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【発明の名称】 フレキシブル管継手
【発明者】 【氏名】尾崎 一憲

【要約】 【課題】フレキシブル管16の抜け外れの防止、正確な位置決め、シール性の向上を図る。

【解決手段】凸壁部11が形成された取付孔12を有する継手本体13と、この取付孔12に挿入されて取り付けられる取付部材17と、この取付部材17の先端に装着されて凸壁部11側に押圧される係止部材18とを備え、フレキシブル管16の凹部16bに外嵌する係止部材18の略円環板状の係止部24の後端面24aに、取付部材17の先端部14に形成した略円筒壁状の押圧部20の先端面20aが当接して係止部材18を押圧するようにし、係止部24の先端面の内周側には環状凹部26を形成し、凸壁部11の内周部に位置決め凸部11bを形成し、凸壁部11の壁面11aには円環部19aと円筒部19bとが一体に形成されてなるシール部材19を装着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、この係止部材には、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環板状の係止部が形成されるとともに、上記取付部材の先端部には略円筒壁状の押圧部が形成されていて、この押圧部の先端面が上記係止部の取付部材側を向く後端面に当接して該係止部材を押圧することを特徴とするフレキシブル管継手。
【請求項2】 上記係止部材は、少なくともその上記係止部が周方向に連続した断面を有する円環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル管継手。
【請求項3】 上記係止部材は、少なくともその上記係止部がスリット部によって周方向に分割形成されているとともに、このスリット部には柔軟性を有するシール材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル管継手。
【請求項4】 上記取付孔の上記凸壁部側には、該凸壁部側に向かうに従い漸次縮径するテーパ部が形成されるとともに、上記係止部の外周面には、先端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフレキシブル管継手。
【請求項5】 内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、上記凸壁部の内周部には、上記取付部材側に向けて突出して上記フレキシブル管の先端内周に収容される位置決め凸部が形成されていることを特徴とするフレキシブル管継手。
【請求項6】 内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、この係止部材には、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環状の係止部が形成されるとともに、この係止部の上記凸壁部側を向く先端面の内周側には環状凹部が形成されていることを特徴とするフレキシブル管継手。
【請求項7】 上記環状凹部は、外周側が大きく凹むように形成されていることを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル管継手。
【請求項8】 内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、上記凸壁部の上記取付部材側を向く壁面には、上記フレキシブル管の先端が当接する円環部と、この円環部の外周縁から上記取付部材側に向けて延び、押し潰された上記フレキシブル管の先端外周の凸部を収容可能な内径を有する円筒部とが一体に形成されてなるシール部材が装着されていることを特徴とするフレキシブル管継手。
【請求項9】 上記係止部材には、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環状の係止部が形成されるとともに、この係止部の上記凸壁部側を向く先端面の内周側には環状凹部が形成されており、上記シール部材の上記円筒部はこの環状凹部に収容されることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル管継手。
【請求項10】 内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、この係止部材には、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環板状の係止部が形成されるとともに、上記取付部材の先端部には略円筒壁状の押圧部が形成されていて、この押圧部の先端面が上記係止部の取付部材側を向く後端面に当接して該係止部材を押圧するようにされ、上記係止部の上記凸壁部側を向く先端面の内周側には環状凹部が形成され、上記凸壁部の内周部には、上記取付部材側に向けて突出して上記フレキシブル管の先端内周に収容される位置決め凸部が形成され、上記凸壁部の上記取付部材側を向く壁面には、上記フレキシブル管の先端が当接する円環部と、この円環部の外周縁から上記取付部材側に向けて延び、押し潰された上記フレキシブル管の先端外周の凸部を収容可能な内径を有する円筒部とが一体に形成されてなるシール部材が装着されていることを特徴とするフレキシブル管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス配管等に使用されるフレキシブル管の端部に取り付けられるフレキシブル管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のフレキシブル管継手としては、従来例えば図10に示すようなものが提案されている。この図10に示すフレキシブル管継手は、特開平7−145894号公報に記載されたものであって、円周上に複数箇所の軸線方向の切り割り溝を有して、拡径してフレキシブル管1に外挿するとともに縮径してフレキシブル管1の谷部1aに係止する抜止め具2と、この抜止め具2を回転自在に係合するとともに押圧する前部3aとフレキシブル管1が挿通する孔3bを有するナット3と、このナット3に螺合し、内面に上記抜止め具2が嵌入する嵌入内面4aと挿入したフレキシブル管1が突当たる突当壁4bとを有する継手本体4とから構成されている。また、上記継手本体4とナット3の螺合間には、ナット3の増し締め量を残して拡径可能なカラー5が介装されている。
