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【発明の名称】 可撓管継手
【発明者】 【氏名】西堀 慎一

【氏名】仁科 雅雄

【氏名】渡辺 善生

【要約】 【課題】可撓管の接続作業を簡便にすること。

【解決手段】筒状の継手主体(1) と、継手主体(1) に挿入螺合される締付け筒(2) と、を具備し、締付け筒(2) が継手主体(1) に対し所定度合いに螺合した初期位置にあるときに締付け筒(2) に蛇腹状の可撓管(8) を挿入可能であり、締付け筒(2) が最終位置まで更にねじ込まれることによって可撓管(8) が抜止め状態に接続される構成である可撓管継手において、締付け筒(2) と継手主体(1) の何れか一方には位置決めリング(6) が設けられると共に、他方には位置決めリング(6) と軸方向に係合する被係合部(100) が設けられ、位置決めリング(6) と被係合部(100) との係合によって前記初期位置にある締付け筒(2) のねじ込みが阻止され、締付け筒(2) の締付力が所定値以上に達したときに前記ねじ込み阻止が解除される構成であること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状の継手主体と、前記継手主体に挿入螺合される締付け筒と、を具備し、前記締付け筒が前記継手主体に対し所定度合いに螺合した初期位置にあるときに前記締付け筒に蛇腹状の可撓管が挿入可能であり、前記締付け筒が最終位置まで更にねじ込まれることによって前記可撓管が抜止め状態に接続される構成である可撓管継手において、前記締付け筒と前記継手主体の何れか一方には位置決めリングが設けられると共に、他方には前記位置決めリングと軸方向に係合する被係合部が設けられ、前記位置決めリングと前記被係合部との係合によって前記初期位置にある前記締付け筒のねじ込みが阻止され、前記締付け筒の締付力が所定値以上に達したときに前記ねじ込み阻止が解除される構成であることを特徴とする可撓管継手。
【請求項2】 請求項1において、前記位置決めリングは、前記締付け筒の外周面に形成された周方向に延びる環状溝に対して外嵌した構成であり、前記環状溝の前記ねじ込み方向の後方側の周壁は、前記後方側に向って漸次直径拡大するテーパ壁である可撓管継手。
【請求項3】 請求項1において、前記位置決めリングは、前記締付け筒に一体的に結合されると共に、前記位置決めリングの強度は、前記締付け筒の締付力が所定値以上に達したときに前記ねじ込みが可能となるように破損する程度に設定されている可撓管継手。
【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記位置決めリングは、前記締付け筒に設けられた無端リングであり、前記継手主体に於ける前記締付け筒螺合側の開放端部の端面は、前記位置決めリングと対向する環状シール面であり、前記締付け筒に於ける前記位置決めリングを挟んで前記環状シール面と対向する位置から環状のシールフランジが張り出し、前記締付け筒が前記最終位置にあるときに前記環状シール面と前記シールフランジとが前記位置決めリングを全周に亙って液密性及び通気性のある状態に挟圧する可撓管継手。
【請求項5】 請求項4において、前記位置決めリングは、液密性及び通気性のある材質よりなる可撓管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、可撓管継手、特に、蛇腹状の可撓管が接続される可撓管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の可撓管継手の断面図であり、図13は、図12の位置決めリングの斜視図である。図12に示す従来の可撓管継手は、筒状の継手主体(9a)と、この継手主体(9a)に挿入螺合される締付け筒(9b)と、を具備しており、この締付け筒(9b)の先端部には、可撓管(8) を接続する為の環状のリテーナ(91)が装着されている。
