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【発明の名称】 コック切替ストレーナ
【発明者】 【氏名】新倉 ▲真▼一

【要約】 【課題】切替動作が容易且つ確実であり且つ小型化させることが可能なコック切替ストレーナを提供する。

【解決手段】一対の左右こし器(2L,2R)の間に一対の上下流路切替器(3U,3B)を配設し且つ該こし器の夫々のポートと該流路切替器の対応する夫々のポートとを接続させ、且つ上下流路切替器の夫々の切替コックを連結部材(20)によって連結して同時的に切替動作を行なうことにより、左側こし器(2L)と右側こし器(2R)とを交互に使用する。各こし器内に装着されるこし筒(12)はこし網からなる内筒(44)と波形形状をした外筒(43)とから構成されており、有効通過面積を最大としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コック切替ストレーナにおいて、夫々第1ポートと第2ポートとを具備する一対の第1及び第2こし器、前記第1こし器の第1ポートに接続された第1ポートと、前記第2こし器の第1ポートに接続された第2ポートと、第1コックによって前記第1及び第2ポートへ選択的に連通され且つ外部配管へ接続可能な第3ポートとを具備する第1流路切替器、前記第1こし器の第2ポートに接続された第1ポートと、前記第2こし器の第2ポートに接続された第2ポートと、第2コックによって前記第1及び第2ポートへ選択的に連通され且つ外部配管へ接続可能な第3ポートとを具備している第2流路切替器、前記第1流路切替器の前記第1コックと前記第2流路切替器の前記第2コックとを連結させる連結部材、前記第1及び第2コックの内の少なくとも一方に固定した切替ハンドル、を有することを特徴としたコック切替ストレーナ。
【請求項2】 請求項1において、前記第1及び第2こし器が基本的に同一の構成を有していることを特徴とするコック切替ストレーナ。
【請求項3】 請求項1又は2において、前記第1及び第2流路切替器が基本的に同一の構成を有していることを特徴とするコック切替ストレーナ。
【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれか1項において、前記第1流路切替器の第3ポートが、外部配管から処理すべき流体が流入される入口部を画定しており、前記第2流路切替器の第3ポートが処理済みの流体を外部配管へ流出する出口部を画定していることを特徴とするコック切替ストレーナ。
【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれか1項において、前記連結部材が大略リング形状をしており、前記第1及び第2コックの各突出部が前記連結部材の両端から対向して嵌合されて相互に非回転状態に維持されていることを特徴とするコック切替ストレーナ。
【請求項6】 ストレーナのこし器内に着脱自在のこし筒において、円筒形状のこし網、前記こし網の外周に配設させた波形形状の穴明き外筒、前記こし網と穴明き外筒の両端に配設した一対の上板及び底板、を有することを特徴とするこし筒。
【請求項7】 請求項6において、前記上板と底板とがボルト及びナットによって固定されていることを特徴とするこし筒。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部配管から供給された流体から異物を除去し、且つ処理済の流体を外部配管へ戻すストレーナに関するものであって、更に詳細には,一対の左右こし器を交互に切り替えて使用して濾過作用を中断すること無しに連続的に動作可能なコック切替ストレーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】左右に一対のこし器を具備しておりそれらを交互に切り替えて使用するストレーナは公知であり、例えば、JIS F7208に記載されているようなものがある。
