| 【発明の名称】 |
エルボ用断熱体、その製造方法及び該製造方法に使用するマンドレル |
| 【発明者】 |
【氏名】金口 邦夫
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| 【要約】 |
【課題】製造が容易で、スリットに配管曲管を差し込むだけで迅速、簡単、且つ安全に取り付け作業を実施することができる無機繊維製の一体化されたエルボ用断熱体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】略中心に中空エルボ孔を有するように無機繊維で一体的に形成され、該成形体の長手方向に沿って中空エルボ孔に達するスリットが設けられていることを特徴とするエルボ用断熱体、及びその製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 略中心に中空エルボ孔を有するように無機繊維で一体的に形成され、該成形体の長手方向に沿って中空エルボ孔に達するスリットが設けられていることを特徴とするエルボ用断熱体。 【請求項2】 中空エルボ孔と同心円状に無機繊維が配列されている請求項1に記載のエルボ用断熱体。 【請求項3】 エルボ用断熱体を無機繊維で一体的に形成するに際し、中央部に曲管状に変形可能な部材及びその左右に連結されたパイプとから構成される管状マンドレルに、熱硬化性バインダーを含有する無機繊維を同心円状に巻き付け、該マンドレルを曲管状に変形させた後、上記バインダーを加熱硬化させて無機繊維を成形し、該成形体からマンドレルを取り除くことを特徴とするエルボ用断熱体の製造方法。 【請求項4】 中央部に曲管状に変形可能な部材及びその左右に連結されたパイプとから構成されることを特徴とするマンドレル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はガラスウール等の無機繊維で一体的に形成されたエルボ用断熱体及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ガラスウールやロックウール等の無機繊維は、その優れた保温・保冷性を活かして種々の分野で断熱体として広く使用されている。その一つに配管を包み込む配管用断熱筒がある。配管用断熱筒は、通常、マンドレルにマット状に堆積したガラスウール(ガラスウールには予めフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の前駆体等がバインダーとして付着されている。)を同心円状に所定の厚さに巻き付け、マンドレル内に加熱空気を通してガラスウールの内周部を先ず硬化させ、次いでマンドレルごと複数の加熱ロールの間隙を通過させ、巻き付けたガラスウールを円筒状に賦形するとともに外周部を硬化させ、次いでマンドレルを引き抜き、所定のスリットを設けることによって円筒状に形成されている。 【0003】上記従来の方法は、直筒状の配管に使用される断熱筒に関してであり、これは配管の曲管部(エルボ)用断熱体の製造には使用することはできない。曲管部用断熱筒(以下ではエルボ用断熱体と称する)は、通常、左右に分割して形成した半割エルボ用断熱体或いは直筒状断熱体を扇状セグメントに切断し組み合わせたものが使用されている。半割エルボ用断熱体は、マンドレルにガラスウールを巻付ける方法では製造することができず、特定の成形型(雌型)にガラスウールを所定の厚さに充填し、他方の成形型(雄型)で圧縮し、加熱硬化させる方法で製造されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】半割エルボ用断熱体は、その製造が煩雑であるだけでなく、現場で配管の曲管部に嵌め込み、手で押さえた状態でテープ等の固定材で固定しなければならず、作業性が悪いだけでなく、高所の作業においては安全上にも問題がある。作業性を改善するために、左右一対の半割エルボ用断熱体を予めテープを巻付けて一体化させ、外周部の接合部のテープを切断して左右に分離可能としたものも提案されている(登録実用新案公報第3017570号)が、この断熱体はその製造工数が多く、煩雑であり、コスト高は避けられない。 【0005】一方、直筒状断熱体を扇形に切断し組み合わせたたものでは、曲管部に複数の扇状セグメントを取り付けるために非常に手間が掛かり、高所の作業には安全上問題がある。又、扇状セグメント作製時の切断角度によっては、取り付け時に該セグメント間に隙間が生じ、断熱効果が低下する恐れがあった。