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【発明の名称】 フレキシブルチューブ用ワンタッチ継手
【発明者】 【氏名】柴渕 利夫

【氏名】中岡 幹夫

【氏名】雁木 和良

【要約】 【課題】フレキシブルチューブを差し込むだけでワンタッチで継手とチューブとを接合でき、しかも継手とフレキシブルチューブとの抜け出し防止性、シール性、シール部の耐火性をも兼備できるようにする。

【解決手段】押輪25の内周にはテーパ面37が形成され、テーパ面37とカラー40との間に環状のリテーナ44が配置され、リテーナ44をテーパ面37に押圧させて芯出しさせる押圧手段51、61が設けられる。リテーナ44は、フレキシブルチューブ1が挿通されたときに、コルゲイト管2の山部4により突部45が弾性的に押し拡げられ、この山部4の通過によって突部45がコルゲイト管2の谷部5に係り合う。筒状本体11の内部のシール21材は、コルゲイト管2の山部4をシール可能であるとともに、少なくともその一部が耐火部56にて形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための継手であって、筒状本体と、先端部が前記筒状本体の内部にねじ込まれる押輪と、前記筒状本体と押輪との内部にわたって配置されるカラーとを具備し、前記フレキシブルチューブは、コルゲイト管が、押輪の端部から、この押輪と前記筒状本体との内部におけるカラーの外周部に向けて挿通可能とされ、前記押輪の内周には、この押輪の先端側に向かって拡径するテーパ面が形成され、前記テーパ面とカラーとの間に環状のリテーナが配置され、前記リテーナは、前記テーパ面に接触可能な外周面と、径方向の内向きに突出する突部とを有し、前記リテーナは、フレキシブルチューブが挿通されたときに、このフレキシブルチューブに押されて前記外周面が押輪のテーパ面から離れるように構成されるとともに、コルゲイト管の外周の山部により突部が弾性的に押し拡げられることによってこの山部の通過を許容し、かつ、この山部を通過させることによって前記突部がコルゲイト管の外周の谷部に係り合うように変形可能とされ、前記筒状本体の内部に環状のシール材が設けられ、この環状のシール材は、その内周面によってコルゲイト管の山部の外周をシール可能であるとともに、少なくともその一部が耐火性を有する材料にて形成されていることを特徴とするフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項2】 リテーナをテーパ面に押圧させるための押圧手段を具備することを特徴とする請求項1記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項3】 押圧手段がコイルばねであることを特徴とする請求項2記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項4】 リテーナの外周に係り合って、コルゲイト管の山部によって突部が弾性的に押し拡げられたときに、これを元の状態に戻そうとする力を発揮するリング状のばねが設けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項5】 コイルばねとリング状のばねとが一体の部材にて構成されていることを特徴とする請求項3および4記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項6】 押圧手段が、シール材とリテーナとの間に配置された筒状のゴム体であることを特徴とする請求項2記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項7】 押圧手段を構成する筒状のゴム体がシール材と一体に形成されていることを特徴とする請求項5記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項8】 リテーナの外周に係り合って、コルゲイト管の山部によって突部が弾性的に押し拡げられたときに、これを元の状態に戻そうとする力を発揮するリング状のばねが設けられていることを特徴とする請求項6または7記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項9】 耐火性を有する材料が、熱膨張性黒鉛を含んだ耐火ゴムであることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項10】 