| 【発明の名称】 |
屈曲管、およびそれを使用する配管方泡並びに曲げ配管部の耐火構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 ゆかり
【氏名】角田 稠史
【氏名】鈴木 佳吉
【氏名】茂村 秀文
【氏名】須賀 良平
【氏名】土岸 教通
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| 【要約】 |
【課題】床上げやスラブ下げなどを最小限におさえ、かつ継手配管箇所に制限されることなく、無駄のない、自由度の高い配管ルートの選択ができる曲げ配管技術を提供すること。
【解決手段】直管部の管長手方向a、bが互いに交差する直管部分11、12とが、屈曲部13を介して一体となるように金型成形して屈曲管10を構成する。継手を介して直管同士を配管接続する曲げ配管箇所に屈曲管10を使用する。屈曲管10の外壁周面には、耐火被覆を設けるようにして耐火被覆屈曲管を構成してもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横走り管や竪管などの直管同士を角度を付けて配管接続する曲げ配管箇所で使用する屈曲管であって、横走り管部を構成する直管部分と、竪管部または横走り管部を構成する直管部分とが、一方の直管部分の一端側で、両直管部分の管長手方向が交差するように、他方の直管部分が一体に屈曲形成されていることを特徴とする屈曲管。 【請求項2】 請求項1記載の屈曲管において、前記屈曲管は、金型によりL字型状に屈曲成形され、屈曲部の管壁の厚さが略均一に形成されていることを特徴とする屈曲管。 【請求項3】 請求項1または2記載の屈曲管において、前記屈曲管には、その管壁外周面に耐火被覆が設けられていることを特徴とする屈曲管。 【請求項4】 請求項3記載の屈曲管において、前記耐火被覆は、耐火モルタルで構成され、前記屈曲管の直管部分を覆う直管部分耐火被覆と、屈曲部を覆う屈曲部耐火被覆とが、分離可能に設けられていることを特徴とする屈曲管。 【請求項5】 横走り管や竪管などの直管同士を角度を付けて配管接続する曲げ配管箇所における配管方法であって、横走り管と、竪管または横走り管とを継手を介して配管接続する代わりに、横走り管部を構成する直管部分と、竪管部または横走り管部を構成する直管部分とが、一方の直管部分の一端側で、両直管の管長手方向が交差するように、他方の直管部分が一体に屈曲形成された屈曲管を使用して、前記継手を介さずに曲げ配管を行うことを特徴とする屈曲管を使用する配管方法。 【請求項6】 請求項5記載の屈曲管を使用する配管方法において、前記屈曲管には、請求項3または4記載の屈曲管が使用されていることを特徴とする屈曲管を使用する配管方法。 【請求項7】 建築物のパイプシャフト内の竪管から分岐され、前記パイプシャフトの配管貫通部から貫通して横分岐させられた横配管の耐火被覆を必要とする範囲内において曲げ配管が行われている曲げ配管部の耐火構造であって、前記範囲内においては、請求項3または4記載の屈曲管が使用されて、継手を使用せずに曲げ配管がなされていることを特徴とする曲げ配管部の耐火構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、雑排水のスラブ上配管などにおける曲げ配管技術に関し、特に継手を使用せずに曲げ配管ができるようにしたものである。 【0002】 【従来の技術】従来より住宅の台所、洗面所、浴室などの水廻では、床下側に排水管を設けてこれら水廻からの雑排水を排水できるようになっている。 【0003】上記排水管は、床下側を横方向に這わせた横走り管と、上記台所などの水廻の排水口から垂直に降ろされた竪管とを、直角状に曲げられたL字型継手を介して配管接続し曲げ配管を行っている。 【0004】配管系における漏水事故の多くは継手部分で発生するため、配管の継手箇所はメンテナンスの行い易い箇所で行うよう配管設計がなされている。 【0005】一般の戸建住宅では、床下から地盤面までは比較的高いので、かかる床下配管におけるメンテナンス時の作業空間は確保し易い。 