【0003】この様な従来のストレーナにおいては、左右のこし器の間に配設される流路切替器は1つのコックを一体的に形成したものであって、従ってコック自体比較的長いものである。従って、コックの摩擦が大きく、コックを手作業によって回転させることは困難である。そのために、流路を切り替えるためにコックを回転させる場合には、コックを僅かに上方に移動させ、次いでコックを回転させ、その後にコックを再度下方に移動させてロックさせることが必要であった。この様なコックの操作は煩わしいばかりか、コックを上方に移動させた場合に、外部配管から入口側に供給された濾過前の流体がそのまま出口側へ漏出してしまうという欠点を有していた。更に、この場合に、濾過前の流体中の異物がコックとハウジング壁との間に挟まって、コックが動作不能となる可能性があった。
【0004】更に、従来技術においては、コックが比較的長さが長いので、その製造に困難性があり、製造コストが高くなるという問題もあった。
【0005】一方、上述した従来のストレーナにおいては、着脱自在なこし筒を使用しており、こし筒の濾過性能が劣化した場合に、ストレーナから取り出してクリーニングを行ない、その後に再度ストレーナ内に装着して使用することが行なわれている。しかしながら、従来のこし筒は、円筒状のこし網の外周面上に単に穴明き筒体を外挿させたものであって、穴明き筒体には多数個の貫通孔が穿設されているものであるが、貫通孔が穿設されていない平面状の部分はこし網と円筒の湾曲面に従って平面接触するものであるからこし網の多くの部分は閉塞されることとなる。従って、こし網の有効通過面積はその分減少されることとなるので、有効通過面積を大きくするためには、こし筒の外径を大きくするか、又はこし筒の長さを大きくすることが必要となり、こし筒自体が大型化し、ひいてはストレーナ自体が大型化するという欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑みなされたものであって、上述した如き従来技術の欠点を解消し、手作業によって容易に流路の切り替えを行なうことが可能なコック切替ストレーナを提供することを目的とする。
【0007】本発明の別の目的とするところは、外部配管との接続において柔軟性を有するコック切替ストレーナを提供することである。
【0008】本発明の更に別の目的とするところは、製造が容易であり且つコストを低下させることを可能としたコック切替ストレーナを提供することである。
【0009】本発明の更に別の目的とするところは、コック切替ストレーナを小型化させることを可能とすることである。
【0010】本発明の更に別の目的とするところは、ストレーナに着脱自在であり且つ寸法を増加させること無しに有効通過面積を増加させたこし筒を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴によれば、コック切替ストレーナであって、夫々第1ポートと第2ポートとを具備する一対の第1及び第2こし器、前記第1こし器の第1ポートに接続された第1ポートと、前記第2こし器の第1ポートに接続された第2ポートと、第1コックによって前記第1及び第2ポートへ選択的に連通され且つ外部配管へ接続可能な第3ポートとを具備する第1流路切替器、前記第1こし器の第2ポートに接続された第1ポートと、前記第2こし器の第2ポートに接続された第2ポートと、第2コックによって前記第1及び第2ポートへ選択的に連通され且つ外部配管へ接続可能な第3ポートとを具備している第2流路切替器、前記第1流路切替器の前記第1コックと前記第2流路切替器の前記第2コックとを連結させる連結部材、前記第1及び第2コックの内の少なくとも一方に固定した切替ハンドル、を有することを特徴としたコック切替ストレーナが提供される。
【0012】即ち、本発明のコック切替ストレーナにおいては、第1及び第2流路切替器が別体として形成されているものであるが、夫々第1及び第2こし器の夫々の対応するポートに接続されており、且つ第1及び第2流路切替器の夫々の第1及び第2コックは連結部材によって一体的に連結されている。従って、第1及び第2流路切替器は、夫々、別体のものであるが、夫々の第1及び第2コックは連結部材によって一体的に連結されているので、第1及び第2コックは一方が動作されれば他方は同時的に動作される。この様に、第1及び第2流路切替器を別々に形成するものであるから、第1及び第2コックは比較的小型のものとすることが可能であり、従ってコック形状及び寸法(ハウジングとの傾斜角など)を適切に設定することによってその摩擦力を最小のレベルに設定することが可能である。そのためにコックを回転させる力は比較的小さなものでよく、コックを手作業によって容易に回転させることが可能となる。更に、第1及び第2流路切替器は、基本的に同一の構成及び同一の寸法形状のものとすることが可能であるから、第1及び第2流路切替器を別々に設計、製造することは必要ではなく、共通の設計に基づいて製造を行なうことが可能である。従って、一方の流路切替器が故障した場合に備えて2種類の流路切替器を在庫することは必要ではない。