シール材は、熱膨張性黒鉛を含む部分と含まない部分とが一体に形成されていることを特徴とする請求項9記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項11】 リテーナは、突部を一端側に有し、外周面は他端側に形成されたテーパ面にて構成され、前記一端側から他端側に向かう軸心方向の切り込みが周方向の複数の位置に形成され、前記他端側には、コルゲイト管の山部による突部の弾性的な押し拡げと、この山部の通過による突部のコルゲイト管の谷部への係り合いのための変形とを行うための薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項請求項1から10までのいずれか1項記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手。
【請求項12】 コルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための継手に用いられるリテーナであって、前記継手は、筒状本体と、先端部が前記筒状本体の内部にねじ込まれる押輪と、前記筒状本体と押輪との内部にわたって配置されるカラーとを具備し、前記リテーナは、前記押輪とカラーとの間に配置される環状体にて構成されるとともに、前記リテーナの一端側に形成されて径方向の内向きに突出する突部と、前記リテーナの他端側に形成されて押輪の内周テーパ面に接触可能な外周テーパ面と、周方向に沿った複数の位置に形成されて前記一端側から他端側に向かう軸心方向の切り込みと、前記他端側に形成されて、コルゲイト管の山部による突部の弾性的な押し拡げとこの山部の通過による突部のコルゲイト管の谷部への係り合いのための変形とを行うための薄肉部とを有することを特徴とするフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手のリテーナ。
【請求項13】 コルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための継手に用いられるシール材であって、前記継手は、筒状本体と、先端部が前記筒状本体の内部にねじ込まれる押輪と、前記筒状本体と押輪との内部にわたって配置されるカラーと、前記押輪とカラーとの間に配置された環状のリテーナとを具備し、前記リテーナは、径方向の内向きに突出する突部を有し、前記フレキシブルチューブは、コルゲイト管が、押輪の端部から、この押輪と前記筒状本体との内部におけるカラーの外周部に向けて挿通可能とされ、前記突部は、コルゲイト管の挿入時にこのコルゲイト管の山部によって弾性的に押し拡げられるとともに、この山部の通過によってコルゲイト管の谷部へ係り合い可能とされ、前記シール材は、その内周面によってコルゲイト管の山部の外周をシール可能であるとともに、少なくともその一部が耐火性を有する材料にて形成されていることを特徴とするフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手のシール材。
【請求項14】 耐火性を有する材料が、熱膨張性黒鉛を含んだ耐火ゴムであることを特徴とする請求項13記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手のシール材。
【請求項15】 熱膨張性黒鉛を含む部分と含まない部分とが一体に形成されていることを特徴とする請求項14記載のフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手のシール材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブルチューブ用ワンタッチ継手に関し、特にガス配管などに使用されるコルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための、フレキシブルチューブ用ワンタッチ継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のフレキシブルチューブ用継手として、内部に当接面を有する金属製の筒状本体と、コルゲイト管の先端数山分の被覆体が取り除かれたフレキシブルチューブを挿通させた状態で、先端部が前記筒状本体の内部にねじ込まれる金属製の押輪と、この押輪の先端部に取り付けられるとともに、この押輪に挿通されたフレキシブルチューブのコルゲイト管の外周の谷部に係り合い可能な金属製の突部を有するリテーナとを備えたものが、たとえば特開平8−159350号公報に開示されている。