【0003】そして、締付け筒(9b)には、位置決めリング(9c)が外嵌している。この位置決めリング(9c)は、図13に示すように、周方向の一箇所が開放したC字状に形成されており、締付け筒(9b)のねじ込み方向の後方側の張出し部(95)と、継手主体(9a)の前記後方側の端面部(94)との間に介在されている。又、この位置決めリング(9c)は、締付け筒(9b)が継手主体(9a)に対し所定度合いに螺合した初期位置にあるときに、張出し部(95)及び端面部(94)に当接する構成となっている。従って、この位置決めリング(9c)によって、締付け筒(9b)が前記初期位置に位置決めされている。
【0004】このものでは、締付け筒(9b)が前記初期位置にあるときに、締付け筒(9b)及びリテーナ(91)に可撓管(8) が挿入可能となっており、この可撓管(8) の挿入によって、図12に示すように、リテーナ(91)の内周部が可撓管(8) の谷部に入り込んだ状態となる。そして、位置決めリング(9c)を締付け筒(9b)から取り外し、この後に、締付け筒(9b)を最終位置まで更にねじ込むと、リテーナ(91)は、継手主体(9a)のテーパ面(92)に嵌入されて外周拘束状態で可撓管(8) の山部に係合したものとなる。これによって、可撓管(8) が抜止め状態に接続されたものとなる。
【0005】又、このねじ込みによって、可撓管(8) の先端外周部が継手主体(9a)内の環状パッキン(93)に当接することから、可撓管(8) と継手主体(9a)との間の気密が確保される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来のものでは、可撓管(8) の接続作業に際して継手主体(9a)に対し締付け筒(9b)をねじ込むまえに、締付け筒(9b)から位置決めリング(9c)を取り外す必要があるから、この接続作業が面倒なものとなっていた。本発明は、可撓管の接続作業を簡便にすることを課題とする。
【0007】[1項]
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決するために講じた本発明の解決手段は、『筒状の継手主体と、前記継手主体に挿入螺合される締付け筒と、を具備し、前記締付け筒が前記継手主体に対し所定度合いに螺合した初期位置にあるときに前記締付け筒に蛇腹状の可撓管が挿入可能であり、前記締付け筒が最終位置まで更にねじ込まれることによって前記可撓管が抜止め状態に接続される構成である可撓管継手において、前記締付け筒と前記継手主体の何れか一方には位置決めリングが設けられると共に、他方には前記位置決めリングと軸方向に係合する被係合部が設けられ、前記位置決めリングと前記被係合部との係合によって前記初期位置にある前記締付け筒のねじ込みが阻止され、前記締付け筒の締付力が所定値以上に達したときに前記ねじ込み阻止が解除される構成であることを特徴とする』ものである。
【0009】このものでは、上記一方の位置決めリングは、上記他方の被係合部に係合して前記締付け筒のねじ込みを阻止しているから、この位置決めリングによって締付け筒が初期位置に位置決めされたものとなる。この初期位置にある締付け筒に可撓管を挿入した後に、この締付け筒を締め込むと、その締付力が所定値以上に達したときに、位置決めリングによる前記ねじ込み阻止が解除される。つまり、上記した位置決め状態が解除される。
【0010】そして、この解除後に、締付け筒を更に最終位置までねじ込むと、可撓管がこの可撓管継手に抜止め状態に接続されたものとなる。
【0011】
【発明の効果】本発明では、以上説明したように、締付け筒をねじ込んでその締付力が所定値以上に達すると、位置決めリングによる位置決め状態が解除されるから、従来のように前記位置決め解除の為に位置決めリングを締付け筒から取り外すことが不要であり、この可撓管接続作業が簡便なものとなる。
【0012】[2項]上記1項において、『前記位置決めリングは、前記締付け筒の外周面に形成された周方向に延びる環状溝に対して外嵌した構成であり、前記環状溝の前記ねじ込み方向の後方側の周壁は、前記後方側に向って漸次直径拡大するテーパ壁である』ものでは、締付け筒の環状溝の周壁の内、前記ねじ込み方向の後方側の周壁が前記後方側に向って漸次直径拡大するテーパ壁であるから、締付け筒の締付力が所定値以上に達すると、締付け筒のねじ込みに伴って、位置決めリングの内周部がテーパ壁に沿って拡大して環状溝から脱出する。この脱出によって、上記ねじ込み阻止が解除される。この後は、テーパ壁の大径側に続く円筒表面に沿って位置決めリングが摺動しながら、締付け筒が上記最終位置までねじ込まれる。