【0013】本発明の別の特徴によれば、ストレーナのこし器内に着脱自在のこし筒において、円筒形状のこし網、前記こし網の外周に配設させた波形形状の穴明き外筒、前記こし網と穴明き外筒の両端に配設した一対の上板及び底板、を有することを特徴とするこし筒が提供される。
【0014】即ち、本発明のこし筒においては、穴明き外筒は波形形状をしているので、円筒形状のこし網とそれに外挿される円筒形状の穴明き外筒とは円筒面に沿って面接触されるものではなく、こし網と穴明き外筒とは、高々、複数本のラインに沿って線接触するに過ぎない。好適には、穴明き外筒は、その横断面において波形形状をしており、その場合には,こし網と穴明き外筒とが接触するラインは、円筒の中心軸に沿って平行に延在している。
【0015】この様に、こし網と穴明き外筒との間は面接触ではなく線接触によって接触させる構成とすることによって、外筒がこし網を閉塞することを最大限避けることが可能となり、従ってこし網は可及的に大きな有効通過面積を有することとなる。
【0016】
【発明の実施の態様】本発明の1実施例に基づいて構成されたコック切替ストレーナ1を図1(a),(b)に概略的に示してある。本ストレーナ1は、大略、一対の左右こし器2L,2Rと、それらの間に配設されている一対の上下流路切替器3U,3Bとを有している。本実施例においては、左右のこし器2L,2Rは同一の構成及び同一の寸法形状を有しており、更に上下の流路切替器3U,3Bも同一の構成及び同一の寸法形状を有している。従って、以下の説明においては、一対の左右のこし器2L,2R及び一対の上下の流路切替器3U,3Bの各対のいずれか一方についての説明は該対の他方についても同様に当てはまるものである。
【0017】図1(a)に示されているように、本ストレーナ1の左側こし器2Lは、上側ポート15Lと下側ポート16Lとを具備する左側ハウジング18Lを有しており、該ハウジング18L内に左側こし筒12Lが収納されている。ハウジング18Lの内部には環状のストッパ14Lが突設されており、左側こし筒12Lの上板43がストッパ14Lと係合してこし筒12Lは所定の位置に着脱自在に維持されている。こし器2Lのハウジング19Lは一体的に構成されており、その上側ポート15Lの先端にはフランジが形成されており、同じく下側ポート16Lの先端にもフランジが形成されている。
【0018】更に、左側こし器2Lのハウジング18Lの頂部は、蓋10Lがボルトによって固着されており、蓋10Lには空気抜き弁17L及び取っ手11Lが設けられている。従って、左側こし器2L内に装着されているこし筒12Lを取り外してクリーニングする場合には、ボルト止めしてある蓋10Lをハウジング18Lから外し、こし筒12Lに固着してある取っ手13Lを把持することによってこし筒12Lを左側こし器2Lのハウジング18L外部に取り出すことが可能である。そして、こし筒12Lをクリーニングした後、又は新たなこし筒12Lを左側こし器2Lのハウジング18L内に装着する場合には、こし筒12Lの上板43をハウジング18Lのストッパ14Lと当接するまでこし筒12Lをハウジング18L内に挿入すれば良い。その後に、取っ手11Lを把持して蓋10Lをハウジング18Lの上に置き、次いでボルト止めすることによって蓋10Lをハウジング18Lに固定する。
【0019】前述した如く、右側こし器2Rは、左側こし器2Lと実質的に同一の構成を有するものであるから、図1(a),(b)において、左右こし器2L,2Rにおいて対応する構成要素には同一の参照番号を使用し且つ左側こし器2Lに関連する構成要素には参照番号に続いて「L」の英文字を付してあり、一方右側こし器2Rに関連する構成要素には参照番号に続いて「R」の英文字を付してある。従って、ここにおいては、右側こし器2Rに関連する構成要素の詳細な説明は割愛する。