【0006】しかし、マンションなどの集合住宅では、建物の高さなどの制限から、各階の個々の居室部分の階高を余り高く設定することができず、その分居室部分の床下高さは戸建てのように十分な高さを確保することができない。 【0007】そのため、かかるマンションなどの集合住宅では、漏水原因となりやすい継手配管を、後日のメンテナンス作業が行い易いように、床下高さの確保ができる箇所に集中させる配管設計がなされている。 【0008】例えば、図8に示すように、マンションなどの集合住宅でよくみられる洗面所Aと浴室Bとが軽量鉄骨ボード貼り(LGS)などの間仕切り壁1を扉2を通して隣接配置された構成では、洗面所Aに設けた洗面台3の排水管4が、スラブ下げまたは床上げされた洗面所Aの床下を防水パン5に向けて通されている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、マンションなどの集合住宅では、漏水原因となる継手配管はメンテナンスのしづらい部分を避け、通常は洗面所の防水パンなどの床下に集中させて行われている。 【0010】このため、継手配管が集中させられる洗面所などの床下では、床下高さを十分に確保する必要があり、従来はかかる箇所の床下高さを通常の二重床高さ以上に設定したり、あるいはスラブ自体を下げるなどの施工上の対処を余儀なくさせられていた。 【0011】しかし、上記のように特殊な床上げやスラブ下げ(例えば、洗面所床部)などの施工上の対処を行うためには、どうしてもその分階高を高くせざるを得ず、併せて施工費用も嵩むこととなる。そのため、階高を上げずに済む曲げ配管技術が求められている。 【0012】また、従来は、メンテナンスの行い難い箇所では継手配管を避けるようにするため、配管ルートは継手配管を行い易い箇所を通過するように決定されていた。このように配管ルートが継手配管位置に制約されるため、効率の悪い配管ルートを敢えて選択せざるを得ない場合も多かった。そのため、配管設計の自由度、無駄のない配管ルートの決定という点からも、新たな配管技術が求められている。 【0013】また、間取り設計の観点からは、マンションなどの集合住宅でも各室の個性を生かした自由度の高い間取りが求められているが、台所や浴室、洗面所などの水廻の配置は、施工効率の確保が大きな問題となる集合住宅では、上記配管ルートを考慮したものとならざるを得ない。そのため、間取り設計上からも配管ルートの自由度が高い曲げ配管ができる技術が求められている。 【0014】本発明の目的は、マンションなどの集合住宅の階高を上げる必要のない曲げ配管技術を提供することにある。 【0015】本発明の他の目的は、継手配管箇所に制限されことなく、無駄のない、自由度の高い配管ルートの選択ができる配管技術を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明では、横走り管や竪管などの直管同士を角度を付けて配管接続する曲げ配管箇所で使用する屈曲管であって、横走り管部を構成する直管部分と、竪管部または横走り管部を構成する直管部分とが、一方の直管部分の一端側で、両直管部分の管長手方向が交差するように、他方の直管部分が一体に屈曲形成されていることを特徴とする。前記屈曲管は、例えば、金型によりL字型状に屈曲成形し、屈曲部の管壁の厚さを略均一に形成しておけばよい。 【0017】前記屈曲管には、その管壁外周面に耐火被覆を設けるようにしてもよい。耐火被覆を設けるに際しては、屈曲管の両端側に接続代を残して一体に耐火被覆を設けるようにしてもよい。 【0018】あるいは、耐火被覆をモルタル材で構成した場合には、管長さの調節ができるように、屈曲管の直管部分を覆う直管部分耐火被覆と、屈曲部を覆う屈曲部耐火被覆とが分離できるように構成しておくとよい。 