【0003】ここで、このフレキシブル管継手における上記抜止め具2は、フレキシブル管1の外面波山に係止する周方向に4箇所の割溝を有した銅合金製の係止部2aと、この係止部2aを環状に保持するため係止部2aの後端と固着し、上記ナット3と係合する係合突起2bを設けた環状の合成樹脂製のガイド2cとが一体成形されて構成され、ナット3の内周に形成された環状溝3cに上記係合突起2bを係合させて該ナット3の先端部に装着されている。また、継手本体4の上記突当壁4bには環状パッキン6が装着されるとともに、その外周のパッキン挿入溝4cには耐火膨張パッキン7が装着されている。さらに、図中に符号8で示すのはOリングであり、符号9で示すのはT型パッキンである。
【0004】このようなフレキシブル管継手においては、図10の上半分に示されるようにナット3の後端部よりフレキシブル管1を差し込むと、フレキシブル管1の先端部は抜止め具2の係止部2aを押し拡げながら継手本体4内に挿入されて突当壁4bの環状パッキン6に突き当たり、この状態で抜止め具2の係止部2aがフレキシブル管1の谷部1aに嵌合する。次いで、この状態からナット3を回転して継手本体4に増し締め付けを行うと、図10の下半分に示されるようにカラー5が拡径して継手本体4の外面に乗り上げて係止が外れるとともに、ナット3の先端面3dが抜止め具2のガイド2cの段部2dに当接して抜止め具2を継手本体4の嵌入内面4a内に押し込む。すると、これに伴い抜止め具2の係止部2aがフレキシブル管1を係止しながら該フレキシブル管1の管端部1bを突当壁4b側へ押して、抜止め具2と突当壁4bとの間でこの管端部1bが環状パッキン6を介して挟着され、この挟着部で管端部1bのフレキシブル管1の外面波山の1山が押し潰されてフレキシブル管1に継手が接続、固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような従来のフレキシブル管継手では、まず第1に、上述のようにナット3の先端面3dが抜止め具2の係止部2aの後端側のガイド2cの段部2dに当接して抜止め具2を押し込むようにされていて、ナット3の先端面3dとフレキシブル管1を係止する抜止め具2の係止部2aとの間に合成樹脂製のガイド2cが介在することとなり、このためナット3による押し込み力が係止部2aに確実に伝えられずに管端部1bの挟着が不十分となり、フレキシブル管1が継手から抜け易くなるおそれがあった。また、第2に、フレキシブル管1の管端部1bが当接する継手本体4の突当壁4bおよび環状パッキン6の端面が平坦であるため、例えば管端部1bの先端面が斜めに切断されていたり先端面にバリが残っていたりすると、ナット3を回転させることにより抜止め具2を介して管端部1bを突当壁4b側に押し付けた際に、管端部1bが径方向にずれて接続、固定が不安定となってしまったり、場合によっては管端部1bが継手本体4の貫通孔4dから外れてしまったりするおそれもある。
【0006】さらに、上記フレキシブル管継手では第3に、上記抜止め具2の係止部2aと突当壁4bの環状パッキン6との間にフレキシブル管1の管端部1bを挟着して押し潰した際に、この係止部2aの先端面と環状パッキン6の端面との間に管端部1bの外面波山の押し潰された1山分の厚さの間隔があくこととなる。このため、上述のように耐火膨張パッキン7やOリング8、T型パッキン9などを介装しなければ十分なシール性を確保することは困難であり、万一これらに損傷が生じたりするとガス漏れが生じるおそれがある。しかも、第4には、突当壁4bに設けられる環状パッキン6とその外周の耐火膨張パッキン7とが別体であるため、例えばフレキシブル管1の管端部1bにバリなどが残っていて管端部1bを押し込んだ際に環状パッキン6が部分的に強く押圧されたりすると、これら環状パッキン6と耐火膨張パッキン7との間に隙間が生じてしまい、シール性が一層損なわれるおそれもある。
【0007】本発明は、このような背景の下になされたもので、第1にはフレキシブル管の端部から抜け外れることなく確実に接続、固定することが可能なフレキシブル管継手を提供し、第2には挿入されたフレキシブル管の端部を位置決めして継手本体の所定の位置に取り付けることが可能なフレキシブル管継手を提供し、第3には押し潰されたフレキシブル管の端部の厚さ分の間隔によってシール性が損なわれるのを防ぐことが可能なフレキシブル管継手を提供し、第4にはフレキシブル管の端部のバリ等の有無に拘わらず、一層確実なシール性を確保することが可能なフレキシブル管継手を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、まず第1に、内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、この係止部材に、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環板状の係止部を形成するとともに、上記取付部材の先端部に略円筒壁状の押圧部を形成して、この押圧部の先端面が上記係止部の取付部材側を向く後端面に当接して該係止部材を押圧するようにしたことを特徴とする。従って、このようなフレキシブル管継手によれば、係止部材の略円環板状の係止部が取付部材の略円筒状の押圧部の先端面によって直接的に押圧されるので、取付部材の挿入による押し込み力によりフレキシブル管の凸部を凸壁部との間で確実に押し潰して挟着することができ、フレキシブル管端部が容易に抜け外れるような事態を防止することが可能となる。