【0020】図1(a),(b)に示されるように、一対の左右のこし器2L,2Rの間には流路切替器3が動作結合して接続されている。流路切替器3は、一対の上側流路切替器3Uと下側流路切替器3Bとを有しており、本実施例においては、上下の流路切替器3U,3Bは同一の構成で且つ同一の寸法形状を有している。従って、以下の説明においては、特に上側流路切替器3Uについて説明するが、上側流路切替器3Uの構成要素と同一である下側流路切替器3Bの構成要素には同一の参照番号を付してあり、且つ上側流路切替器3Uの場合には参照番号に続いて「U」を付してあり、一方下側流路切替器3Bの場合には参照番号に続いて「B」を付してある。
【0021】特に、図2及び3を参照して説明すると、上側流路切替器3Uは大略箱形形状をしたハウジング30Uを有しており、ハウジング30Uは一対の対向する側面に形成した第1及び第2ポート31UL,31URを有すると共に、外部配管に接続するためのフランジが先端に形成されている第3ポート32Uを有している。図1及び2から明らかなように、組立て状態においては、上側流路切替器3Uの第1ポート31ULは左こし器2Lの第1ポート15Lと連通され、一方上側流路切替器3Uの第2ポート31URは右側こし器2Rの第1ポートと連通される。更に、上側流路切替器3Uの内部には切替コック21Uが回転自在に収納されており、切替コック21Uは、コック本体21U−1と、その上下に突設させた一対のシャフト21U−2,21U−3とから構成されており、各シャフト21U−2,21U−3はコック本体21U−1に接続した円形断面の軸部分と角型断面(図示例においては、正方形断面)の先端部分とから構成されている。切替コック21Uがハウジング30U内の所定位置に収納され且つ蓋24Uをボルト25Uによってハウジング30Uに固定させると、切替コック21Uの軸部分内にOリング22U,23Uが外挿されてハウジング30Uと切替コック21Uとの間の隙間を閉塞する。従って、切替コック21Uは、ハウジング30U内において密封状態で且つ回転自在に維持される。
【0022】切替コック21Uをハウジング30U内に位置させると,切替コック21Uのシャフト21U−2,21U−3の夫々の角型先端部分はハウジング30Uの外部に突出する。特に、シャフト21U−2の角型先端部分は、蓋24Uの外部表面よりも外側に位置されており、従って切替ハンドル26の根元部分に形成されている対応する角型形状の貫通孔内に嵌合される。更に、インジケータプレート27が切替ハンドル26上に位置され、止めビス28がシャフト21U−2の先端に形成された螺子孔内に螺合されてハンドル26及びインジケータプレート28を切替コック21Uに固定している。従って、操作者は、切替ハンドル26を把持してそれを切替コック21Uの軸回りに回転させることによって切替コック21Uのハウジング30U内における位置を第1位置と第2位置との間で切り替えることが可能である。尚、第1位置とは、第1ポート31ULと第3ポート32Uとを連通させるが第2ポート31URは遮断状態とさせる切替コック21Uの位置であり、一方第2位置とは、第2ポート31URと第3ポート32Uとを連通させるが第1ポート31ULを遮断状態とさせる切替コック21Uの位置のことである。
【0023】下側流路切替器3Bも基本的に上側流路切替器3Uと同一の構成を有するものであって、図3においてはその組立てた状態が示されている。例えば,下側流路切替器3Bも大略箱形形状をしたハウジング30Bを有しており、ハウジング30Bは、組立て状態において、左側こし器2Lの第2ポートと連通される第1ポート31BLと、右側こし器2Rの第2ポートと連通される第2ポート31BRと、外部配管と連通される第3ポート32Bとを有している。尚,第3ポートは、上側流路切替器3Uの場合と同じく、外部配管に接続させるために、ハウジング30Bに突出部が突設されており、その突出部の先端には外部配管と接続するためのフランジが形成されると共に第3ポート32Bが画定されている。
