挿入する。そして、接続部材35のフランジ部35bをダクトスリーブ22の端面に突き合わせた状態で、接続本体35aとダクトスリーブ22とを一体化する。この場合、接着剤を併用してダクトスリーブ22と接続本体部35aとを、さらに強固に一体化するようにしてもよい。
【0023】その後、ダクトスリーブ22から突出した接続本体部35aの端部が、ハンドホール10の側壁11に設けられた開口部11a内に、ハンドホール10の外側から挿入されて、接続部材35のフランジ部35bがハンドホール10の側壁11における開口部11aの周囲の外面に突き合わせられる。
【0024】このような状態になると、ハンドホール10の側壁11における開口部11a内に、カラー部材31の雌ねじ部31aが、ハンドホール10の内部から挿入されて、雌ねじ部31aの内周面に設けられたネジ溝31cが、接続部材35における接続本体35aの端部外周面に設けられたネジ溝35cにネジ結合される。これにより、カラー部材31と接続部材35とが一体化されて、カラー部材31のフランジ部31bがハンドホール10の側壁11における開口部11aの周囲の内面に圧接されるとともに、接続部材35のフランジ部35bがハンドホール10の側壁11における開口部11aの周囲の外面に圧接される。一体化された接続部材35とカラー部材31とは、ハンドホール10の側壁11に固定された状態になる。
【0025】この場合、接着剤を併用して接続部材35とカラー部材31の雌ねじ部31aとを、さらに強固に一体化するようにしてもよい。
【0026】次いで、ハンドホール10の内部から、固定板32の各貫通孔32に、カラー部材31のフランジ部31bから突出した各ボルト33の軸部をそれぞれ挿通して、固定板32をカラー部材31のフランジ部31bに突き合わせる。そして、各ボルト33の軸にナット34をそれぞれネジ結合して締め付ける。これにより、接続部材35と一体化されたカラー部材31のフランジ部31bに固定板32が取り付けられる。その後、埋設管路20内を挿通した各鞘管40の端部を、固定板32の各鞘管固定孔32b内にそれぞれ挿入して固定する。これにより、本発明の接続構造が得られる。
【0027】
【発明の効果】本発明の接続構造は、このように、簡潔な構成であるために、容易に構築することができる。特に、埋設管路に接続された接続部材が、その接続部材のフランジ部によって地中構造物と位置合わせされた状態で、地中構造物の内部からの作業によってカラー部材と接続され、さらには、地中構造物の内面に突き合わされたカラー部材のフランジ部に、管体の端部が取り付けられる固定板が取り付けられるために、作業が著しく簡略化される。また、接続部材のフランジ部とカラー部材のフランジ部とが、地中構造物の側壁を挟み込んだ状態で強固に固定されているために、地中構造物と埋設管路との接続が著しく安定する。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成10年12月1日(1998.12.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−170958(P2000−170958A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−341823