【0003】このようなフレキシブルチューブ用継手においては、押輪を筒状本体に仮にゆるくねじ合わせた状態でこの押輪の中にフレキシブルチューブを挿入させることで、このフレキシブルチューブの先端の山部がリテーナの突部を押し拡げてこの突部の位置を通過する。これにより、リテーナの先端からコルゲイト管の先端が所定量突出した状態で、リテーナの突部がコルゲイト管の谷部に係り合うので、その後に押輪をさらにねじ込むことによって、リテーナの先端から突出したコルゲイト管の先端部分をこのリテーナの突部と前記筒状本体の当接面との間で密接状態で圧し潰すことができる。
【0004】これによって、フレキシブルチューブが継手にシール状態で接続され、金属部どうしによるコルゲイト管の圧し潰しによりシールするのでシール部は耐火性を有し、またコルゲイト管の先端部分がリテーナの突部と筒状本体の当接面との間に挟み込まれているので、コルゲイト管の抜け出しを阻止できる効果もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開平8−159350号公報に記載された継手では、上述のようにフレキシブルチューブの挿入後にさらに押輪のねじ込み作業が必要であり、しかもそのねじ込みによってコルゲイト管の先端部分を圧し潰さなければならないため、比較的大きな力を必要とするという問題点がある。
【0006】そこで本発明は、このような問題点を解決して、継手にフレキシブルチューブを差し込むだけでワンタッチで継手とチューブとを接合することができ、しかも継手とフレキシブルチューブとの抜け出し防止性、シール性、シール部の耐火性をも兼備できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、筒状本体と、先端部が前記筒状本体の内部にねじ込まれる押輪と、前記筒状本体と押輪との内部にわたって配置されるカラーとを具備し、前記フレキシブルチューブは、コルゲイト管が、押輪の端部から、この押輪と前記筒状本体との内部におけるカラーの外周部に向けて挿通可能とされ、前記押輪の内周には、この押輪の先端側に向かって拡径するテーパ面が形成され、前記テーパ面とカラーとの間に環状のリテーナが配置され、前記リテーナは、前記テーパ面に接触可能な外周面と、径方向の内向きに突出する突部とを有し、前記リテーナをテーパ面に押圧させるための押圧手段を具備し、前記リテーナは、フレキシブルチューブが挿通されたときに、このフレキシブルチューブに押されて前記外周面が押輪のテーパ面から離れるように構成されるとともに、コルゲイト管の外周の山部により突部が弾性的に押し拡げられることによってこの山部の通過を許容し、かつ、この山部を通過させることによって前記突部がコルゲイト管の外周の谷部に係り合うように変形可能とされ、前記筒状本体の内部に環状のシール材が設けられ、この環状のシール材は、その内周面によってコルゲイト管の山部の外周をシール可能であるとともに、少なくともその一部が耐火性を有する材料にて形成されているようにしたものである。
【0008】このような構成であると、フレキシブルチューブを継手の内部に挿入するだけのワンタッチ操作で、部材のねじ込み作業などの他の操作はいっさい必要とせずに、これらフレキシブルチューブと継手とがシール状態で互いに確実に接合されることになる。
【0009】また、フレキシブルチューブに継手からの抜け出し力が作用した場合には、リテーナの外周面が押輪の内周のテーパ面に押圧されることで、その反力により突部に径方向の内向きの力が作用し、この力によって突部がコルゲイト管の谷部に強く係り合うことになるため、その抜け出しが阻止されることになる。この場合において、コルゲイト管は一般に薄肉であるが、カラーがこのコルゲイト管をバックアップすることになって、突部の力によりコルゲイト管が変形したり、この変形に伴う継手からの抜け出しが発生したりすることが確実に防止される。
【0010】コルゲイト管と継手とはシール材によってシールされるが、シール材の少なくとも一部が耐火性を有する材料にて形成されているため、火災などの発生時においても、この耐火性を有する材料にて形成された部分は焼失せず、したがって所要のシール性が維持されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1において、1はフレキシブルチューブで、薄肉のステンレス製のコルゲイト管2と、このコルゲイト管2の外周を覆う樹脂製のチューブ状の被覆体3とによって構成されている。コルゲイト管2において、4は山部、5は谷部である。このフレキシブルチューブ1は、コルゲイト管2の先端の数山分につき被覆体3が取り除かれた状態で継手に接続される。
