| 【発明の名称】 |
線材束の保持具 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂倉 隆之
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、バンド部材に保持された線材束をパネル部材から簡単に取り外すことができるようにして、線材束とパネル部材との解体作業の作業性を向上させることができるとともに、パネル部材のリサイクル率を大幅に向上させることができる線材束の保持具を提供するものである。
【解決手段】本体部材14と基体部材16を別体に形成し、基体部材16の背面に、先端部に折り曲げ部20aを有する係合片20および係合溝22a、22bを有する係合片21を設けるとともに、本体部材14に、係合片20の折り曲げ部20aに係合する係合溝23aを有する係合部材23および先端部に係合片21の係合溝22a、22bに係合する折り曲げ部24a、25aを有する係合片24、25を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】線材束を保持してパネル部材に取付けるようにした線材束の保持具であって、一端部から他端部に向かって延在するとともに延在方向に鋸状凹凸部が形成され、前記線材束に巻回可能なバンド部材と、該バンド部材の一端部に設けられ、該バンド部材の他端部が挿通される挿通孔および該挿通孔内に形成され前記鋸状凹凸部に係合可能な係合爪を有する本体部材と、該本体部材と別体に設けられ、基体部材および該基体部材の表面から突出し、パネル部材に係止される係止部材と、を備え、前記基体部材の背面に、先端部に折り曲げ部を有する第1係合部および係合溝を有する第2係合部を設けるとともに、前記本体部材に、前記第1係合部の折り曲げ部に係合する係合溝を有する第3係合部および先端部に前記第2係合部の係合溝に係合する折り曲げ部を有する第4係合部を設けたことを特徴とする線材束の保持具。 【請求項2】前記線材束に本保持具が複数個取付けられたときに、各保持具の前記第1係合部および第3係合部の折り曲げ部の向きを同一方向に設定したことを特徴とする請求項1記載の線材束の保持具。 【請求項3】前記係止部材が、前記基体部材から立設され、パネル部材の一側面に当接して該パネル部材に抜け止め係止される逆止係止体と、該逆止係止体の基端部に該逆止係止体を取り囲むようにして設けられ、前記パネル部材の他側面に当接して前記逆止係止体をパネル部材の他側面側に引っ張る皿状部材とからなることを特徴とする請求項1または2記載の線材束の保持具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、線材束の保持具に関し、詳しくは、車体や電気機器等のパネルの所定位置にワイヤハーネス等の長尺な線材束を束ねて固定することができる線材束の保持具に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、車体や電気機器等のパネルの所定位置にワイヤハーネス等の線材束を固定するために保持具として結束バンドを用いることが知られており、この結束バンドとしては、例えば、図4〜6に示すようなものがある。図4〜6において、1は結束バンドであり、この結束バンド1は、ワイヤハーネス2に巻回されるとともに延在方向に鋸状凹凸部3aが形成されたバンド部材3と、車体や電子機器等のパネル4に形成された開口部4aに挿入され、開口部4aの周縁に可動片5a、5bが当接することにより、パネル4に抜け止め係止される逆止係止体5と、この逆止係止体5を取り囲むようにしてバンド部材3の先端部から突出し、所定の弾発力を有する皿状部材6と、バンド部材3の基端部に形成され、バンド部材3の先端部から挿通可能な挿通孔7aおよびバンド部材3が挿通孔7aに挿通されたときに鋸状凹凸部3aに係合される係合爪7bを有するロック部材7と、から構成されている。 【0003】このような結束バンド1にあっては、ワイヤハーネス2にバンド部材3を巻回して、バンド部材3の先端部を挿通孔7aに挿通してワイヤハーネス2の径と略一致した時点で鋸状凹凸部3aを係合爪7bに係合させることにより、ワイヤハーネス2の径を吸収しつつワイヤハーネス2を強固に保持する。次いで、ワイヤハーネス2をパネル4に取付ける際には、逆止係止体5をパネル4の開口部4aに挿入して可動片5a、5bの先端部をパネル4の一側面の開口部4a周縁に当接させる。このとき、皿状部材6がパネル4の他側面に逆止係止体5を引っ張ることにより、パネル4の厚みを吸収して、逆止係止体5の当接力がばらつくことが防止される。このようにして結束バンド1によってワイヤハーネス2がパネル4に取付けられる。 