更に、切断屑や廃棄される無駄な部分が生じるという問題もあった。このような問題を改良するために、直筒状断熱体を特定の要件を満たすように切断して形成した複数の左右対称の短い単位断熱体を、それらの外周部側を予め接着剤を塗布した紙や布等のシート状物等の連結材で連結して一体化したものが提案されている(実開平5−19796号公報)。このものも曲管に嵌め込み、形状を整え且つ固定するために手間が掛かり、現場での作業性及び安全性の改良は余り期待できない。又、製造が煩雑であり、工業生産には不向きであり、コスト高になる。 【0006】本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、製造が容易で、断熱体に形成したスリットに配管曲管を押し込むだけで、断熱体を迅速、簡単、且つ安全に取り付け作業を実施することができるエルボ用断熱体及びその製造方法を提供することである。本発明者は、円筒状断熱体の製造と同様に特定のマンドレルにガラスウールを巻き付ける方法でエルボ用断熱体を製造すべく鋭意検討した結果、特定な屈曲及び回復可能な部分を有する管状マンドレルを使用することによって、一体化エルボ用断熱体が得られることを見出し、本発明を完成した。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、略中心に中空エルボ孔を有するように無機繊維で一体的に形成され、該成形体の長手方向に沿って中空エルボ孔に達するスリットが設けられていることを特徴とするエルボ用断熱体、及びその製造方法である。 【0008】 【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の一体化エルボ用断熱体1は、図1にその斜視図を示す如く、略中心に中空エルボ孔2を有するように無機繊維3で一体的に形成され、該成形体3の長手方向に沿って中空エルボ孔2に達するスリット4が設けられていることを特徴としている。 【0009】上記本発明のエルボ用断熱体1は、弾力性のある無機繊維の集合体で形成されているので、そこに形成されたスリット4の部分に、該スリットが開くように押圧力を加えることによって、押し開いたスリット4を経て配管のエルボ部分が容易に中空エルボ孔に収まり、断熱施工が容易である。例えば、図2に示すように配管経路のエルボ部5に、断熱体1のスリット4を押し当てて力を加えることによって、その押圧力によってスリット4が開き、配管のエルボ部5が断熱体1の中空エルボ孔2に容易に嵌め込まれる。 【0010】本発明の一体化型エルボ用断熱体は、例えば、曲管状マンドレルに無機繊維を所定の厚さに巻き付けたものを、左右対称に形成された外周部を形成する一対の割型で挟持し、この状態で加熱により無機繊維に付着させたバインダーを硬化させて無機繊維をエルボ状成形体となし、マンドレルを取り除くことによって製造することができる。本発明のエルボ用断熱体の好ましい製造方法は、図3〜図5に示すように、マンドレルとして中央部に曲管状に変形可能な部材6及びその左右に連結されたパイプ7,8とから構成される管状マンドレル5を使用する方法である。 【0011】マンドレル5を構成する曲管状に変形可能な部材6とは、断熱体を中空エルボ状(曲管状)に形成するために、管状マンドレル5を、その中央部付近で所定の角度の曲管状に変形させることができる部材を意味する。該部材は、上記の作用をし、その左右に連結されたパイプ7,8のいずれかから供給される熱風等による加熱によって曲管状部を内部から加熱することができる。好ましいマンドレルは、使用後に変形前の状態に回復させることができ、繰り返し使用することができるものである。 【0012】例えば、コイルばね;金属製フレキシブルホース(電気スタンドの変形自在支柱の如き);金属繊維編上げホース;金属製パイプを輪切りした複数の短管ユニットを筒状に連結したもので、各ユニットは連結部(金属短管の直径方向の)を軸として少しずつ回転して曲管状の形状に変化可能としたもの(おもちゃの姿態変化可能なへびの如き);耐熱性ゴム製の蛇腹ホース等が挙げられ、エルボ用断熱体を取り付ける曲管の径に応じて曲管状に変形し易いものを適宜使用することができる。 【0013】以下では曲管状に変形可能な部材としてコイルばねを用いた例について説明する。図3に示すマンドレル5は、中央部のコイルばね6とその左右に金属製(例えば、鉄製の)パイプ7,8が連結された曲管状に変形可能な管状マンドレル(以下ではスプリングマンドレルと称する。)