【0012】この継手において、11は筒状本体で、真鍮などの金属によって形成され、その一端に外ねじ部12が形成されることで、ガス管などの被接続体に接続することができるように構成されている。13は六角部で、外ねじ部12のねじ込み操作のために用いられる。14は、その他端側の端面である。
【0013】筒状本体11の他端側の内周には、その開口側から順に、内ねじ部15と、径方向の奥端面16と、環状のシール材収容部17と、コルゲイト管収容部18とが設けられている。コルゲイト管収容部18はパッキン収容部17よりも小径に形成され、その奥部には径方向の奥端面19が形成されている。この奥端面19よりもさらに奥側における筒状本体の内周には、カラー収容部20が形成されている。パッキン収容部17には、環状のゴム製のシール材21が収容されている。
【0014】25は押輪で、真鍮などの金属によって筒状に形成されるとともに、その一端側に、筒状本体11の内ねじ部15にねじ込み可能な外ねじ部26を有する。押輪25の他端側の外周には、ねじ込み操作のための六角部27が形成されている。この六角部27は外ねじ部26よりも大径に形成され、したがって筒状本体11の端面14に向かい合う端面28が形成されている。29は押輪25の先端面であり、押輪25を筒状本体11にねじ込んだ状態で、この筒状本体11の奥端面16に接近するように構成されている。
【0015】押輪25における端面28の基端側の部分には、環状のパッキン31が装着されている。このパッキン31の装着部における押輪25の外周には、このパッキン31が押輪25から抜け出すのを防止するためのストッパとして機能する環状突部32が形成されている。パッキン31は、この環状突部32を乗り越えたうえで所定の位置に装着される。
【0016】押輪25には、フレキシブルチューブ1を挿通させるための孔部33が貫通状態で形成されている。この孔部33における押輪25の他端側の内周には、パッキン34を収容するための環状溝35が形成されている。孔部33において、環状溝35よりも押輪25の一端側には、被覆体収容部36が形成されている。孔部33における押輪25の一端部の内周には、この押輪25の一端側に向かって拡径するテーパ面37が形成されている。このテーパ面37は、押輪25の一端側すなわち開口側では筒状本体11のパッキン収容部17とほぼ同径に形成され、これに対し押輪25の他端側すなわち奥側では、被覆体収容部36よりも小径になるように形成されている。したがって、被覆体収容部36とテーパ面37との境界には径方向の段部38が形成されている。
【0017】40はカラーで、真鍮などの金属や所要の強度を有した樹脂などによって形成されており、筒状本体11と、この筒状本体11にねじ込まれた状態の押輪25との内部にわたって挿通されて、その一端が筒状本体11のカラー収容部20にたとえば圧入されて固定されている。この状態で、カラー40の他端は、押輪25から継手外へ若干突出して位置するように構成されている。カラー40の一端および他端の外周には、それぞれテーパ面41、42が形成されている。フレキシブルチューブ1は、継手に挿入されたときにはカラー40に外ばめされた状態となる。
【0018】図1に示すように押輪25を筒状本体11にねじ込んだ状態において、この押輪25の内周のテーパ面37とカラー40の外周面との間には、環状のリテーナ44が配置されている。図1〜図4において、このリテーナ44は、真鍮などの金属材料により形成され、その一端側すなわち押輪25の開口側には、径方向内向きの突部45が形成されている。この突部45は、その内径が、コルゲイト管2の山部4の外径よりも小さくかつその谷部5の外径と同等以上の寸法となるように形成されている。突部45の内周における押輪25の奥側の部分の内周には、押輪25の奥側に向かうにつれて次第に拡径するテーパ面46が形成されている。また、リテーナ44の他端側の外周には、押輪25のテーパ面37と同じ方向の傾斜をもった外周テーパ面47が形成されている。ただし、両テーパ面37、47の角度は、等しくてもよいし、ある程度相違していてもよい。
【0019】さらにリテーナ44には、突部45を有した一端側から他端側に向かう軸心方向の切り込み48が、周方向の複数の位置に形成されている。この切り込み48はリテーナ44の他端部の手前まで達しており、リテーナ44は、この切り込み48が形成されていない他端部においてのみ、周方向に連続した構成とされている。そして、この周方向の連続部は、テーパ面48に比べ外周部が削り取られた薄肉部49として形成されている。リテーナ44の一端側の外周には、横断面が矩形状の環状溝50が形成されている。