【0004】なお、逆止係止体5はワイヤハーネス2がパネル4から脱落しないように、通常10〜15kgf程度の保持力を付与されるように設計されている。また、ワイヤハーネス2は長尺であり、ワイヤハーネス2が車体パネル等に取付けられる場合には、図7に示すように、多数の箇所で結束バンド1が車体に取付けられ、ワイヤハーネス2の数が多い場合には、100〜200個の結束バンド1が必要になる場合がある。なお、図7において、8はワイヤハーネス2に取付けられたコネクターであり、結束バンド1の矢印で示す向きが結束バンド1が取付けられる方向を示している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の結束バンド1にあっては、結束バンド1をパネル4に取付けたときに逆止係止体5が高い保持力でパネル4に抜け止め係止されるため、結束バンド1をパネル4から簡単に取り外すことができないという問題があり、このように簡単に結束バンド1を取り出すことができないと、以下に示すような不具合が発生してしまう。 【0006】近時のように、種々の製品材料のリサイクルを行なうような環境下にあっては、例えば、車両のリサイクルを行なう場合に、車体(パネル)を構成する鉄の純度を上げるためには、車体に装着された不要な金属を車体から取り外す必要がある。このとき、主に銅を使用しているワイヤハーネスが車体に装着されたままであると、当然のことながら鉄の純度が低下してしまい、リサイクルに不都合なものとなる。 【0007】したがって、従来のように結束バンド1をパネル4から容易に取り出すことができないと、ワイヤハーネス2がパネル4に装着されたままとなり、車体の純度を上げることができない大きな要因となってしまう。そこで本発明は、バンド部材に保持された線材束をパネル部材から簡単に取り外すことができるようにして、線材束とパネル部材との解体作業の作業性を向上させることができるとともに、パネル部材のリサイクル率を大幅に向上させることができる線材束の保持具を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、線材束を保持してパネル部材に取付けるようにした線材束の保持具であって、一端部から他端部に向かって延在するとともに延在方向に鋸状凹凸部が形成され、前記線材束に巻回可能なバンド部材と、該バンド部材の一端部に設けられ、該バンド部材の他端部が挿通される挿通孔および該挿通孔内に形成され前記鋸状凹凸部に係合可能な係合爪を有する本体部材と、該本体部材と別体に設けられ、基体部材および該基体部材の表面から突出し、パネル部材に係止される係止部材と、を備え、前記基体部材の背面に、先端部に折り曲げ部を有する第1係合部および係合溝を有する第2係合部を設けるとともに、前記本体部材に、前記第1係合部の折り曲げ部に係合する係合溝を有する第3係合部および先端部に前記第2係合部の係合溝に係合する折り曲げ部を有する第4係合部を設けたことを特徴としている。 【0009】その場合、第1係合部の折り曲げ部に第3係合部の係合溝を係合させるとともに第4係合部の折り曲げ部を第2係合部の係合溝に係合させることにより、本体部材と基体部材を一体化した後、バンド部材を線材束に巻回させて保持具を線材束に取付け、次いで、基体部材に設けられた係止部材をパネル部材に係止させることにより、バンド部材に保持された線材束をパネル部材に取付ける。 【0010】一方、線材束をパネル部材から取り外す際には、線材束をその延在方向の一方向に移動させると、第1係合部の折り曲げ部が第3係合部の係合溝から外されるとともに第4係合部の折り曲げ部が第2係合部の係合溝から外されるため、基体部材から本体部材およびバンド部材が取り外される。この結果、バンド部材に保持された線材束をパネル部材から簡単に取り外すことができ、線材束とパネル部材との解体作業の作業性を向上させることができるとともに、パネル部材のリサイクル率を大幅に向上させることができる。 【0011】請求項2記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1記載の発明において、前記線材束に本保持具が複数個取付けられたときに、各保持具の前記第1係合部および第3係合部の折り曲げ部の向きを同一方向に設定したことを特徴としている。その場合、線材束をその延在方向の一方向に移動させたときに、各保持具の第1係合部の折り曲げ部が第3係合部の係合溝から一斉に外されるとともに第4係合部の折り曲げ部が第2係合部の係合溝から一斉に外されるため、複数の本体部材およびバンド部材を基体部材から簡単に取り外すことができる。この結果、複数の保持具を一括してパネル部材から取り外して線材束とパネル部材との解体作業の作業性をより一層向上させることができる。 