【0019】本発明の屈曲管を使用する配管方法は、横走り管や竪管などの直管同士を角度を付けて配管接続する曲げ配管箇所における配管方法であって、横走り管と、竪管または横走り管とを継手を介して配管接続する代わりに、横走り管部を構成する直管部分と、竪管部または横走り管部を構成する直管部分とが、一方の直管部分の一端側で、両直管の管長手方向が交差するように、他方の直管部分が一体に屈曲形成された屈曲管を使用して、前記継手を介さずに曲げ配管を行うことを特徴とする。この屈曲管には、前記要領で耐火被覆を設けておいてもよい。 【0020】横走り管や竪管を継手を介して配管接続したものと同じ機能を有するように、2本の直管部分を一体に金型成形して屈曲管に構成しておけば、曲げ部分に漏水原因となる継手が使用されていないため、配管のメンテナンスが行い難い狭い箇所でもこの屈曲管を使用して簡単に曲げ配管が行える。 【0021】従来のように、配管の継手箇所をメンテナンスのし易い箇所に配置するようにわざわざ配管ルートを迂回させる必要もなく、効率的な配管ルートの選択が自由に行える。 【0022】また、このように配管ルートの自由度が確保されるので、短い配管ルートの選択も行え、配管作業の効率化を図ることもできる。 【0023】配管ルートが自由に選択できるようになる分、配管ルートの制約を受けることなく間取り上の水廻の配置が自由に行え、マンションなどの各室の間取り上の個性化を積極的に進めることもできる。 【0024】さらに、従来の曲げ配管部では継手を介して横走り管と竪管などの直管同士を配管接続していたので、どうしても継手部分からの漏水事故の危険性があったが、本発明の屈曲管を使用すれば継手不要の曲げ配管ができるため、漏水の心配がなくメンテナンスフリーの曲げ配管を行うことができる。 【0025】特に、金型成形により屈曲管の曲げ部分の管壁を均一にすることにより、直管を曲げた場合とは異なり曲げ部分に皺や管壁の厚さの不均一が発生せず、曲げ部分の強度確保が行える。管壁の厚さは、所定公差内に収めて実質的に均一とみなせる状態にしておけばよい。 【0026】金型成形により、横走り管部を構成する直管部分と、竪管部などを構成する直管部分とを、予め屈曲管の使用箇所の寸法に合わせて製品化しておけば、現場の取付作業が、継手不要の効果と相まってより効率化される。 【0027】また、屈曲管の管壁外周面に耐火被覆を施すようにしておけば、建物の屋内配管の曲げ配管箇所、あるいは建物内への引込み配管の曲げ配管箇所などに、耐火構造が求められる場合でも、屈曲管の使用ができる。 【0028】例えば、建築物のパイプシャフト内の竪管から分岐され、前記パイプシャフトの配管貫通部から貫通して横分岐させられた横配管の耐火被覆を必要とする範囲内において曲げ配管が行われている曲げ配管部に、前記要領で耐火被覆が施された屈曲管を使用することができる。 【0029】マンション、事務所ビルなどの高層建物では、各階への配管敷設を、各階を貫通するパイプシャフト内の竪管から横に分岐させて貫通させる横配管で行っているが、パイプシャフトの配管貫通部から所定範囲内では耐火性の配管の使用が求められている。かかる部分で上記の如く、耐火被覆屈曲管を使用すれば、耐火構造部分での継手外れなどの障害の発生が未然に防止でき、メンテナンスフリーの曲げ配管を行うことができる。 【0030】かかる部分で、継手を使用せずにメンテナンスフリーに構成しておくことにより、メンテナンス時における継手接続ミスなどに起因する耐火被覆の破損などの不良発生を防止することもでき、より曲げ配管部における耐火構造の信頼性を高めることができる。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。 【0032】(実施の形態1)図1は、本発明の屈曲管10の平面図である。屈曲管10は、図1に示すように、管長が長い直管部分11と、短い直管部分12とが、それぞれの直管部分11、12の管長手方向(図中、a、bで示す矢印で表示)が直交方向に交差するように屈曲部13を介して一体に屈曲形成されている。 【0033】屈曲部13は、アールをとって円滑に両直管部分11、12が連絡されるように構成されている。かかる屈曲部13は、両直管部分11、12と一体に形成されている。 