【0020】図1および図7に示すように、シール材21とリテーナ44との間には、押圧手段としての圧縮コイルばね51が介装されている。このコイルばね51は、図5にも示すように、一端側の大リング部52と他端側の小リング部53と、これらリング部52、53どうしを結ぶコイル部54とを有し、大リング部52がシール材21に接するとともに、小リング部53がリテーナ44の環状溝50にはまり込んでいる。そして、コイル部54の作用により、リテーナ44を押輪25のテーパ面37に向けて軸心方向に押圧することができるように構成されている。
【0021】図1および図6に示すように、シール材21は、リング状の耐火部56と一般ゴム部57とが軸心方向に一体化された筒状体によって構成されている。これら耐火部56と一般ゴム部57とは、内径および外径が等しくなるように形成されるとともに、軸心方向の寸法がほぼ等しくなるように形成されている。耐火部56は、たとえばニトリルゴムに熱膨張性黒鉛が混入された構成となっている。一般ゴム部57は、たとえばニトリルゴムによって形成されている。
【0022】このようなものにおいて、継手を構成する場合には、まず筒状本体11にカラー40をテーパ面41の案内によって圧入し、その状態の筒状本体11の収容部17にシール材21をはめこんでおく。また、リテーナ44の環状溝50にコイルばね51の小リング部53をはめ合わせた状態のこれらリテーナ44およびコイルばね51を、筒状本体11の内ねじ部15の内部か、押輪25のテーパ面37の内部かのいずれかに収容しておく。押輪25には、パッキン31とパッキン34とを取り付けておく。このとき、リテーナ44とコイルばね51とは、上述のようにリテーナ44の環状溝50にコイルばね51の小リング部53がはめ合わされた、互いに組み付けられた状態であるため、その取り扱い性が良好である。
【0023】そして、この状態で押輪25を筒状本体11にねじ込むと、図7に示す状態となる。すなわち、筒状本体11の端面14に押輪25の端面28が接近することでパッキン31が圧縮され、またリテーナ44は、コイルばね51の作用によって押輪25のテーパ面37に向けて押され、その外周テーパ面47がテーパ面37に圧接されることで、押輪25に対し芯出しされた状態でこの押輪25に保持される。
【0024】この状態の継手とフレキシブルチューブ1とを接合させる際には、図7に示す状態から、図1に示すようにコルゲイト管2の谷部5で切管されかつコルゲイト管2の先端の数山分につき被覆体3が取り除かれた状態のフレキシブルチューブ1を、コルゲイト管2がカラー40のテーパ面42に案内されてこのカラー40に外ばめされるように、押輪25の端部から孔部33の中に挿入する。このとき、上述のようにカラー40の端部が押輪から若干突出しているため、このカラー40へのコルゲイト管2の外ばめを容易に行うことができる。
【0025】すると、図8に示すように、コルゲイト管2の先端の山部4が、芯出し状態で押輪25に保持されたリテーナ44の突部45に当たり、ばね51の力に抗してこのばね51を圧縮させながら、リテーナ44をシール材21に近づく方向に移動させる。すると、リテーナ44の外周テーパ面47は押輪25のテーパ面37から離れる。
【0026】この状態でさらにフレキシブルチューブ1を挿入すると、もはやそれ以上ばね51を圧縮できなくなり、今度は図9に示すようにコルゲイト管2の山部4がリテーナ44の突部45のテーパ面46に作用して、このリテーナ44を押し拡げようとする。このとき、リテーナ44には周方向に複数の切り込み48が形成され、またリテーナ44に薄肉部49が形成されていることから、リテーナ44の押し拡げは容易に行われる。また、この押し拡げは、コイルばね51におけるリテーナ44の環状溝50にはめ込まれた小リング部53の弾性に抗して行われる。
【0027】同様にしてコルゲイト管2の先端の数山がリテーナ44の突部45を通過すると、このコルゲイト管2の先端の数山は、図1に示すようにシール材21の内部に入り込む。このとき、シール材21は、その内周面がコルゲイト管2の山部4に密着して、このコルゲイト管2との間のシールを行うように機能する。図1は、このときの状態を示す。また、このとき、リテーナ44は、薄肉部49の弾性および特にばね51の小リング部53の弾性によって元の縮径状態に戻っており、ばね51によるテーパ面37側への押し戻し力を受けながら、突部45がコルゲイト管2の谷部5にはまり込んで係り合っている。フレキシブルチューブ1の被覆体3は、収容部36にはまり込んで段部38に接近している。さらに、この状態では、押輪25のパッキン34がフレキシブルチューブ1の被覆体3の外周をシールする。パッキン31、34は、主として継手の内部に水などが浸入することを防止するために用いられる。