【0009】ここで、上記係止部材は、上記従来のフレキシブル管継手の抜止め具のように周方向に割溝(スリット部)を有した金属製の係止部を樹脂製のガイドによって環状に保持して一体成形したようなものでもよいが、例えば材質として四ふっ化エチレンやポリアミド、ポリカーボネート等の樹脂を選択して、その弾性係数を500〜3000MPa程度に設定したりすることにより、少なくとも上記係止部を周方向に連続した断面を有する円環状に形成するようにしてもよく、すなわちこの係止部にスリット部を設けることなく該係止部を弾性的に拡径可能としてフレキシブル管の凹部に外嵌せしめるようにしてもよく、この場合には、係止部材を成形する際の工程の簡略化が図られるとともに、シール性の向上を図ることができる。また、上記係止部材を、少なくともその上記係止部がスリット部によって周方向に分割されるように形成した場合でも、このスリット部に柔軟性を有するシール材を充填することにより、係止部を確実に拡径可能としつつもシール性の向上を図ることができる。さらに、上記取付孔の上記凸壁部側に、該凸壁部側に向かうに従い漸次縮径するテーパ部を形成するとともに、上記係止部の外周面には、先端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面を形成すれば、取付部材の挿入によって係止部材が取付孔の凸壁部側に押圧された際に、係止部外周のテーパ面が取付孔のテーパ部に密着するので、一層のシール性の向上を図ることができる。
【0010】また、本発明は、第2に、内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、上記凸壁部の内周部に、上記取付部材側に向けて突出して上記フレキシブル管の先端内周に収容される位置決め凸部を形成したことを特徴とする。従って、このようなフレキシブル管継手においては、上記位置決め凸部の外周側の凸壁部にフレキシブル管の先端部が突き当てられた上で、上記係止部材と該凸壁部との間でフレキシブル管の凸部が押圧されて押し潰されるので、このフレキシブル管の先端面が斜めに切断されていたりバリが残っていたりしても、このフレキシブル管の先端部が上記位置決め凸部を越えて径方向にずれるようなことはなく、継手本体の所定の位置に確実にフレキシブル管端部を取り付けることが可能となる。
【0011】さらに、本発明は、第3に、内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、この係止部材に、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環状の係止部を形成するとともに、この係止部の上記凸壁部側を向く先端面の内周側に環状凹部を形成したことを特徴とする。従って、このようなフレキシブル管継手によれば、係止部材と凸壁部との間でフレキシブル管の凸部が押し潰された際に、押し潰された凸部を係止部の上記環状凹部に収容することができ、この押し潰された凸部の厚さ分の隙間が係止部材と凸壁部との間にあいたりするのを防ぐことができる。また、この環状凹部を、外周側が大きく凹むように形成すれば、一層確実なフレキシブル管端部の抜け防止を図ることができる。
【0012】さらにまた、本発明は、第4に、内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、上記凸壁部の上記取付部材側を向く壁面に、上記フレキシブル管の先端が当接する円環部と、この円環部の外周縁から上記取付部材側に向けて延び、押し潰された上記フレキシブル管の先端外周の凸部を収容可能な内径を有する円筒部とが一体に形成されてなるシール部材を装着したことを特徴とする。従って、このようなフレキシブル管継手によれば、管端部にバリが残されていたりしても、上記シール部材の円環部と円筒部との間に隙間が生じたりすることはなく、一層確実なシール性を得ることができる。また、上記係止部材に、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環状の係止部を形成するとともに、この係止部の上記凸壁部側を向く先端面の内周側に環状凹部を形成し、上記シール部材の上記円筒部をこの環状凹部に収容するようにすれば、管端部の潰された凸部の先後端と外周とが上記環状凹部とシール部材とによって被覆されてしまうので、さらに確実なシール性を得ることが可能となる。
【0013】また、内周に凸壁部が形成された取付孔を有する継手本体と、この取付孔に先端部が挿入されて取り付けられるとともに内周部にフレキシブル管の端部が挿入される筒状の取付部材と、この取付部材の先端に装着されて該取付部材の挿入により上記凸壁部側に押圧され、該凸壁部との間で上記フレキシブル管の先端外周の凸部を押し潰して係止する係止部材とを備えたフレキシブル管継手において、この係止部材に、弾性的に拡径可能とされて上記フレキシブル管の先端側外周の凹部に外嵌する略円環板状の係止部を形成するとともに、上記取付部材の先端部に略円筒壁状の押圧部を形成して、この押圧部の先端面が上記係止部の取付部材側を向く後端面に当接して該係止部材を押圧するようにし、上記係止部の上記凸壁部側を向く先端面の内周側には環状凹部を形成し、上記凸壁部の内周部に、上記取付部材側に向けて突出して上記フレキシブル管の先端内周に収容される位置決め凸部を形成し、上記凸壁部の上記取付部材側を向く壁面には、上記フレキシブル管の先端が当接する円環部と、この円環部の外周縁から上記取付部材側に向けて延び、押し潰された上記フレキシブル管の先端外周の凸部を収容可能な内径を有する円筒部とが一体に形成されてなるシール部材を装着すれば、上記第1〜第4の目的すべてを達成しうるフレキシブル管継手を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態のフレキシブル管継手は、内周に凸壁部11が形成された取付孔12を有する継手本体13と、この取付孔12に先端部14が挿入されて取り付けられるとともに内周部15にフレキシブル管16の端部が挿入される筒状の取付部材17と、この取付部材17の先端に装着されて該取付部材17の挿入により上記凸壁部11側に押圧され、該凸壁部11との間で上記フレキシブル管16の先端外周の凸部16aを押し潰して係止する係止部材18とから主として構成されている。