【0013】このものでは、位置決めリングが環状溝のテーパ壁に摺動して環状溝から脱出するから、前記解除動作がスムーズである。尚、この位置決めリングとしては、無端リングや、周方向の一部を開放させたC字状リングを含む。尚、上記した1項に於いては、この2項の他、環状溝の前記周壁や位置決めリングが破損することにより位置決めリングが環状溝から脱出するものを含む。
【0014】[3項]上記1項において、『前記位置決めリングは、前記締付け筒に一体的に結合されると共に、前記位置決めリングの強度は、前記締付け筒の締付力が所定値以上に達したときに前記ねじ込みが可能となるように破損する程度に設定されている』ものでは、締付け筒の締付力が所定値以上に達したとき、位置決めリングの破損により上記ねじ込み阻止が解除される。
【0015】このものでは、位置決めリングが締付け筒に一体的に結合されているから、位置決めリングを紛失する心配がない。又、取付け不良の問題も生じない。尚、この3項においては、位置決めリングと締付け筒とが一体成形されたものや、これら両者が接着されたものを含む。
[4項]上記1項〜3項の何れかにおいて、『前記位置決めリングは、前記締付け筒に設けられた無端リングであり、前記継手主体に於ける前記締付け筒螺合側の開放端部の端面は、前記位置決めリングと対向する環状シール面であり、前記締付け筒に於ける前記位置決めリングを挟んで前記環状シール面と対向する位置から環状のシールフランジが張り出し、前記締付け筒が前記最終位置にあるときに前記環状シール面と前記シールフランジとが前記位置決めリングを全周に亙って液密性及び通気性のある状態に挟圧する』ものでは、締付け筒が上記最終位置にある状態では、継手主体の環状シール面と締付け筒のシールフランジとの間に位置決めリングが全周に亙って挟圧される。そして、この挟圧部は、全周に亙って液密性を有するから、この挟圧部から可撓管継手内に雨水が侵入しない。
【0016】一方、可撓管が金属製であり可撓管に合成樹脂製の被覆管が被せられている場合に、この可撓管に誤ってクギ等が貫通しているときには、通常、被覆管の貫通部からガスが漏れないから、前記挟圧部の気密を保持したままで、ガス漏れ検査を実施しても、異常無しと判定されてしまう。しかし、前記挟圧部が通気性を有することから、可撓管と被覆管との間から継手主体内に流入したガスが前記挟圧部から外部に漏れるものとなり、ガス漏れ検査時に異常有りと判定される。即ち、ガス漏れ検査時の誤判定が防止される。
【0017】[5項]上記4項に於いて、『前記位置決めリングは、液密性及び通気性のある材質よりなる』ものでは、前記挟圧部での液密性及び通気性が位置決めリング自体によって確保されているから、前記挟圧部の構成が簡単である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本願発明の実施の形態に於ける可撓管継手の断面図であり、図2は、図1の可撓管継手の締付け筒(2) の外観斜視図であり、図3は、図2の締付け筒(2) の部分断面斜視図であり、図4は、図1の可撓管継手に於いて可撓管(8) の接続作業初期の断面図であり、図5は、図1の可撓管継手に於いて締付け筒(2)に可撓管(8) が挿通された状態の断面図であり、図6は、図1の可撓管継手に於いて締付け筒(2) を最終位置までねじ込んだ状態の断面図であり、図7は、図1の位置決めリング(6) の斜視図である。
【0019】この実施の形態の可撓管継手は、図1に示すように、ガスコック等に接続される筒状の継手主体(1) と、この継手主体(1) に挿入螺合される締付け筒(2) と、この締付け筒(2) に一体的に結合されたリテーナ(3) と、を具備している。尚、継手主体(1) 、締付け筒(2) 及びリテーナ(3) は、何れも金属製である。この可撓管継手に接続される可撓管(8) は、金属製の蛇腹管であり、この可撓管(8) に於いて先端部の複数の山部及び谷部を除く部分には、合成樹脂製の被覆管(80)が被せられている。