【0024】下側流路切替器3Bの内部にも密封され且つ回転自在に保持された切替コック21Bが収納されており、そのシャフト21B−2の角型先端部分はハウジング30Bにボルト止めした蓋24Bの中央貫通孔から外部に突出している。そして、上側流路切替器3Uの下側にはその切替コック21Uのシャフト21U−3の角型先端部分が下方向に突出しており、これらの対向して位置した夫々の角型先端部分は連結部材20内に嵌合されている。連通部材20は、大略リング乃至は筒形状をしているが、その軸方向両端部には切替コック21U,21Bのシャフトの角型先端部分の角型形状に対応する角型形状を有しており、従って連通部材20は、上側流路切替器3Uの切替コック21Uと下側流路切替器3Bの切替コック21Bとを一体的に回転すべく動作結合させている。即ち、下側流路切替器3B内において切替コック21Bは第1位置と第2位置との間で切り替え動作を行ない、第1位置とは、第1ポート31BLと第3ポート32Bとを連通させて第2ポート31BRを遮断状態とさせる切替コック21Bの位置のことであり、一方第2位置とは、第2ポート31BRと第3ポート32Bとを連通させて第1ポート31BLを遮断状態とさせる切替コック21Bの位置のことである。従って、下側流路切替器3B内における切替コック21Uの位置は、上側流路切替器3Uの切替コック21Uを介して切替ハンドル26によって制御することが可能である。
【0025】この様に、本発明における上下の流路切替器3U,3Bは基本的に同一の構成及び寸法形状を有するものであるから、上下の流路切替器3U,3Bは互換性を有しており互いに上下を交換しても全く同一の機能を得ることが可能である。更に、連結部材20によって連結されているので、上下の流路切替器3U,3Bは操作者による切替ハンドル26の操作によって切替状態を同時的に制御することが可能である。即ち、上下の流路切替器3U,3Bは同一の仕様に基づいて複数個製造したものから任意に2個を選択して連結部材20で連結させたものであるから、基本的には、夫々は独立して流路切替器として機能することが可能なものである。従って、各流路切替器の切替コック21U,21Bは寸法が比較的小さく、特にその長さは従来のものと比較して著しく小さくすることが可能である。そうであるから、各々の切替コック21U,21Bの摩擦は小さくなり、且つ切替コックのハウジング30U,30Bとの摺動面を適宜の角度に設定することにより、切替コック21U,21Bの回転に対する抗力を著しく小さくさせることが可能となる。更に、切替コック21U,21B自体その長さが比較的短いので、製造が簡単となるばかりか、その精度を向上させることも可能となり、その点からも切替コック21U、21Bのハウジング30U,30Bとの摩擦を小さくさせることが可能である。従って、切替コック21U,21Bを夫々のハウジング30U,30B内において第1位置と第2位置との間で切替を行なうために回転させる場合に、極めてスムーズに且つ容易に切替コック21U,21Bを回転させることが可能となり、従来技術におけるように、切替コックを多少持ち上げて緩みを持たせてから回転させるという二次的操作は必要ではない。更に、外部配管からの流体が供給される入口側を画定する上側流路切替器3Uと、外部配管へ処理済みの流体を供給する出口側を画定する下側流路切替器3Bとは、夫々別個独立した入力側流路及び出口側流路を画定しているので、処理前の外部配管からの流体が未処理のままで外部配管へ戻される危険性はない。
【0026】次ぎに、特に、図4(a),(b)を参照して、本発明ストレーナにおける流路決定における柔軟性について説明する。即ち、図4(a)は、上側流路切替器3Uと下側流路切替器3Bとを180度反対の配向状態で配置させた場合であり、一方図4(b)は、上側流路切替器3Uと下側流路切替器3Bとを同一の配向状態で配置させた場合である。従って、図4(a)の場合には、上側流路切替器3Uの第3ポート32Uによって画定される入口部と、下側流路切替器3Bの第3ポート32Bによって画定される出口部とが正反対の方向に向いており、一方、図4(b)の場合には、それらの入口部と出口部とが同一の方向に向いている。本ストレーナにおいては、上下の流路切替器3U,3Bは同一の構成を有する別体のものであり、それらを連結部材20で動作連結させているに過ぎないものであるから、上下の流路切替器3U,3Bとは一方が他方に対して切替コックの回転軸に関して任意の方向に設定させることが可能である。しかしながら、図示例における組立状態においては、上下の切替器3U,3Bは左右のこし器2L,2Rとも接続されるものであるから、その場合には、上下の流路切替器3U,3Bは入口部と出口部とを同一の方向か又は反対の方向のいずれかに設定することが可能である。従って、本ストレーナは、入口部と出口部とを同一の方向か又は反対の方向に設定することが可能であるから、外部配管に接続する場合にレイアウト上の柔軟性を与えている。