【0015】継手本体13は、略多段円筒状に形成されたものであって、その中心軸線O方向の一端側(図1および図3において左側)の内周部が上記取付孔12とされるとともに、この内周部の上記軸線O方向略中央部に内周側に一段縮径するようにして上記凸壁部11が形成され、さらにこの凸壁部11よりも軸線O方向他端側(図1および図3において右側)の内周部は、凸壁部11の内周よりも一段大きく拡径して継手本体13の他端に貫通する貫通孔13aとされている。また、この継手本体13の外周部の上記軸線O方向略中央部には、当該継手本体13にスパナ等の作業用工具を係合せしめるための断面略正六角形状のナット部13bが形成されるとともに、この係合部13bよりも他端側は軸線O方向他端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面状に形成されていて、その外周にはテーパネジ部13cが形成されている。
【0016】さらに、上記取付孔12の内周には、継手本体13の一端から僅かに間隔をあけた位置から他端側に向けて所定幅の部分が内周側に僅かに縮径するように形成されており、この部分には雌ねじ部12aが形成されている。また、この雌ねじ部12aよりも上記軸線O方向他端側の部分は、雌ねじ部12aより僅かに拡径した後に軸線Oに垂直な段部12bを介して縮径し、さらに軸線O方向他端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ部12cを経て上記凸壁部11に至るように形成されている。ここで、この凸壁部11は、その上記一端側を向く壁面11aが軸線Oに垂直な円環状に形成されるとともに、内周面が軸線Oを中心とした断面円形をなすように形成されたものであり、さらに本実施形態ではこの凸壁部11の内周部に、上記壁面11aの内周縁から一端側、すなわち上記取付部材17側に向けて突出する位置決め凸部11bが形成されている。
【0017】この位置決め凸部11bは、軸線Oを中心とする略円筒壁状に形成されたものであって、その内周面が凸壁部11の内周面に面一とされるとともに外周面は上記一端側に向かうに従い縮径するテーパ面状に形成されており、この外周面の外径は、凸壁部11の上記壁面11a側の最も大きな部分で、フレキシブル管16の凹部16bの内径よりも極僅かに小さくなるように設定されていて、該フレキシブル管16の先端を上記取付部材17に挿入して凸壁部11側に押し付けた際に、この位置決め凸部11bがフレキシブル管16の先端内周に嵌挿されて収容されるようになされている。なお、この位置決め凸部11bの上記壁面11aからの軸線O方向の突出高さは、本実施形態では該壁面11aから取付孔12の上記段部12bまでの高さと略同等か僅かに小さくなるように設定されている。
【0018】さらに、本実施形態では、この位置決め凸部11bの周りの凸壁部11の取付部材17側を向く上記壁面11aに円環状のシール部材19が装着されている。このシール部材19は、四ふっ化エチレン樹脂等の軟質でかつ気密性を有する材質から形成されていて、円環状の上記壁面11aに密着させられる平板状の円環部19aとこの円環部19aの外周縁から垂直に取付部材17側に向けて延びる円筒部19bとが上記材質により一体成形されて構成されている。このうち上記円環部19aは、その内径が上記位置決め凸部11bの外周面の壁面11a側の部分に密着可能な大きさとされるとともに、外径は上記壁面11aの外径よりも若干小さく設定されている。また、上記円筒部19bは、その内径がフレキシブル管16の凸部16aの外径よりも僅かに大きく、押し潰されたフレキシブル管16先端の凸部16aを収容可能とされるとともに、その外周面は、取付部材17側の部分が取付部材17側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面状に形成されている。
【0019】一方、このような継手本体13の取付孔12に取り付けられる上記取付部材17は、該取付孔12に挿入される先端側(図1および図3において右側)に向かうに従い段階的に縮径するやはり多段円筒状に形成されており、その後端側(図1および図3において左側)の外周部には、フレキシブル管16の取付時に取付部材17にスパナ等の作業用工具を係合せしめるための断面略正六角形状のナット部17aが形成されている。また、このナット部17aよりも先端側の上記先端部14の外周には、取付孔12の雌ねじ部12aに螺合する雄ねじ部14aがナット部17aとの間に僅かに間隔をあけて形成されている。
【0020】そして、取付部材17の先端部14においてこの雄ねじ部14aよりも先端側の部分は、軸線Oに垂直な段差部14bを介してその外径が雄ねじ部14aよりも一段縮径する略円筒壁状に形成されており、本実施形態における押圧部20とされている。すなわち、この押圧部20は、上記段差部14bの内周側から軸線Oに同軸に取付部材17の先端側に突出する円筒壁部が該取付部材17に一体に形成されて構成されており、その先端面20aは上記軸線Oに垂直な円環状の平坦面に形成されている。また、この押圧部20の外周面20bには、上記段差部14bとの間に間隔をあけて、外周側に小さく突出する係合凸部20cが軸線O回りに周回する環状に形成されており、この係合凸部20cの後端側を向く壁面は軸線Oに垂直に形成される一方、該係合凸部20cの先端側を向く壁面は先端側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面状に形成されている。