【0020】[各部の構成について]
*継手主体(1) *継手主体(1) の下流端部(図1では上端部)の外周部分には、ガスコック(図示せず)のガス入口部に挿入螺合される雄ネジ(11)が形成されている。継手主体(1) の上流端部の内周部分には、後述の締付け筒(2) と螺合する雌ネジ(13)が形成されており、この雌ネジ(13)の開放端の端面は、後述の位置決めリング(6) に対向する環状シール面(16)となっている。
【0021】そして、雌ネジ(13)の下流側には、環状凹部(15)が連続している。この環状凹部(15)は、後述のリテーナ(3) に可撓管(8) が強制挿入された時にリテーナ(3)の先端部が外周側に拡大するのを許容する為のものである。更に、この環状凹部(15)よりも下流側には、締付け筒(2) のねじ込み方向に向けて漸次直径が縮小するテーパ部(17)が形成されており、このテーパ部(17)よりも下流側(図1では上方)には、小径のガス通路(18)が形成されている。
【0022】又、このガス通路(18)の上流端とテーパ部(17)の下流端との間には、可撓管(8) の先端部を受ける環状の管受け面(51)が形成されており、この管受け面(51)には、可撓管(8) との間の気密を確保する為のOリング(52)が装着されている。*締付け筒(2) *上記した継手主体(1) に対して雌ネジ部(13)側(上流側)から挿入螺合される締付け筒(2) は、図1及び図2に示すように、外周部が六角状の工具対応部となる筒部(22)と、これの下流側に続く円筒部(23)と、を具備している。
【0023】筒部(22)の内周部には、全周に亙って延びる凹溝(26)が形成され、この凹溝(26)には、可撓管(8) に被せられた被覆管(80)(図4参照)に対して全周に亙って接触する凸字状断面の環状パッキン(27)が嵌め込まれている。この環状パッキン(27)によって、締付け筒(2) と可撓管(8) との境界部から締付け筒(2) 内への雨水等の侵入が防止されている。
【0024】円筒部(23)の先端部(下流端部)は、継手主体(1) の雌ネジ(13)と螺合する雄ネジ部(24)となっており、この円筒部(23)には、これから下流側に延びる複数の薄板状の連結部材(41)を介して後述のリテーナ(3) が一体的に結合されている。尚、これら連結部材(41)と締付け筒(2) とリテーナ(3) とは、単一の金属製部材により一体成形されている。
【0025】*リテーナ(3) *上記したリテーナ(3) は、図1〜図3に示すように、円筒状であり、このリテーナ(3) には、その先端(下流端)から切り込まれた複数のスリット(46)が円周方向に並んでいる。これらスリット(46)によって、リテーナ(3) が拡大・縮小可能となっている。
【0026】そして、このリテーナ(3) の先端部には、内周側に突出し且つ周方向に延びる係合凸部(37)が形成されており、この係合凸部(37)の内周縁の直径は、このリテーナ(3) の自由状態にて可撓管(8) の山部の直径よりも小さく且つ可撓管(8) の谷部の直径より大きく設定されている。又、リテーナ(3) の先端部の外周部には、弾性を有するCリング(55)が外嵌装着されている。
【0027】尚、リテーナ(3) が環状凹部(15)に臨むように位置したときに、締付け筒(2)は、継手主体(1) に対し所定度合いに螺合した初期位置にある。
*位置決めリング(6) *図1〜図3に示すように、上記した締付け筒(2) には、位置決めリング(6) が設けられると共に、継手主体(1) には、位置決めリング(6) と軸方向に係合する被係合部(100) が設けられている。そして、前記係合によって前記初期位置にある締付け筒(2) のねじ込みが阻止され、又、締付け筒(2) の締付力が所定値以上に達したときに前記ねじ込み阻止が解除される構成となっている。
【0028】具体的には、位置決めリング(6) は、液密性を有するが通気性を有する弾性材料よりなり、図7に示すように、矩形断面の無端リングとなっている。そして、この位置決めリング(6) は、円筒部(23)に於ける雄ネジ部(24)の上流側隣接部の外周面に形成された周方向に延びる環状溝(28)に対して外嵌しており、この環状溝(28)の上記ねじ込み方向の後方側の周壁は、後方側に向って漸次直径拡大するテーパ壁(29)となっている。