【0034】上記構成の屈曲管10は、実際の床下配管で便利に使用できるように、図1に示すように、直管部分12の中心軸12aから直管部分11の管端11aまでの管長さL1を例えば2000mmとすればよい。このように直管部分11の長さを長く設定することにより、床下配管時の床下の必要長さの横走りができるようになっている。 【0035】また、直管部分12の長さは、直管部分11の中心軸11bから直管部分12の管端12bまでの管長さL2を、例えば500mmに設定すればよい。かかる長さL2は、実際の床下配管で便利に使用できるように床下高さ以下に予め設定して屈曲管10の製品化を行っておけば、横走り管と竪管とを継手を介して曲げ配管接続する代わりに、屈曲管10で直角曲げ配管が簡単に行える。 【0036】かかる管長さL2は、このように水廻の床下側への排水口と接続が簡単にできるように、床下を横走りさせる直管部分11から、上記排水口への接続に必要な長さに設定しておけば、管端側の現場合わせの切断を不要とすることができる。 【0037】かかる構成の屈曲管10は、実際には金型を使用して硬質塩化ビニール管、あるいは鋳物管などに金型成形すればよい。金型成形とすることにより、予め形成された直管を所定角度に屈曲させる場合などとは異なり、屈曲部13の管壁の厚さの不均一を無くすことができる。 【0038】直管を屈曲させた場合には、屈曲部分の管壁には管壁が薄い箇所と厚い箇所が発生し、また屈曲部分の内側には皺も発生し、不要な歪みが屈曲部分にかかることとなり、屈曲部分での破損のおそれが心配されるが、上記のように金型成形で成形することによりかかる点の心配がない。 【0039】また、金型成形により形成された屈曲管10は、図1に示すように、屈曲部13の管壁は両直管部分11、12の管壁と所定公差の範囲内で略同じ厚さで均一に形成され、屈曲部分での強度を脆弱にするおそれのある上記歪みが屈曲部13にかからないようになっている。 【0040】因みに、例えば、管長さL1を2000mm、L2を500mmとした場合には、管壁の厚さWを例えば目安として4.5mm厚にし、管径を60φに設定しておけばよい。厚さWを上記の如く4.5mmに設定した場合には、公差±0.4mmの範囲内に収めて均一化を図ればよい。かかる管長さL1、L2、管壁の厚さWの上記数値はあくまで一例であり、かかる数値に限定する必要はなく、屈曲管10の強度、配管作業の効率など種々の要件を考慮して適宜数値設定を行えばよい。 【0041】また、このようにして形成された屈曲管10の両管端11a、12bの面とりは、例えば糸面とり加工にしておけばよい。 【0042】上記構成の屈曲管10を使用した配管方法について、図2に基づいて以下説明する。 【0043】図2は、マンションなどの集合住宅の洗面廻りの雑排水管の配管敷設状況を示している。洗面所Aと浴室Bとが、間仕切り壁21を介して隣合わせに設けられ、扉20を通して行き来できるようになっている。 【0044】洗面所Aには、洗面台30が設けられ、この洗面台30の排水口には配管ユニット31が配管接続されている。配管ユニット31は、排水口に接続させる竪管32と、竪管32に継手33を介して接続された横走り管34とが予め一体に配管接続され、洗面台30部分での現場配管が簡単にできるようにユニット化されている。 【0045】配管ユニット31の横走り管34は、継手41を介して短管35に接続され、さらに短管35は、二方向を洗面所Aと浴室Bとの間仕切り壁22、23に囲まれた下足入れCの床下側に通されている。下足入れCの床下側では、短管35はL字型継手42を介して、屈曲管10の直管部分11の管端に配管接続されている。 【0046】屈曲管10は、その直管部分11が、図2に示すように、浴室Bのユニットバス50の側縁部51と間仕切り壁21との間に設けられる所定幅の隙間dの間を、間仕切り壁21に沿って、直管部分11の半分程がユニットバス50の下側に隠れるようにして配管させられている。 【0047】直管部分11の先は、屈曲部13を経由した直管部分12が、間仕切り壁21に設けた孔を貫通して、防水パンDの床下側に通され、排水管(図示せず)側に配管接続されている。