【0021】さらにまた、上記取付部材17の内周部15は、取付部材17の後端から先端側に向けて、軸線O方向に上記雄ねじ部14aの後端側において一段縮径するように形成されており、その後端側の大径部15aがフレキシブル管16の外周を覆う被覆部16cを挿入可能な内径とされるとともに、先端側の小径部15bは、上記被覆部16cを剥ぎ取ってむき出しにされたフレキシブル管16先端の上記凹凸部16a,16bを有する金属製の本体16dを略嵌挿可能な内径とされて、この内径のまま上記押圧部20の先端面20aの内周に直交するように形成されている。なお、この内周部15の上記大径部15aには軸線O回りに周回する環状の凹溝15cが形成されており、この凹溝15cにはリング状のパッキン21が装着されていてフレキシブル管16の上記被覆部16cの外周に密着させられている。また、図1に示すように取付部材17の雄ねじ部14aを継手本体13の雌ねじ部12aに僅かに螺合させた状態において、取付部材17外周の上記ナット部17aの先端と継手本体12の後端との間には、樹脂製のスペーサリング22が取り外し可能に介装されており、さらに上記ナット部17aの先端側において取付部材17の外周とスペーサリング22との間にはOリング23が取り付けられている。
【0022】このような取付部材17の先端に装着される上記係止部材18は、本実施形態では図4に示すように略円環板状をなす係止部24と、この係止部24の取付部材17側を向く円環状の後端面24aの外周縁から後端側に延びる円筒状の装着部25とが、ポリアセタールやポリアミド、ポリカーボネート等の樹脂によって一体に成形されたものであって、その弾性係数は2000〜10000MPaに設定されている。ここで、本実施形態では、この係止部材18に、その上記係止部24から装着部25の先端側にかけて図4に示すように上記軸線Oを含む平面に沿って延びる複数のスリット部18a…が軸線Oを中心とする周方向に等間隔に形成されていて、これらのスリット部18a…により係止部24は周方向に分割されて軸線Oに対する径方向外周側に弾性的に拡径可能、かつ径方向内周側にも弾性的に縮径可能とされており、さらに係止部24が弾性変形していない状態において該係止部24の内周部は、フレキシブル管16外周の凹部16bに外嵌可能な内径とされている。
【0023】また、本実施形態では、この係止部材18の係止部24の上記凸壁部11側を向く先端面の内周側に、環状凹部26が形成されている。この環状凹部26は、本実施形態では上記係止部24の先端面の内周側の部分が円環状に後端側に向けて一段凹むようにして形成されたものであって、この環状凹部26の先端側を向く底面26aは軸線Oに垂直に形成されるとともに、この底面26aの外周縁から先端側に屹立する周壁面26bは軸線Oを中心とした円筒内壁面状に形成されている。さらに、この周壁面26bの内径は、凸壁部11に装着された上記シール部材19の円筒部19bのテーパ面状をなす外周面の小径となる取付部材17側の周縁部よりも大きく、かつこの外周面の大径となる凸壁部11側の周縁部よりも僅かに小さく設定されていて、取付部材17を継手本体13の取付孔12にねじ込んで係止部材18を凸壁部11側に押圧した際に、図3に示すようにこのシール部材19の円筒部19bが環状凹部26に収容されて押し潰され、上記底面26aと周壁面26bとフレキシブル管16の押し潰された凸部16aの外周とに密着するようになされている。
【0024】なお、本実施形態では、この係止部24の外周面の先端側に、その先端側、すなわち取付孔12の凸壁部11側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面24bが形成されており、そのテーパ角は継手本体13の取付孔12の上記テーパ部12cのテーパ角と略等しく設定されるとともに、該テーパ面24bの先端側の小径となる周縁部の外径は、上記テーパ部12cの大径となる段部12b側の周縁部の内径よりも小さく、かつ該テーパ部12cの小径となる凸壁部11側の周縁部の内径よりは大きくなるように設定されていて、取付部材17の先端部14を取付孔12にねじ込んで係止部材18を凸壁部11側に押圧した際に、このテーパ面24bが密着して係止部24がテーパ部12cに収容され、さらに係止部材18が押し込まれることで係止部24が僅かに縮径させられるようになされている。また、この係止部24の外周面の後端側の部分は、取付孔12の雌ねじ部12aの内径よりも僅かに小さな外径の円筒面状とされ、当該係止部材18の上記装着部25の外周面に面一となるように形成されている。さらに、この係止部24の上記後端面24aは上記軸線Oに垂直な平坦面状に形成されている。
【0025】また、この係止部材18の上記装着部25は、その内径が取付部材17の先端部14の上記押圧部20の外周面20bに形成された係合凸部20cの外径と略同等とされて、この係合凸部20cが該装着部25に内嵌可能とされるとともに、この装着部25の内周部の後端には、内周側に小さく突出する断面方形の被係合凸部25aが軸線O回りに環状に周回するようにして一体形成されている。この被係合凸部25aは、その内径が押圧部20の外周面20bの外径と略同等とされてこの円筒壁状の押圧部20に外嵌可能とされるとともに、その後端側を向く端面が装着部25の後端面と面一とされ、さらに係止部24の上記後端面24aから該被係合凸部25aの先端側を向く端面までの部分が、取付部材17の押圧部20の先端面20aから係合凸部20cの後端側を向く壁面までの部分に、軸線O方向において先後両端側から外嵌可能とされている。