【0027】次ぎに、特に図5(a)〜(c)を参照して、本発明の別の側面について説明する。図5(a)は、本ストレーナの各こし器2L,2R内に収納させて使用するのに適したこし筒12を示した概略斜視図である。こし筒12は全体的に円筒形状をしており、大略、内筒40と外筒41とから構成されている。内筒40は、こし網から構成されており、多数の網目構造を有しており、その網目を流体が通通過する場合に、流体中に浮遊している異物などを捕捉し流体を濾過する機能を有している。一方、外筒41は、好適にはその全体にわたって多数の貫通孔が穿設されている穴明きプレートを円筒状に成形したものであり、特に、その場合に、図5(b),(c)に示したように、穴明きプレートを波形形状とさせた状態で円筒形状に成形したものである。従って、外筒41は波形形状とされているので、波形の頂点42においてのみ内筒40の外周面と接触するに過ぎず、内筒40と外筒41との接触は高々線接触であって面接触となることは極力排除されている。従って、外筒41の貫通孔が形成されていない実体部分が内筒40の外周面と接触して内筒40のこし網を部分的に閉塞することが極力回避されており、有効通過面積を最大とすることを可能としている。そうであるから、内筒40のこし網全体を濾過のために使用することが可能であり、従来のこし筒と比較して寸法が小型のものであっても十分な濾過機能を提供することが可能である。更に、外筒41は波形形状とさせるのでその強度が増加されており、従って外筒41を薄板材から構成することが可能となり、そのことはこし筒12L,12R全体の重量を軽減させ、取り扱いを容易とさせることとなる。
【0028】内筒40と外筒41との結合体の両端には、基本的にディスク形状をした上板43と底板44とが配設されている。上板43には一対の開口部43a,43aが形成されており、内筒40の内部へ流体を流入させることを可能としている。一方、図5には示されていないが、底板44は開口部が形成されていないディスク形状であってこし筒12の底を閉塞している。従って、こし筒12の内部に流入された流体は、全て、先ず、こし網からなる内筒40を通過し,次いで、外筒41の貫通穴を通過してこし筒12の外部へ流出することとなる。上板43と底板44とはボルト45及びナット46,47によって締着されている。従って、好適には,上板43と底板44の夫々の対向する面に溝を刻設して、内筒40と外筒41の夫々の対向する端部を嵌合させる構成とすることが望ましい。その場合には、上板43及び底板44は内筒40及び外筒41にしっかりと位置決めされることとなり、取り扱いにおいて不用意に分解したりすることを防止することが可能である。
【0029】更に、図5(a)に示した実施例においては、リング形状のこし筒取っ手11がボルト45とナット46との間に緊結されている。従って、操作者はこの取っ手11を把持してこし筒12を取り扱うことが可能である。尚、図示したこし筒12は、図1〜4に示した本ストレーナにおいて好適に使用することが可能なものであるが、本こし筒12は、図1〜4に示したストレーナにのみ制限されるものではなく、従来のストレーナにおいても、更に図1〜4とは異なる構成のストレーナにおいても使用することが可能であることを注意すべきである。
【0030】次ぎに、特に図2を参照して、本ストレーナの使用方法について説明する。
【0031】先ず、左右のこし器2L,2R内に図5に示したこし筒12L,12Rを夫々セットする。この場合に、図2に示したように、こし筒12Lの上板43の底面の外周部分をこし器2L内のリング形状をしたストッパ14L上に載置させる。それにより、こし筒12Lの上板43とこし器2Lのストッパ14Lとによってこし器2Lの内部は実効的に上下の2室に区画化される。次いで、蓋10L,10Rを夫々のこし器2L,2R上にボルト止めする。