間仕切り壁21を軽量鉄骨ボード貼(LGS)に構成しておけば、簡単に間仕切り壁21に貫通孔をあけることができ、この貫通孔に直管部分12を通せばよい。配管途中は、図2に示すように、適宜U字ボルト43で配管支持が行われている。 【0048】従来はユニットバス50下は施工後の床下点検が困難なため、かかる部分で漏水のおそれがある継手を使用して屈曲配管接続することができなかったが、本発明では、図2に示すように、ユニットバス50下を通して、その先を防水パンD側に曲げた屈曲配管が行えることとなる。 【0049】かかる屈曲管10の配管に際しては、屈曲部13には、継手がないためこの部分でのメンテナンス作業は考慮する必要がない。従って、メンテナンス時の作業空間の確保などのための床上げ処置を施す必要がない。 【0050】また、図8に示す従来例とは異なり、洗面所Aの床下側を配管が通っていないため、面倒な洗面所A側の床上げが不要となり、配管施工の省力化が図れる。 【0051】また、上記構成では、図2に示すように、屈曲管10側と配管ユニット31側との接続は、床上げを行っても特段居住性などに影響を及ぼすことのない下足入れCの床下側で行われている。そのため万が一メンテナンスが必要となっても、下足入れCの床を外すだけでよく、洗面所Aの床を外してメンテナンスする従来構成の場合に比べて、きわめて簡単にメンテナンスが行える。 【0052】あるいは、短管35、継手42の経路部分を短い長さの屈曲管で置き換えるようにして、かかる下足入れC内でのメンテナンスを不要とすることもできる。 【0053】上記説明では、本発明の屈曲管10をユニットバスの床下配管として、特に屈曲部13を平面状に寝かせた状態で配管する場合について説明したが、図3(a)に示すように床下に向けて降ろした竪管61と床下を這う横走り管62との配管接続が必要な箇所でも、竪管61と横走り管62とを継手63を介して配管接続する代わりに、屈曲管10を使用することにより図3(b)に示すように、簡単な配管接続とするようにしてもよい。 【0054】図3(a)の構成では、継手配管を行うため、継手63のフランジ64部分でのボルト連結作業に必要な作業空間の確保が必要となり、配管勾配に必要な高さh1の高さでは作業空間の確保ができない場合には、その作業空間を確保するためにh2分だけその高さを高く設定しなければならない。 【0055】しかし、図3(b)の構成では、屈曲管10を使用して継手配管を行わないため、作業空間の確保には一切考慮する必要がなく、配管勾配に必要な高さh1分だけの高さを確保すればよい。そのため、図3(a)の構成の床上げ高さHに比べて、屈曲管10を使用した図3(b)の構成の床上げ高さH’を、高さh2分低くすることができる。 【0056】なお、図3(b)に示す屈曲管10は、図1に示した直交方向に両直管部分11、12を交差させた構成とは異なり、床下配管の横走り管の配管勾配を考慮にいれて両直管部分11、12を90度より大きい角度で交差するように構成されている。かかる両直管部分11、12の交差角度は、使用箇所に応じて、0度より大きく、180度未満で適宜設定すればよい。 【0057】また、屈曲管10は直管部分11の一方の端に、直管部分11より短い長さの直管部分12を管長手方向が交差する方向に構成した場合についてのみ説明したが、かかる直管部分12を直管部分11の両端側に設けても構わない。かかる場合には、両端側の直管部分12の管長手方向を平行にしても構わないし、空間図形的にねじれ方向に設けても構わないし、さらには反対側に向くようにしても一向に構わない。 【0058】また、屈曲管10を使用する配管方法では、従来の継手を使用して直管同士を接続して曲げ配管を行う場合と比べて、継手を使用しないため、継手部分での配管方向のズレのある程度の吸収は行えないので、屈曲度はある程度精度高く設定しておく必要がある。 【0059】(実施の形態2)本実施の形態では、管壁周囲に耐火被覆を設けた耐火被覆屈曲管100について説明する。 【0060】耐火被覆屈曲管100は、図4に示すように、屈曲形成した内管110と、内管110の管壁外周面を覆う耐火被覆120とから構成されている。