から構成されている。コイルばね6は、製造すべきエルボ用断熱体の中空エルボ孔が、断熱体が装着される曲管状配管の外径、外周部長に適合する曲管状となるように変形可能なばね強さ、ばね素材の径、ピッチ、ばねの径等を考慮して最適なコイルバネを選択して使用する。スプリングマンドレルにおけるコイルバネ部分の長さは特に限定されないが、少なくとも曲管配管のエルボ部を包み込むことができる長さがあればよい。 【0014】尚、スプリングマンドレルを曲管状に変形させた場合に、コイルばねの曲管の外周部に相当する部分(図4の9)は、図5に示すようにマンドレルを折り曲げてコイルばねを曲管状に変形させたときに、変形されたコイルばねによりその外側に形成される面(最終的には断熱体の中空エルボ孔の内壁)が断面楕円形状にならなうように、図4に示すように、コイルバネの頂部9には、内径が上記のコイルばねの外径とほぼ同じである他のコイルばねを円弧状に切断したものを積み重ねて溶接等で固定し、嵩上げ部10を形成することが好ましい。スプリングマンドレルは、上記の如きコイルばねの左右に金属製パイプを溶接等の任意の手段で連結することにより容易に製造することができる。金属製パイプも断熱体が装着される曲管配管の外径に適合するものが使用される。 【0015】次に上記のスプリングマンドレルを用いる本発明のエルボ用断熱体の製造方法について説明する。本発明で使用する無機繊維は、断熱体の製造に従来から使用されている無機繊維はいずれも使用可能であり、ガラスウール、ロックウール等が代表的なものである。又、無機繊維成形体の賦形に無機繊維に付着させて使用される熱硬化性のバインダーも従来から用いられているバインダーが使用可能であり、特に制限されない。バインダーの無機繊維への付着のさせ方も特に制限されず、従来公知の付着方法を使用することができる。 【0016】以下ではガラス繊維を代表例として説明する。尚、ガラスウールにはバインダーが付着されている。本発明の一体型エルボ用断熱体は、(1)スプリングマンドレル5のコイルバネ6とその両端のパイプ7,8の一部を含む領域に、ガラスウールを所定の密度及び厚さとなるように巻つける工程(図6A参照)、(2)ガラスウールを巻つけたマンドレル5を所定角度の曲管状に変形させる(折り曲げる)工程(図5参照)、(3)ガラスウールを巻き付け且つ変形させた状態のマンドレル5を、左右対称に2分割した外周面形成用型(外型)で挟持して密閉し(図6B,C参照)、マンドレルのパイプの一方の端部から熱風を吹き込み、型内を加熱してガラスウールのバインダーを硬化させてガラスウールを賦形する工程(図6C参照)、(4)賦形されたガラスウール成形体からマンドレルを取り除く工程を順に経ることにより製造される。 【0017】上記工程を更に詳しく説明すると、ガラス繊維をマンドレルに巻付ける工程(1)では、従来の直筒断熱体の製造と同様にしてガラスウールをマンドレルの所定領域に巻付ける。次にガラスウールを巻付けたマンドレルを人力或いは機械力により所定角度の曲管状に折り曲げ、このものをエルボ用断熱体の外周面を形成する加熱可能な外型に入れて加熱する。外型によってガラスウールは圧縮されるので、工程(1)でガラスウールをマンドレルに巻付ける際には、製造されるエルボ用断熱体の種類(20A30、25A30等の)に応じて、ガラスウールの密度が40〜100kg/m3、好ましくは45〜50kg/m3、肉厚が15〜65mm、好ましくは20〜50mm程度となるように巻付ける。 【0018】上記の外型は、ガラスウールをエルボ用断熱体の外周面に賦形する内側曲面を有し、左右対称に2分割された金属製の型であればよく、特に制限されない。例えば、鉄製のパンチングメタルを所定形状に加工し、マンドレルの一方のパイプから吹き込まれる熱風が、ガラス繊維間を加熱しながら、例えば、パンチングメタルの孔から上記外型の外に流れるようにしたもの等が挙げられる。一例を図7に示す。図7では、左右の外型が固定されている左右の外箱が、ヒンジによって左右に開く(図7では上下に記載されている)ようになっており、この外箱に、ガラスウールを所定量巻き付けたスプリングマンドレルを所定の角度に折り曲げて挿入し、左右の蓋を閉じる。このとき左右の外型閉じた状態(図6C)となり、この状態でマンドレルの一方のパイプから熱風を吹き込むことにより、前述の(3)及び(4)の工程が行なわれる。 