【0032】次いで、切替ハンドル26を操作して、図2に示した位置とさせ、それにより外部配管からの流体が供給される入口部を画定する上側流路切替器3Uの第3ポート32Uはその第1ポート31ULと連通状態とされ、一方その第2ポート31URは閉塞状態とされ、更に外部配管へ処理済の流体を供給する出口部を画定する下側流路切替器3Bの第3ポート32Bはその第1ポート31BLと連通状態とされ、一方その第2ポート31BRは閉塞状態とされる。従って、外部配管から入口部に供給された流体は、左側こし器2L内にその第1ポート15Lを介して流入し、且つこし筒12Lの上板43に形成されている開口部43aを介してこし筒12L内部に流入する。次いで,該流体はこし筒12Lの内筒40及び外筒41を介してこし筒12Lから左側こし器2L内に流出し、更に第2ポート16Lを介して下側流路切替器3Bを介してその出口部を画定する第3ポート32Bから外部配管へ流される。
【0033】この様にして流体がこし筒12Lを介して流されることにより流体内に浮遊している異物などがこし筒12Lの内筒40を構成しているこし網によって捕獲された流体は濾過されることとなる。この様にして流体の濾過作用が行なわれると、こし網から構成されている内筒40は次第に目詰まりすることとなり、濾過機能た低下することとなる。その場合には、操作者が切替ハンドル26を操作して、上下の流路切替器3U,3Bの第3ポート32U,32Bを夫々第2ポート31UR,31BRへ連通させ、一方夫々の第1ポート31UL,31BLを閉塞状態とさせる。これによって、上側流路切替器3Uの第3ポート32Uを介して流入された流体は、右側こし器2Rを介して流れて濾過され、濾過された流体は下側流路切替器3Bの第3ポート32Bを介して外部配管へ流されることとなる。従って、この場合には、外部配管から供給された流体は左側こし器2Lを介して流れることはないので、ボルトを外して蓋10Lを開放し、こし筒12Lを外部へ取り出すことが可能である。そして、新たなこし筒12Lを左側こし器2L内に装着させるか、又は目詰まりした内筒40をクリーニングした後に再度左側こし器2L内に装着することが可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、流路切替器を処理前の流体の流路を画定する一次側(入口側)と処理後の流体の流路を画定する二次側(出口側)とに分離させているので、切替動作を行なう場合に一次側の処理前の流体が二次側に漏洩することがない。更に、流路切替器を構成する一対の上下流路切替器は、基本的に、同一の構成及び同一の寸法形状のものとすることが可能であるので、製造が容易であり且つコストを低下させることが可能である。更に、流路切替器を一対の上下流路切替器から構成することにより、各流路切替器内の切替コックを小型化させることが可能であり、切替コックの封止性を向上させ且つ回転抵抗を減少させることが可能となり、一対の上下流路切替器の夫々の切替コックを連結して同時的に動作させる場合においても切替動作は滑らかであり且つ容易に切替動作を行なうことが可能であり大きなトルクを必要とすることもない。更に、入口用及び出口用の一対の上下流路切替器から構成されているので、入口と出口とは同一の方向又は反対の方向に配向させることが可能であり、外部配管とのレイアウトに柔軟性を与えている。
【0035】更に、本発明によれば、有効通過面積を増加させることを可能とした構成を有するこし筒を提供しており、従って、こし筒自体を小型化することが可能であると共にひいてはストレーナ自体を小型化させることを可能としている。更に、こし筒自体の重量を低下させることを可能としており取り扱いが容易となる。
【0036】以上、本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明はこれらの具体例にのみ制限されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱することなしに種々の変形例が可能であることは勿論である。
【出願人】 【識別番号】592001230
【氏名又は名称】新倉工業株式会社
【出願日】 平成10年10月16日(1998.10.16)
【代理人】 【識別番号】100057793
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 一男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−120976(P2000−120976A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−295835