内管110は、前記実施の形態1で説明した屈曲管10と同様に、例えば硬質塩化ビニールなどで一体に屈曲形成しておけばよい。 【0061】内管110は、直管部分111、112が屈曲部113を介して、両直管部分111、112の中心軸111a、112aが直交するように一体に屈曲形成されている。 【0062】耐火被覆120は、屈曲形成した内管110の管壁外周面を覆うように固着されている。内管110の両管端側では、所定の長さL3、L3’分だけ耐火被覆120を設けない接続代130が形成され、定尺管に構成されている。 【0063】耐火被覆120としては、繊維を混入した繊維強化モルタルなどの耐火被覆材を使用して、内管110の管壁外周面に所定層厚の耐火層を形成するように設けておけばよい。 【0064】図4に示す定尺管に構成した場合には、耐火被覆120は、直管部分111、屈曲部113、直管部分112に沿って連続的に一体に設けられているが、図5に示すように、直管部分111、112と、屈曲部113とで、耐火被覆120が分離できるように構成しても構わない。 【0065】かかる分離可能な構成では、図5に示すように、内管110の直管部分111、112に対応する直管部分耐火被覆121、122は、屈曲部113に対応する屈曲部耐火被覆123とはそれぞれ分離され、かつ直管部分111、112の管壁外周面に固着せずに設けられている。このように固着されていないので、二重筒状に構成された内側の直管部分111、112に対して、外側の直管部分耐火被覆121、122をずらすことができる。屈曲部耐火被覆123と直管部分耐火被覆121、122との境121a、122aを、図5では破線で示した。 【0066】このように、耐火被覆120の一部を、内管110に対して相対移動させてずらすことができるように構成することにより、図4の定尺管の構成とは異なり、管長さの調節が簡単に行える。 【0067】耐火被覆屈曲管100の管長さを短縮するためには、単に所定長さに切断するのではなく、内管110の管端側に、耐火被覆120を設けない所定長さの接続代130を残すように耐火被覆120の切断処理をしなければならない。 【0068】しかし、耐火被覆120に上記の如くモルタル材を使用する場合には、耐火被覆そのものが硬く形成されているので、耐火被覆120の内側の内管110の外周面に傷を付けないように、耐火被覆屈曲管100の管端側の接続代130に相当する部分の耐火被覆120だけを取り除くことは容易には行えない。 【0069】そこで、図5に示す耐火被覆屈曲管100の管長さを短くするには、その耐火被覆120の分離構成を利用して、次のようにして行えばよい。 【0070】例えば、図5(a)における長さL4の直管部分111を長さL5に短くする場合について以下説明する。直管部分耐火被覆121上の長さL5に相当する位置に、切断目安として切断線cを付ける。 【0071】その後、直管部分耐火被覆121を押さえた状態で、内管110の管端側を叩くなどして、図5(b)に示すように、直管部分耐火被覆121の端部が内管110の管端部に一致するまで引き出す。かかる状態では、直管部分耐火被覆121は屈曲部耐火被覆123から長さL3分離されて、内管110との相対位置がずらされていることとなる。 【0072】この状態で、図5(c)に示すように、直管部分耐火被覆121を切断線cで内管110ごと一緒に切断する。切断後は、図5(d)に示すように、直管部分耐火被覆121の端部を叩いて、屈曲部耐火被覆123まで押し戻せば、必要な接続代130を長さL3分残して耐火被覆屈曲管100の直管部分111の長さL4を、長さL5に縮めることができる。直管部分112側を短縮する場合にも、同様にして行えばよい。 【0073】図5では、屈曲部耐火被覆123の両側で、直管部分耐火被覆121、122とに分離可能に構成したが、いずれか一方のみを分離可能に構成しても構わない。 