【0029】そして、継手主体(1) の上記ねじ込み方向の後方端面(継手主体(1) に於ける締付け筒(2) 螺合側の開放端の端面)は、位置決めリング(6) と対向する環状シール面(16)となっており、この環状シール面(16)が上記した被係合部(100) となっている。つまり、締付け筒(2) が上記初期位置にあるときに環状シール面(16)に位置決めリング(6) が当接して締付け筒(2) のねじ込みが阻止される。
【0030】又、締付け筒(2) の筒部(22)のねじ込み方向の前方側端面部は、位置決めリング(6) を挟んで環状シール面(16)と対向するように張り出す環状のシールフランジ(25)となっている。
[可撓管(8) の接続作業について]この可撓管継手では、上記したように、継手主体(1) に対して締付け筒(2) が上記初期位置にあるときに、締付け筒(2) の環状溝(28)に外嵌した位置決めリング(6) が継手主体(1) の環状シール面(16)に当接してねじ込み阻止状態となっているから、この位置決めリング(6) によって、締付け筒(2) が前記初期位置に位置決めされたものとなっている。
【0031】そして、この可撓管継手に可撓管(8) を接続する際には、先ず、前記初期位置にある締付け筒(2) に可撓管(8) を挿入する。すると、図4に示すように、可撓管(8) の最先端の山部(81)がリテーナ(3) の係合凸部(37)に当接する。この当接状態から、更に可撓管(8) を強制的に押し込むと、山部(81)がリテーナ(3) を拡大させることから、係合凸部(37)が山部(81)を乗り越えてこれに続く谷部(82)に入り込む(図5の状態)。このとき、リテーナ(3) 自体の弾性復帰力に加えてCリング(55)の付勢力でもリテーナ(3) が縮小するから、谷部(82)への係合凸部(37)の嵌入動作が確実となっている。
【0032】この状態から締付け筒(2) を締め込んでその締付力が上記所定値以上に達すると、締付け筒(2) のねじ込みに伴って、位置決めリング(6) がテーパ壁(29)に沿って拡大して環状溝(28)から脱出する。つまり、位置決めリング(6) による上記ねじ込み阻止が解除される。この位置決め解除後に、締付け筒(2) を更にねじ込むと、これと共回りしながらリテーナ(3) がテーパ部(17)に侵入して、このテーパ部(17)によりリテーナ(3) が縮小される。これによって、係合凸部(37)が谷部(82)に更に深く入り込む。
【0033】このねじ込み途中で、テーパ部(17)とリテーナ(3) との摩擦力が増大してリテーナ(3) と締付け筒(2) との間の連結部材(41)が破壊されるから、この後、係合凸部(37)が回動せず、この回動による谷部(82)の損傷が防止される。このねじ込み時には、位置決めリング(6) が環状シール面(16)で押されて締付け筒(2) に対して上記後方側に移動する。
【0034】このねじ込みによって、締付け筒(2) が最終位置に達したときには、係合凸部(37)と管受け面(51)とで山部(81)が挟圧扁平化されてその外周部がOリング(52)に圧接されたものとなる。従って、この可撓管継手に対して可撓管(8) が抜止め状態及び外周気密状態に接続されたものとなる。又、締付け筒(2) が上記最終位置にあるときに継手主体(1) の環状シール面(16)とこれに対向する締付け筒(2) のシールフランジ(25)とが位置決めリング(6)を全周に亙って挟圧する構成となっている。このとき、位置決めリング(6) が無端リングであるから、前記挟圧部が全周に亙って閉じられたものとなる。
【0035】このものでは、次のような効果を奏する。
A.上記したように、締付け筒(2) をねじ込んでその締付力が所定値以上に達すると、位置決めリング(6) による位置決め状態が解除されるから、従来のように前記位置決め解除の為に位置決めリングを締付け筒から取り外すことが不要であり、この可撓管接続作業が簡便なものとなる。