【0028】このように、フレキシブルチューブ1を継手の内部に挿入するだけのワンタッチ操作で、部材のねじ込み作業などの他の操作はいっさい必要とせずに、これらフレキシブルチューブ1と継手とをシール状態で互いに確実に接合することができる。
【0029】フレキシブルチューブ1に継手からの抜け出し力が作用した場合には、コルゲイト管2の谷部5に突部45が係り合っているリテーナ44の外周テーパ面47が押輪25のテーパ面37に当たり、リテーナ44は押輪25から径方向内向きの反力を受ける。すると、リテーナ44の突部45が全周にわたってコルゲイト管2の谷部5の外周を押さえ付けることになって、これらリテーナ44とコルゲイト管2との係り合いが確実なものになり、これによって継手からのフレキシブルチューブ1の抜け出しが防止されることになる。このとき、コルゲイト管2はカラー40に外ばめされていることから、このカラー40によってバックアップされることになり、したがってリテーナ44の突部45の押圧によって薄肉のコルゲイト管2が径方向の内向きに変形されることが防止され、このような変形の発生によってリテーナ44の抜け出し阻止作用が低下することが防止される。
【0030】接合完了後に、火災などによって継手が高温にさらされた場合には、シール材21における一般ゴム部57は焼失しても、耐火部56では、熱膨張性黒鉛が膨張して、コルゲイト管2とのシール性を維持する。したがって所要の耐火性が確保されることになる。
【0031】なお、上記においては、コイルばね51の小リング部53がリテーナ44の外周の環状溝50にはまり込んで、コルゲイト管2の通過により拡径したリテーナ44を元の状態に縮径させるようにしたものを説明したが、リテーナ44自身の弾性によって確実に縮径できるのであれば、このように小リング部53を作用させる必要はない。その場合は、リテーナ44には環状溝50を形成せず、またばね51におけるリテーナ44側の端部がリテーナ44の端面を軸心方向に押すだけの構成とすることができる。
【0032】図10および図11は、本発明の他の実施の形態を示す。ここでは、リテーナ44をテーパ面37に押圧して芯出しを行うための圧縮コイルばね51と、リテーナ44の環状溝50にはまり込んでコルゲイト管2の通過時にリテーナ44を元の縮径状態に戻すリング状のばね58とが別体で構成されている。このため、圧縮コイルばね51の小リング部53は、リテーナ44の先端面に接した状態となる。
【0033】図12は、本発明のさらに他の実施の形態を示す。ここでは、押圧手段としての圧縮コイルばねを用いずにリテーナ44が配置されている。すなわち、リテーナ44の突部45の内径がカラー40の外径に比べてあまり大きくない場合は、押圧手段としての圧縮コイルばねを用いなくても、図示のように周方向の一箇所において突部45がカラー40に接することで、リテーナ44が大まかに芯出しされた状態となる。したがってその場合は、コルゲイト管2の挿入時に、リテーナ44が、このコルゲイト管2に押されてテーパ面37における内径の大きな部分すなわち押輪25の先端部の近傍まで移動されても、リテーナ44に大きな芯ずれは発生せず、コルゲイト管2の山部4を支障なく通過させることができる。リテーナ44の環状溝50には、図11に示されたリング状のばね58がはめ込まれている。
【0034】なお、この図12の場合も、コルゲイト管2の挿通時にリテーナ44を自身の弾性によって確実に縮径できるのであれば、リテーナ44の外周に環状溝50を形成せず、したがってリング状のばね58を作用させない構成とすることもできる。
【0035】図13〜図17は、本発明のさらに他の実施の形態を示す。ここでは、リテーナ44を押輪25のテーパ面37に向けて軸心方向に押圧する部材として、前述のコイルばね51に代えて、シール材21とリテーナ44との間に配置された筒状のゴム体61を用いている。
【0036】このゴム体61は、シール材21すなわち一般ゴム部57と同じ材料でこのゴム部57と一体に形成されている。つまり、このゴム体61は、その基端部62がゴム部57に連続するとともに、その先端部63がリテーナ44の先端面64に接するように構成され、軸心方向の弾性力によって、図13に示すようにリテーナ44をテーパ面37に向けて押圧できるように構成されている。このゴム体61は、その内径がシール材21の内径よりもある程度大きく形成されて、シール材21にコルゲイト管2が挿入されるときに抵抗とならないように構成されている。またゴム体61は、径方向に適宜の厚さの薄肉となるように、シール材21よりも外径を小さく形成されている。ゴム体61の先端部63の外周には、わずかな傾斜を有するテーパ面65が形成されている。