【0074】また、図5に示す場合には、直管部分耐火被覆121、122と屈曲部耐火被覆123との境121a、122aを、屈曲部113側直近に設けることにより、直管部分111、112の長さ範囲を短縮可能に範囲設定できるように構成したが、管長さの調節範囲をもっと短く設定できる場合には、それに合わせて境121a、122aを、耐火被覆屈曲管100の管端側にずらしておけばよい。このようにすることにより、管短縮に際して内管110に対してずらす耐火被覆120の部分を少なくしてより作業をし易くすることができる。 【0075】(実施の形態3)本実施の形態3では、上記実施の形態2で説明した耐火被覆屈曲管100を使用した建物の配管貫通箇所の曲げ配管部における耐火構造について説明する。 【0076】複数階に構成された建物の配管システムとしては、図6に示すように、パイプシャフト140内に、各階を貫通する竪管150を貫通させておき、この竪管150から各階ごとに横配管を分岐させる構成が知られている。 【0077】マンションや事務所ビルなどのような高層建物では、パイプシャフト140内から横配管を分岐させる場合には、パイプシャフト140の配管貫通部から一定範囲内では、配管部分に耐火被覆を施すことが求められている。現行建築基準法では、図6に示すように、配管貫通部分から1m以内では配管の耐火被覆が必要とされている。 【0078】図6では、竪管150、通気管151、継手152には、所定基準を満たす耐火被覆が施されている。継手152を介して竪管150から分岐される横配管が、各階フロアの下側に床下配管として敷設されている。かかる横配管には、前記構成の耐火被覆屈曲管100が使用されている。 【0079】図6(a)で示す場合には、耐火被覆屈曲管100は、その屈曲度が所定の配管勾配となるように設定され、内管110の管壁外周面を耐火被覆120で覆った構成とされている。フロア側の配管貫通孔と、竪管150側の継手152側との間にかかる構成の耐火被覆屈曲管100を敷設することにより、少なくともパイプシャフト140の配管貫通部分から所定範囲内(図では、例えば1mの範囲内)では、前記実施の形態と同様に曲げ配管の途中で継手を使用することなく床下配管を行うことができる。 【0080】継手を介した配管ではないため、地震時などにおけるかかる範囲内での継手外れ、あるいは継手弛みなどの障害が発生することがなく、かかる継手部の障害に起因する耐火被覆の損傷の虞がない。その分、地震時などにおける曲げ配管部分の耐火性能の信頼性を向上させることができる。 【0081】図6(a)に示す場合には、耐火被覆屈曲管100の耐火被覆120は、屈曲部を含めて一体に設けられた構成になっているが、図6(b)に示すように、所定範囲内(図中では、1m以内)のみ耐火被覆120が施された耐火被覆屈曲管100に構成するようにしても構わない。 【0082】すなわち、図6(b)に示す場合には、パイプシャフト140内の竪管150から継手152を介して、貫通配管させられた耐火被覆屈曲管100の配管貫通部から1m分耐火被覆が施された構成に形成されている。 【0083】また、屈曲管10、耐火被覆屈曲管100を使用する配管方法では、曲げ配管の途中に継手を介した接合部がないため、曲げ配管途中に継手部を有する従来構成の配管方法とは異なり、配管方向のズレなどをある程度継手部で吸収させることができず、屈曲度はある程度精度高く設定しておく必要がある。 【0084】屈曲度が所定範囲に入っているか否かは、屈曲度判定治具160を使用して行えばよい。例えば、屈曲度判定治具160としては、図7に示すように、屈曲管10を載置できる平板部材161に、屈曲管10を間に挟むガイド162を、屈曲管10に求められる所定公差の屈曲度θに沿って設けられている。 【0085】所定公差の屈曲度に曲げ成形されている屈曲管10は、ガイド162間に、図7に示すように、置くことができる。ガイド162間に置けない屈曲管10は、所定の屈曲度に形成されていないと判定できる。 【0086】また、屈曲管10を所定精度の屈曲度に形成するに際しては、曲げ成形後の屈曲管10や耐火被覆屈曲管100の内管110の冷却過程における冷却歪みを極力起こさないようにする必要がある。