【0036】B.締付け筒(2) の締付力が所定値以上に達すると、位置決めリング(6) が環状溝(28)のテーパ壁(29)に沿って拡大して環状溝(28)から脱出するから、この位置決めリング(6) の位置決め解除動作がスムーズである。
C.上記したように、締付け筒(2) が上記最終位置にあるときに環状シール面(16)とシールフランジ(25)とが位置決めリング(6) を全周に亙って挟圧するが、この挟圧部にある位置決めリング(6) が液密性を有することから、前記挟圧部を介した可撓管継手内への雨水侵入が防止される。
【0037】D.可撓管(8) が金属製であり可撓管(8) に合成樹脂製の被覆管(80)が被せられているから、この可撓管(8) に誤ってクギ等が貫通しているときには、通常、被覆管(80)の貫通部からガスが漏れないから、前記挟圧部の気密を保持したままで、ガス漏れ検査を実施しても、異常無しと判定されてしまう。しかし、前記挟圧部にある位置決めリング(6) が通気性を有することから、可撓管(8) と被覆管(80)との間から継手主体(1) 内に流入したガスが前記挟圧部から外部に漏れるものとなり、ガス漏れ検査時に異常有りと判定される。即ち、ガス漏れ検査時の誤判定が防止される。
【0038】E.前記挟圧部での液密性及び通気性が位置決めリング(6) 自体によって確保されているから、前記挟圧部の構成が簡単である。
[他の実施の形態]
■.図8は、他の実施の形態に於ける位置決めリング(6a)の斜視図である。上記の実施の形態では、位置決めリング(6) を無端リングとしたが、この位置決めリング(6) に代えて、同図に示すように、周方向の一部を開放させたC字状リングとした位置決めリング(6a)を用いてもよい。尚、この位置決めリング(6a)は、位置決めリング(6) と同様に、環状溝(28)に外嵌するものである。
【0039】このものでは、上記したA、Bの効果を奏する。
■.上記の実施の形態では、位置決めリング(6) は、環状溝(28)のテーパ壁(29)に摺動して環状溝(28)から脱出する構成としたが、これを、環状溝(28)の上記後方側の周壁や位置決めリング(6) の内周部が破損することにより位置決めリング(6) が環状溝(28)から脱出する構成としてもよい。
【0040】■.図9は、更に他の実施の形態に於ける締付け筒(2) の部分断面斜視図である。上記の実施の形態では、締付け筒(2) の環状溝(28)に位置決めリング(6) を外嵌させたが、これに代えて、締付け筒(2) に一体的に結合された位置決めリング(6b)を採用してもよい。
【0041】同図に示すものでは、締付け筒(2) と位置決めリング(6b)とが一体成形されている。又、締付け筒(2) と位置決めリング(6b)との結合部分の強度は、締付け筒(2) の締付力が上記所定値以上に達したときに破壊される程度に設定されている。従って、このものでは、締付け筒(2) の締付によって、前記結合部分が破壊されて位置決めリング(6b)による上記ねじ込み阻止が解除される。
【0042】このものでは、位置決めリング(6b)が締付け筒(2) に一体的に結合されているから、位置決めリング(6b)を紛失する心配がない。又、取付け不良の問題も生じない。尚、締付け筒(2) と位置決めリング(6b)とが一体的に結合されるかぎり、これら両者が一体成形されたものの他、締付け筒(2) と位置決めリング(6b)とが接着されているものでもよい。
【0043】又、締付け筒(2) の締付力が所定値以上に達したときに位置決めリング(6b)が破損して締付け筒(2) のねじ込みが可能となる構成であるかぎり、締付け筒(2)と位置決めリング(6b)とが一体成形されていて、前記締付力が所定値以上に達したときに位置決めリング(6b)が全体的に傘状に撓むように破損するものでもよい。
【0044】■.図10は、更に他の実施の形態の可撓管継手の要部断面図である。上記の実施の形態では、位置決めリング(6) は、液密性を有するが通気性を有する弾性材料よりなる構成であるが、この位置決めリング(6) に代えて、同図に示す位置決めリング(6c)を採用してもよい。この位置決めリング(6c)は、内周側の金属製の内リング(61)と、前記した弾性材料よりなる無端リングとした外周側の外リング(62)と、からなる。そして、外リング(62)は、内リング(61)のよりも上記ねじ込み方向の前方側及び後方側に張り出すように、内リング(61)の外周部に一体的に装着されている。