【0026】このように形成された係止部材18は、取付部材17の先端側からその装着部25を上記押圧部20に嵌挿して後端側に押し込むことにより、装着部25の後端側の部分が拡径するように係止部材18が弾性変形しつつ、上記被係合凸部25aが押圧部20の外周面20bの係合凸部20cを乗り越えて図1に示すように該係合凸部20cと取付部材17の先端部14の上記段差部14bとの間に嵌め込まれ、軸線O回りに回動可能かつ軸線O方向には係合した状態で上記押圧部20に装着される。そして、この装着状態で、取付部材17の押圧部20の軸線Oに垂直とされた上記先端面20aは、同じく軸線Oに垂直な平坦面とされた係止部材18の係止部24の後端面24aに全面的に密着して当接可能とされている。さらに、こうして係止部材18が取り付けられた取付部材17は、上記パッキン21、スペーサリング22、およびOリング23が装着された上で、シール部材19が装着された継手本体13の取付孔12に、スペーサリング22が当接するまで雄ねじ部14aが雌ねじ部12aにねじ込まれることにより取り付けられ、これにより本実施形態のフレキシブル管継手が組み立てられる。
【0027】このように構成されたフレキシブル管継手をフレキシブル管16の端部に取り付けるに際しては、まず上述のように被覆部16cが剥ぎ取られたフレキシブル管16の端部を取付部材17の内周部15に後端側から挿入することにより、このフレキシブル管16の本体16dの最先端の凸部16aが係止部材18の係止部24を押し拡げて拡径させ、さらに凸部16が係止部24を乗り越えたところで係止部24が縮径して図1に示すように該凸部16aに連なるフレキシブル管16の凹部16bに外嵌される。次いで、上記スペーサリング22を取り外し、ナット部13b,17aにスパナ等の作業用工具を係合させて継手本体13と取付部材17とを相対回転させ、雌ねじ部12aに雄ねじ部14aをねじ込んで取付部材17の先端部14を取付孔12に挿入して行くことにより、上記係止部材18の係止部24が取付部材17の押圧部20の先端面20aによって押圧されてフレキシブル管16先端の上記凸部16aが継手本体13の凸壁部11側に押し付けられ、この凸壁部11と係止部24との間で凸部16aが押し潰されて円環板状に偏平させられるとともに軸線O方向に挟着されて係止され、フレキシブル管16の端部に当該フレキシブル管継手が固定される。
【0028】しかして、上記構成のフレキシブル管継手においては、まず第1に、上記係止部材18の先端に弾性的に拡径可能とされてフレキシブル管16先端側外周の凹部16bに外嵌する略円環板状の係止部24が形成されるとともに、上記取付部材17には、その先端部14に略円筒壁状の押圧部20が形成されていて、この押圧部20の先端面20aが上記係止部24の取付部材17側を向く後端面24aに当接して該係止部材18を押圧するようになされている。すなわち、円環板状の係止部24の後端面24aが押圧部20の円環状の先端面20aによって直接的かつ全面的に支持されて押圧されることとなるので、雄ねじ部14aをねじ込んで取付部材17の先端部14を取付孔12に挿入することによる押し込み力により、この係止部24によってフレキシブル管16の上記凸部16aを凸壁部11との間で確実に押し潰して挟着し、係止することができる。
【0029】この点、上記従来のフレキシブル管継手においては、図10に示されるようにナット3の先端面3dが抜止め具2の後端側に延びるガイド2cの段部2dに当接し、このガイド2cを介して抜止め具2の係止部2aを押圧するようにされており、このガイド2cが合成樹脂製であることとも相俟ってナット3のねじ込みによる押し込み力を確実かつ効率的に係止部2aに伝えることは不可能であり、管端部1bの挟着が不十分となってフレキシブル管1が継手から抜け易くなるおそれがあったが、本実施形態のフレキシブル管継手によれば、上述のようにフレキシブル管16の凸部16aを確実に挟着して係止可能であることから、フレキシブル管16が後端側に引っ張られるようなことがあっても、フレキシブル管16の端部が容易に抜け外れてしまうような事態を防止することができ、より安全性の高いフレキシブル管の接続を図ることが可能となる。
【0030】また、本実施形態では、上記係止部材18の係止部24から装着部25の先端側にかけてスリット部18a…が形成されており、これによりフレキシブル管16の端部を挿入する際に、係止部24を容易に拡径せしめてフレキシブル管16の凸部16aを押し込み可能としつつ、略円環板状の形状を維持して係止部24を凹部16bに確実に外嵌させることができる。その一方で、本実施形態では、この係止部24の外周にテーパ面24bが形成されるとともに、取付孔12の凸壁部11側にはテーパ部12cが形成されていて、取付部材17の先端部14を取付孔12にねじ込んで挿入することにより、上記テーパ面24bがテーパ部12cに密着した上で、さらに係止部24が僅かに縮径させられるようになされており、これによって上記スリット部18a…が狭められて閉塞されるので、フレキシブル管16の凸部16aを押し潰して挟着した後では、このスリット部18aからガスが漏れ出すようなことはない。
【0031】ただし、本実施形態の係止部材18では、上述のように弾性係数を設定した上でスリット部18a…を形成することによって係止部24を容易に拡縮径可能としているが、例えばこれを四ふっ化エチレンやポリアミド、ポリカーボネート等の樹脂材料により形成したりして、その弾性係数を500〜3000MPa程度に設定した場合には、このようなスリット部18a…を形成せずとも、例えば図5に示す変形例の係止部材31のように、円環板状の係止部24とその後端面24aの外周縁から後端側に延びる円筒状の装着部25とを一体形成して、少なくとも係止部24が上記スリット部18aなどにより不連続となることなく周方向に連続した略一定形状の断面を有する円環状の係止部材18を用いることも可能である。しかるに、このような係止部材18を用いた場合には、弾性係数が上記範囲に設定されていることにより、フレキシブル管16の凹部16bへの外嵌やテーパ部12cへの収容の際に係止部24を拡縮径可能とするとともに、取付部材17の先端面14aによる押圧によって上記凸部16aを押し潰し可能としつつも、スリット部18aが形成されることがないため、係止部材31の製造工程の簡略化を図ることができるとともに、シール性を向上させてガス漏れ等の発生を一層確実に防止することが可能となる。