そこで、曲げ成形した屈曲管10などを熱いうちにガイド162間に置いて、その状態で屈曲管10などの冷却を行えば、屈曲管10などの冷却歪みを所定公差内に収めることができる。 【0087】 【発明の効果】本発明の屈曲管を使用すれば、配管の曲げ部分でも、従来とは異なり継手を使用せずに配管することができる。 【0088】本発明の屈曲管を使用することにより、継手を使用しないで配管の曲げ部分を施工することができるので、往々にして起きやすい継手部分からの漏水事故を未然に防止することができる。 【0089】本発明の屈曲管では、金型により成形されているので、直管を屈曲させた構成とは異なり、屈曲部の管壁の厚さを略均一に形成することができる。 【0090】本発明の屈曲管では、屈曲部の管壁が略均一に形成されているので、単に直管を屈曲させて屈曲部の管壁の厚さが不均一に構成される場合とは異なり、屈曲部での略均一な強度確保が行える。 【0091】本発明の屈曲管を使用すれば、配管の屈曲部に継手を使用せずに済むため、継手部分での漏水などの心配がなく、従来とは異なり、継手部分におけるメンテナンスが不要となり配管後のメンテナンスの手間が大幅に省ける。 【0092】本発明の屈曲管を使用すれば、継手が不要となるため、従来とは異なり、継手位置に配慮した配管ルートを選択しなくても済み、配管設計の自由度を向上させることができる。 【0093】本発明の屈曲管を使用すれば、継手が不要となるため、継手位置での特殊な床上げや、あるいはスラブ下げをする必要がなく、従来に比べて、その分階高を低く抑えることができる。 【0094】本発明の屈曲管を使用すれば、継手が不要であるため、継手作業の空間確保が必要なく、継手作業の空間確保ができないような例えばユニットバス下などでも曲げ配管が簡単に行える。 【0095】本発明の屈曲管では、予め直管部分を横走り可能に構成するとともに、その一端側で屈曲させられて立ち上げられている直管部分を床下の高さ以下に設定することもできるので、現場で床下合わせに定尺の直管を切断施工する手間がかからない。 【0096】本発明の屈曲管では、予め直管部分を横走り可能に構成するとともに、その一端側で屈曲させられた直管部分を床下の高さ以下に設定することもできるため、床下排水を行う箇所に向けて横走り可能な直管部分を差し向け、その先端側の屈曲した直管部分を床下排水側に立ち上げればよいため、配管敷設を妨害する障害物さえなければ、基本的には任意方向への配管が可能となる。 【0097】本発明の屈曲管を使用すれば、上記のように任意方向への配管が可能となるため、それに合わせて水廻の間取りも配管敷設に制約されることがなく、その分間取り設計の自由度を高めることができる。 【0098】本発明の屈曲管を使用して、竪管との屈曲配管を行えば、竪管と横走り管とを継手を介して屈曲配管接続を行う場合に比べて、床上げ高さを低く抑えることができる。 【0099】本発明によれば、耐火被覆を必要とする配管敷設範囲でも屈曲管を使用して、継手なしの曲げ配管を行うことができる。継手外れなどの継手部分にまつわる障害に起因する耐火被覆の損傷を防止して、曲げ配管部における耐火性の信頼性を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112668 【氏名又は名称】株式会社フジタ 【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年8月2日(1999.8.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080001 【弁理士】 【氏名又は名称】筒井 大和 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−120970(P2000−120970A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−218858 |
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