【0045】この装着の為、同図のものでは、外リング(62)の内周面から外周側に凹んで全周に亙って延びる環状の溝部(63)に対して内リング(61)の外周部が嵌め込まれている。尚、前記装着の為に、他の構成を採用できることは言うまでもない。このものでは、締付け筒(2) が上記最終位置までねじ込まれると、上記した環状シール面(16)とこれに対向するシールフランジ(25)とが、位置決めリング(6c)の内の外リング(62)のみを全周に亙って挟圧する。このとき、外リング(62)が無端リングであるから、前記挟圧部が全周に亙って閉じられたものとなる。
【0046】そして、この挟圧部にある外リング(62)が液密性を有することから、前記挟圧部を介した可撓管継手内への雨水侵入が防止される。又、この外リング(62)が通気性を有することから、上記したガス漏れ検査時の誤判定が防止される。尚、このものでは、内リング(61)が上記した環状溝(28)に嵌め込まれるものであっても、内リング(61)と締付け筒(2) とが一体成形されたものであってもよい。
【0047】■.上記の実施の形態では、環状シール面(16)及びシールフランジ(25)で位置決めリング(6) を挟圧した上記挟圧部は、位置決めリング(6) 自体に液密性及び通気性があることでこれら性質が前記挟圧部に備わる構成とした。この他、位置決めリング(6) が液密性に加えて気密性を有する材質よりなり、前記挟圧状態にて環状シール面(16)及びシールフランジ(25)と位置決めリング(6) との境界部の少なくとも一方に通気性がある構成としてもよい。この為に、例えば、位置決めリング(6) の表面を所定粗さに加工するとよい。
【0048】■.図11は、更に他の実施の形態の可撓管継手の要部断面図である。上記の実施の形態では、位置決めリング(6) を締付け筒(2) に設けて、この位置決めリング(6) が係合する被係合部(100) を継手主体(1) の環状シール面(16)としたが、位置決めリング(6) を継手主体(1) に設けて、被係合部(100) を締付け筒(2) に設けてもよい。この場合、例えば、同図に示すものを採用できる。
【0049】このものでは、位置決めリング(6) は、継手主体(1) の雌ネジ(13)よりも上記後方側の内周面に形成された周方向に延びる環状溝(71)に嵌め込まれている。そして、この環状溝(71)のねじ込み方向の前方側の周壁は、ねじ込み方向に漸次直径縮小するテーパ壁(72)となっている。又、この位置決めリング(6) の内周部は、締付け筒(2) の外周面に形成された周方向に延びる環状凹部(73)に嵌め込まれている。そして、この環状凹部(73)の上記後方側の周壁部(74)が上記した被係合部(100) となっている。又、この環状凹部(73)の深さは、これの内周壁と位置決めリング(6) との間に環状溝(71)の深さ以上の余裕が形成されるように設定されている。
【0050】このものでは、締付け筒(2) の締付力が所定値以上に達すると、締付け筒(2)のねじ込みに伴って、周壁部(74)で押された位置決めリング(6) がテーパ壁(72)に沿って縮小して環状凹部(73)に更に深く入り込むように、ねじ込み方向に移動する。これによって、位置決めリング(6) が環状溝(71)から脱出する。このものでも、上記したA、Bの効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000151977
【氏名又は名称】株式会社藤井合金製作所
【出願日】 平成10年10月14日(1998.10.14)
【代理人】 【識別番号】100076912
【弁理士】
【氏名又は名称】坂上 好博 (外2名)
【公開番号】 特開2000−120957(P2000−120957A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−291661