【0012】請求項3記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1または2記載の発明において、前記係止部材が、前記基体部材から立設され、パネル部材の一側面に当接して該パネル部材に抜け止め係止される逆止係止体と、該逆止係止体の基端部に該逆止係止体を取り囲むようにして設けられ、前記パネル部材の他側面に当接して前記逆止係止体をパネル部材の他側面側に引っ張る皿状部材とからなることを特徴としている。 【0013】その場合、皿状部材がパネル部材の他側面に逆止係止体を引っ張ることにより、パネル部材の厚みを吸収して、逆止係止体の当接力がばらつくのを防止することができ、線材束を安定した保持力でパネル部材に取付けることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜3は本発明に係る線材束の保持具の一実施形態を示す図である。まず、構成を説明する。図1〜3において、11は樹脂材料等から構成された結束バンド(保持具)であり、この結束バンド11は基端部(一端部)から先端部(他端部)に向かって延在するとともに延在方向に鋸状凹凸部13aが形成され、ワイヤハーネス(線材束)12を保持可能なバンド部材13を有している。 【0015】また、バンド部材13の基端部には本体部材14が設けられており、この本体部材14は、バンド部材13の先端部から挿通可能な挿通孔15aと、バンド部材13が挿通孔15aに挿通されたときに鋸状凹凸部13aに係合される係合爪15bとが形成されている。一方、符号16は板状の基体部材であり、この基体部材16の上面(表面)には逆止係止体17が突出しており、この逆止係止体17は、車体パネル(パネル部材)18に形成された開口部18aに挿入され、開口部18aの周縁に可動片17a、17bが当接することにより、車体パネル18に抜け止め係止されるようになっている。 【0016】また、基体部材16の上面には皿状部材19が形成されており、この皿状部材19は逆止係止体17を取り囲むようにして基体部材16から突出し、所定の弾発力を有している。なお、逆止係止体17および皿状部材19は係止部材を構成している。一方、基体部材16の下面(背面)には係合片(第1係合部)20が設けられており、この係合片20の先端部には折り曲げ部20aが形成されている。また、係合片20の近傍の基体部材16の下面には係合片(第2係合部)21が設けられており、この係合片21の先端部には折り曲げ部21aが形成され、この折り曲げ部21aには一対の係合溝22a、22bが形成されている。 【0017】また、本体部材14の上面には係合部材(第3係合部)23が設けられており、この係合部材23の内部には係合溝23aが形成され、この係合溝23aには係合片20の折り曲げ部20aが係合するようになっている。また、係合部材23の近傍の本体部材14の上面には一対の係合片(第4係合部)24、25が設けられており、この係合片24、25の先端部には折り曲げ部24a、25aが形成され、この折り曲げ部24a、25aは係合溝22a、22bに係合可能になっている。 【0018】次に、作用を説明する。本実施形態では複数の結束バンド11をワイヤハーネス12に取付けるものとして説明する。まず、図2(a)に示すように、係合片20の折り曲げ部20aを係合部材23の係合溝23aに挿通して折り曲げ部20aを係合部材23に係合させた後、係合片24、25の折り曲げ部24a、25aを係合溝22a、22bに挿通して折り曲げ部24a、25aを折り曲げ部21aに係合させることにより、図2(b)に示すように本体部材14と基体部材16を一体化する。 【0019】次いで、各結束バンド11の折り曲げ部20aと折り曲げ部24a、25aの向きが同じになるように、すなわち、折り曲げ部20aと折り曲げ部24a、25の向きがワイヤハーネス12の延在方向と同方向になるようにして各結束バンド11をワイヤハーネス12に当接させる。次いで、ワイヤハーネス12にバンド部材13を巻回して、バンド部材13の先端部を挿通孔15aに挿通してワイヤハーネス12の径と略一致した時点で鋸状凹凸部13aを係合爪15bに係合させることにより、ワイヤハーネス12の径を吸収しつつワイヤハーネス12を強固に保持する。 【0020】次いで、ワイヤハーネス12を車体パネル18に取付けるには、逆止係止体17を車体パネル18の開口部18aに挿入して可動片17a、17bの先端部を車体パネル18の一側面の開口部18a周縁に当接させる。このとき、皿状部材19が車体パネル18の他側面に逆止係止体17を引っ張ることにより、車体パネル18の厚みを吸収して、逆止係止体17の当接力がばらつくことが防止される。このようにして結束バンド11によってワイヤハーネスが車体パネル18に取付けられる(この状態が図3(a)である)。 