【0032】また、上記実施形態の係止部材18のように、スリット部18a…を形成して係止部24が周方向に分割されるようにした場合でも、例えば図6に示す他の変形例の係止部材32のように、このスリット部18a…に、加硫ゴムや、ポリオレフィン系、スチレン系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系等のエラストマー樹脂などの柔軟性を有するシール材33を充填してスリット部18aを封止しておくことにより、係止部24を確実に拡縮径可能としつつも、シール性の向上を図ってガス漏れ等の発生を一層確実に防ぐことできる。なお、これら図5および図6に示した変形例の係止部材31,32において、上記実施形態の係止部材18と共通する部分には同一の符号を配してある。また、これら変形例の係止部材31,32を用いたフレキシブル管継手においては、上述のようにスリット部18aが形成されないことやシール材33を充填することによってシール性が確保されるため、上記実施形態のように係止部24の外周にテーパ面24bを形成したり取付孔12にテーパ部12cを形成したりせず、凸壁部11側に押圧した際に係止部24が縮径しないような構造とすることも可能であるが、一層のシール性の向上を図るためには、かかる変形例の係止部材31,32を用いたフレキシブル管継手においても、図示の通りテーパ面24bやテーパ部12cを採用することが望ましい。
【0033】第2に、上記構成のフレキシブル管継手においては、上記凸壁部11の内周部に、取付部材17側に向けて突出して上記フレキシブル管の先端内周に収容される位置決め凸部11bが形成されており、取付部材17の内周部15に挿入されたフレキシブル管16の先端部は、その内周に上記位置決め凸部11bが挿入されて軸線Oに対する径方向に位置決めされつつ該位置決め凸部11bの外周の凸壁部11に突き当てられて係止部材18の係止部24により押圧され、上記凸部16aが凸壁部11との間で押し潰されて係止されることとなる。従って、例えばフレキシブル管16の先端が斜めに切断されていたり、あるいはこの先端にバリなどが残されていたりして、突き当てられたフレキシブル管16の先端が押圧された際に上記径方向にずれ動こうとしても、このずれは上記位置決め凸部11bによって拘束されるため、この位置決め凸部11bを越えてフレキシブル管16の先端がずれ動くようなことはなく、継手本体13の所定の位置に確実にフレキシブル管16の先端を突き当てて取り付けることができ、これによりフレキシブル管16を安定して接続、固定することができるとともに、該フレキシブル管16とガス器具等に接続される継手本体13の上記貫通孔13aとを確実に連通させることが可能となる。
【0034】また、特に本実施形態では、この位置決め凸部11bの外周面が、継手本体13の一端側、すなわち取付部材17側に向かうに従い漸次縮径するテーパ面状に形成されているので、フレキシブル管16の先端が凸壁部11側に突き当てられる前に径方向に多少ずれていても、位置決め凸部11bをこのフレキシブル管16の内周に確実に挿入して位置決めすることができる。なお、本実施形態ではこの位置決め凸部11bを略円筒壁状として凸壁部11に一体に形成しているが、例えば周方向に分割して形成したり、あるいは継手本体13とは別体に形成したものを凸壁部11の内周側に接合したりして取り付けるようにしてもよい。
【0035】さらに、第3に、上記構成のフレキシブル管継手においては、上記係止部材18に、弾性的に拡径可能とされてフレキシブル管16の先端側外周の凹部16bに外嵌する略円環状の係止部24が形成されるとともに、この係止部24の上記凸壁部11側を向く先端面の内周側に環状凹部26が形成されており、係止部材18の係止部24と凸壁部11との間でフレキシブル管11先端の凸部16aが押し潰された際に、この押し潰された凸部16aが上記環状凹部26に収容されるようになされている。このため、上記フレキシブル管継手によれば、この押し潰されたフレキシブル管16先端の凸部16aの厚さ分の隙間が係止部24の先端面と凸壁部11との間にあいてしまうのを防ぐことができてシール性を確保することができ、例えば押し潰されたフレキシブル管16の凸部16a外周の折り曲げられた部分に亀裂が生じたりしても、この亀裂を介して上記隙間からガスが漏れ出たりするような事態を防止することが可能となる。
【0036】ところで、上記第1の実施形態の係止部材18では、上記環状凹部26の円環状をなす底面26aが上記軸線Oに垂直となるように形成されていて、この環状凹部26が係止部材18の後端側に凹む深さが内周側と外周側とで等しくされているが、これを、例えば図7に示す変形例の係止部材34の係止部24の先端面に形成された環状凹部35のように、その先端側を向く底面35aが外周側に向かうに従い後端側に漸次凹むテーパ面状に形成するなどして、該環状凹部35を内周側よりも外周側の方が大きく凹むように形成するようにしてもよい。図8は、このような環状凹部35を有する係止部材34を装着した本発明の第2の実施形態のフレキシブル管継手を示すものである。ただし、上記図7に示す変形例の係止部材34と、この図8および図9と示す第2の実施形態のフレキシブル管継手においても、図1ないし図4に示す第1の実施形態のフレキシブル管継手およびその係止部材18と共通する部分には同一の符号を配してある。