【0019】上記において、加熱温度はガラスウールに付着させたバインダーの種類によって相違はあるが、通常、200〜250℃程度である。加熱時間は1〜3分間程度である。加熱終了後、左右の外箱を開き形成されたガラスウール成形体を型から取り出し、例えば、曲内周部に中心軸線に沿ってスリットを入れてスプリングマンドレルを取り出すことで目的とする本発明のエルボ用断熱体が得られる。該エルボ断熱体は曲管配管(配管エルボ)を上記スリットに押し付け、その押圧力よってスリット4が押し広げられ、配管のエルボ部が、断熱体の中空エルボ孔に嵌め込まれると共に、スリットが元の状態に閉じられる。その後スリットの対向面を突き合わせて幅広のテープで接着する。尚、本発明のエルボ断熱体は、必要に応じて、その外表面にアルミガラスクロスやアルミクラフト紙等の防湿性の表皮材を被着させることができる。 【0020】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。 実施例1バインダーの目付量が200g/m2のガラスウールを用意した。このガラスウールを、長さ40mmのコイルばね(SWA、外径34mm、線材の直径5mm:40mmの間の巻数5)の中央の3巻部を二重巻きにしたものの両端に鉄製パイプ(外径27mm)を溶接して形成したスプリングマンドレルに、そのコイルバネ部を含む約200mmの幅に同心円状に巻付けた(成形体のガラスウール密度が40kg/m3)。 【0021】20A30の製品となるように、鉄製のパンチングメタル(SS400、厚さ1.6mm、直径5mmの穴が8mmのピッチで一様に形成されている)で、断熱体の外周面を形成する左右対称に2分割した外型を形成し、それぞれを熱風の通過を可能とした外箱に溶接で固定した(図7参照)。 【0022】この外型で上記のガラスウールをマンドレルごと挟持し、マンドレルに230℃の熱風を2分間送り込んでバインダーを硬化させてガラスウールの成形体を形成させた。ガラスウール成形体をマンドレルごと外型から取り出し、曲内周部の中心軸に沿ってカッターでスリットを付けてマンドレルを取り除き、本発明のエルボ用断熱体を得た。 【0023】上記の本発明のエルボ用断熱体と比較のため、従来のエルボ用断熱体を用い、足場の悪い高所での配管エルボ(90°、管径27mm)に装着した。本発明の断熱体では片手で装着でき、テープ固定までの所要時間は1個当たり5秒間であったが、従来の断熱体は片手の作業は無理があり、テープ固定までの所要時間は1個当たり17秒間であった【0024】実施例2長さ53mmのコイルばね(SWA、外径41mm、線材の直径5mm:53mmの間の巻数6)の中央の4巻部を二重巻きにしたものの両端に鉄製パイプ(外径34mm)を溶接してスプリングマンドレルを形成した。このマンドレルを使用する以外は実施例1と同様にして25A30の本発明のエルボ用断熱体を製造した。従来品との配管エルボ(90°、管径34mm)装着の結果は上記実施例1の場合と同様であった。 【0025】 【発明の効果】以上の本発明によれば、本発明のエルボ用断熱体は配管エルボとの密着性が良好で断熱性に優れるとともに、片手で迅速に配管エルボへ装着することができ、足場の悪い高所の作業も安全に行うことができる。又、本発明の断熱体の製造においては、中央部に曲管状に変形可能な部分を有する管状マンドレルを使用することで、従来の直筒状断熱体の製造と同様に効率よくエルボ用断熱体を製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116792 【氏名又は名称】旭ファイバーグラス株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月20日(1998.10.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077698 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 勝広 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−120981(P2000−120981A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−297786 |
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