【0037】このような構成において、図14に示すようにシール材21とゴム体61とが一体になったものを図13に示すように筒状本体11の内部に配置し、リテーナ44を配して押輪25を筒状本体11にねじ合わせると、リテーナ44は、ゴム体61の作用によって押輪25のテーパ面37に向けて押され、その外周テーパ面47がテーパ面37に圧接されることで、押輪25に対し芯出しされた状態でこの押輪25に保持される。
【0038】この状態の継手にフレキシブルチューブ1を挿入すると、図15に示すように、コルゲイト管2の先端の山部4がリテーナ44の突部45に当たり、ゴム体61の弾性力に抗してこのゴム体61を軸心方向に圧縮させながら、リテーナ44をシール材21に近づく方向に移動させる。すると、リテーナ44の外周テーパ面47は押輪25のテーパ面37から離れる。このとき、図13および図14に示すようにゴム体61の先端部63の外周にテーパ面65が形成されているため、このゴム体61は図15に示すようにシール材21とリテーナ44との間で径方向の外向きに膨らむように弾性変形する。すなわち、径方向の内向きに膨らむように弾性変形してコルゲイト管2と干渉することは、防止される。
【0039】この状態でさらにフレキシブルチューブ1を挿入すると、もはやそれ以上ゴム体61を圧縮できなくなり、今度は図16に示すようにコルゲイト管2の山部4がリテーナ44の突部45のテーパ面46に作用して、このリテーナ44を押し拡げようとする。このとき、リテーナ44には周方向に複数の切り込み48が形成され、またリテーナ44に薄肉部49が形成されていることから、このリテーナ44の押し拡げは容易に行われる。
【0040】同様にしてコルゲイト管2の先端の数山がリテーナ44の突部45を通過すると、このコルゲイト管2の先端の数山は、図17に示すようにシール材21の内部に入り込んでシールされる。また、このとき、リテーナ44は、薄肉部49の弾性によって元の縮径状態に戻っており、ゴム体61によるテーパ面37側への押し戻し力を受けながら、突部45がコルゲイト管2の谷部5にはまり込んで係り合う。
【0041】このように、同様にフレキシブルチューブ1を継手の内部に挿入するだけのワンタッチ操作で、部材のねじ込み作業などの他の操作はいっさい必要とせずに、これらフレキシブルチューブ1と継手とをシール状態で互いに確実に接合することができる。
【0042】なお、この図13〜図17の実施の形態においては、リテーナ44の外周には環状溝は形成されておらず、したがって上述のようにリテーナ44は自身の弾性のみによって元に縮径状態に戻ることになる。なお、必要であれば、先の実施の形態の場合と同様に、リテーナ44の外資優に環状溝を形成して、このリテーナ44に縮径力を付与するリング状のばねを装着してもよい。また、シール材21とゴム体61とは、上述のように一体に形成した方が取り扱い性が良好になりかつ部品点数も低減するが、これらを別体で構成することも可能である。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によると、フレキシブルチューブを継手の内部に挿入するだけのワンタッチ操作で、部材のねじ込み作業などの他の操作はいっさい必要とせずに、これらフレキシブルチューブと継手とをシール状態で互いに確実に接合することができる。また、リテーナの外周面が押輪の内周のテーパ面に押圧され、その反力により突部がコルゲイト管の谷部に強く係り合うことになるため、継手からのフレキシブルチューブの抜け出しを阻止できる。このとき、カラーがコルゲイト管をバックアップすることになって、突部の力によってコルゲイト管が変形したり、この変形に伴う継手からの抜け出しが発生したりすることを確実に防止できる。さらに、コルゲイト管と継手とはシール材によってシールされ、しかもシール材の少なくとも一部が耐火性を有する材料にて形成されているため、火災などの発生時においても、この耐火性を有する材料にて形成された部分は焼失せず、したがって所要のシール性を維持することができる。
【出願人】 【識別番号】000191397
【氏名又は名称】新和産業株式会社
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【出願日】 平成10年10月14日(1998.10.14)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2000−120956(P2000−120956A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−291230