【0037】しかるに、この第2の実施形態においては、取付部材17の先端部14を継手本体13の取付孔12にねじ込んで挿入することにより、係止部材34の係止部24によってフレキシブル管16先端の凸部16aを押圧した際に、図9に示すようにこの凸部16aは内周側の方が軸線O方向に薄くなるように押し潰され、外周部は厚く膨らんだままの状態とされることとなる。従って、この第2の実施形態のフレキシブル管継手によれば、この厚く膨らんだ外周部によってフレキシブル管16の押し潰された凸部16aが内周側に向けても強固に上記係止部24に係止されることとなり、これによりフレキシブル管16の端部が抜け外れるような事態をさらに確実に防止することが可能となるとともに、凸部16aの外周部が強く折り曲げられることがないので、この外周部に亀裂が生じたりするのも防ぐことができ、シール性の向上を図ることもできる。
【0038】しかも、この第2の実施形態では、フレキシブル管16の押し潰された凸部16aの後端側を向く面は、上記環状凹部35の底面35aに倣うようにして外周側に向かうに従い後端側に向かうように傾斜させられることとなるので、フレキシブル管16の端部は軸線O方向後端側に向けても係止部24に一層強固に係止されることとなり、フレキシブル管16の端部が抜け外れたりするのをより一層確実に防止することができる。ただし、この第2の実施形態の係止部材34においては、その環状凹部35の底面35aをテーパ面状に形成して外周側が大きく凹むようにしているが、この環状凹部の底面を、例えば外周側が大きく凹む断面階段状に形成したり、テーパ面と軸線Oに垂直な平坦面との組み合わせによって構成したり、あるいは軸線O方向後端側に凹む凹曲面を用いて形成したりするようにしてもよい。
【0039】さらにまた、第4に、上記フレキシブル管継手においては、上記凸壁部11の取付部材17側を向く壁面11aに、フレキシブル管16の先端が当接する円環部19aと、この円環部19aの外周縁から取付部材17側に向けて延び、押し潰されたフレキシブル管16の上記凸部16aを収容可能な内径を有する円筒部19bとが一体に形成されてなるシール部材19が装着されており、フレキシブル管16の先端にバリ等が残されていて凸部16aを押し潰す際にシール部材19の円環部19aが部分的に強く押し付けられたりしても、一体成形された円環部19aと円筒部19bとの間に隙間が生じたりすることがなく、一層確実なシール性を得ることができる。また、上記円筒部19bの内径が、押し潰されたフレキシブル管16の凸部16aを収容可能な大きさとされることにより、この凸部16aの外周部が折り曲げられて亀裂が生じたりしても、ガス漏れ等が生じるのをより確実に防止することができる。
【0040】さらに、上記実施形態では、上述のように係止部材18を凸壁部11側に押圧した際に、この係止部材18の係止部24先端面に形成された上記環状凹部26にシール部材19の円筒部19bが収容されて押し潰され、環状凹部26の底面26aと周壁面26bとフレキシブル管16の凸部16aの外周とに密着するようになされている。従って、このフレキシブル管16の押し潰された凸部16aは、その軸線O方向先端側と後端側とがシール部材19の円環部19aと係止部24の環状凹部26の底面26aとによって押さえ付けられてシールされるとともに、外周側はこの凸部16aの外周部と環状凹部26の周壁面26bとに押し潰されて密着したシール部材19の円筒部19bに被覆されることによって二重にシールされることとなるので、より一層確実なシール性を確保することが可能となる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、第1に、フレキシブル管の凹部に外嵌する係止部の後端面に取付部材の先端部の押圧部を当接させて、この係止部を直接的に押圧することにより、取付部材の挿入による押し込み力によってフレキシブル管の凸部を確実に押し潰して挟着、係止することができ、フレキシブル管の端部が容易に抜け外れるような事態を防止することが可能となる。また、第2に、取付孔に形成された凸壁部の内周部に、取付部材側に向けて突出してフレキシブル管の先端内周に収容される位置決め凸部を形成することにより、この凸壁部に突き当てられたフレキシブル管の先端を径方向に確実に位置決めすることができ、このフレキシブル管の先端が斜めに切断されていたり先端にバリが残っていたりしても、フレキシブル管先端部が径方向にずれ動くのを防いで継手本体の所定の位置に確実に取り付けることが可能となる。
【0042】さらに、第3に、係止部材の係止部の凸壁部側を向く先端面の内周側に環状凹部を形成することにより、係止部材と凸壁部との間で押し潰されたフレキシブル管の凸部をこの環状凹部に収容することができ、この押し潰された凸部の厚さ分の隙間が係止部材と凸壁部との間にあいたりするのを防いで、シール性の向上を図ることができる。さらにまた、第4に、凸壁部の取付部材側を向く壁面に、フレキシブル管の先端が当接する円環部と、この円環部の外周縁から取付部材側に向けて延び、押し潰されたフレキシブル管の凸部を収容可能な内径を有する円筒部とが一体に形成されてなるシール部材を装着することにより、フレキシブル管の先端にバリが残されていてシール部材が部分的に強く押圧されたとしても、このシール部材の円環部と円筒部との間に隙間が生じたりすることがなく、一層高いシール性を確保することができる。勿論、これらの構成をすべて具備すれば、上記の効果をすべて奏するフレキシブル管継手を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000176822
【氏名又は名称】三菱伸銅株式会社
【出願日】 平成10年10月16日(1998.10.16)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外9名)
【公開番号】 特開2000−120955(P2000−120955A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−295908