【0021】なお、逆止係止体17はワイヤハーネス12が車体パネル18から脱落しないように、通常10〜15kgf程度の保持力を付与されるように設計されている。一方、車両の解体時に車体パネル22からワイヤハーネス12を取り外すには、ワイヤハーネス12を図3(b)の矢印a方向に移動させる。このとき、係合片24、25の折り曲げ部24a、25aが係合溝22a、22bから外れた後、係合片20の折り曲げ部20aが係合部材23の係合溝23aから外れることにより、本体部材14が基体部材16から外れ、基体部材16から本体部材14およびバンド部材13が一体的に取り外される。なお、このときの基体部材16と本体部材14の係合解除力は5kgfでワイヤハーネス12を引っ張る程度のものに設定される。 【0022】この結果、ワイヤハーネス12が車体パネル18から取り外され、車体パネル18のみがリサイクルに利用される。この際には、車体パネル18に残った逆止係止体17等は樹脂であるため、リサイクルには影響は与えない。このように本実施形態では、本体部材14と基体部材16を別体に形成し、基体部材16の背面に、先端部に折り曲げ部20aを有する係合片20および係合溝22a、22bを有する係合片21を設けるとともに、本体部材14に、係合片20の折り曲げ部20aに係合する係合溝23aを有する係合部材23および先端部に係合片21の係合溝22a、22bに係合する折り曲げ部24a、25aを有する係合片24、25を設けたため、バンド部材13に保持されたワイヤハーネス12を車体パネル18から簡単に取り外すことができ、ワイヤハーネス12と車体パネル18との解体作業の作業性を向上させることができるとともに、車体パネル18のリサイクル率を大幅に向上させることができる。 【0023】また、折り曲げ部20a、24a、25aの向きが同じになるようにして複数の結束バンド11をワイヤハーネス12に取付けたため、ワイヤハーネス12を矢印a方向に移動させたときに、複数の本体部材14およびバンド部材13を基体部材16から簡単に取り外すことができる。このため、複数の結束バンド11を一括して車体パネル18から取り外してワイヤハーネス12と車体パネル18との解体作業の作業性をより一層向上させることができる。 【0024】また、基体部材16から立設され、車体パネル18の一側面に当接して車体パネル18に抜け止め係止される逆止係止体17と、逆止係止体17の基端部に逆止係止体17を取り囲むようにして設けられ、車体パネル18の他側面に当接して逆止係止体17を車体パネル18の他側面側に引っ張る皿状部材19とを設けたため、皿状部材19が車体パネル18の他側面に逆止係止体17を引っ張ることにより、車体パネル18の厚みを吸収して、逆止係止体17の当接力がばらつくのを防止することができ、ワイヤハーネス12を安定した保持力で車体パネル18に取付けることができる。 【0025】なお、本実施形態では、係合片24、25を2つ設け、この係合片24、25が係合する係合溝22a、22bを2つ設けているが、係合片および係合溝は1つでも良い。 【0026】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、バンド部材に保持された線材束をパネル部材から簡単に取り外すことができ、線材束とパネル部材との解体作業の作業性を向上させることができるとともに、パネル部材のリサイクル率を大幅に向上させることができる。 【0027】請求項2記載の発明によれば、複数の保持具を一括してパネル部材から取り外して線材束とパネル部材との解体作業の作業性をより一層向上させることができる。請求項3記載の発明によれば、皿状部材がパネル部材の他側面に逆止係止体を引っ張ることにより、パネル部材の厚みを吸収して、逆止係止体の当接力がばらつくのを防止することができ、線材束を安定した保持力でパネル部材に取付けることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183406 【氏名又は名称】住友電装株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月10日(1998.12.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072604 【弁理士】 【氏名又は名称】有我 軍一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−170957(P2000−170957A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−351677 |
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